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「タッドの大冒険~失われたミダス王の秘宝~」(17年・スペイン) インディ・ジョーンズもどきの痛快冒険CGアニメの痛快作やん!

タッドの大冒険~失われたミダス王の秘宝~
僕のブログで以前紹介した、スペイン産のアニメ「キャプチャー・ザ・フラッグ 月への大冒険!」がなかなか面白かったので、そのアニメを監督したエンリケ・ガトの新作が、この「タッドの大冒険~失われたミダス王の秘密~」だってので早速レンタルして見たんだ。

なんでも、このインディ・ジョーンズ風味の「タッドの冒険-」は三部作の2作目だそうで、13年に作られた1作目がスペインのアカデミー賞と言われるゴヤ最優秀長編アニメーション賞、新人監督賞を受賞し、劇場でも大ヒットを飛ばしたらしいのね。2作目にあたる本作も、ゴヤ賞長編アニメーション賞をゲットしている。
なのに日本じゃ劇場公開されず、ソフトスルー。
ま、主人公のタッドが鼻デカのイモ兄ちゃんってのが、子供に受けないと思われて劇場公開が見送られたのかも知れないな。

で、これがアクションとギャグたっぷり、恋愛要素も加味されて、
実に楽しさ溢れる痛快この上ないアドベンチャー・CGアニメだった。

建築現場で働くタッドは、かって冒険を共にした美人考古学者サラが
発見したミダス王の首飾りに関する古文書の研究発表をラスベガスの博覧会で行うことになり、
彼女から招待されて愛犬のジェフと共に喜び勇んで出かけていくことになった。
タッドは、そこで久しぶり会うサラに愛を告白するつもりだった。
会場では、サラの助手ティファニーが出迎えてくれ、
彼女の案内でサラと再会したタッドは、告白のチャンスをうかがった。
だが突然、謎の軍団が現れ、
ミダス王の首飾りのことが記された古文書と共にサラが誘拐されてしまった。
謎の軍団のボスは億万長者のラッカム。
彼は、触れるものを黄金に変えると言われるミダス王の3つの首飾りを手に入れ、
世界征服を企んでいたのだ。
タッドは、愛するサラを救出するため、ティファニー、犬のジェフ、サラのペットの鳥ベルゾーニ、
そしてタッドの前に突然現れたミイラと共にラッカム達の後を追ったが…。

サラが海底に潜ってミダス王の古文書を発見するオープニングから、
ラストのタッド達とラッカムのバトルまで、
息つく暇なく豪快なスラプスティック・アクションとネアカなギャグがさく裂しまくりチヨコ!
展開もスピーディーだし、一つ一つのアクションも工夫がされていて、
アニメならではの突拍子もない動きと映像展開にワックワクさせられちゃうんだ。
また、タッドの前に突然現れたミイラのキャラがめっちゃ面白くて、
ラスベガスではエルビス・プレスリーもどきになったり、スペインじゃフラメンコダンサーになったり、
お茶目でオバカで調子っぱずれで、主人公のタッドを食ってしまうほどの強烈な存在感を放っていて、
ギャグもほぼミイラが一手に引き受けてるって感じ。
ミイラ・キャラのおかげで、物語がビンビンに弾けまくってるやん。
なんでも、1作目に登場したキャラのようで、その時タッドを助けたことで仲間から追放されたらしい。
それで行場がなくなり、タッドを頼って彼の前に姿を現したってことみたい。

アニメらしく、タッドの飼い犬ジェフや、自分の気持ちをいちいちボードに書くサラの鳥ベルゾーニ、
それにミダス王の首飾りの一つが眠っている地下室にいたネズミなど動物キャラも登場するが、
いずれも可愛いと言うより、どこかトボケた風情で、人懐っこくて、なんか愛嬌がある。

冒険の合間に、タッドとサラ、そしてティファニーの恋の三角関係が生じたり、
フラメンコダンサーになったミイラにタクシー運転手のオヤジがよろめいたり、
物語に膨らみを持たせ、単調にならず、そこそこ奥行きを感じさせるのもいいなぁ。
タクシー運ちゃんのオヤジがミイラに御馳走したパエリアの鉄板の器が、
ラストで効果的に使われるってのもスペインらしくってムフフとさせられる。

ヨーロッパのアニメったら、アート系のものをイメージしがちだけど、
エンタメに徹した娯楽作もちゃんとあるんだし、
それもアニメに馴染みがないと思えるスペインで、
こういう痛快作が生まれるってのが、なんとなくウレシクなってくる。

日本語吹替えバージョンも、
キャラにマッチした声優さんが当てているのもナイス。

1作目が見たくなってくるけど、本作がレンタル店でヒットするとは思えないし、
ま、いつか見れることを願って気長に待とうかなぁ。
それとタッド・ジョーンズ・シーリズ三作目もね。

とにかくアニメ監督エンリケ・ガトさん。
個人的に注目しておきたい娯楽派の監督さんであ~ります。


パラマウントジャパン 2018年6月6日レンタル&セル・リリース



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「ボックストロール」(14年・アメリカ) ファンタスティックでキュートなストップモーション・アニメの快作やん! 

ボックストロール
日本を舞台にしたストップモーション・アニメ「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」が話題を呼んだスタジオライカ製作のファンタジー・アニメがこの「ボックストロール」。
今年の春に東京都写真美術館ホールで「スタジオライカ特別上映」として「KUBO-」等と合わせて特別上映されたらしいけど、劇場公開とまでは至らずソフトスルーとなっちっち。
なんでも、第87回アカデミー賞の長編アニメ映画賞やゴールデングローブ賞アニメ映画賞にノミネートされたそうだけど、あちらの劇場で大ヒットしたって話も聞かないし、登場キャラやモンスターが日本人にはちょい取っ付きにくいと思われたのか劇場公開が見送られたみたい。
確かに、ジャケットに載ってる主人公達やモンスターを見ると、いまいち可愛げないし、あんまり魅力的には見えないな。
でも僕はスタジオライカ制作の「ココラインとボタンの魔女」(09)が気に入っていたし、レンタルで観ることにしたんだ。

で、これがキャラ達の見事なまでのナチュラルな動きと、背景となる街のファンタスティックな雰囲気にビンビンに魅入られ、個人的には大ヒットのストップモーション・アニメやったやん。
ジャケット画像と違って、主人公達も人懐っこくて好感が持てるし、モンスター達も愛嬌あるんよね。

チーズブリッジの街では、発明家トラブショーの幼い息子が失踪し、
街の地下に住むモンスター、トロールボックスが彼を誘拐して食べたんだという噂が流れ、
それ以来、トロールボックスに襲われないよう、夜は外出禁止令がひかれていた。
街の権力者ラインド卿は、駆除業者スナッチャーにトロールボックス狩りを依頼した。
そして数年後、トロールボックスに食われたと思われていたトラブショーの息子は、
実は彼らに大事に育てられいて、エッグスと名付けられてすくすくと成長していた。
夜になるとエッグスやトロールボックス達は、街に出て屑鉄や捨てられた金属加工品などを漁り、
地下に持ち帰っては、それで様々なマシンや道具を作り暮らしていた。
ある夜、街に出たエッグスは、ラインド卿の娘ウィニーに見つかった。
その後、エッグスを育てたトロールボックスのフィッシュがスナッチャー達に掴まってしまい、
エッグスはフィッシュ救出のために、初めて明るい昼間に街に出たが…。

とにかく、登場キャラ達のスムーズで滑らかな動きに魅了させられてしまう。
感情表現も豊かだし、それぞれがキャラに応じた動作で、個性がはっきりと伝わってくる。
トロールボックス達も、フィッシュを始めそれぞれの個性が際立つように動き、
顔立ちもそれぞれ変化を持たせていて、薄っぺらさの欠片もない。
ウィニーのスカートが走るたびにユラユラと揺れ動くなど、
びっくりするほど細かいところまで丁寧に描写されていて、
時間をたっぷりかけて根気強く製作されたんやなぁと感心しまりチコヨよ。
背景となるチーズブリッジの街の家々や舗道、スナッチャーのアジト、
それにボックストロール達が暮らすの地下世界など、
きめ細か過ぎるやんと思うほどきめ細かく立体的に作られてるのもベリーグッド。
ファンタジーの世界にすんなりと入り込めるのよ。

トロールボックスが幼い子供を食い殺したと噂を流したのは、実はスナッチャーで、
彼はラインド卿に取り入り彼を同じように街の権力者になるため、嘘をついたのだった。
そして、トロールボックス狩りで集めた彼らをある目的のためにアジトの地下で働かせ、
あるものを作らていた。
街の権力者になると、権力者だけのチーズの試食会に出席することができ、
スナッチャーは、それに出ることも夢見ていた。

スナッチャーはチーズが好きなのに食べると顔の様々なパーツがイビツに膨れ上がり、
異様な顔になるんだけど、そのたびに手下達が彼にヒルをたらふく浴びせて血を吸い取って
もとの顔に戻すなど、ちょいグロテスクな描写があったり、
ラインド卿が、自分の娘ウィニーより美味いチーズの方にうつつを抜かしていたり、
ちょいシニカルというか、ダークな要素がちょこちょこあり、物語に微妙な薄暗さを滲ませているな。
スナッチャーが、トロールボックスが人を食うという話を
念押しで街の人々に信じ込ませるためにマダム・フルー・フルーの名で女装して、
野外芝居を演じたりするのも、この作品を見るお子チャマには理解しがたいやんって気もするしな。

どうも、どこかヒネクレているというか、単純に明るく健全なアニメを作ろうとはしなかったみたい。
ま、「ココライン-」もどこかダークで、ヒネクレたところがあったしな。
ライカスタジオの製作ポリシーなんかしら。

それでも、トロールボックスに育てられたエッグスが、自分が人間だと自覚しても、
一緒に暮らしたトロールボックス達を見捨てることはせず、
彼らを助けようと勇気をもって冒険を繰り広げるってところはアドベンチャー物の王道チックだし、
ウィニーが、か弱い少女じゃなく気の強い勝ち気なところも現代風だし、
ライカスタジオならではのポリシーをちょこちょこ残しながらも、
微妙なサジ加減でこの作品を作ったみたい。

英語版の声には、
ベン・キングスレー、エル・ファニング、ジャレッド・ハリス、トニ・コレット、
それにサイモン・ペグとニック・フロストと豪華な俳優が並んでいるけど、
字幕版で見ると、有名俳優が声を担当していてもその有難みをちっとも感じないなぁ。

とにかく映像の隅々まで気が配られた作品だけに、
廉価版DVDが出たら、じっくり見なおしてみようと思った作品であ~りました。


ギャガ 2018年6月2日レンタル&セル・リリース



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「トロールズ」(16年・アメリカ) めっちゃカラフルでハッピーなファンタジー・ミュージカル・アドベンチャー・アニメやん!

トロールズ
ディズニー制作のアニメは日本でたいがい劇場公開されるのに、ドリームワークス制作のアニメは、最近じゃほとんど劇場未公開でソフトスルーとなってばっかり。
公開作で記憶にあるのは「シュレック」「カンフー・パンダ」ぐらいで、近作の「クルードさんちのはじめての冒険」も世界的にヒットしたらしいのに日本劇場未公開となっちっちだった。
「クールドさん-」は原始時代を舞台にしたファミリー・アドベンチャーで、上出来の作品だったし、セルDVDを買ったくらい僕のお気に入りの1本だ。
ドリームワークス作品の本作「トロールズ」も、アメリカじゃヒットして続編製作が決まったのに同様の運命で、たいしてPRもされずソフトリリースされちっち。
どうもドリームワークスのアニメ作品を扱ってる日本の映画会社が劇場公開に消極的らしいんだけど、去年、ドリームワークスがユニバーサル傘下に加わったらしいので、風向きが変わり、来年ぐらいから劇場公開されていくかもね。

ま、それはともかく、この「トロールズ」を見ることにしたんだけど、これがもう実に楽しくって、オッサンの僕でも充分に楽しめるポップでカラフル、ポピュラーなヒット曲もたっぷりのアニメだったやん。

歌と踊りとハグが大好きな、世界一ハッピーな小さな妖精トロールたち。
ある日、幸せを知らず世界で一番みじめな生物ベルゲン1人が、
ハッピーツリーのトロールを見つけて食べたら、幸せを感じることが出来た。
そこで、ベルゲンたちは年に一度、トロールを食べるお祭り、トロールフェスを始めた。
そしてやってきたお祭りの日、トロールたちの王様ペピーは、
身を挺して仲間を守り、みんなを安全なところに逃がし、隠れて暮らすことにした。
年月が立ち、ペピーの娘で勝ち気で元気いっぱいのポピー姫は、
ずっとベルゲンに見つからなかったことに安心し、
派手なパーティを開いて楽しもうとした。
ところが、トロールを逃がしたことで追放されたベルゲン王室専属料理人シェフが、
お祭りの明かりを見つけ、トロールたちに襲いかかってきた。
そして、ポピーの仲間がシェフにさらわれてしまった。
シェフは、トロールを手土産に王室に戻り、今度は自分が王の座に座ろうと考えていたのだ。
ポピーは、トロールなのに歌と踊りが嫌いなブランチの隠れ家に、
残った仲間を彼の了解も得ず無理矢理隠すことにし、
単身、さらわれた仲間を助けようとベルゲンの街に向かったが…。

トロールの造形が、最初は、ちょっとお子様向けっぽ過ぎる気がしたけど、
見ている間に、だんだんトロールたちに親しみが湧いてくるな。
勝ち気で向こう見ずなポピー、用心深くてネガティブ指向のブランチ、
また、ベルゲンの王子クリスル、雑用係のブリジットなど、
それぞれのキャラの性格付けや心情が丁寧に描かれていて、
すんなりと物語に入っていけるんだ。

ポピーが心配になって彼女の後を追い、
一緒に行動することになったブランチだが、最初は仲たがいの連続。
なかなか歌ったり踊ったりしない彼にムカッとするポピーだったけど、
その理由は、ブランチの悲しい過去にあった。

また、トロールを食べたことのないベルゲンのグリスル王子と、
彼を密かに慕っているが、自分の存在さえ気付いてもらえないと
思い悩む雑用係のブリジット。

二つのラブストーリーが、トロール救出作戦と上手に絡み、
物語が進むんだけど、ムダのない展開で、ほんと、ストーリーがよく練られている。
グリスルとブリジットのロマンスには、ちょいシンデレラもどきの部分があったけど。

ハッピーなはずのトロールの中に裏切り者がいたり、
ちょいヒネクレ気味のクモなど、
ちょっと大人チックなエピソードも見受けられるけど、
ドリームワークスの作品指向を、会社の創業者の1人ジェフリー・カッツェンバーグが、
「大人と、子供の中にある大人心に向けて映画を作る」と語っていて、
それが、本作にもちょっぴりだが反映されいているみたい。
だから、オッサンの僕にだって楽しめるんだな。

トロールたちが歌う曲は、サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」、ドナ・サマーの「アイ・フィール・ラブ」、ライオネル・リッチーの「ハロー」、それにアース・ウィンド&ファイア、シンディ・ローパーなどのヒット曲で、これまた大人心にビンビンくるのもベリーナイスよ。
ブランチの声を担当している歌手ジャスティン・ティンバレイクが、本作のためにプロデュースした曲「キャント・ストップ・ザ・フィーリング!」も、ほんま佳曲で、聞くだけでウキウキしてくるやん。
アカデミー賞歌曲賞にノミネートされただけはあるわさ。

とにかく、ジャケットからお子様向けやんと判断しないで、
大人の映画&アニメ好きの人にも見て欲しいと思わせる作品やった、ほんまにね。
もちろん、お子様も充分に楽しめるでありんすよ~ん。


20世紀フォックス・ホームエンターテイメント・ジャパン 2017年8月2日リリース



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「キャプチャー・ザ・フラッグ 月への大冒険!」(15年・スペイン) ボーイ&ガール、そして頑固ジイサンとトカゲ君大活躍のスペースアドベンチャーやんかいさぁ!

キャプチャー・ザ・フラッグ 月への大冒険!
アメリカを舞台に、宇宙飛行士一家の少年と彼の仲間、それに少年の祖父の話だから、てっきりアメリカ製アニメだと思っていたら、な、なんとスペイン製のCGアニメ。
なんでも、スペインのアカデミー賞と呼ばれるゴヤ賞の長編アニメーション賞を受賞した作品なんよね。

日本じゃ、ディズニーやアメリカ・メジャー映画会社のアニメばっかり劇場公開されて、それ以外の国のアニメ作品って、あまりお目にかかる機会が少ないし、スペイン・アニメってどんなもんじゃろ?と見てみることにしたんよ。

で、これが大人だって充分に楽しめる、
なかなか良くできたアニメだった。

登場キャラそれぞれに愛着がわいてくるし、アドベンチャー要素も満々、
でもって”家族が何よりも大事”というメッセージが無理なく、しっかりと描かれていて、
独り者の僕だって、家族っていいなぁなんて思わされ、じんわり心温まったじゃあ~りませんか!

タイトルの「キャプチャー・ザ・フラッグ」というのは、
互いに相手陣地の旗を奪い合う騎馬戦や棒倒しに似た野外ゲームのことで、
宇宙や月とあんまり関係なさそうな題名だなと思っていたら、
月に立てたアメリカ国旗を巡る分争奪戦がクライマックスとなり、なるほどなぁと納得。

12歳の少年マイクの父は宇宙飛行士で、祖父のフランクも元宇宙飛行士だったが、
父と祖父はなぜか絶縁状態で、祖父はマイクの家族に近づこうとしなかった。
ある日、億万長者カーソンが、大衆を前に「アポロの月面着陸はねつ造で、NASAの大ウソだ」とぶちまけ、
それの証拠映像を放映し、自分が月に行ってくると宣言した。
それを聞いた大統領は、カーソンに先んじてスペースシャトルで月に行くことを決定したが、
カーソンの悪巧みにより、そのシャトルに偶然入り込んでいたマイクと仲間のエイミー、
それにフランクを乗せたまま唐突に発射されてしまった。
実は、カーソンは、月にある最強エネルギー、ヘリウム3を独り占めにして、大儲けを企んでいたんだ!
そのために、月に立てられたアメリカ国旗を自分の会社の旗にすげ替えようとしていた…!

カーソンが見せる証拠映像というのが、
ルパート・グリント主演の「ムーン・ウォーカーズ」(15年)でも描かれた、
都市伝説にもなってる、スタンリー・キューブリック監督による月着陸ねつ造映像ってのがニンマリよ。
その映像に現れるキューブリックを、カーソンの会社の掃除婦夫が演じてるってところがムフフッやん。

監督のエンリケ・ガトは、13年に作った「タデオ・ジョーンズの冒険」でも、
ゴヤ賞長編アニメーション賞、新人監督賞をゲットし、大ヒットを飛ばしたらしいけど、
「キャプチャー・-」は、ストーリーが決してお子様向けだけではなく、
祖父が家を出て、父たちと絶縁した理由、そして健気に夫と義父を気づかうマイクの母など、
ドラマ的にも、ちょっぴり深みをプラスしていて、物語に豊かなのがいいんだなぁ。
90分少しの作品だけど、アニメならでは柔軟な映像展開に、メリハリの利いた演出テンポ。
スリルとユーモアの配分も文句ないし、娯楽のツボをしっかり押さえてるやん。

父と祖父の仲を何とか取り持とうとするマイク、少々お転婆なエイミー、
発明家の太っちょマーティ、それにマーティのペットで愛嬌たっぷりのトカゲのゴーグル。
各々のキャラが際立ち、それぞれにしっかり見せ場が用意されているのもいいやん。
特に、ゴーグルの活躍ぶりったら、ほんま拍手拍手よ!

しかしペットにトカゲをもってくるなんて、
アメリカン・アニメなら犬や猫が出てくるところだけに、
スペインならではって気がしたな。でもないか。

悪役カーソンは、極悪人ってところまではいかないけど、
金儲けしか頭にない、ちょい無慈悲で身勝手なワル・キャラが、
マンガチックに描写されていて、マイケルたちの敵としては、丁度いい感じ。

祖父フランクが、息子であるマイクの父を嫌う理由、
それをマイクに話して聞かせるところは、なんだか、ちょい共感させられたわぁ。
僕だって、もしそういう立場になったら、せっかくの宇宙飛行の夢が夢のまま終わってしまうのだから…。

製作には、NASAの宇宙飛行士が技術顧問として参加しているそうで、
スペースシャトルの細部や月の描写など、そこそこリアリティを感じさせるところもナイスやん。

ただ、この作品、アメリカを舞台にしているせいかスペイン色が、あまり感じられない。
アメリカ製アニメと言われたら、それを鵜呑みにしてしそう。
ちょい、スペイン色みたいなもんが漂っていたらなぁとも思ってしまいましたわさ。
ま、ガト監督が、インターナショナルな作品にしようと、
あえてスペイン色を出さなかったのかしれないけど。

いずれにしろ、個人的には満足満足のアニメーションであ~りました。
ガト監督の前作、インディ・ジョーンズを意識したような「タデオ・ジョーンズの冒険」も
見てみたいやんかいさぁ。

パラマウント 2016年7月6日レンタルリリース



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「アノマリサ」(15年・アメリカ) めっちゃ人間くさい、アダルト&シリアスなストップモーションアニメやんかいさぁ!

アノマリサ
静止している人形などを一コマずつ撮り、連続再生することで動いているように見えるストップモーションアニメ。
最近作じゃ、「グランド・ブタベスト・ホテル」のウェス・アンダーソンが撮ったキツネが主人公の「ファンタスティックMr.FOX」(09)が僕のお気に入りだけど、この「アノマリサ」も、そんなストップモーションアニメの最新作。

なんでも、今年のアカデミー賞の最優秀長編アニメーション映画賞にノミネートされ、何かと話題を呼んだんだそうだけど、日本じゃ、「東京アニメアワードフェスティバル2016」で上映されたのみで、劇場公開はされずソフトスルーとなっちっち。

監督が、「マルコヴィッチの穴」の脚本や「脳内ニューヨーク」の脚本・監督など風変わりな作品で知られるチャーリー・カウフマンだし、成人指定(R-15)アニメってところにも興味をひかれ、いったいどんなアニメなんやろとレンタルして見たんよね。

で、これが何ともヘンテコリンというか、一筋縄ではいかないというか、
妙に生々しくって、でもって切なくて、エンタメ的なものから遠くかけ離れているんだけど、
妙に映像に惹きこまれる、なんとも不可思議な作品だったやん。

主人公は、顧客電話サービス(カスタマーサビス)の極意のビジネス書の著者マイケル。
人生にお疲れ気味のマイケルは、講演のためにシンシナティーを訪れた。
彼は、自分以外の人間の顔や声が、同じに見え、同じに聞こえるという問題(悩み)を抱えていた。
だが、彼の講演を聞きに来ていた、同じホテルに宿泊していた女性リサに出会い、
彼女だけが、彼女自身の声(別の声)に聞こえ、彼女に惹かれていく…。

元々、朗読劇として書かれたものを映像化したものらしいんだけど、
そのせいもあるんだろうけど、最初にこの映画を見たとき、
「私以外の人間の声が同じに聞こえる」ってな説明的なセリフがないこともあって、
マイケル以外の人間の声が、男に限らず女の人まで同じなのに、
なんか違和感を抱いてしまったやん。
リサの声が流れて初めて、なるほど、そういうことだったのかと気づかされたけど。
(気づくのが遅いか!)

マイケルが、ホテルの自分の部屋に入るなり、
トイレに駆け込み、オシッコをしたり、酒を飲もうと氷を撮りに廊下に出るシーンがあるんだけど、
誰もがやりそうなことを、人形ながら、実にリアルな動きで表現されている。
オシッコなんて、ちょろちょろ出ている感じや仕草まで見せるんよね。
なぜ、そこまで?と思ってしまうんだけど、人形の繊細な動きに、ついつい見入ってしまう。

リサは、同僚で美人のエミリーと一緒に来ていて、
エミリーじゃなく、美しくもなく、顔に傷をもつ自分の方に、なぜマイケルが好意を寄せてくれるのか、
初めは、疑ってかかり用心していた彼女だったが、
「君の声は魔法だ」とか言われ、彼の喜びに満ちた笑顔を見ているうちに、
彼に心を許し、打ち解けていき、ベッドで抱き合い、そして…。

ここから成人指定ともなったエッチシーンが展開されるんだけど、
マイケルがリサの下着を下して、両足の間に顔をうずめ、クチュクチュリ~ン!
リサは気持ち良さげアァ~ン・ウゥ~ン!
やがて、互いに着ているものを脱ぎ捨てて、生まれたままの姿になって…。

DVDの特典に、ベッドシーンのメイキング映像があったけど、
実際にポルノ俳優に実演してもらい、その映像をもとに人形を動かしたみたい。
それだけに、人形とは思えぬ、微妙にリアルな感じが伝わってくる。

どうも、このアニメ、マニアックなまでに細かい動きや造形にこだわっているような気がするな。
マイケルが、シャワーを浴びたあと、鏡に向かっていたとき、
通路を歩くリサの声を初めて聞いて、慌てて素っ裸のままバスルームから出て、
服を着ようとする場面でも、
マイケルのチンポコがブラブラリ~ン揺れるところまで、きっちり見せたりするしね。
マイケルの体も、くたびれた50男の体型そのものってのもね。
なんていうか、生活感が漂いまくってるのよ。

人生に虚しさを覚え、くたびれ気味のマイケルの心に一筋の輝くような光をさした存在がリサ。
でも、翌朝、ともに朝食をとっているとき、マイケルはリサのある仕草が気になり…。

結局、一筋の光は、つかの間の光だったのか、
それとも、それは、単にマイケルの錯覚だったのか、
ひょっとして、次の明るい人生の扉を開こうとするサキガケだったのに、
つまらないことで、それを棒に振ろうとしたのか…。

もの悲しくて、やりきれなくて、でも、どこかホッコリと優しくて、
なんとも言えない余韻に浸ってしまうエンディングやん。

ところで、子どもへの土産に、間違えて入ったアダルトショップで、
ケッタイな日本の芸者チックな人形を買ったり、
でもって、この人形が♪モモタロサ~ン♪と日本語で歌ったり、
ヘンなエピソードも出てくるんだけど、これは意味があるのかないのか。

タイトルの「アノマリサ」というのは、
他人とは違う、一般とは違うという意味の「アノマリー」と女性「リサ」をくっつけたもの。
ラストにリサが、「アノマリサ」を和英辞典で調べたら「天国の女神」と意味だったって言うんだけど、
ここんところは???。
日本のどこか地方の言葉にでもあるんやろか?
それとも、天照(アマテラス)かなにかの言葉を、聞き間違いして言うてるんやろか。

声は、マイケルに「ハリー・ポッター」シリーズのルービン先生で知られるデヴィッド・シューリス、
リサに「ヘイトフル・エイト」で久々に元気な姿を見せたジェニファー・ジェイソン・リー。
そして、その他の人間の声に「脳内ニューヨーク」に出ていたトム・ヌーナン。

とにかく、ちょい難解というか、解りずらい部分もある映画なんだけど、
でも、また見たくなってくる、
なんだか深いや~んと思わせる、異色作でアノマリサ!

NBCユニバーサル・エンターテイメント 2016年6月3日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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