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「笑いながら泣きやがれ」(09年・イギリス) スコットランドのメタボ・コメディアンが危機一髪に陥ってもた!

笑いながら泣きやがれ

2009年度英国アカデミー賞スコットランド最優秀映画賞を受賞した、
なんとも人間くさいサスペンス・ドラマでありました。
スコットランドと言えば、僕にはショーン・コネリーの出身地で、
男性の民族衣装がスカート風のキルト、それに素朴チックな音色の楽器バグパイプぐらいしか思い浮かばない。
同じイギリス国内なのに、わざわざ映画賞に「スコットランド」の名前が付けられてるって、スコットランド独自の映画制作方法ってあるんだろうかしらね?
辞書で調べたら、スコットランドは牧羊が盛んな土地柄で、
18世紀までイングランドと対立抗争を繰り返していて、1700年合併したってことだから、イギリス内でも、独自な生活様式や文化があるのかもしれないな。
ま、そんなスコットランドを舞台に、
中年スタンダップ・コメディアンが、大変な目にあっちゃう物語。

それなりに人気のあるコメディアンのジョーイは、
麻薬常習、借金、泥酔の日々というめちゃくちゃな生活がたたり、
妻子は愛想を尽かして出ていき、今じゃ、しがない独身生活。
でも、妻とは友人としての付き合いが続いていて、週に何回かは、愛する娘エイミーの面倒を見ている。
ある日、ジョーイの前に、25年前の学校仲間だというフランクが現れた。
ジョーイが酒を飲み過ぎて起こしたらしい(?)身に覚えのない傷害罪で逮捕された時、
フランクが、彼に泊まる部屋を提供したり、何かと親切に世話を焼いてくれた。
そして、フランクから昔の仲間の同窓会に行こうと誘われ、渋々同行したジョーイだったが、
着いたところは老人介護ホーム。
でもって、痴呆老人の誘拐を手伝わされてしまう!

物語は、ジョーイが海辺で、スタンダップ・コメディのネタを考えているところから始まる。
これが「俺はマスカキ野郎」とか「オナニー好き」と、
下品な自虐ネタみたいなのばかりで、あんまりオモシロイとは思えないんだけどね。
でも、これがステージじゃ受けてるらしい。土地柄なんかしらね。
次のシーンじゃ、「笑いの帝王」なんてアナウンスされてジョーイが登場すると、顔中傷だらけ。
なぜそうなったのかをギャグを交えて話し出すところから、
彼の身に起こった出来事が描かれていくってワケだ。

ジョーイ役は、スコットランド生まれのスティーブン・マッコール。
「天才マックスの世界」(98)や「マグラレンの祈り」(02)に出ていた俳優で、
どうも脇役専門だったみたいだけど、本作じゃ主役。
そのせいか、めっちゃ張り切っちゃったみたいで、
ジャケット解説によるとスタンダップコメディの勉強もしたそうだし、
無精ひげにダブついた腹で、芸には熱心だが、私生活はグダグダの主人公を、存在感たっぷりに好演。

胡散臭い男フランク役は、ジョー・ハートリー。
イギリスのベテラン俳優で「フィフス・エレメント」のイアン・ホルムを、
ちょい厳つくしたような顔つきの小柄な俳優さんだ。

この二人が軸となって展開するんだけど、この二人はもとより、ジョーイの中年オバハンのマネージャー、
新しい恋人暮らす妻、コメディアン仲間と、どの登場人物にも生活の匂いってもんが漂っていて、
地に足の着いた感覚みたなのが感じられて、なんか好感が持てるな。

ジョーイがフランクの策略にかかり、老人誘拐ってところから、サスペンス色が出てくるんだけど、
その老人ってのは、ジョーイは気がつかなかったけど、二人の学校時代の教師で、
その教師によって、過去にジョーイに思いもよらぬ出来事が…。

あんまり書くとネタ晴らしになるから止めるけど、
過去の過ちをずっと引きづった男が、それを償おうと決めたことから、
飛んでもないことをしでかしてしまうんよね。

サスペンスと言うには、あんまりサスペンス色は希薄だけど、
だらしない主人公が、巻き込まれたトラブルを通して、
だらしなさは相変わらずだけど、ほんの少し、前向きに生きていこうとするってところが、
ナイスでおまんにやわ。

監督は、ジャスティン・モロニコフって人で、おそらくスコティッシュだと思うけど、
手持ちカメラを多用し、画面に人物の息づかいみたいなもんを上手に写し取っている。
派手さはないけど、物語がグラツクこともなく、手堅くまとめあげていて、
庶民的で、どこか人なつっこい雰囲気があるなって感じるな。
主人公にも、すんなりと感情移入できるし。
でもってラストじゃ、ジョーイに、これからも頑張れよとエールをおくりたくなってくるわさ。

ジョーイが、必死で笑いを身につけようとした理由を語るところがあるけど、
それは少年院に入れられた時…。
さらりと語られるこのエピソードは、なんかツライなーというか、ちょいしんみり。

しかし、ジョーイのスタンダップ・コメディの下ネタ、
ほんまに、あんなんでお客が笑うんやろか。
いくら酒を飲んで酔ってる客とは言え、僕なら笑えないなぁ。
スコットランド地方の笑いのレベルって、なんかなぁ。
監督が脚本も書いてるから、ひょっとして監督のツボなんかも知れんけど。

とにかく、ほんの少しのハラハラドキドキと、ヒューマンなテイスト、それに心地よいエンディング。
好きな作品のひとつになったみたいでありまんにやわ。

オンリー・ハーツ 2010年9月22日リリース



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「チャックとラリー おかしな偽装結婚!?」(07アメリカ) 僕たちゲイのふりした仲良しストレート・ガイ・コンビでーす!

チャックとラリー おかしな偽装結婚!?
劇場未公開の気になる新作は、こまめにチェックして見ているけど、
めぼしい作品が見つからない時は、見逃していた、ちょい前の作品をレンタルする時がある。
アダム・サンドラーって俳優さん、アメリカじゃ人気コメディ・スターだけど、僕はどうもが好きになれなくて、彼主演の作品はついついパスしてしまう。
この「チャックとラリー-」も、2年ほど前に日本でリリースされた作品で、「あのハリポタを蹴落として全米初登場ナンバー1!」ってキャッチ・コピーが気にかかっていたけど、サンドラー主演ってことで、見ずじまいでありやんした。
で、なんとなく借りたんだけど、これがなかなかの、僕にとっちゃ大当たりのオモシロ・コメディでおましたわさ。
俳優で選り好みして作品を選んだら、オモシロ映画を見逃してしまう時もあるんやなぁ、ほんまに。

消防士ラリーは、将来を考え、年金の受取人を亡き妻から子供に変えようとしたら、
税務署員から、それは無理、でもすぐに変えたいなら、再婚相手への名義変更が手っ取り早いと言われてしまう。
だが、亡き妻への愛を貫いているラリーに、再婚の意志は全くなかった。
そんな彼が目を付けたのが「ドメスティック・パートナー法」。
同性同士の結婚を認め、同性に配偶者と同じ権利を認める法律だ。
ラリーは、危機一髪のところを救った親友チャックに頼み込み、ゲイといつわって偽装結婚にこぎ着ける。
だが、不正取締官に疑われ、疑惑をかわすために、カナダで結婚式をあげ、
チャックはラリーの家で同居するハメになるが…。

ストレートな男二人が、子供のためとは言え、ゲイになりすましたことで、
消防士仲間から敬遠されたり、反ゲイ活動家たちに罵倒されたり、ゲイ・バッシングに直面してしまうけど、
アメリカって、同性愛者に対して、とても寛容な国だと思っていたけど、現実はそうでもないんだ。

最初は、ゲイをオモシロおかしくテーマにしたコメディだなんて思っていたから、
結構、リアルな現実も盛り込まれていて、ちょっとびっくり。

でも、そんな現実をちゃんと折り込みながらも、
ストーリーは重くならず、あくまでカラッと明るく、ギャグを散りばめて、キビキビと展開。

多分、チャック役アダム・サンドラーとラリー役ケヴィン・ジェームズのネアカなコンビぶりのせいもあるな。
特に、小太りで、どこか愛嬌があって、いかにも人の良さそうなケヴィンのキャラが、
穏和なムードを醸し出していてナイスでおまんにやわ。ちょいファンになってもた。

脇のキャラも、マッチョで強面だが実は…の消防士仲間フレッドにヴィング・レイムズ、
執拗にチャックらの周辺を嗅ぎまわる陰湿っぽい不正取締官に、スティーブ・プシェミ、
それに、チャックらに協力するセクシー・ボディの女弁護士に、ジェシカ・ビールと、
適材適所のキャスティングもええ案配よ。
ラリー宅に訪れる、どうもゲイな匂いの郵便配達人や、カナダの簡易結婚式場支配人のチビの東洋人、
結婚の介添人になるダンスがメチャ巧い老人ホームレスなど、小さな役まで、キャスティングに怠りなし。
ダンス好きでミュージカルスターを夢見るラリーの息子エリックってのもグーでおます。
消防署署長に、「ブルース・ブラザース」のダン・エイクロイドが扮しているけど、
あまりにまともすぎる役柄で、まるで目立たない。別にエイクロイドでなくってもと思ってしまうわ。

ゲイにまつわる小ネタの数々も、クスリッとさせられるな。
ゲイ・カップルを装うためにアイテムを揃えるとろころがあるんだけど、
CDを選ぶ時、これはゲイ向きと選んでいくミュージシャンが、
ワム、ヴィレッジ・ピーップル、バーブラ・ストライサンドと、いかにもって感じだったり。

ストーリーが丁寧で、細部にまで行き届いていて、良くできているなと脚本担当を調べたら、
アレクサンダー・ペインの名があった。
「アバウト・シュミット」(02)「サイドウェイ」(04)など、ユーモアとペーソスを巧みにブレンドして、
人生の機微を奥深くも軽やかに描いてみせる、僕の好きな監督さんだ。
アレクサンダー・ペインの名が、もっと前面に出ていたら、リリースされた時にレンタルしたのにな。

監督は、デニス・デューガン。
ブルース・ウィリスのテレビドラマ「こちらブルームーン探偵社」の監督の一人で、
サンドラーとは「俺は飛ばし屋/プロゴルファー・ギル」「ビッグ・ダディ」でタッグを組んでいるみたい。
監督独自の個性ってのは、あまり感じないけど、ムダのないストーリー運びで、上手にまとめ上げてる。

全てがまるくおさまり、全員揃ってのパーティで、
ラスト、会場を俯瞰で撮り、カメラがグングン空高く遠のいていくと、
周囲がナイアガラの滝で、その向こうに夜の都会の明かりが映るって場面、
何ともそう快で、気持ち良かったわぁ。

これからは、アダム・サンドラー主演だからって敬遠しないでレンタルしようっと。
また、ケヴィン・ジェームズの作品もチェックしなくっちゃ。

ユニバーサル・ピクチャーズ 2008年6月12日リリース



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「デルゴ」(06年・アメリカ) ボイスキャストはそれなりに豪華なファンタジーアニメなんだけどねぇ!

デルゴ

「圧倒的なスケールと壮大なストーリー!『アバター』を彷彿させるアクション・アドベンチャー」って、ジャケットのコピーに釣られてレンタルしてしまったファンタジー・アクション・アニメでおます。

声のキャストが、ヴァル・コルマー、マルコム・マクダウェル、マイケル・クラーク・ダンカン、エリック・アイドル、バート・レイノルズ、サリー・ケラーマン、ルイス・ゴゼット・jr、それにアン・バンクロフト。
主人公のデルゴの声が「ラストサマー」のフレディ・プリンゼ・jr、ヒロインのお姫様カイラに、これまた「ラストサマー」のジェニファー・ラブ・ヒューイット。

それなりに充実した豪華ボイスキャストを揃えているんだけどね。
なんか、キャストがもったいなさ過ぎる、なんとも悲しい作品の出来映えに、トホホ感を抱いてしまった作品でありましたわさ。

緑豊かな大地で、穏やかに暮らすロックニ族。
荒廃した土地に住む、翼を持つノーリン族の王は、ロックニ族との平和的交渉で移住を考えていた。
だが、王の妹で好戦家のセデッサが、軍を率いてロックニ族に攻め入り、殺戮を繰り広げた。
セデッサの行為に怒った王は、彼女の翼を切り落として追放し、ロックニ族と停戦をかわした。
それから15年、ロックニ族の若者デルゴは、ある日、ノーリン族の姫カイアラと出会い、
互いに好意を持つようになった。
そんな折り、王への復讐と、ロックニ族とノーリン族を自分の支配下に置きたいと
邪悪な野望を抱くセデッサが、カイラ姫を誘拐し、デルゴにその罪を着せ、
両種族を、再度戦わせようとするが…。

舞台は、異世界の出来事ってことで、
奇妙な植物や生物も出てきて、それなりにファンタジー・ムードを醸成しようとはしてるんだけどね。
羽根を持つ空飛ぶ巨獣も、そんなに悪くはないし。
どうも、キャラのビジュアルが取っつきにくいというか、僕には好感が持てなかった。
ロックニ族ってのは、体がグリーンで縞模様があり、点を並べたような眉が、なんかヘンなんよ。
だから、主人公デルゴに、いまいち感情移入できなかったんだわさ。
ヒロインであるカイラ姫も、さほど美人ってわけでもないし、といってチャーミングってこともない。
コスチュームも、エアロビのインストラクターじみていて、ちっともお姫様っぽくない。
この二人が愛し合うようになるんやけど、見ていて、好きにしたらええやんって気になってくる。
ちっとも応援したくならないんだわさ。

サブキャラの、デルゴのオマヌケな友人ファイロも、そのベタな間抜けさ加減にゲンナリくるし、
敵役セデッサの、憎々しさというか邪悪さみたいなのも、いまいちだし。

製作総指揮と監督は、マーク・F・アドラーって人で、
ネットで今までどんな作品に関わったか調べたけど、全くデータが見つからなかった。
この人、物語をただ単に語ろうとするだけで、映画的魅力っていうのかな、
映画ならではのオモシロサってのを、うまく表現できないみたい。
映画的センスが、欠如気味なんじゃなかろうか。
異世界、不思議なキャラ、それに恋とアクション、裏切り、野望etcを、
適度に組み合わせて、アニメにしたら、オモシロイ物が出来ると単純に考え、
深く考えずに、スタッフを集めて、実行してしまったって感じかな。
それも、製作期間6年もかけて。

で、作品の出来映えに不評を買い、これはアカンやないけと、
作品価値を上げるために、
そこそこネームバリューのある俳優をボイス・キャスティングしたのと違うかしらね。

だから、いろんな要素が詰まっていて、
うまく料理すればオモシロイ作品になったかもしれないけど、
結果として、そうは問屋がおろさなかったんでおまんにやわ。
展開が早くて、テンポだけは良いけど、それだけじゃなぁ。

デルゴが、ファイロと共にノーリン族に捕らえられ、
だだっ広い牢屋の、空中の檻に入れられ、脱出するする場面が出てくるけど、
よく似たシーン、他の映画で見たなぁと記憶をたぐっていて、
あ、そうや、テリー・ギリアム監督の「バンデッドQ」で
主人公の少年と小人たちが檻に閉じこめられた場面やと思い出した。
ひょっとして、「バンデッドQ」からの拝借やろか。
どう考えても、オマージュじゃないと思うし。
別に拝借でもいいけど、それなら、もっと上手に拝借しアレンジを加えなきゃなぁ。

エンドクレジットの後に「アン・バンクロフトに捧ぐ」と出るけど、
この映画がバンクロフトの遺作なんだけど、こんな作品が遺作やなんてヤメテ欲しいわぁと、
あの世でムカツキまくってるんやないやろけ。
ほんまにね。
ちなみに、アン・バンクロフトは、セデッサの声を担当してはります。

とにかく、誉めたい部分を見つけようとしたけど、
最後まで見つけられなかったアニメでありましたわさ。

20世紀フォックス 2010年8月27日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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