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「俺たちホームズ&ワトソン」(18年・アメリカ) 名(迷?)探偵と彼の相棒が宿敵の陰謀を阻止しようと張り切っちゃうオバカ・コメディやん!

俺たちホームズ&ワトソン
今年のゴールデンラズベリー賞で最低作品賞を受賞したのが、この「俺たちホームズ&ワトソン」。
ゴールデンラズベリー賞とは、アカデミー賞授賞式の前夜に最低の映画を選んで表彰するもので、ラジー賞とも言うわれてるのね。

主演のウィル・フェレルとジョン・C・ライリーって、「タラデガ・ナイト オパールの狼」(06)「俺たちステップファーザース 義兄弟」(08)とコンビを組んできて、本作がコンビ3作目になるんだけど、「俺たちステップファーザース-」は結構面白かったし、「俺たちホームズ-」も、そんなにヒドクはないんと違う?と思ってレンタルしたんよ。

個人的に、ポール・トーマス・アンダーソン監督「ハード・エイト」(96)の頃からジョン・C・ライリーのファンだってこともあるし。

で、作品の感想だけど、なんかもったいないなぁって印象。
シャーロック・ホームズ&ジョン・ワトソンという、いくらでも面白くできそうな探偵コンビのキャラを、
上手に生かし切れなかったかな~って感じ。なんか空回り気味なんだ。
クラシカルな美術や衣装など、ビジュアルはきめ細かいのにね。

ある日、シャーロック・ホームズに内緒で、
彼の功績を称えるサプライズ誕生日パーティが開かれた。
でも、相棒のワトソンの行動から、とっくにそのことを察知していたホームズ。
たいして驚きもせず、会場に出された大きな誕生ケーキを切ろうとすると、
中から死体と宿敵モリアーティ教授の脅迫状が出てきた。
脅迫状には、ヴィクトリア女王の殺害予告が書かれていた。
早速、捜査を開始するホームズ&ワトソンだったが…。

90分に満たない作品で、テンポはいい。
ただ、登場キャラの描写が少々雑というか薄っぺらくて、いまいち物語も弾み損なってるんよね。
ホームズとワトソンの関係も、ワトソンがホームズを慕い、
一方的に奉仕しているって感じはいいんだけど、ホームズのワトソンに対する態度が、
突き放すのでもなく、親しみを込めているわけでもなく、ちょい冷酷気味。
第一、死体に含まれていた毒の効果を知るために、ワトソンに毒を飲ませたり、
あげくは、ホームズの勝手な推理で、ワトソンを真犯人に仕立て上げたり、
単なる捜査の道具としか思っていないのか、鬼畜もどきに無茶しよる。

ホームズがコカイン中毒だったり、彼よりも優秀かもしれない兄のマイクロフトが登場したり、
ホームズものにありがちな要素は、それなりに押さえているな。
でも、そんな要素が、ほとんどストーリーに絡まないし、
とりあえず入れときましたって感じなんだけど。
なぜかエレファントマンまで出てくるけど、単なるニギヤカし。

ホームズ達が暮らすベーカー街221Bの下宿のハドソン夫人が、
小説では女主人だったのを、若い家政婦に変更していて、
彼女が、ワトソンの部屋に毎度毎度、男を連れ込んでるって設定はそれほど悪くない。
連れ込んだ男達と言うのが、マークトウェイン、アインシュタイン、
フーディニというのも、そこそこ笑わしよる。
マークトウェインの自作本が「ファック・フィンの冒険」と
下ネタ・ギャグのモジリなのも、ちょいクスリとさせられる。

一番笑えたのが、捜査状況を知ろうとやってきたヴィクトリア女王を、
間違って殺してしまう?ところかな。
慌てふためくホームズとワトソンが、女王のお供の兵隊に気付かれないよう
どう処理しようかオタオタするんだけど…。

とにかく、ホームズにまつわる色んな要素を出しながら、
そのブレンド具合がヘタクソというか、ストーリー展開が荒っぽ過ぎるんよね。
なぜかホームズが歌いだすミュージカルもどきの場面も登場するけど、
これまた、ちっとも盛り上がらずじまい。

監督は、「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」(08)「メン・イン・ブラック3」(12)の
脚本を担当したイータン・コーエン。
ウィル・フェレル主演の映画「ゲットハード/Get Hard」(15)で監督デビューを飾ったみたい。
その関係で、ウィル主演の本作に起用されたのかもしれないけど、
本作の脚本も書いているわりに、もうちょっと何とかならんかったのかと思ってしまったわ。

脇役では、モリアーティ教授にレイフ・ファインズ、
ワトソンと恋仲になる女性医師グレースにレベッカ・ホール、
ハドソン夫人に、ケリー・マクドナルドと、そこそこ演技達者を揃えているのに、
それぞれの存在感がなんとも希薄。
レイフ・ファインズなんて実にもったいない扱いで、出演を断ったら良かったのに。
ま、ケリー・マクドナルドは、ちょいオイシイ役どころかな。

ジョン・C・ライリーは、いつものごとくフェレルに振り回される役柄で、
あまり出しゃばらないところは好感が持てたやん。

しかしまあ、ラジー賞も仕方ないと思えるコメディであ~りました、ほんまにね。
この作品に懲りて、フェレルとライリー、もうコンビ作を作らないカモ~ンよ。


ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2019年6月5日レンタルリリース



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「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」(14年・イタリア) 落ちこぼれ元教授たちが合法ドラッグで一儲けってか!

いつだってやめられる 7人の危ない教授たち
イタリア本国で大ヒットし、続編も作られた風刺コメディがこの「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」。
日本では、イタリア映画祭2015で上映され、続編2作は劇場公開されたけど、1作目の本作はなぜか劇場未公開。

イタリア産のコメディ映画って、一昔前は日本でも結構劇場公開されていたと思うけど、最近はほとんどお目にかからないな。
まぁ、イタリアに限らず外国のコメディ作品自体、劇場ではあまり上映されなくなったけど。
アメリカでヒットしたコメディって、日本じゃほとんどソフト・スルーになっちっちだしね。

この「いつだってやめられる-」は、職を追われた教授たちが、合法的ドラッグ製造して大儲けするって話で、アメリカでヒットしたドラマ「ブレイキング・バッド」にストーリーが似てるってことで、イタリア版「ブレイキング・バッド」と話題になったらしい。
「ブレイキング・バッド」は、ガンを患った教師が残される家族のためにドラッグ製造に手を出すって話。
確かにストーリーラインは似ているとは思う。
でも、「ブレイキング-」がどちらかと言えばシリアスタッチ
(かなり前に見たのでうろ覚えだけど、そうだったはず)なのに比べ、
「いつだって-」は、コミカルな要素たっぷりで、ケラケラ笑えて、雰囲気も庶民感覚チック。

落ちこぼれ教授たちが個性豊かで、笑いのツボもそこそこ、少々雑なところもあるけど、
個人的にはそれなりに楽しめる作品だったな。

神経生物学者のピエトロは、予算削減で大学での仕事を失ってしまった。
民生委員をしている恋人のジュリアに打ち明けることもできず、思い悩んでいた。
ピエトロは、ふとしたきっかけでクラブに入ってしまい、客たちがドラッグをやっているのを目にした。
そこで彼は警察にマークされていない薬品を使って合法的ドラッグを作ることを思いつく。
ピエトロは、元科学の教授で今は職を追われて中華料理店の皿洗いをしているアルベルトや、
深夜の給油係をしている人類学者コンビ、統計学者、考古学者など元教授たちを集め、
それぞれの得意分野を生かしてドラッグ販売を始めるが…。

仕事を失ったピエトロが、元教授たちを集めるまでが、テンポよく描かれるな。
ピエトロとジュリアの関係やロマ(ジプシー)の恋人がいる元統計学者のエピソードなど、
登場人物それぞれが生活感たっぷりで人間臭いのもナイスやん。
なんだか身近に感じられるんよね。

2009年に始まった欧州危機を受けて、イタリアでも大学の研究費が削減されていったそうで、
多くの研究者たちの収入が激減したんだって。
教授だけに、頭はいいし専門知識もあるんだけど、学者バカというか、生活能力はあんまりない。
細々とその日暮らしの日々を送るしかないみたいなんよ。
そんな元教授たちを、シビアに描くのではなく、
皮肉を交えながら笑いのオブラートで包んでいるのがいいな。

大儲けしても派手に金を使ったら警察に目を付けられるから用心しろと、
ピエトロは教授たちに釘を刺すが、急に羽振りが良くなった教授たちにとっちゃ馬の耳に念仏。
ほいほいリッチな暮らしに突入してしまいよる。
ピエトロ自身も、恋人が欲しがっていた食器洗い機を購入するわ、
高級ファッションに身を包むわ、全然用心しとれへん。
どこまでも人間臭いと言うか、意志がヤワヤワなんよ。
ま、誰でも急に大金が入ったら、ついつい贅沢してしまうわなぁ、ほんまに。

でも、そうそう美味しい儲けが長続きすることはなく、
ドラッグ市場を牛耳っているボスのムレーナに目を付けられてしまう。
それだけでなく、アルベルトが事故を起こして車の中から合法ドラッグを見つけられ、
警察にしょっ引かれてしまった。

ピエトロがジュリアに問い詰められて、合法ドラッグ製造を告白してしまうんだけど、
その時、「いつだってやめられる」と彼女に言い放つ場面がある。
でも、口から出まかせ、ピエトロはやめる気なんてぜんぜんないみたいよ。

人間、一度甘い汁を吸ったら、そう簡単にやめられるわけないもんねぇ。
でも最終的には…。

ラストも、すっとぼけていてムフフッとさせられるやん。

監督は、本作で長編映画デビューをはたしたシドニー・シビリア。
7人の教授たちを、それぞれのキャラを際立たせながらキビキビと描いているけど、
演出がちょい野暮ったく、荒いなと思わせところもある。
でも、それが本作には合っているって気がするやん。

ヒットのおかげで、シビリア監督は続編2作も作ったけど、
2作目の「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」(17年)は、
ピエトロたちが警察に協力してドラッグ蔓延を防ごうとする話で、
スケール感が増し、派手なアクションもあるし、なかなか楽しめた。
3作目の「いつだってやめられる 闘う名誉教授たち」(17年)は、
2作目と前後編の形をとっているけど、展開が少々モタモタしていて尻すぼみ気味。
なんか残念でおましたわ。

しかし、イタリア映画で7人と言えば、泥棒映画「黄金の七人」シリーズを思い浮かべるけど、
ひょっとして、それへのオマージュが監督の中にあったのかなぁ。

主演のピエトロ役は、エドアルド・レオ。
イタリアじゃ監督もこなす才人みたいで、もっぱらコメディ畑で活躍している人みたい。
風采がいまいちパッとしない地味目な顔立ちなんだけど、
知的そうでいて、どこかヌケてる感じがキャラにはまってる。
しかし、日本じゃあんまり人気の出そうな俳優さんじゃないな。

彼より元科学者アルベルト役のステファーノ・フレージのほうが、印象に残ってしまう。
なにせズングリ・ブクブクのデブで、見た目からして存在感あるもんね。
最初は合法ドラッグを自分じゃ試そうとしなかったのに、
可愛い女の子とヤレそうなチャンスが到来すると、あっさりドラッグに手を出してしまいよる。

しかしどの元教授も、人懐こいというか、妙に親近感が湧いてくるなぁ。

ところで、ピエトロたちが合法ドラッグを売るために金持ちの屋敷を訪れるシーンで、
玄関らしきところに日本語カタカナで「ソウスルヤナンデモ、キープ・イット」と書かれていたんよ。
イタリアじゃ、日本語カタカナを壁などに書くことが流行ってたんかな~と、
それとも監督が日本びいき?なのかも。
どうでもいいことだけど気になってしまったわぁ。


ソニーピクチャーズ 2019年1月9日レンタルリリース



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「殺し屋とセールスマン」(73年・フランス) 凄腕殺し屋がセールスマンにワヤクチャにされまくるフレンチ・コメディやん!

「殺し屋とセールスマン」
去年、復刻シネマライブラリーの1本として発売され、今年の1月にTSUTAYAでレンタルとなったのが、この「殺し屋とセールスマン」。
復刻シネマライブラリーのリリース作品には見たいものが結構あるけど、セルオンリーだし廉価版も出ないし、なかなか見ることができないんよねぇ。
お金の余裕がないしさぁ。

ところで、この作品は日本劇場未公開だけど、ビリー・ワイルダー監督が81年に本作をリメイクしていて、邦題が「新・おかしな二人/バディ・バディ」(81年)。
主演がジャック・レモンとウォルター・マッソーだから、こんな邦題になったみたいだけど、出来がいまいちなのか、こちらも日本劇場未公開でビデオスルー。
ビリー・ワイルダーの遺作というのにね。

僕は、リノ・ヴァンチェラのファンなんで、ちょっと気になってDISCASでレンタルしたんよ。
監督がエドゥアール・モリナロ、脚本がフランシス・ヴェベールと
「Mr.レディMr.マダム」のコンビだし、そんなにハズレじゃないだろうと思ったのもあるしさ。

でこれが、テンポがいい、どこかスットボケタ、なかなか楽しめるクライム・コメディやった。
とにかく、殺し屋に扮するヴァンチュラが、
おとぼけセールスマン役ジャック・ブレルに仕事の邪魔をされまくり、
苦虫を噛みつぶしたような表情を浮かべるところが、
なんともおかしくってケラケラ笑っちゃうんよね。
90分弱と短い作品で、無駄なくスムーズに物語が展開するのもナイスやったわぁ。

政治事件の重要参考人を消す仕事を請け負った殺し屋ミラン。
参考人が出廷する裁判所の前のホテルの部屋を借り、ライフルを取り出し準備を始めた。
同時刻、隣室を借りたセールスマンのピニョンが、妻が他の男のもとに行ったことに絶望し、
首つり自殺を図ったが、細い水道管にロープをかけたばっかりに管を破裂させ、
部屋を水浸しにしてしまった。
隣室の異変に気付いたミランは、ホテルのボーイに調べさせ、ピニョンの自殺未遂を知った。
警察沙汰になってはまずいと、警察に知らせようとするボーイを言いくるめた。
そして、なんとかピニョンの気を落ち着かせようと話を聞き、
厄介払いのために、ピニョンを車で妻のところに送り届け、ホテルに戻った。
だが、妻はそっけなくピニョンを追い返してしまい、彼はまたもや隣室に戻ってきた…。

重要参考人が乗るはずだった車が何者かに爆破され、
間違って管理人が死に、重要参考人が無事だったことから、
殺しを請け負った男を、殺し屋ミランが一発で撃つ殺すところから始まる。
いかにもサスペンスタッチの導入部。
だが、ホテルに移って、ピニョンが登場してからはコミカルな展開となる。
ミランが仕事の邪魔をされたくないばっかりに、ピニョンを追い払おうとするんだけど、
それがいちいち裏目に出て、ミランがドツボにはまっていくところは、
フランシス・ヴェベールのアイデアを凝らした脚本のおかげか、
ベタなギャグに走ることなく、突拍子もない展開となり、ついついゲラゲラッと笑ってしまう。
部屋のブラインドを使ったギャグは傑作やった!
エドゥアール・モリナロのツボを押さえた演出テンポも実にナイスでおまんにやわ。

リノ・ヴァンチュラは、スーツをバッチリ着こなし、
風貌からして、いかにもクールで凄腕の殺し屋ミランにピッタリのハマリ役。
終始、仏頂面で笑顔ひとつ見せないんだけど、
疫病神ピニョンのおかげで、げんなりしてしまう感じを上手に漂わせていて、
なんか彼が可哀そうにもなってきてしまう、ほんまに。
なにせ、ピニョンがホテルの壁際から飛び降りようとするのを止めるために
ミランが外に出たばっかりに1階下のベランダに落ちてメッチャ痛い打撲したり、
ピニョンと勘違いされて精神安定剤の注射を打たれてしまったり、
あげくは拘束帯を付けられて病室に閉じ込められたり、
ボロボロにさせられてまくるんよね。

ミランを翻弄しまくるピニョンに扮したジャック・ブレルは、
馬面で、どこかボヨヨ~ンとした風貌で、本職はシャンソン歌手。
リノ・ヴァンチュラとはクロード・ルルーシュ監督「冒険また冒険」(72年)で共演したみたい。
その映画で気が合って、再共演したのかもしれないな。
なんか、全くタイプが違うのに、妙に相性がバッチリって気もするし。
僕は知らなかったけど、彼はベルギー生まれだけど、フランスで歌手として成功したそうで、
彼の曲を、デヴィッド・ボウイやスティングなど多くのミュージシャンがカバーしているんだとか。
お人好しで生真面目な性格ゆえ、彼といると退屈すぎると去っていた妻なのに、
彼女がいないと人生お仕舞だと絶望し、自殺未遂をはかる男を、飄々と演じてる。
ミランが嫌がっているのに、空気を読めず、最後の最後まで彼に付きまとおうとする姿は、
なんか気が良いキャラだけに微笑ましくなってくるなぁ。

ホテルのボーイ役は、どこかで見たことある俳優やなぁとキャストを調べたら、
「シェルブールの雨傘」(63年)でカトリーヌ・ドヌーヴの恋人を演じた
ニーノ・カステルヌオーヴォやった。
彼、あまりコミカルな演技は苦手なのか、
いまいちこの映画に溶け込んでないように思えたな。

ところで、リノ・ヴァンチュラ主演の僕の好きな映画
「女王陛下のダイナマイト」(監督=ジョルジュ・ロートネル 66年)と
「ギャング」(監督=ジャン・ピエール・メルヴィル 66年)が、
未だにDVDリリースされていないんよね。確かVHS(ビデオ)は出たけど。
復刻シネマライブラリーでDVDリリースされへんやろか。お願いしたいやんかいさぁ。

復刻シネマライブラリー 2019年1月9日レンタルリリース



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「ウェディング・バトル アウトな男たち★」(16年・アメリカ) 堅物オヤジと娘の恋人のハイテンション男の、ライトなノリのバトルやんかいさぁ!

ウェディング・バトル アウトな男たち★
アメリカのコメディ映画って日本じゃウケないのか、たいがい劇場未公開でソフトスルーってのが多いけど、この「ウェディング・バトル-」もアメリカじゃ週末興行収入ランキングで初登場4位と、それなりにヒットした(と思うんだけど)のに劇場公開は見送られソフトスルーとなっちっち。
出演が、「スパイダーマン」「オズ はじまりの戦い」のジェームズ・フランコに、「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、「GODZILLA ゴジラ」にも出ていたブライアン・クランストンとメジャー俳優競演だというのにね。

映画は、堅物オヤジが、大学生の娘の恋人が全身タトゥーだらけでエッチ大好きなハイテンション男と知って、なんとか娘と別れさせようとする軽いノリのコメディ。
フランコとクランストンがキャラにナイスマッチで、脇役も充実しているし、なかなか楽しめるアメリカン・コメディだったやん。

ミシガンで印刷会社を経営するネッドは、
カリフォルニアのスタンフォード大学にいる娘ステファニーから、
恋人のレアードに会わせたいと言われ、妻バーバラや息子スコッティと共に娘のもとにやってきた。
娘の案内で訪れたのはレアードが暮らす大豪邸。彼はゲーム会社の若き社長だったのだ。
だが、全身タトゥーで言葉づかいも下品でチャラさ満々のレアードにムカッときたネッドは、
スティファニーに、あんな男とは別れろと言うが、娘はそれをやんわりと受け流す。
レアードの豪邸に泊るハメになったネッドは、レアードと二人きりの時、
彼から「娘さんプロポーズする許可を下さい」と突然言われ、オタオタしてしまう。
それだけでなく、ステファニーが大学をやめて、レナードが作ったNPOの財団で働くと知り、
あんな男に娘をやるもんかと息巻いてしまうネッドだったが…。

監督は「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズの脚本を書いているジョン・ハンバーグ。
監督作に日本劇場未公開の「40男のバージンロード」(09)があり、
アメリカで大ヒットしたそうだけど、コメディ作品には定評がある人みたい。
本作じゃ、ハイテンション男と彼に敵意剥き出しの堅物オヤジの姿を、
ライトなノリで軽やかに描いていて、気楽にケラケラ笑える。
主演の二人だけでなく、妻のバーバラやレアードの秘書グスタフなど
脇キャラも一癖ある存在として映画に弾みを付けてるし。

傑作だったのが、「ピンク・パンサー」のクルーゾー警部と助手ケイトのもじり。
レナードがゲーム会社CEOだから誘拐される危険もあるとかで、
それに備えて、グスタフがレナードが油断している時に
彼に襲いかかるという訓練が、何度も出てくる。
ネッドが「それって、ピンク・パンサーか?」とレナード達に聞くが、
「ピンク・パンサー」のことを知らないレナード達がきょとんとするのには、
なんかジェネレーションギャップを感じさせて、ヘンに面白かったわ。

日本製の水洗トイレ洗浄機のギャグも笑ったやん。
使い方が分からないネッドに代わってグスタフがリモコン操作するのもヘンに可笑しいし、
エッチをネッドから拒まれたバーバラーがトイレ洗浄機で不満解消するのも、
キワドイけれど、サラリとした下ネタでムフムフムフよ。
この水洗トイレ洗浄機が、最後に物語を締めくくる役目を果たすのも、
そんなアホなと思いながらも、まあそれもアリでしょと受け流してしまえるかな~?

ストーリー展開が、ちょいトロい部分もあるが、
気の利いたセリフと適度な下ネタ・ギャグ、ナイス・キャストのアンサンブルで、
大爆笑とまではいかないけど、まとまりのあるコメディ作品になってるな。

雑誌「映画秘宝」によると、本作はコメディ俳優ジョナ・ヒルが
ダスティン・ホフマンの娘と付き合っていた時にひらめいたアイデアだそうで、
友人のベン・スティラーと二人で主役をやる企画だったらしい。

ま、それはともかく、
フランコのハイテンションぶりは嫌味がなく、ゲスっぽさもないし、
クランストンの堅物オヤジぶりも実に様になってる。

グスタフ役のキーガン=マイケル・キーが、
有能なのにお茶目なところもあるキャラを気持ち良さげに演じてるし、
バーバラ役のミーガン・ムラリーの熟女な色気も良い感じ。

ネッドとバーバラがロックバンドKISSの大ファンだという設定から、
KISSのジーンとポールが本人役で登場し、
「アイ・ワズ・メイド・フォー・ラビング・ユー」を歌うのも楽しいやん。


20世紀フォックス 2018年6月6日レンタル&セル・リリース



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「バンド・エイド」(17年・アメリカ) ケンカの絶えない夫婦がバンドを結成して、歌ってウップンをぶちまけるってか!

バンド・エイド
「バンド・エイド」ってタイトル名を聞いただけなら、ジョンソン・エンド・ジョンソンの絆創膏が出てくる軽めのメディカル・ドラマかなとも思うってことは間違ってもないけど、副題も付いていないし、なんともイメージしにくい題名やん。

お話は、クチゲンカが絶えない夫婦が、バンドを結成して二人のケンカをネタにした曲を作って歌い、ウップンを晴らしちゃおうとするライト・コメディ。

原題も「BAND AID」とまんまで、それをカタカナ表記にしただけだど、なんか不親切やんかいさぁ。
もうちょっと映画の中身をイメージさせるような副題を付けなアカンのんと違うと思ってしまいましたわさ。

で、これが夫婦の機微を軽やかに綴った、ちょい人懐っこい小品って感じの作品だった。
制作・監督・脚本は、主演も兼ねてる30代半ばの女優ゾーイ・リスター=ジョーンズ。
テレビドラマ「LAW&ORDER:性犯罪特捜班」や映画「29歳からの恋とセックス」(12)に出ているらしいけど、僕にはお初の美人の女優さんだった。

なんでもアメリカのインディーズ系映画祭で評判になり、
辛口米映画評価サイト「ロッテン・トマト」ってのがあるらしいんだけど、
そこで85%の高評価だったのね。
それなら大ハズレにはならないだろうと思い、レンタルして見てみることにしたんだ。

今日も朝からキッチンの皿洗いのことでケンカを始めたアナとベンの夫婦。
アナは、作家志望だったが夢破れドライバー(個人タクシーみたいなもの)で生計を支え、
ベンは自宅でネットのクラウドを使ったデザイナーの仕事を細々と続けている。
互いに愛し合ってはいるものの、ある出来事の後、心にシコリが残り、
それ以来ギクシャクした関係が続いていた。
ある日、アナの親友の子供の誕生日会に出向いた二人は、
たまたま身近に会った子供用ギターをベンが弾き、アナが歌った時、
久しぶり二人の間に心が通い合い、楽しい気持ちに浸れた。
そして、バンドを組んで互いのウップンを歌にしたらいいんじゃないと思いたち、
ご近所さんの独身男ディヴが打楽器が得意と知ってドラマーとしてメンバー参加を頼み、
ガレージで練習が始まった…。

ジョーンズは、数本の脚本を書いていて本作が初監督作(と思うんだけど)だが、
手持ちカメラで、アナとベンの日常を実にナチュラルにサラリと描いて見せてる。
下ネタ・ギャグもちょこちょこ出てくるけど、女性監督のせいか、
露骨なイヤラシサはなく、カラッとしていてカ~ルク笑える。
お隣さんのデイヴが、両親が離婚して以来、それがトラウマとなって性依存症になり、
依存者の会で知り合った元ストリッパーの女性達と同居同然の暮らしをしているってのが、
ヒネリが利いていてちょっと面白い。

バンドを結成するだけに音楽シーンもあるけど、そんなに上手いとも言えず、
曲もいまいち印象に残るものがないけど、
アナとベンが日ごろのウップンをぶちまける歌詞はそこそこ楽しめるな。

バンドを通して仲が良くなりそうに見えたところで、
フトしたきっかけで、またまた大ゲンカとなり、ベンが家を飛び出すんだけど、
彼の母から、自分が知らなかった誕生秘話を聞き、
彼女から、男と女の考え方の違いなどを教え諭され、
初めてアナの気持ちをベンなりに理解するところも、そんなに説教臭くないのがいい。
ま、セリフに頼り過ぎかなって気もするけどね。

ジョーンズは、心の奥底に過去の辛い出来事を引きずったまま、
それから乗り越えられないヒロインを、自分が脚本を書いているだけに、
嘘っぽさを感じさせず自然体で演じてる。
小ぶりの乳房もサービス(?)で見せてくれちゃってる。

夫ベン役は「ダーティ・グランパ」(16)に出ていたアラン・バリー。
自宅にこもっても仕事にあまり身が入らず、下着姿でぐうたらと日々を過ごすダンナを
これまた力まずサラリと演じてる。

ジョーンズやバリーより強い印象を残すのが、デイヴ役のフレッド・アーミセン。
「サタデー・ナイト・ライブ」でアメリカで広く知られるようになったコメディ俳優だけど、
感情をあまり顔に出さないポーカーフェイスの元性依存症の男ってキャラにピッタリで、
軽めの奇人を微妙なニュアンスを滲ませながら好演してる。
顔立ちが東洋っぽいと思ったら、
彼の祖父は韓国系日本人で舞踊家の邦正美って人なんだそう。
祖父の記念館が東京にあり、アーミセンはそこを訪れたことがあるんだとか。

ズシンとくる手ごたえを期待するとアリャリャとなるけど、
夫婦の心模様を軽やかに描いた、軽いがそれなり美味しい食事を
味わってみましょうって感じで見たらいいんじゃないって作品であ~りました。

しかし、こういう会話がメインの作品って日本語吹替えも収録して欲しかったわぁ。
ほんまにね。


ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2018年2月7日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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