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「アナイアレイション -全滅領域-」(18年・アメリカ) 謎の空間で女性調査員たちが恐ろしくも摩訶不思議な体験をしちゃうSF映画の秀作やん。

アナイアレイション -全滅領域-
SF映画は好きなので、気になる劇場未公開作品があると、レンタルして観ることが多い。
アイデア倒れで低予算のいまいちって作品も多いけど、中にはオオッと唸っちゃう作品に出くわすこともあって、そんな時はなんだか嬉しくなってくる。

本作「アナイアレイション -全滅領域-」も、そんな嬉しがらせてくれちゃった個人的にはなかなかの秀作だったやん。
主演が、ナタリー・ポートマンで共演にジェニファー・ジェイソン・リーとメジャーなキャストなのに、日本じゃ劇場未公開でNetflix (ネットフリックス) で配信されたらしい。
なんでも、制作の人間と監督の間で映画の内容変更にトラブルがあったらしく、両者が対立してアメリカと中国だけで公開され、全世界配給権はNetflixに売却されたんだそう。

ま、それはともかく、エリアX呼ばれる謎の空間の調査に赴いた5人の女性チームが
そこで摩訶不思議にして恐ろしい体験をするさまを、
シャープ&スリリング、そしてちょいグロテスクに描いた作品で、
何とも言えない奇妙な余韻を残すのよ。

元軍人で、退役後に生物学者として大学で教鞭をとっていたレナの前に、
1年前に軍の極秘任務に赴いたまま行方不明となっていた夫のケインが突然現れた。
彼の記憶は曖昧で、急に容体を崩し、レナが付き添い病院に向かった。
だが、途中で軍隊によってレナとケインは拘束され、研究施設に連れて行かれた。
そこで、レナは心理学者ヴェントレスから、ケインがエリアXと呼ばれる謎の空間の調査に派遣され、
その空間から生還した唯一の人間であることを知らされる。
レナは、ヴェントレスがチームを組んでエリアXの調査に向かうことを知ると、
夫のことで何か分かるかもしれないと思い、調査隊に同行することを決めた。
そして、エリアXの空間に入るが、
その中で次々と恐ろしくも摩訶不思議な体験をするが…。

物語は、エリアXから帰還したレナが、
尋問を受けてエリアXで体験したことを語るという、回想形式で始まる。

空間内では時間の感覚がおかしくなり、記憶を失ってしまうこと、
DNAが歪められたせいで、ワニもどき、クマもどきの不気味なモンスターが徘徊していること、
一つの茎から複数の花が咲く植物、人間の形をした樹木が生えていることなど、
異様な生態系の生き物などが探検隊の目の前に現れる。

エリアXの周囲の情景だけでなく、探検隊もそれぞれ体の変異に気付き、
レナは自分の血を採取して顕微鏡で観察すると…。

異空間での出来事が、描写はリアルなのに、どこか不気味で謎めいて、
なぜそうなったかの明確な結論を出さず、曖昧模糊としたまま描かれていくな。

ヴェントレスの最終目的地がエリアXの中の灯台であるらしく、
ヴェントレスに遅れて灯台に辿り着いたレナが、
そこに残されたビデオをカメラを通して、ケインに起こった出来事を知ることとなるが…。

エイリアンものと、なんとなく判って来るけど、
じゃあ、エイリアンは地球をどうしようとしているのか、征服か、はたまた人間との共生なのか、
はっきしりとした結論を見る側に語りかけてこないところが、
普通ならもどかしく感じてしまうんだけど、なんていうかこの作品じゃ曖昧なままなのが、
妙に印象的で、レナやケインのその後をいろいろ想像させられて、不思議な余韻を残すやん。

監督のアレックス・ガーランドは、SFスリラー「エクス・マキナ」で注目されたイギリス人。
異空間での体験を、適度なエンタメ要素を加味しながら、節度を持ってじっくりと描いて見せてるな。
主人公であるレナのキャラ描写も丁寧で、他の女性探検隊員に関しても明確に描き分けられてる。
先に調査に来た男性調査隊の一人の腹を裂くと内臓がナマズのように蠢いていたり、
レナ達を襲うクマもどきのモンスターの描写など、
ちょいグロテスクで、ホラー風味を感じさせる描写もいいアクセント。
ラストに現れるエイリアンらしき存在は、ありがちに見えて、そうでもない微妙な感じだったけど。

レナ役のナタリー・ポートマンは、
夫に隠れて同僚の教授と浮気に走った過去があり、
夫に対する後ろめたい気持ちも抱えるヒロインを好演。
内面的演技も巧みだし、30代半ばらしい艶っぽさも匂わせ、いい女優さんになったなぁ。
軍隊上がりということで、ワニもどきに弾丸を浴びせるところも、実に様になってる。
ま、彼女のデビュー作「レオン」でも確か銃を構えていたしなぁ。

ヴェントレス役のジェニファー・ジェイソン・リーは、
僕にはお久しぶりって感じの女優さんだけど、
珍しく知的なキャラが意外に似合ってるなぁって思ったわさ。
最後には、驚きの変容を見せてくれちゃったりするやん。

救急医療隊員アニャ役のラテン系女優ジーナ・ロドリゲスは、
気丈でタフながら、疑心暗鬼に陥って精神に混乱をきたし、レナ達を縛り上げてしまうが、
クマもどきモンスターに○○○されてしまうキャラを、引き締まったボディで力演。

物理学者ラディク役のテッサ・トンプソンは、「マイティ・ソー バトル・ロワイヤル」で、
最強の女戦士ヴァルキリーを演じていたけど、本作じゃ、ちょっと気弱な女性キャラ。

そして人類学者シェパードに、スウェーデン出身のツヴァ・ノヴォトニー。
本作でハリウッド進出した女優さんだけど、出番は少ないながら、いい味出してる女優さんだ。
僕は、デンマークのアクション・コメディ「トランス・ミッション」の主人公を演じた彼女を
観ているけど、華に欠ける気もするが柔軟にいろんな役をこなしそうな女優さんて感じだし、
ハリウッドでも活躍してほしいと思っちゃったやん。

以上、5人の女性隊員たちを演じた女優たちのアンサンブルがなかなかいい感じだな。

とにかく、
個人的には久しぶりに刺激的で手ごたえのある劇場未公開のSF映画に出会えましたわさ。
ほんまにね。

ところで、この映画の原作は
ジェフ・ヴァンダミアが2014年に発表したSF小説「全滅領域(サザーン・リーチ1)」なんだそう。
小説は三部作らしいけど、続編は作られるのかなぁ。


NBCユニバーサル・エンターテインメントジャパン 2019年4月24日レンタルリリース



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「スペースウォーカー」(17年・ロシア) 世界で初めて宇宙遊泳を行った飛行士レオーノフの驚きの体験を描いた実録スペースアドベンチャー!

スペースウォーカー
ソ連(現ロシア)の宇宙飛行士と言ったら、「地球は青かった」の言葉で知られるガガーリンしか僕は思い浮かばないけど、彼の後に世界で初めて宇宙遊泳に成功したソ連の宇宙飛行士がいたのね。
それがアレクセイ・レオーノフって人で、彼の宇宙遊泳がどんなものだったかを描いたのが、この「スペースウォーカー」。

インパクトがいまいちのジャケット・デザインに、なんか地味でこじんまりした作品と違うかって思ったんだけど、宇宙系の映画は好きだし、どんなもんじゃろかいと見たんよね。
で、これが実に丁寧で、しっかりした作りの見応えのある作品だったやん。
特に宇宙でのアクシデントの数々はハラハラさせられっぱなしで、一昔前の宇宙飛行がどんなに大変だったかが説得力たっぷりに描かれるのよ。
アレクセイ・レオーノフ本人が映画の監修を努めているが、どこまで現実に即してリアルに描かれているかは分からないけど、実際に宇宙遊泳時にアクシデントが起こり彼が死にかけたことは事実みたいだし、映画的に大袈裟に描いていないような気がする。
しかし、こういう宇宙物って劇場の大画面で見てみたいなぁ。

1960年代、アメリカと冷戦中のソ連は、
宇宙開発でも相手国より先に宇宙遊泳に成功させようと躍起になっていた。
宇宙飛行士としてスカウトされたアレクセイ・レオーノフは
恐れ知らずで向こう見ずな軍用パイロット。
そして彼と共にスカウトされたパベル・ベリャーエフは冷静沈着な男だった。
1号機として打ち上げられた無人宇宙船がトラブルに見舞われて失敗し、
有人宇宙船の打ち上げ計画が暗礁に乗りかけた。
だが、アレクセイは是が非でも飛び立ちたいと現場責任者セルゲイ・コロリョフに熱心に訴え、
コロリョフは、迷いつつも、このままではアメリカに後れを取ってしまうし、
危険を顧みないアレクセイの熱意を汲み取り、やむなく宇宙船発射を決断した。
そして1965年、宇宙に飛び立ったアレクセイとパベル。
細心の注意を払いながら、アレクセイは宇宙に飛び出し、
世界初の宇宙遊泳を成功させるが…。

アレクセイが空軍パイロット時代に、搭乗中にエンジントラブルに見舞われ、
機転を利かして何とか危機を乗り越える出来事に始まり、
パベルが訓練で落下傘降下中に両足に大怪我を負うなど、
宇宙飛行までのエピソードをテンポ良く描いている。
そして、アレクセイが宇宙船から飛び出し、宇宙遊泳を始めるところも、
きめ細かい描写と的確なカメラアングルで見せ、リアリテイ満点。
あたかも、自分が無重力の宇宙に飛び出したら、
多分彼と同じような気分になるんだろうなと思わせちゃってくれる。
リアルさを追求したSFXも文句なしよ。
開発の途上の時代だけに、宇宙服のちょっとした問題から、
服内の気圧が上がってしまい膨張して中の人間が身動きできなくなってしまうなど、
ほんまにゾクリッとさせられる。
何とかこの危機を脱するが、今度は機自体に小さな亀裂が走り、そのせいで
機内に酸素が充満し発火の恐れが生じるなど、フィクションまがいのトラブル連発。
もう、ロケットが宇宙に飛び出してからは画面に釘付けになってしまいましたわさ。
地球に帰還した後も、これまた危機が訪れてしまうし…。

監督はドミトリー・キセレフ。
ロシアのダークファンタジー「ナイト・ウォッチ」(04)「デイ・ウォッチ」(06)の編集をしていた人だけど、
最初と最後に、アレクセイの幼い頃の姿をファンタジックに映し出し、
作品全体を、実録ながら、どこか宇宙に夢を馳せた人間の姿を通して、
夢見ること、そしてそれを諦めない素晴らしさみたいなものを描こうとしているような気がしたな。
キレの良い演出と編集で、尺が136分と2時間を超える作品だけど、それがちっとも長く感じない。
宇宙船内と地上の宇宙司令室を緊迫感を持って交互に描くなど、
編集で培ったテクニックが存分に発揮されているんだろうな、きっと。
シネスコサイズを効果的に使った映像もベリーナイスよ。

アレクセイに扮したのは、エフゲニー・ミローノフ。
SF「カリキュレーター」で主演していた俳優で、
ドストエフスシー原作のTVドラマ「白痴」に主演するなどロシア名誉勲章を受章した演技派男優。
地味な顔立ちながら、向こう見ずで夢を追いかける主人公を、
決してヒーローではなく等身大の人間として説得力を持って演じてる。
アレクセイと共に宇宙船に乗るパベル役は、
「ナイト・ウォッチ」の主役で日本でも少しは顔が知られているコンスタンチン・ハベンスキー。
国の決めたことには素直に従うがいつも口癖で、アレクセイをサポートする冷静沈着な男を、
ベテランらしく味わい深く演じてる。
現場責任者セルゲイ・コロリョフに扮したタヌキ顔のウラディミール・イリインも、
アメリカに負けてはならじの国からの要請もあり、
失敗を覚悟の有人宇宙船発射を決断する責任者を、苦悩を滲ませながら印象深い演技を見せてる。

ハベンスキー以外、ほとんど馴染みのない俳優ばかりだけど、
本国ならいざ知らず、それが逆に物語にリアルさを感じてしまう結果となったようにも思うな。

とにかく、実録スペースアドベンチャーとして、ほんとに良くできた作品でありやんした。
変に、ソ連万歳みたいな国粋主義じみたものもないし、
エンタテインメントとして充分楽しめるんよね、ほんまに。
映画ファンなら、見て欲しいわぁ。

インターフィルム 2018年2月9日リリース



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「ロジャー・コーマン デスレース2050」(16年・アメリカ) キッチュでブラックでポップでオバカな、B級・近未来レース・アクションやん!

ロジャー・コーマン デスレース2050
アメリカのB映画の帝王なんて呼ばれてるロジャー・コーマンが、75年に制作した近未来カーレース・アクション「デス・レース2000年」をリメイクしたのが、この、自身の名前もタイトルに入れた「ロジャー・コーマン デス・レース2050」(原題も同じ)。
アメリカなら、ロジャー・コーマンの名を付けることで作品に箔がつくのかも知れないけど、日本じゃ、マニアックな映画ファンならともかく、一般の映画ファンに、水戸黄門の印籠のごとく効果があるのかどうか、ちょっと疑問やんと思うのは僕だけかしらね。

ま、僕は、ロジャー・コーマン制作の映画なら、なんでも見るってわけでもないんだけど、75年版は好きだったので、それをどんな風にリメイクしたんだろ、と気になって見てみたんよ。

今回は、ユニバーサルってメジャー会社が関わっているし、今どきのCGを駆使した、それなりに製作費のかかったSFになってると思いきや、いい意味で安っぽい、なんともキッチュでオバカでポップ、でもってブラック風味満々のB級エンタテインメントだった。
CGもほとんど使われず、あえて70年代の映像感覚を、ちょっと新しめにお色直しして、今風テイストを申し訳程度に加味したというかね。

人口が増え続けた近未来。
アメリカ企業連合国(UCA)は、医療技術が発達し、
赤ちゃんがばかばか生まれ、老人が増えすぎた世の中で、
人口を減らそうと、歩行者を轢き殺す大陸横断カーレースを行っていた。
今度のレースの出場者は5組。
過激な宗教団体の教祖タミー、黒人歌手ミネルヴァ、
遺伝子操作で生まれたパーフェクトヒューマンことジェド、AI搭載の人工知能車、
そして、レースに勝ち続けている伝説の男、体の半分は機械のサイボーグ、フランケンシュタイン。
レースは、殺した人間の数や年齢によってポイントを稼ぎ、一番多いものが優勝するシステム。
スタートするやいなや、歩行者を片っ端から轢き殺し彼らだったが、
その裏で、UCA会長の良からぬ計略が着々と進んでいた…。

それぞれのレースカーが、あえて駄菓子的センスを狙ったのか、
あんまりカッコ良さを感じさせず、なんともチープ。
でもって、次々と人を轢き殺していくんだけど、バラバラの手足が景気よくドバドバぶっ飛ぶ様は、
これまたリアルさの欠片もなく、なんかバカバカしさえ感じ、笑ってしまう。
血飛沫たっぷりなんだけど、妙にノーテンキでエグサを感じないんよね。

レーサー達には助手が付いていて、運転手にレンズを向けたカメラ付きのヘルメットをかぶり、
それで自宅にいる観客に映像を送り、バーチャル中継を体感させているってのが、今風かな。

人工知能車にも女性博士が助手として車内に入っているんだけど、
中で何をしているかと言えば、人工知能に股間を刺激させ、アヘアヘ悶えてるだけ。
歌手のミネルヴァは、ニューアルバムPRのためにレースに参加していて、
♪キル、キル、キル~と歌いまくって、殺しまくりよる。
彼女、自分が狙った獲物(人間)を、教祖のタミーに横取りされ、敵対心がメラメララ~!
ジェドは、自分が完ぺきな人間だと強がりながら、心の片隅に弱さを抱えていて、
自分がバレリーナになってしまう妄想を見たりして、彼なりに悩んでいる。
そして、レース勝利が命のフランケンシュタインは、
新しい美人助手にそっけない態度を取りながらも、徐々に彼女に好意を持つようになるが…。

フランケンシュタインが情報を得て、点数を稼ごうと、保育園らしき屋敷に車を走らせるんだけど、
彼らの親たちが障害を持つ我が子を厄介払いしたくて殺したかったからと察知し、
子どもじゃなく、親たちを轢き殺していくのは、すごいブラックやわぁ。

監督は、新人G・J・エクスターンキャンプ。
netflixで配信されたコメディ・ドラマ「フランクとシンディ」をロジャー・コーマンが気に入って、
本作の監督に抜擢したしたそうだけど、5組のレーサー達を手際よく描き分け、
ブラック・ユーモアたっぷりにテンポ良くストーリーを展開しているな。
フランケンシュタイン殺害を図るレジスタンス一味の中に忍者がいて、
アクロバチックにフランケンシュタインに襲いかかるなど、バカバカしいアイデアが飛び出したり、
オモシロければ何でも有りなエンタメ・スピリットも個人的にはベーリーナイス。
ただ尺の制約もあるのか、キャラ描写にそんなに深みはなく、どのキャラも感情移入しがたいな。
何ていうか、キッチュでオバカなバイオレンスを楽しむ単純明快な娯楽作品どまりなんよ。
ひょっとしたら、はなからそれが狙いだったのかも知れないけど。
ラストに、バーチャル中継を見ていた人々が、フランケンシュタインのメッセージを聞いて、
籠っていた家から街に飛び出し、そして…ってところは、ちょいシニカルでムフッとはさせるけどね。

フランケンシュタイン役は、
「ホビット」シリーズで、オーク族の王アゾクに扮していたらしいニュージーランド俳優。
そこそこ男くさくってタフガイっぽいけど、主役にしてはオーラ不足で、なんかB級止まりな感じ。
助手アニー役、マーシー・ミラーも、
飛びぬけて美人ってこともなく、ほどほどにキレイな女優さんて感じ。
アニーは、実はレジスタンスの一味でフランケンシュタインの命を狙っていたって設定で、
彼のそばで過ごすうちに、いつしか彼の味方になるって展開で、
美味しいヒロイン・キャラなんだけど、いまいち弱いんよね。
シャワーシーンがあるのに、ヌードも見せへんのもなぁ。

まだ、黒人歌手ミネルヴァ役フォラケ・オロワフォイェクや、
宗教団体の女教祖・タミー役のアネッサ・ラムジーのほうが、
個性的なキャラを、マンガチックにノリノリで演じていて、存在感があったな。
パーフェクトヒューマン、ジェド役のバート・グリンステッドも、
尻丸出しの極細パンツ一丁も披露し、全身でオバカになりきって怪演していて、
主役より印象が強いやないの。

UCAの会長役は、A級からC級まで、作品を選ばず何でも出ているマルカム・マクダウェル。
ドナルド・トランプもどきの髪型で、イヤミなキャラを力まずリラックスして演じてる。
彼が画面に登場すると、さすがに画面が締まる、ってこともないか。

とにかく、気楽にチューハイでも飲みながらホゲーと見る分には、
楽しめるんと違うって感じの作品であ~りました。

NBCユニバーサル 2017年6月7日リリース



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「ミッドナイト・スペシャル」(15年・アメリカ/ギリシャ) 不思議な能力をもつ少年と彼の両親が織りなす、優しくて切ないSFミステリー!

ミッドナイト・スペシャル
「ミッドナイト・スペシャル」って、深夜テレビの安いバラエティ番組のタイトルみたいで、見ようか見まいか迷ったんだけど、TSUTAYAが出してるフリーの月刊マガジン3月号で、注目の話題作として取り上げていたので、それなら見てみようかとレンタルしたんよ。

ま、TSUTAYAマガジンのお勧め作品って、ちょうちん記事っぽいのもあり、記事にノセられて借りたらガックリクリクリ・クリクッリ!ってこともしばしば。
特に劇場未公開作の場合は、ネットでもあまり紹介記事を目にすることがないし、作品を見てみるまでは期待感と共に不安感もあるんよね。

そんな数少ない劇場未公開作の紹介記事サイトで、僕がけっこう参考にさせてもらっているのが、前にもこのブログで書いたけど、レンタル店で働いているらしい人が運営しているブログ「[SAMPLE]ビデオながら見日記」。
お客の立場を考えて、主観も交えながら作品を紹介しているところに好感が持てるんよ。

ま、それはさておき、この「ミッドナイト・スペシャッル」(原題も「MIDNIGHT SPECIAL」とまんまだった)、
今どきのSFものにしては、CGを多用することもなく、ドラマ要素に重点を置いた作りで、
じんわりと心におだやかな余韻を残す、実に気持ちの良い作品だった。

カルト教団の師カルヴィンの養子である不思議な能力を持つ8歳の少年アルトンは、
実の父ロイと彼の親友ルーカスと共に、教団から脱出し、ある目的地に向かうため、逃亡を続けていた。
アルトンの能力を救世主として利用していたカルト教団は、彼を取り戻そうと追っ手を差し向け、
また、アルトンの発する言葉が国家の機密情報に触れたことから、政府もアルトンの行方を追っていた。
逃亡の途中、実の母サラも合流し、目的地に近づきつつあったとき、
アルトンはなぜか衰弱していき、追っ手もすごそばまで近づいてきていた…。

物語の背景がかなり端折られていて、
ストーリーが少々解りづらいところがあり、最初はちょっと戸惑ってしまうんだけど、
やがて、不思議な能力もつ少年と父と母の家族の絆に焦点が絞られていき、
いつの間にか、愛する息子へそそぐ揺るぎない愛の姿が、じんわりと浮かび上がってくるんだ。

未見の人のために、ネタバレになるから、あまり詳しくは書かないけど、
アルトンが、なぜゴーグルで目を隠し、夜にしか行動できないのか?
彼の持つ能力は、どこから授かったものなのか?
アルトンたちが向かう目的地には何があるのか?
様々な?がクライマックスで明らかになるところは、なるほどそうだったのねぇと納得、納得。

監督・脚本のジェフ・ニコルズは、インディペンデント系の作家らしいんだけど、
エンタメ要素をちょろちょろっと散りばめながら、人間ドラマを軸に据えた作品を目指したみたい。
だから、今どきのSFと言っても、派手な見せ場連発ってことはない。
それゆえに劇場未公開となったのかもしれない。
特典映像で、監督は1980年代のSF映画チックなものを目指したって言ってるけど、
クライマックスは、確かにそんなテイストを感じとれるな。
また、主要な登場人物の心理描写に無駄がなく、
さりげない言葉や行動の端々から、それぞれの心情がくみ取れるような演出はなかなか。
あまり説明過多にならず、映画を見ている者に、
いろいろと想像する余地を残しているのも、個人的にはナイス。

ロイ役のマイケル・シャノンは、ニコルズ作品「テイク・シェルター」(11)「MUD マッド」(12)と、
ニコルズ作品の常連アクターだけど、目力(めじから)が強くって、少々アクの強い顔立ちだが、
息子のために、何が何でも突き進でいく愛情あふれる父親を、説得力たっぷりに好演。
ときおり垣間見せる優しい笑顔が、またいいんだ。

親友のルーカス役は、「ブラック・スキャンダル」「エクソダス:神と王」のジヨエル・エドガートン。
彼、15年にスリラー「ザ・ギフト」で監督デビュー(脚本も兼ねてる)を果たしているけど、
演出手腕もなかなかで、物語の肝となる主人公の幼馴染を不穏な不気味さを漂わせ、
淡々と演じていて、結構面白かった。

意外だったのが、国家安全保障局の局員ポール役で、
「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(15)でカイロ・レンに扮したアダム・ドライバーが
ちょいユーモラスで味のある演技を見せていたこと。
「スター・ウォーズ・フォース-」のときはいまいち好感を持てなかったけど、
このポールは、なんか親しみが湧いたなあ。

他に、母サラにキルステン・ダンスト、カルト教団・教祖にサム・シェパード。

そして、物語のキーとなるアルトン役ジェイデン・リーベラー。
ごく普通のあどけない少年のようでいて、どこか人間離れした存在を、
とてもナチュラルに演じていて、彼なくしては、この映画が成立しなかったんじゃないと思うくらい。

とにかく、派手なSF映画を期待するとサービス不足で肩すかしを食っちゃう作品で、
見た人の好き嫌いが分かれそうだけど、僕は、なかなか気にいったし、
また見直したいと思ってしまったやん、ほんまに。

ちょっと気になったのが、エンドクレジットで流れるカントリー曲。
意外な選曲やないのと思ったけど、歌詞に意味があるんかなぁ。
訳詞の字幕が出なかったので、ちょっとモヤモヤしてしまいましたわさ。


ワーナーブラザース ホームエンターテイメント 2017年3月8日リリース



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「ファイナル・アワーズ」(13年・オーストラリア) 地球最後の日、男は何が一番大事なことかに気付く、それは…!

ファイナル・アワーズ
劇場未公開のパニック系作品って、レンタルショップに結構並んでいるけど、たいがい大風呂敷広げたわりに、チープなSFXとありがちな展開で、ガックリクリクリ・クリックリってのが多い。
このオーストラリアのパニック映画「ファイナル・アワーズ」も、そんなに期待しちゃいなかったんだけど、去年のカンヌ映画祭出品作品だし、シッチェス国際映画祭最優秀俳優賞ってのを受賞しているらしいので、そんなにハズレじゃないだろうと思い、見てみたんよ。

で、これがなかなかの良作で、
胸にググッときてしもたんよ、ほんまに!

パニック作品って、軍隊や科学者が登場して、地球滅亡の回避策をあれやこれやと練るってな、スケールの大きなものが結構多いけど、本作は、一人の男の目を通して、地球滅亡が迫った時、自分にとって一番大事なことは何か、悔いを残さないためにどう行動したらいいのかってのに的を絞り、パーソナルな視点で描いているところが、なんか良いんだなぁ。

大規模な巨大隕石群の落下により、次々と大陸が消滅し、
その危機が、あと12時間でやってくるオーストラリア。
ジェームズは、死の恐怖から、愛した女性を置き去りにし、
最後の時間を仲間達とバカ騒ぎしようとパーティ会場へ車を走らせた。
車からは、ヤケになった人間達の狂乱の姿が次々と目に入ってきた。
彼も、そんな暴徒の一人に襲われかるが何とか逃げ切ったが、
むさい男達になぶりものにされかかった少女を見かけ、放っておけず救い出した。
その少女ローズは、はぐれた父を捜すためさまよっていたんだ。
自分じゃ面倒見切れないと妹夫婦に預けようとするがうまくいかず、
ローズを伴ってパーティ会場に乗り込むことに…。

隕石らしきものが空から落ちてくる、ちょっとぼやけ気味の映像に、
ラジオアナウンスの声やパニックに陥った人たちの声がかぶさるオープニング。
人類滅亡のタイムリミットが迫ってきたってのが冒頭で端的に見ている側に伝わり、
状況がすぐ判って、物語にすんなりと入っていけるな。

監督・脚本は、ロバート・コノリー。
多分オーストラリアの人だと思うけど、本作が長編第1作みたい。
86分と短い尺の作品だけど、死が迫った時の人々の様々な行動を手際よく描いている。
隕石の熱で苦しまないよう、自分の子供達を落下前に銃で殺してほしいとジェームズに頼み込む父親。
どうせ死ぬならヤリまくってクスリきめまくってしまおうと、乱痴気騒ぎに興じるジェームズの仲間達。
道路には、老若男女の、自殺か殺されたのか定かでない死体が至る所に横たわっている。
そんな状況の中で、ジェームズとローズが次第に心を通わせていくところも上手に見せるな。

パニック作品に付き物のSFXも、ラストのここぞと言うところでしか使わないところも、なんだか好感がもてるな。
あくまで、パニック状況での、主人公の心情を描くことが本作のポイントってところからブレないんだ。

主演は、そこそこ筋肉質のネイサン・フィリップって男優。
いきなりムチムチお尻丸出しの素っ裸で登場し、バッコンバッコン女性と交尾。
オヨヨッと思ってしまったけど、女性観客へのサービス・ショットなのかもね。
美男ってわけでもなく、正義感が強いってわけでもない、ごく平凡な主人公にハマってるな。

彼と行動を共にすることになる少女ローズに扮したアンゴーリー・ライス。
「ウォーキングwithダイナソー」に出ていたらしいけど、あどけなくて可愛いのに芯の強そうなキャラを、
とてもナチュラルに演じていて、ラストで、彼女がある決断をする姿、なんだか愛おしくなってきてしまったわ。
ファンになってしまいそう。

乱痴気パーティで、そのローズを自分の娘マンディだと言い張って、
やばいクスリを飲ませてしまう、イカレた女に扮したサラ・スナーク。
オーストラリアの俊英監督スピエリッグ兄弟の話題のSF映画「プリデスティネーション」(14)で、
男女二役を好演し、注目を浴びている女優さんだそうだけど、
半端ないイカレ具合を醸し出していて、妙に印象に残ってしまう。

しかし、この映画のクライマックス、切なくて、やるせなくて、ちょっぴりウルウルやわ~。

カルチュア・パブリッシャーズ 2015年2月20日レンタル・リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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