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「恋愛ルーキーズ」(06年・アメリカ) ヘタレ男が、特訓授業でモテる男に変身できるかな?

恋愛ルーキーズ

DVDスルーの予定だったけど、無事劇場公開となった
「ハングオーバー!消えた花婿と史上最悪の二日酔い」(09)の監督トッド・フィリップスが、
その3年前に撮ったのが、この「恋愛ルーキーズ-」。
「ハングオーバー」が話題にならなけりゃ、ひょっとしてDVDスルー・リリースもなかったかもしれないな。

フィリップス監督作品って、「スタスキー&ハッチ」(04)「アダルト・スクール」(03)と、
意外にDVDスルーとして日本でも数本リリースされているけど、
「スタスキー-」も「アダルト-」も、どうも僕の笑いのツボにはまらなかったのか、
展開もモッチャリしていて、あんまり笑えないし、オモシロがることができなかったわさ。

だから、トッド・フィリップス監督のコメディ作品はパスしたいって気もあったけど、
まだ見ていない「ハングオーバー-」が、日本でも評判みたいだし、
ひょっとして監督の演出センスが変わったのかもしれないと思い、借りて見ることにしたんだ。

ニューヨークで駐車違反取締り官をしているロジャー。
気弱な性格ゆえに、取締中に、制服と靴を不良達に奪われてしまうし、
ボランティアで水泳を子供を教えていたのに、子供の方から、頼りないから教えていらんと断られたり、
でもって、同じアパートに住むオーストラリア女性アマンダにほのかな恋心を抱いてはいるけど、
まともに会話すら出来ないときている。
そんなヘタレな性格を直すために、友人から教えてもらった秘密の特訓授業をうけることにするロジャー。
その教室で、ロジャーは彼同様のヘタレ男達と共に、
ドクターPとマッチョなアシスタントの、ちょいハードな特訓を受けることになった。
そして、少しずつヘタレを克服し、アマンダをデートに誘うことにも成功するが…。

ヘタレな男が、自ら奮起し、新しい自分に生まれ変わるって話、
今まで、様々な映画でお目にかかったような気がするけど、
なんていうか、その手の物語って、なんか好きだな。
僕自身、知能はまあまあだけど、スポーツ苦手で、ケンカは弱いし、あんまりモテたことないし、
共感するところがあるからかもしれない。

本作のヘタレ男役は、「バス男」のオタク青年、ジョン・ヘダー。
見るからに、心優しいけど、ヘタレな雰囲気ビンビン、ナイス・キャスティングだ。
ヘタレ仲間も、ミュージシャンのモービー似の男にトッド・ルイーゾ(確かに似てる)、
「ファン・ボーイ」のデブ、ダン・フォグラー他、いかにもヘタレなキャラが似合う男優が並んでる。
ルイーゾは、ラストで結婚にこぎ着けるんだけど、
相手は彼をモービーと勘違いして一緒になったってのが、個人的には、めっちゃ笑えたやん。

そんなヘタレ男達を鍛えるドクターP役は、演技派ビリー・ボブ・ソーントン。
カリスマチックな鬼講師ってキャラを、うさん臭さを漂わせながら、妙にリアル感たっぷりに演じてる。
そして、彼のアシスタントが、「グリーン・マイル」の巨漢マイケル・クラーク・ダンカン。
強面ながら、変にコミカルな味わいがあって、
生徒達が女性を口説くレッスンの時の、ダンカンのいでたちと物腰は、ほんま笑ってしもたわ。
監督は、明らかに、彼だから絶対笑いが取れるやないけと、狙ったキャスティングみたい。

ロジャーが、アマンダといい雰囲気になって、ハッピー気分に浸るはずが、
恋敵が登場してしまう。
それは、まさかまさかのドクターP。
そして、ロジャーとドクターPの間に、ラブ・ウォーズ勃発!
だが、ドクターPの巧妙かつ汚い作戦の前に、ロジャーはドツボの状態に陥り、
あえなく敗戦、するかに見えて…。

アマンダ役は、役柄通りオーストラリア出身のジャシンダ・バレット。
「ポセイドン」などに出ていた清潔感漂う、人当たりの良さそうな庶民派っぽい女優さんだ。
とくべつ印象に残るってこともなく、無難に役を演じてるかな。

後半に、ドクターPに、ロジャーと同様の目に遭わされたロニーが登場。
演じるは、スペシャルゲストとでもいうべきベン・スティラー。
フィリップ監督の「スタスキー&ハッチ」で、スタスキー役をやっていて、
監督と懇意にしていたのね。
やはり、スティラーって目立ってしまうというか、場面をさらうというか、
出番は少ないながら、出演場面に濃厚にスティラー色みたいなのを滲ませまくってる。

フィリップの演出タッチは、「スタスキー-」や「アダルト-」に比べ、
と言っても2作品とも、内容に関してはそんなに記憶はないんだけど、
登場人物に共感させる要素が出てきたのかなーってところ。
実際、ロジャーにエールを送りたくなってくるもんね。
さほど、オモシロイ演出を試みてるわけでもないし、至ってオーソドックスなんだけど、
ムダと思える描写もないし、上手にまとまってる。
ロジャーは時々パニック発作に見舞われるという持病があるんだけど、
それが伏線となって、ドクターPとの最後の対決で効果的に使われていたり、シナリオもなかなか。
笑える要素と、主人公の成長ドラマが巧くミックスされていて、
見終わってから、なんかいい気分にさせられるんだなー。

ラストに、ちょいほろ苦い味も出してて、
このためにソーントンを起用したんだなと、納得させられたわさ。
彼なら、ああいうセリフを言っても、説得力満々だから。
どんなセリフかは、見てちょうだい。

しかし、今後、モービーの音楽を聞くと、この映画を思い出してきてしまいそうやなぁ。

ロジャーは成長して彼女もゲットできたけど、僕はいまだに独りもん。
大阪のどこかに、気弱を直す特訓教室ないやろか!
しかし、あんなヘビーな授業やったらイヤやしなぁ。
ま、生涯独身ってのも、それはそれでええかもね。なるようになる。♪ケセラセラ~

カルチュア・パブリッシャーズ 2010年8月4日リリース



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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

「ケース39」(09年・アメリカ・カナダ) 悪魔な少女にビビリ・バビリ・オゾゾッゾーなオカルト・サスペンスやんかいさ!

ケース39

レニー・ゼルウィガーって、「ベティ・サイズモア」(00)で、
テレビのメロドラマに夢中になり、夢と現実の区別のつかなくなったヒロインを、のほほんと演じていて、
ふんわりしたコミサルさを持つ、おもしろい女優さんだなって思ったことがある。
作品じたいも良く出来ていたし。
でも、彼女のファンになるってところまではいかなかったから、
彼女の新作を熱心に追いかけるってこともなかった。
アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた「ブリジット・ジョーンズの日記」(01)を見たぐらいかな。

そんな彼女が、ホラー・サスペンスの主人公を演じたのが、この「ケース39」。
別に彼女を見たいと思ったわけでなく、
監督がドイツ映画「アンチボディ 死への駆け引き」(05)のクリスチャン・アルバートだったから見たんだ。
「アンチボディ-」は、連続殺人鬼と小さな村の刑事との危ない心理ゲームを、
ヒリヒリするようなタッチで描いた、上出来のサスペンスで、僕の好きな作品のひとつ。
劇場未公開作品の掘り出し物だったわさ。

なんでも、雑誌DVDでーたによると、
「ケース39」は衝撃的な児童虐待の描写のためにアメリカでの公開が見送られ、
ヨーロッパのみで公開されたんだとか。
ま、こういう情報は、どこまで本当かどうかは判らないけど。
単に、作品の出来が悪くてそうなった場合もあるだろうし、
描写された出来事に近い事件が実際に起こったので、社会的影響を考え
公開見送りにしたのかもしれないし。

とにかく、若干、作品の出来に不安を抱きつつ、レンタルして見ることにしたんでおます。

親の虐待が疑わしい10歳の少女リリーを担当することになった児童専門のソーシャルワーカー、エミリー。
彼女は、リリーの家を訪問した時、両親の様子がどこかおかしいと感じる。
そして、真夜中、リリーからの助けを求める電話で、
刑事マイクと共に駆けつけ、両親がリリーをオーブンで焼き殺そうとしているのを目撃。
なんとかリリーを救出し、両親は捕らえられる。
孤児となったリリーに愛着が湧いたエミリーは、彼女を引き取り一緒に暮らすが…。

あんまり映画の内容を書くとネタ晴らしになってしまうので、止めておくけど、
「エクソシスト」のリーガンみたいに、少女の体に悪魔が宿ってしまうって話かな、
それとも「エスター」みたいに、9歳にみえるが実は…って話かなと思いながら見ていたら、
どちらでもなかったってところが、ある意味新鮮だったな。

「アンチボディ-」じゃ、生まれながらのサイコキラー、悪の塊というか、純粋悪というか、
良心のかけらもない悪魔的な凶悪殺人鬼エンゲルを、おぞましさたっぷりにリアルに描いたアルバート監督、
本作でも、人を思うがままに操り、恐ろしい幻影を見させ、
苦しみ死んでいく、または残虐に殺されていくのを冷ややかに楽しむ、超自然的な純粋悪の存在を、
切れ味鋭く、ヒリヒリするような演出タッチで描いて見せてる。
映画の後半は、久しぶりにビビッたわ。
もう、リリーが画面に現れるだけで、次は何が起こるんやろとドッキドキよ。

人の良さげなソーシャルワーカーってキャラは、
そんなに美人じゃないし、庶民的な雰囲気のゼウィルガーにうまく合っていたな。
リリーを引き取ったばかりに大変な目にあうんだけど、徐々にリリーに恐怖を感じ、
超ヤバ状況を切り抜けようと必死のパッチで藻掻きまくるところは、
演技が達者なだけに真実みがあって説得力満々。

でも、なんと言ってもリリー役ジョデル・フェルランドの鬼気迫る演技が強烈だ。
か弱そうで、切なげな瞳、体も華奢。最初はとても可憐に見える。
それだけに、映画の後半で、あんなことを…。
ギャップもスゴイが、それを演じきった彼女に、個人的にオカルト・ホラー賞をあげたいくらいだ。
「サイレントヒル」で、ヒロインの娘をやった子役だけど、
その時は、そんなに印象には残らなかったんだけどな。
テリー・ギリアム監督の「ローズ・イン・タイランド」(05)にも出ていたくらいだから、
子役ながら演技力はあるみたい。
しかし、リリー役をやってしまったら、今後はもう、普通の女の子の役、出来ないんとちがう。
それほど、リリー役のインパクトは、僕にとっちゃスゴかった。

アメリカとカナダの合作となっているけど、アメリカ映画らしく、
展開がスパスパ早くて、タイトな仕上がりだけど、
もう少し、オカルト的雰囲気をじんわりと醸し出すような場面もあっても良かったんではと思う。
ま、展開が早いおかげで、やっぱりそう来るかというご都合主義的なシーンも、
純粋悪のパワーが、破壊力ガンガン、ちょい度を超し過ぎやないのと疑問を持ってしまいそうな部分も、
さほど気にならないんだけど。
セル用ソフトには、映像特典に、削除シーンが約30分も挿入されているみたい。
ひょっとしたら、雰囲気描写の部分はプロデューサの権限かなんかで、
ドバドバ、カットされたんかしら。
そのうち、アルバート監督が大物になったら、よくある完全版ってのが出るかも知れないな。

共演は、本作の共演をきっかけにゼウィルガーと結婚したブラッドリー・クーパーがエミリーの恋人役。
セラピストだったばかりに、エミリーに頼まれリリーの診断をし、そしてアチャチャ!なことに。
ハンサムだけど、演技力そこそこ、無難に役をこなしているって感じで、
とりたてて印象に残るってところまでは行かなかったな。

それより中年刑事マイク役のイアン・マクシェーンのほうが、
いかにも勤続30年を越えたベテラン刑事って感じを体から滲み出させていて、画面がビシッと締まるわさ。
コメディからシリアス、アニメ声優なんかもこなすイギリス出身の俳優だ。
リリーの両親役カラム・キース・レニーとケリー・オマリーの、
神経を病んでいるようなエキセントリックな雰囲気もベリーナイスでおまんにやわ。

ナイスな脇役陣のおかげで、リリーの恐ろしさがより際だつと言うもんだ、ほんまにね。

ところで、アルバート監督は、本作でアメリカ劇場映画デビューのはずがアカンかったんで、
次に撮ったSFホラー「 Pandorum(原題)」で劇場デビューを飾ったらしいけど、
日本じゃ、公開される予定はあるんやろか。
ベン・フォスター、デニス・クエイドとキャストも充実しているけど。

「ケース39」パラマウント 2010年7月23日リリース
「アンチボディ 死への駆け引き」アネック 2009年10月2日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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