「トロールズ」(16年・アメリカ) めっちゃカラフルでハッピーなファンタジー・ミュージカル・アドベンチャー・アニメやん!

トロールズ
ディズニー制作のアニメは日本でたいがい劇場公開されるのに、ドリームワークス制作のアニメは、最近じゃほとんど劇場未公開でソフトスルーとなってばっかり。
公開作で記憶にあるのは「シュレック」「カンフー・パンダ」ぐらいで、近作の「クルードさんちのはじめての冒険」も世界的にヒットしたらしいのに日本劇場未公開となっちっちだった。
「クールドさん-」は原始時代を舞台にしたファミリー・アドベンチャーで、上出来の作品だったし、セルDVDを買ったくらい僕のお気に入りの1本だ。
ドリームワークス作品の本作「トロールズ」も、アメリカじゃヒットして続編製作が決まったのに同様の運命で、たいしてPRもされずソフトリリースされちっち。
どうもドリームワークスのアニメ作品を扱ってる日本の映画会社が劇場公開に消極的らしいんだけど、去年、ドリームワークスがユニバーサル傘下に加わったらしいので、風向きが変わり、来年ぐらいから劇場公開されていくかもね。

ま、それはともかく、この「トロールズ」を見ることにしたんだけど、これがもう実に楽しくって、オッサンの僕でも充分に楽しめるポップでカラフル、ポピュラーなヒット曲もたっぷりのアニメだったやん。

歌と踊りとハグが大好きな、世界一ハッピーな小さな妖精トロールたち。
ある日、幸せを知らず世界で一番みじめな生物ベルゲン1人が、
ハッピーツリーのトロールを見つけて食べたら、幸せを感じることが出来た。
そこで、ベルゲンたちは年に一度、トロールを食べるお祭り、トロールフェスを始めた。
そしてやってきたお祭りの日、トロールたちの王様ペピーは、
身を挺して仲間を守り、みんなを安全なところに逃がし、隠れて暮らすことにした。
年月が立ち、ペピーの娘で勝ち気で元気いっぱいのポピー姫は、
ずっとベルゲンに見つからなかったことに安心し、
派手なパーティを開いて楽しもうとした。
ところが、トロールを逃がしたことで追放されたベルゲン王室専属料理人シェフが、
お祭りの明かりを見つけ、トロールたちに襲いかかってきた。
そして、ポピーの仲間がシェフにさらわれてしまった。
シェフは、トロールを手土産に王室に戻り、今度は自分が王の座に座ろうと考えていたのだ。
ポピーは、トロールなのに歌と踊りが嫌いなブランチの隠れ家に、
残った仲間を彼の了解も得ず無理矢理隠すことにし、
単身、さらわれた仲間を助けようとベルゲンの街に向かったが…。

トロールの造形が、最初は、ちょっとお子様向けっぽ過ぎる気がしたけど、
見ている間に、だんだんトロールたちに親しみが湧いてくるな。
勝ち気で向こう見ずなポピー、用心深くてネガティブ指向のブランチ、
また、ベルゲンの王子クリスル、雑用係のブリジットなど、
それぞれのキャラの性格付けや心情が丁寧に描かれていて、
すんなりと物語に入っていけるんだ。

ポピーが心配になって彼女の後を追い、
一緒に行動することになったブランチだが、最初は仲たがいの連続。
なかなか歌ったり踊ったりしない彼にムカッとするポピーだったけど、
その理由は、ブランチの悲しい過去にあった。

また、トロールを食べたことのないベルゲンのグリスル王子と、
彼を密かに慕っているが、自分の存在さえ気付いてもらえないと
思い悩む雑用係のブリジット。

二つのラブストーリーが、トロール救出作戦と上手に絡み、
物語が進むんだけど、ムダのない展開で、ほんと、ストーリーがよく練られている。
グリスルとブリジットのロマンスには、ちょいシンデレラもどきの部分があったけど。

ハッピーなはずのトロールの中に裏切り者がいたり、
ちょいヒネクレ気味のクモなど、
ちょっと大人チックなエピソードも見受けられるけど、
ドリームワークスの作品指向を、会社の創業者の1人ジェフリー・カッツェンバーグが、
「大人と、子供の中にある大人心に向けて映画を作る」と語っていて、
それが、本作にもちょっぴりだが反映されいているみたい。
だから、オッサンの僕にだって楽しめるんだな。

トロールたちが歌う曲は、サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」、ドナ・サマーの「アイ・フィール・ラブ」、ライオネル・リッチーの「ハロー」、それにアース・ウィンド&ファイア、シンディ・ローパーなどのヒット曲で、これまた大人心にビンビンくるのもベリーナイスよ。
ブランチの声を担当している歌手ジャスティン・ティンバレイクが、本作のためにプロデュースした曲「キャント・ストップ・ザ・フィーリング!」も、ほんま佳曲で、聞くだけでウキウキしてくるやん。
アカデミー賞歌曲賞にノミネートされただけはあるわさ。

とにかく、ジャケットからお子様向けやんと判断しないで、
大人の映画&アニメ好きの人にも見て欲しいと思わせる作品やった、ほんまにね。
もちろん、お子様も充分に楽しめるでありんすよ~ん。


20世紀フォックス・ホームエンターテイメント・ジャパン 2017年8月2日リリース



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「ローンウルフ 真夜中の死闘」(14年・アメリカ) 盲目の年老いた退役軍人が狼男退治に命をかける、レトロムード漂うホラーやん!

ローンウルフ 真夜中の死闘
ドラキュラやミイラ男と並ぶ、ポピュラーなホラー・モンスターのひとり、狼男が登場する、ちょっと風変わりなホラー・ムービーがこの「ローンウルフ 真夜中の死闘」。

何が風変わりかっていうと、主人公は年老いた盲目の退役軍人で、ベトナム戦争でのある出来事で心が壊れてしまい、家族とも距離を置いて孤独に生きているって設定だし、物語の舞台となるのが年寄りだらけの高齢者専用住宅地なんよね。

その住宅地に狼男が出没し、老人たちを食い殺すって話で、主人公を演じるのは快作「ステイク・ランド 戦いの旅路」(10)でタフなヴァンパイア・ハンターを演じていたニック・ダミチ。
彼、アメリカのインディペンデント系の作品で活躍している人のようで、「ステイク・ランド-」じゃ脚本もこなす才人みたい。他の脚本作にカニバリズムをテーマにした「肉」(13)があり、どうもホラー指向が強いみたい。
59年生まれだから、本作の出演時は55歳だけど、老けメイクで老人になりきり、孤独に生きる主人公を力演してるやん。

高齢者専用住宅地に、愛犬シャドーと共に引っ越してきた盲目の退役軍人アンブローズ。
新居の壁に食い込んでいた得体のしれない爪を見つけ、不安がよぎる。
その夜、隣人のデロリスが何者かに襲われた。
激しい物音に目を覚ましたアンブローズは、壁を叩いて彼女の名を呼び続けた。
そんな彼のもとに、デロリスを襲った者が侵入し、彼にも襲いかかってきた。
必死に抵抗し、何とか追い払うことは出来たが、
彼を助けようとしたシャドーは息絶え絶えの深手を負った。
アンブローズは、シャドーの苦しみを見かね銃弾を撃ち永眠させた。
翌日、やってきた警官から、デロリスが惨殺された事を知ったが、
近くの森の野生動物が襲ったのだろうと結論付けられる。
でも、昨夜は満月で、ひと月ごとに似た事件が起こっていると聞いたアンブローズは、
襲った者の正体を悟り、一人でそれと戦おうと準備を始めた…。

狼男をモチーフにしながら、主人公の心の闇と、彼と息子夫婦の気まずい関係など、
ドラマ要素を巧みに絡め、どこか80年代チックなレトロなムードを漂わせ描いているな。

監督は、「NITOROニトロ」「スクリーム・アット・ナイト」の
アルゼンチン出身のアドリアン・ガルシア・ボクリアーノ。
僕にはお初の監督だけど、キレの良い演出と編集で、
主人公の心情や周囲の人間関係など、端的に手際良く見せてくれる。
それなりに腕のある監督やないのって思ってしっまたわ。

狼男は、今どきのアメリカ映画に珍しく着ぐるみで登場し、
モッサリしていて動きも妙にダサいところがあるけど、
不思議にこの作品には似つかわしい気がしたな。
人間から狼男に変身していく様でも、CGを僅かに使っているだけで、
あくまで着ぐるみにこだわっているみたい。
狼男を通して、主人公が抱える心の闇を、彼らを倒すことで振り払い、
人生を終えようと覚悟を決める心情に焦点を当てているからで、
監督が、狼男をあまりリアルに見せないでおこうと心掛けたのかもしれない。

アンブローズが、最後の闘いに挑むとき、彼にとって正装である軍服を着るなど、
ちょっと「ローリング・サンダー」を思わせるところもあるが、
退役後も、戦争で心が壊れ、まともに暮らすことができなくなった彼が、
それにケジメをつけるために制服を着たんだろうな。

亡き妻のエンゲージリングの使い方もナイスやん。

ただ、ストーリーに説明不足気味な部分もいくつかあって、
なぜアンブローズがすぐに狼男の存在を察知できたのか?
狼男と教会の神父の関係は?銃砲店でアンブローズの前に銀の銃弾を買ったのは誰?
などなどだが、見ている間はそんなに気にならない。

ダミチを筆頭に登場するのは中年や老人ばかりで、
ノッポの神父スミスに「刑事グラハム/凍りついた欲望」(86)で殺人鬼を演じたトム・ヌーナン、
教会へのバスの世話係グリフィンに「ブギーマン(ハロウィンⅡ)」(81)のランス・ゲスト、
墓石屋のオヤジに「肉」のラリー・フェセンデン他、クセのあるオッサン役者が並んでいる。
彼らのうちの誰が狼男だったのか?
気になる人は作品を見てチョンマゲ!

ラストに、アンブローズの息子ウィルが、様々な思いを込めて満月に向けて銃弾を発射するところ、
なんだか胸に軽くジワ~と来てしまったわ~。

ところで、アドリアン・ガルシア・ボクリアーノ作品って本作も含め、ほとんどが劇場未公開だけど、
彼の過去の作品がみたくなってきなぁ!DISCASで宅配レンタルしようっと!


アクセスエー 2017年8月2日リリース



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「ウォー・ドッグス」(16年・アメリカ) 若者二人が武器売買で大儲け!だけど、良いことばかりは続かないのよねぇ!

ウォー・ドッグス
実話を基にした映画って結構あるけど、この「ウォー・ドッグス」も武器ディーラーの実話をベースにした物語。
監督が、ヒットコメディ「ハングオーバー」シリーズのトッド・フィリップスだし、ジャケットにもクライム・アクション・コメディと銘打っているし、出演が「スーパーバッド 童貞ウォーズ」のジョナ・ヒルだし、ギャグたっぷりのコミカルな作品と思って見たんよね。

ところがどっこい笑いの欠片もない、シリアスで、ちょいシビアな実録ドラマだった。
フィリップス監督が、コメディ以外の作品も作れまっせと、コメディ専門のイメージから脱却したかったのかどうか判らないけど、なかなか興味深い作品に仕上がっていて、僕個人としちゃ楽しめたな。

時は、イラク戦争の真っ只中。
マイアミ・ビーチで暮らす20代前半のデイビッドは、
金持ち相手の出張マッサージで細々と生計をたてていた。
だが、同棲中の恋人イズが妊娠し、今後の生活に不安いっぱいのデイビッド。
ある日、知り合いの葬式で、幼馴染エフレムと久しぶりに再開。
彼から、国防総省(ペンタゴン)のネット入札による武器売買の仕事を持ちかけられ、
デイビッドは彼のパートナーとなる。
初めは、取引も小さかったが、武器輸送トラブルを解決するために戦地に赴き、
命からがら陸軍に無事に武器を届けたことから信用が深まり、扱う取引の額も増えていった。
エフレムの会社も大きくなり、リッチな暮らしを手に入れたデイビッドだったが、
アフガニスタンの軍隊と300万ドルの大型取引を結んだところから、
雲行きが次第に怪しくなっていく…。

タイトルの「ウォー・ドッグス」は原題「WAR DOGS」のまんまで、
「戦場も知らず、戦争で稼ぐクズ」を意味するらしいけど、
ジョナ・ヒル演じるエフレムは、金のことしか頭にないホンマに銭ゲバでクズな青年。
デイビッドに対しても親友と言いながら、心の底じゃ、
そんなことちっとも思っておらず、平気で裏切りよるしねぇ。
そんな男を、ヒルは憎々しも、どこか人間臭さを漂わせリアルに演じて見せる。

デイビッド役は、「セッション」で注目されたマイルズ・テラーだけど、
エフレムに振り回されながらも、彼を親友として信頼し、
300万ドルの大型取引でヤバイ状況に陥ったとき、
大金に目がくらんだのか、躊躇せずに国防総省をダマす行動をとってしまうところなど、
人間の持つ心の弱さとモロさを、実にナチュラルに演じて見せ、なんか共感させられるなぁ。
僕だって、そうしたかもって思わせられてねぇ。

伝説の武器商人ヘンリー・ジラード役に、「ハングオーバー」のブラッドリー・クーパー。
ちょいミステリアスで危険な匂いを放ちながらも、ラストでデイビッドと互いの家族の話をするなど、
これまた、ほのかに人間臭い。

大金に目のくらんだ20代の若者の成功と挫折をシニカルに見つめた作品ともいえるけど、
あんまりお金に執着したらダメよダメダメ、ダメなのよ~、
それも国家を欺くような行為はダメ、絶対ダメって教訓も含まれているような、
そんな気がする作品だったな。

フィリップス監督の演出は、テンポ良く手際良く、上手にまとめ上げているって感じ。
アフガンでのトラックによる武器輸送や、寒々としたロシアでの武器の梱包のすり替えなど、
サスペンスフルとまではいかないけど、生々しさみたいなものが漂ってて、ちょいハラハラさせるし。

イズ役は、「ノック・ノック」のアナ・デ・アルマス。
出番は少ないけど、目鼻立ちのクッキリとした美人で、なかなか魅力的だった。
「ブレードランナー2049」に出演しているらしいけど、レプリカントに扮するのかな。
ちょっぴり気になるやんかいさぁ。

いずれにしろ、この映画、アメリカでヒットしたとも聞かないし、
フィリップス監督、シニカル路線は止めて、コメディ路線に戻るんじゃなかろうか。
「ウォー・ドッグス」が、決してつまらない作品ってわけじゃないんだけどね。


ワーナーブラザース・ホームエンターテインメント 2017年6月21日リリース



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「Mr.&Mrs.スパイ」(16年・アメリカ) 平凡なラブラブ夫婦がスパイ騒動に巻き込まれて、アタフタ・オタフタ、さあ大変!

Mr.&Mrs.スパイ
007ジェームズ・ボンド役で一躍人気スターになったショーン・コネリーが、ボンド・イメージに縛られて、なんとかそのイメージから脱却しようと大変な思いをしたそうだけど、ある役柄で人気を博してしまうと、そのキャラのイメージがずっと付きまとい、後の作品でも同様のキャラをふられることが多いみたい。

大ヒットした「ハングオーバー!!」で、アクの強い変人系キャラを演じたデブ男ザック・ガリフィアナキスも、後の作品にはその手のタイプの役柄が多かったように思うな。
劇場未公開でDVDスルーとなった「奇人たちの晩餐会USA」(10)でも、邦題どおり奇行しまくりちよこの爆走キャラを怪演し、印象が強烈だった。
そんな彼が、もうデブとは言わせないとばかりに体をググッと絞り、普通のオッサン・キャラに挑んだのが、この「Mr.&Mrs.スパイ」。
彼も、やっぱり変人or奇人キャラに縛られるのがイヤになって、幅広い役柄に挑みたかったんやろか。

で、普通体型になって奥さんを愛する善良な男を演じてはみたものの、
な~んか別に彼が演じなくてもいいような、そんな気がする作品だったやん。
監督が、僕の好きな映画「宇宙人ポール」(11)のグレッグ・モットーラだけに、
もっと弾けた笑いを期待したんだけど、善良で平凡なキャラのザックだけに、
そつなくまとまった娯楽映画止まりになっちっち。
でもまあ、近々公開の「ワンダーウーマン」のガル・ガドットのスレンダーでセクシーな魅力は楽しめたし、
節度ある下ネタ・ギャグもそれなりにムフフッとさせるし、
ほどほどに楽しめるライト・コメディ・アクションではあ~りました。

航空宇宙防衛会社の人事部で働いているジェフは、社員たちの様々な問題を聞き、
彼らの仕事がはかどるようにするのが役目。
子どもたちがサマーキャンプにでかけ、しばし妻カレンと二人きりの生活。
そんなジェフたちの向かいに、容姿抜群、そこそこリッチそうなティムとナタリーの夫婦が越してきた。
ちょっと怪しい行動をとるティム達に、勘の鋭いカレンは、
何か秘密があるんではとにらみ、ナタリーを尾行するが、うまくかわされてしまう。
ある日、ティム達から引っ越しの挨拶でプレゼントされたガラスの置物をはずみで壊してしまい、
中から小型盗聴装置を見つけた。
ジェフもティム達に疑惑を抱き、その盗聴装置を会社の警備員カールに調べてもらうことにした。
そして、カールから連絡が入り、カレンと共にカールの住まいを訪れた時、
目の前で、カールが何者かに射殺された。
驚き慌てるジェフ達の前に、ティム夫婦が車を飛ばして現れた。
カールを殺したのはティムの一味だと思い込み、自分達も殺されると逃げようとするジェフ達。
でも、以外にもティムたちは、カールを射殺した狙撃者に銃を向け発砲した。
ティム達は、ジェフ達を救出にやってきたのだ。
訳が分からずオロオロするジェフ達に、実は自分達はスパイで、
ジェフの会社の誰かが、会社の重要データを盗んで悪の組織に売ろうとしており、
それを探っていたのだと説明をする。
納得したジェフ達だったが、自宅に戻った時、突然ティムの家が轟音と共に爆破された。
ティム達も、殺されてしまったのか…。

どうも本作、ホームドラマに、ちょっぴりサスペンス&アクション要素をプラスした、
カ~ルク楽しめる作品をはなから目指したような感じだな。
夫婦間の愛情の問題を、ジェフ達、ティム達、そして犯人達、
それぞれにサラリとではあるが生活感をほんのり漂わせ描いていて、
それはそれで悪くないんだけど。

しかし、ザックは、お人好しで善良なキャラを気張らず演じているが、
大人し過ぎるというか、あまりにも普通過ぎて、
いまいち存在感が希薄で、精彩がないというかね。
室内スカイダイビングが趣味という設定も、物語にちっとも絡んでこないし。
もっと暴走してほしかったわ。

ちょっとオモシロイと思ったのは、悪の親玉スコーピオンとして登場したのが、
ちっとも悪の親玉らしくない、ズングリえびす顔のパットン・オズワルドだったこと。
「燃えよピンポン!」やテレビシリーズ「エージェント・オブ・シールド」に出ていた
コメディ系の俳優さんだけど、凄みを利かせているようで、ちっとも凄みがないところが笑わしよる。

カレン役アイラ・フィシャーは、
コメディ「お買いもの中毒な私!」(09)に主演していた女優だけど、
いまいちクセのない平凡な美人顔で、ドラマのアクセントとなりそうで、ならなずじまい。
彼女なりに頑張っているってって気はするんだけど。

ティム役ジョン・ハムは、
テレビドラマ「MAD MEN」の主役でアメリカじゃ人気が出た渋めの男優。
彼も、あまり存在が際立たないなあ。

この作品、オモシロくなりそうな要素はいろいろあるのに、
俳優の魅力や存在感を映像に描きこみそこないちゃんちゃこやん。
モットーラ監督、手抜きしたんと違うか!と思うくらい。
それとも、プロデューサーが横やり入れて、思うように作れなかったのか。
まあ、脚本も新味に乏しいしいというか、目新しいところがなかったしなぁ。

いずれにしろ、なんかもったいないなぁと思ってしまう、そんな映画であ~りました。
劇場未公開でDVDスルーも仕方ないか、ほんまに。


20世紀フォックスホームエンターテイメント ジャパン 2017年6月21日リリース



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「ロジャー・コーマン デスレース2050」(16年・アメリカ) キッチュでブラックでポップでオバカな、B級・近未来レース・アクションやん!

ロジャー・コーマン デスレース2050
アメリカのB映画の帝王なんて呼ばれてるロジャー・コーマンが、75年に制作した近未来カーレース・アクション「デス・レース2000年」をリメイクしたのが、この、自身の名前もタイトルに入れた「ロジャー・コーマン デス・レース2050」(原題も同じ)。
アメリカなら、ロジャー・コーマンの名を付けることで作品に箔がつくのかも知れないけど、日本じゃ、マニアックな映画ファンならともかく、一般の映画ファンに、水戸黄門の印籠のごとく効果があるのかどうか、ちょっと疑問やんと思うのは僕だけかしらね。

ま、僕は、ロジャー・コーマン制作の映画なら、なんでも見るってわけでもないんだけど、75年版は好きだったので、それをどんな風にリメイクしたんだろ、と気になって見てみたんよ。

今回は、ユニバーサルってメジャー会社が関わっているし、今どきのCGを駆使した、それなりに製作費のかかったSFになってると思いきや、いい意味で安っぽい、なんともキッチュでオバカでポップ、でもってブラック風味満々のB級エンタテインメントだった。
CGもほとんど使われず、あえて70年代の映像感覚を、ちょっと新しめにお色直しして、今風テイストを申し訳程度に加味したというかね。

人口が増え続けた近未来。
アメリカ企業連合国(UCA)は、医療技術が発達し、
赤ちゃんがばかばか生まれ、老人が増えすぎた世の中で、
人口を減らそうと、歩行者を轢き殺す大陸横断カーレースを行っていた。
今度のレースの出場者は5組。
過激な宗教団体の教祖タミー、黒人歌手ミネルヴァ、
遺伝子操作で生まれたパーフェクトヒューマンことジェド、AI搭載の人工知能車、
そして、レースに勝ち続けている伝説の男、体の半分は機械のサイボーグ、フランケンシュタイン。
レースは、殺した人間の数や年齢によってポイントを稼ぎ、一番多いものが優勝するシステム。
スタートするやいなや、歩行者を片っ端から轢き殺し彼らだったが、
その裏で、UCA会長の良からぬ計略が着々と進んでいた…。

それぞれのレースカーが、あえて駄菓子的センスを狙ったのか、
あんまりカッコ良さを感じさせず、なんともチープ。
でもって、次々と人を轢き殺していくんだけど、バラバラの手足が景気よくドバドバぶっ飛ぶ様は、
これまたリアルさの欠片もなく、なんかバカバカしさえ感じ、笑ってしまう。
血飛沫たっぷりなんだけど、妙にノーテンキでエグサを感じないんよね。

レーサー達には助手が付いていて、運転手にレンズを向けたカメラ付きのヘルメットをかぶり、
それで自宅にいる観客に映像を送り、バーチャル中継を体感させているってのが、今風かな。

人工知能車にも女性博士が助手として車内に入っているんだけど、
中で何をしているかと言えば、人工知能に股間を刺激させ、アヘアヘ悶えてるだけ。
歌手のミネルヴァは、ニューアルバムPRのためにレースに参加していて、
♪キル、キル、キル~と歌いまくって、殺しまくりよる。
彼女、自分が狙った獲物(人間)を、教祖のタミーに横取りされ、敵対心がメラメララ~!
ジェドは、自分が完ぺきな人間だと強がりながら、心の片隅に弱さを抱えていて、
自分がバレリーナになってしまう妄想を見たりして、彼なりに悩んでいる。
そして、レース勝利が命のフランケンシュタインは、
新しい美人助手にそっけない態度を取りながらも、徐々に彼女に好意を持つようになるが…。

フランケンシュタインが情報を得て、点数を稼ごうと、保育園らしき屋敷に車を走らせるんだけど、
彼らの親たちが障害を持つ我が子を厄介払いしたくて殺したかったからと察知し、
子どもじゃなく、親たちを轢き殺していくのは、すごいブラックやわぁ。

監督は、新人G・J・エクスターンキャンプ。
netflixで配信されたコメディ・ドラマ「フランクとシンディ」をロジャー・コーマンが気に入って、
本作の監督に抜擢したしたそうだけど、5組のレーサー達を手際よく描き分け、
ブラック・ユーモアたっぷりにテンポ良くストーリーを展開しているな。
フランケンシュタイン殺害を図るレジスタンス一味の中に忍者がいて、
アクロバチックにフランケンシュタインに襲いかかるなど、バカバカしいアイデアが飛び出したり、
オモシロければ何でも有りなエンタメ・スピリットも個人的にはベーリーナイス。
ただ尺の制約もあるのか、キャラ描写にそんなに深みはなく、どのキャラも感情移入しがたいな。
何ていうか、キッチュでオバカなバイオレンスを楽しむ単純明快な娯楽作品どまりなんよ。
ひょっとしたら、はなからそれが狙いだったのかも知れないけど。
ラストに、バーチャル中継を見ていた人々が、フランケンシュタインのメッセージを聞いて、
籠っていた家から街に飛び出し、そして…ってところは、ちょいシニカルでムフッとはさせるけどね。

フランケンシュタイン役は、
「ホビット」シリーズで、オーク族の王アゾクに扮していたらしいニュージーランド俳優。
そこそこ男くさくってタフガイっぽいけど、主役にしてはオーラ不足で、なんかB級止まりな感じ。
助手アニー役、マーシー・ミラーも、
飛びぬけて美人ってこともなく、ほどほどにキレイな女優さんて感じ。
アニーは、実はレジスタンスの一味でフランケンシュタインの命を狙っていたって設定で、
彼のそばで過ごすうちに、いつしか彼の味方になるって展開で、
美味しいヒロイン・キャラなんだけど、いまいち弱いんよね。
シャワーシーンがあるのに、ヌードも見せへんのもなぁ。

まだ、黒人歌手ミネルヴァ役フォラケ・オロワフォイェクや、
宗教団体の女教祖・タミー役のアネッサ・ラムジーのほうが、
個性的なキャラを、マンガチックにノリノリで演じていて、存在感があったな。
パーフェクトヒューマン、ジェド役のバート・グリンステッドも、
尻丸出しの極細パンツ一丁も披露し、全身でオバカになりきって怪演していて、
主役より印象が強いやないの。

UCAの会長役は、A級からC級まで、作品を選ばず何でも出ているマルカム・マクダウェル。
ドナルド・トランプもどきの髪型で、イヤミなキャラを力まずリラックスして演じてる。
彼が画面に登場すると、さすがに画面が締まる、ってこともないか。

とにかく、気楽にチューハイでも飲みながらホゲーと見る分には、
楽しめるんと違うって感じの作品であ~りました。

NBCユニバーサル 2017年6月7日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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