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ヒットマンズ・レクイエム (08年・英・米)

ヒットマンズ・レクイエム

「ヒットマン」って言葉が題名に入ってると、アクション映画を想像しがちだけど、中身は、物静かで、ちょいシリアス、でもってどこかトボケた、風変わりな味わいのドラマだ。

物語は、若者レイと初老男ケンの二人の殺し屋が、ボスの命令で、ベルギーのブルージュって町を訪れ、ボスからの連絡を待つところから始まる。
レイは、殺しの仕事で、ある過ちを犯していて、後悔の念を抱き、悩みを抱えていた…。

「IN BRUGES」って、映画の原題にもなっているブルージュって町は、いかにもヨーロピアンな中世のおもむきを残した、レトロムードたっぷりの町で、美しい町並みを見ているだけで心が和んでくる。

そんな町を舞台に選んだってところで、ありがちな殺し屋アクションじゃないってことは察しが付く。

実際、ブルージュに来てから、ケンは町の名所旧跡を観光客気分で見て回ってるし、
そんなケンに、レイは静かすぎて退屈な町だとぶつぶつ文句を言ってはバーで飲んだくれてばっかり。
二人がかわす会話が、軽めのマンザイじみていて、思わず苦笑してしまう。
お気楽ブルージュ紀行って感じなんよ。

だが、ちぐはぐコンビのように見えて、ケンがレイを、ヤンチャ息子を見守るようなまなざしを投げかけていたり、レイもケンに甘えているような節があったり、微妙な男同士の絆みたいなもんが滲んでいるのが、良い感じ。

町じゃ、撮影隊が劇映画を撮っていて、それがニコラス・ローグの「赤い影」のオマージュ的作品らしいってのが、これまた風変わり。
レイは、映画出演者の1人、「赤い影」にも登場する小さい人に合わせたらしい、小さい男と知り合うんだが、その彼が物語にどのように絡んでくるか、見ていて、全然予想ができない。
また、レイは、ヘロインなどヤクを撮影隊に提供している若い女性とも知り合う。こちらは、やっぱりそうくるかと納得の展開。

やがて、ケンにボスからの命令がくるところから、ほんわかムードは一変、サスペンス色が高まる…。

ボスの命令に従うべきかどうか…。レイを助けるべきか否か…。
ケンは、思いあまり、我が身をなげうって、ある行動にでてしまう…。

アメリカ映画のようなテンポの良さはないけど、登場人物一人一人の心情を丁寧に描いて、人間ドラマとして、なかなか見応えがあるのよ。
小さい男は、ラストで、可哀相な運命が待ち受けているが、それが、突然現れたボスの行動を左右させてしまうってのも、オモシロイ。
しかし、イギリスの裏社会の男たちの掟というか、仁義というか、それに縛られる故に、ボスもあんなことになってしまうとは…。
皮肉な結果だが、ヨーロピアンな裏世界の男のけじめの付け方なんだろうね。

秀作とか、めっちゃオモシロいとは言えないけど、
殺し屋二人のブルージュでの日々に、ニヤリとさせられたり、クスリとさせられたりしながら、
もの悲しさ、切なさを伴って迎えるエンディングに、グッときてしまった。
じんわりと哀愁感が漂うんよ。

主演は、若者レイにコリン・ファレル、相棒ケンにブレンダン・グリーソンで、二人ともアイルランド系。
でもって、ボス役にレイフ・ファインズと、なかなか渋めの役者が揃ってる。
恰幅の良すぎるブレンダンは、動きが鈍重そうで、ちっとも殺し屋に見えないけど、それがかえって妙なリアリティを感じさせる。コリンは、やんちゃ坊主まんま。
グリーソンと、ファインズって、「ハリー・ポッター」シリーズで、グリーソンが魔法学校の先生、ファインズがポッターの憎き敵・ヴォルデモート卿を演じているけど、本作で再共演を果たしているんよね。余談だけど。

ブレンダン・グリーソンって、今じゃ脇役一筋だけど、98年にジョン・ブアマン監督作「ジェネラル 天国は血の匂い」で、堂々の主役を演じ、アイルランドの英雄と言われるマーティン・カヒルを好演してロンドン映画批評家賞最優秀男優賞を得ている。
これも劇場未公開で、日本じゃビデオリリースのみ。ドキュメンタル・タッチの秀作なんだ。
再見したいんだけど、ビデオはとっくに廃盤。グリーソン主演じゃ、DVDも出ないだろうな~。
見た目、デブの中年オヤジ主演だもんなあ。

ジェネオン・ユニバーサル 09年12月2日リリース

テーマ : 日本未公開作品
ジャンル : 映画

ボディコン・モデルは殺しがお好き!?(93年・米)

ボディコン・モデルは殺しがお好き!?

めっちゃ面白いとは言えないけど、妙に頭のどこかに残っている映画ってのがある。
この「ボデヒコン・モデルは殺しがお好き!?」もその一本。

この映画の中古ビデオは、500円で購入して持っているんだけど、12月2日にソニーから廉価版DVD(1480円)で出たので、ノートリミングだし、特典にメイキングドキュメンタリーもあるし、思わず買ってしまった。

ボディコンって言葉、今じゃとっくに死語になってるけど、ビデオが出た94年頃は、おニューな言葉だったんだ(と思うんだけど)。

監督は、知る人ぞ知るテレビ・コメディの超オモシロ・シリーズ「俺がハマーだ!」の製作者アラン・スペンサー。脚本も書いてて、劇場映画デビュー作のようで、かなり張り切って撮ったんだと思う。

僕が、この映画のどこに惹(ひ)かれているかと言えば、殺しがお好きなボディコン・モデル、ヘキシーナの超ビッチぶり。
演じるクローディア・クリスチャンは、SFアクションの快作「ヒドゥン」の、エイリアンに寄生されるストリッパー
役で知られている(そうでもないか)けど、八頭身のナイスなプロポーションだが、顔がちょいイケズっぽいオバハン顔で、可愛らしさ皆無で、ぜんぜん日本人好みじゃないタイプ。
でも、それだからこそなのか、目をひん剥いて、ナイフを振りかざし、男に襲いかかる様は、恐ろしさの中に、どこかドライでコミカルなニュアンスを醸し出してて、本編のキャラにピッタリとマッチしてるのよ。

物語は、お調子者のホテルマン、マシューが、宿泊客であるヨーロッパのトップモデル、ヘキシーナとお近づきになろうと、彼女の待ち合わせの人物になりすまし、デートにこぎつけるが、エッチの後、突如ヘキシーナがナイフでマシューを殺そうと襲ってきた…。
実は、彼女には絶対に人に知られてはいけない秘密があったのだ。
嫌みなマシューの上司であるマネージャーや、文句の多い宿泊客の中年男などが絡み、しっちゃかめっちゃかの展開になるが…。

DVDで見直したら、ビデオで見た時は、それなりに面白かったんだけど、監督の演出テンポが少々ぎこちないところがあり、ギャグもいまいち効果的でない部分も見うけられた。
何しろ15年前に見て面白かったわけで、その時の僕のコメディに対する感性が、現在の僕の感性とズレてしまったんだろうか。
コメディは好きでよく見ているから、僕のコメディに対する感性が肥えてきたんだと、思いたいところだけど。
でも、脚本は面白い。
配役も、クローディアを始め、マシュー役に「フォー・ザ・ボーイズ」のアリー・グロス、刑事役R・リー・アーメイなど、それぞれキャラに合ってる。

何はともあれ、この映画、僕としちゃ、クローディアのビッチぶりを楽しむ作品かな。

テーマ : 日本未公開作品
ジャンル : 映画

プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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