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「ミドルメン アダルト業界でネットを変えた男たち」(10年・アメリカ) オンライン・カード決済って、ネットのポルノから始まったんや!

ミドルメン アダルト業界でネットを変えた男たち

邦題は、原題と同じ「MIDDLE MEN(ミドルメン)」。
勝手に「中年男達」って意味やと考え、ヘンなタイトルやなっと思ったら、英和辞典で調べたら「仲介人」や「代理業者」の意味やった。
ネットを通じてポルノを提供する業者と、他人に知られずポルノを楽しみたいユーザーの、仲介者としてのビジネス(オンライン・カード決済システム)を立ち上げた男達の物語でおます。
なんでも、インターネットがまだ最新技術だった1995年頃、
ネットで初のポルノ販売を始めた、実在の人間達を描いたもので、
主人公のモデルは、本映画の製作にも加わってるクリストファー・マリックって人らしい。
同じネットをテーマにした「ソーシャルネットワーク」が話題になったってことで、「ミドルメン」が製作されたのかも知れないな。
でも、たいして話題にもならなかったのか、日本じゃ劇場未公開。
ま、アダルトサイトの話だから、女性受けはしないだろうし、仕方ないか。

で、本作、最初に「実話に基づいた物語」と出てくるけど、
ほんまに実話なんやろかと思えるくらい、ウソ臭いというか、
話を作ってんのと違う?って出来事が次々と起こる。
後で見直したら、日本字幕は「実話に基づいた物語」となってるが、
英語じゃ「INSPIRED BY A TRUE STORY」。
実話にインスパイアされたストーリーってことなのよ。

ま、それはともかく、有能なビジネスマンが、ふとしたキッカケでポルノ業界に足をつっこみ、
ズブズブとはまっていく様が、ハリのある演出タッチでテンポよく綴られ、
僕としちゃ、なかなか楽しめましたわさ。
ヘンに教訓めいていないところも良い感じ。

結婚し子供も生まれ、家族のために金を稼ぐことに必死の実業家ジャック。
友人が病気で倒れたクラブの建て直しに成功した彼の元に、
弁護士から、インターネットで、ポルノ映像を有料公開している2人組ウェインとバックが、
ギャングとの契約を破ってしまい、脅されているのを何とかして欲しいと頼まれる。
最初は、ポルノに関わるのに躊躇(ちゅうちょ)したジャックだったが、
バックが、たった15分でプログラムした「オンライン・カード決済」に着目し、
客とポルノ業者の仲介をするビジネスを思いつく。
早速、会社を立ち上げ、仲介業を始めると、トントン拍子に成功し、
数年後には、大金持ちになった。だが‥。

最初は、ジャックの話と、ウェインとバックの話が交互に描写され、
それも時間を行き来してハイテンポで描かれるので、
ちょい戸惑わされてしまいましたわさ。
ジャックは、人との交渉に長け、頭の回転も速く、でもって家族思いの常識人。
一方、元獣医のウェインと、元ロケット科学者のバックは、
頭はいいけど、クスリとエッチに溺れまくりの享楽主義者で、
そのおかげで前の仕事を失った、言ってみればアホ。

そのアホが、ネットによるカード決済システムのプログラムを構築するんだけど、
なんでも、カード会社が始める前に、このプログラムを開発していたらしい。
エロ雑誌の写真を、スキャンしてネットに流し、
それを見たユーザーから金を徴収するわけだけど、
ユーザーからの注文で、オリジナル動画を作ろうと、
ロシア・ギャングが経営するストリップ劇場に行った時から、なんかヤバイ状況になるんよねぇ。

有能なんだけど、一般常識が欠如しているウェインとバック。
2人は、幼なじみで、ゲイでもないのに同居し、どこに行くにも一緒。
ウェインに扮するは、「ギフト」「ヘブン」が印象深かった演技派ジョバンニ・リビシ。
髭面で、いつもグレーがかった眼鏡をかけて登場するので、最初、リビシとは気づかなかった。
全く、今までの映画で見た彼のイメージとは違いすぎていたってせいもあるけど。
しかし、さすがウマイなあ。ウェインって人物になりきってるって気がするもん。
すぐ感情的になるし、つまらない事にやたらこだわったり、簡単に人を信じきってドツボにハマったり、
ほんまにコイツ、嫌なヤツやなってのを、実にリアルに演じて見せてる。

バック役は、評判の悪かった「スピリット」の主役を演じていたガブリエル・マクト。
僕は、彼が出た作品をほとんど見ていないんだけど、ちょい男前だが、なんかいまいち華に欠けるような。
でも、バック役は、なかなかハマっていた。
ウェインより少しは世間がわかっているような。でも、本質はアホってのを、
リビシほどのエグさは出さず、自然体で演じてる。

主人公ジャック役は、ルーク・ウィルソン。
顔立ちがスターらしくないし、どこか地味でヤボったいイメージに僕には思えるんだけど、
ポルノの世界に足を突っ込みながらも、家族をいつも気にかけてるってジャックを力まず演じてる。
でも、妻との関係がギクシャクして、ついポルノサイトの若い美女と関係を持つってところは、
演技が堅くなってしまったのか、ちょい説得力だったけど。
大金が手に入り、エロい美女に囲まれる状況なのに、あんまり享楽的ムードが滲まないんよね、彼。
主人のモデルになった製作者がいるだけに、
ジャックが金とエロスに溺れる人じゃなく、あくまで常識人として描きたかったせいかも。

脇役は、ズルがしこい初老弁護士にジェームズ・カーン、FBI捜査官にケヴィン・ポラック、
ジャックが10代の頃に知り合うギャングにロバート・フォスター、検事にケルシー・グラマーと、
結構渋めのベテランが揃ってる。
「エクスペンダブルズ」のタフガイ、テリー・クルーズも、ジャックの友人役で出ている。

女優陣も、ジャックの妻にギャシンダ・バレット、
ジャックと関係を持つポルノサイトの女オードリーにローラ・ラムジーとキレイどころが揃ってる。
「ポセイドン」のバレットは、オーストラリア出身の元モデル。
美人だけど、どこか親しみしやすさがあり、家庭を守る堅実な妻のキャラにふさわしいな。
対するラムジーは、エロイ匂いをプンプン漂わせていて、なかなかセクシー。
でも、ジャックとのベッドシーンで、ボディダブル使うし、
エロサイトのシーンでも、お乳ひとつ見せず、ヌード拒否したのか、ガードは堅そう。
女優魂見せて脱がんかい!とつい言いたくなってしまったわ。

しかし、中近東のテロリストが、オードリーのサイトのファンだとかで、
それを利用してテロリストのアジトを探ろうと、FBIがジャックに協力を頼んできたり、
不運な殺人事件が起こり、死体を海に沈めたり、ほんまかいな?のエピソード。
事実は小説よりも奇なりっていうし、意外と真実かもねぇ。

ジャックの息子が、学校のコンピュータにハッキングし、警察沙汰になりかけた時、
息子を強行に起訴すると言い張る検事に、あんたはこんなポルノサイトを見ていた、
息子を起訴したら、このことを世間にバラす、そしたらアンタは選挙にでられないと、
ジャックが脅しをかけるところは、事実っぽいと思えるけど。

監督は、ジョージ・ギャロ。
「あいつはママのボーイフレンド」「隣のヒットマンズ 全弾発射」「スポット」と、
コメディ寄りの作品を撮ってた人だけど、今回は脚本も共作してるし、
彼なりに力が入った作品を撮ろうとしたみたい。
実際、キャスティングも充実しているし、作品にパンチは感じるし。

ただラスト、ある意味、いかにもアメリカ映画的なエンディングなんだけど、
僕としちゃ、なんかスッキリしないような。
そんなに簡単に、元のさやに収まれるんかとね‥。

でもまあ、知られざるネット世界の一面を、エンタテインメント要素満々、
オモシロク描いて見せてくれたし、僕はこの作品を楽しんだのは確かであります。

パラマウント 2011年8月11日リリース



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「エレクトリック・ミスト 霧の捜査線」(09年・アメリカ・フランス) 缶コーヒーCMオヤジことT・L・ジョーンズ、殺人捜査に乗り出すってか!

エレクトリック・ミスト 霧の捜査線

サントリー缶コーヒーBOSSレインボーマウンテンのCM「宇宙人ジョーンズの地球調査シリーズ」で、日本のお茶の間でも、すっかり顔なじみになったトミー・リー・ジョーンズ主演のハードボイルドであります。
アメリカの人気ミステリー作家ジェイムズ・リー・パークの「デイヴ・ロビショー」シリーズの一本で、本作の前に、同シリーズの映画化作品に、アレック・ボールドウィン主演の「ヘブンズ・プリズナー」(96年・監督フィル・ジョアノー)がある。
この「ヘブンズ-」が、結構お気に入りの作品だったので、ロビショーの活躍をまた見たいなと思ってレンタルしたんでおます。
「ヘブンズ-」は、物静かな展開の中に、突如ハードなアクションやバイオレンスが持ち込まれたり、静と動のバランスが、微妙なさじ加減で演出されていて、ニューオーリンズの、ちょい気だるそうな背景もええ案配なんよ。
主人公と、幼なじみで今は麻薬組織のボスになってるババとの奇妙な友情みたいなもんもオモシロイし、ババの妻クローデッドの悪女っぷりもナイスやった。ケリー・リンチ、エリック・ロバーツ、テリー・ハッチャー(ヘア出しヌード披露しちゃってる)他、キャストもそこそこ良かったし。
ネットで調べたら、「ヘブンズ-」は、評価イマイチだったみたい。確かに、構成的にマズイって部分もあるんだけど、ハードボイルドらしい幕切れに、僕はググッときたんよねぇ。
レンタルはされていないけど、KEEPからワンコイン・500円で発売されてますわ。
安いといっても、ノートリミングらしいビスササイズで、画質も上々。お買い得よ、ほんまに。

ヘブンズ・プリズナー
以前は、パブリックドメインのクラシック作品を販売していたKEEPさんだけど、最近は、イギリスのソフト会社itvSTUDIO経由の作品を販売するようになり、
英国60年代の娯楽アクションやドラマ等をリリースしていて、画質も良いしノートリミングが多いし、
これで500円ってんだから、映画ファンにとっちゃ嬉しかるかるでおまんにやわ。

さて、この「エレクトリック・ミスト 霧の捜査線」。
監督が、カンヌ映画祭パルムドール受賞作「田舎の日曜日」や「ラウンド・ミッドナイト」のフランスのベルトラン・タヴェルニエって確かに名匠だけど、畑違いのジャンルだし、大丈夫やろかと見る前に危惧はあった。
調べたら、昔はスリラー仕立ての作品も撮っていたようだけど。

名のある監督だけに、「バートン・フィンク」のジョン・グッドマン、「愛についてのキンゼイ・レポート」で、チンチン丸出しのヌード見せたピーター・サースガード、「トレイン・スポッティング」のケリー・マクドナルド、「フィラデルフィア」のメアリー・スティーンバージェン、それに「メイトワン」の監督ジョン・セイルズ、元ミュージシャン「ザ・バンド」のレヴォン・ヘルムと、キャストはそれなりに豪華で多彩。

19歳の少女の惨殺死体が発見され、捜査を開始した刑事ロビショー。
丁度その頃、南北戦争を題材にした映画が撮影されていて、
ロビショーは出演者のサイクスと彼の恋人ケリーと知り合う。
サイクスから、湿地帯で黒人男性の白骨死体を見たと聞き、現場におもむくロビショー。
実は、彼は40年前にその黒人が射殺されるのを目撃していたのだ。
そして、またもや若い女性の惨殺死体が見つかった。
ロビショーは、映画に投資しているイタリアンマフィアの流れをくむバルボニが
事件に関与しているとにらむが‥。

ハードボイルドらしく、ロビショーのモノローグで物語が始まる。
それはいいんだけど、その後がねぇ。
様々な登場人物が画面を行き来するだけど、物語がいっこうに弾まない。
フランス映画らしく、物語より登場キャラにポイントを置いたドラマ要素が強いってわけでもないし。

ロビショーは猪突猛進タイプなようで、捜査のためには暴力行為も辞さない。
捜査に熱心なあまり、妻や養女をちょいないがしろにしてまうところもある。
でも、家族もそれを心得ていいて、家でじっと待っている。
そんなロビショー・キャラに、ジョーンズは、それなりにハマってる。
うさん臭さビンビんのバルボニに扮したジョン・グッドマンも悪くはない。

後半に、少女殺人事件と40年前の事件が1つの線でつながり、真犯人登場となるんだけど、
見ていて、なんていうか、あっそう、と思うだけで、ちっともワクワクしない。

結局、誰が少女殺人犯ってのは、はっきりと描かれず、なんかあいまい。
描くべきもの、見せるべき映像が欠如しているせいかも。
だいたい、最初の少女の死体だって、ほとんど見せずセリフで死体の状況を語るだけで、
どれだけ悲惨な死体だったかは、見る側の想像に任せちゃってる。
ま、それでもいいんだけど、ロビショーの殺人犯への怒りがいまいち伝わってこない節もある。

また、ロビショーの幻覚に、南軍兵士の将軍(レヴォン・ヘルム)がたびたび現れるけど、
これも、物語にうまく溶け込んでいないみたい。
多分、捜査に悩むロビショーに、いろいろ助言するって設定なんだと思うけど。

基本的に娯楽映画なんだから、もうちょっと物語にメリハリをつけて楽しませてくてなくてはアカンのんと違う。
サービス精神とまでは言わないけど、娯楽のツボってのかな、
それをことごとくハズしてるというか、下手みたい。
タヴェルニエにそんな娯楽的なセンスがなかったってことかな。

可愛い養女が、あんなことになって助けるところも、もうちょっと上手に描けるんと思うんだけどね。

だから、見終わってカタルシスみたいなもんが皆無なんよ。

ルイジアナのニューオーリンズをとらえた映像は、雰囲気満々ええ感じやったのに。
違う監督で撮ったら、もっとオモシロクなったかもしれないな。

ただ、「ヘブンズ・プリズナー」で、飛行機事故から助けて養女として引き取った幼い少女アラフェラが、
ほんの少し成長した姿で出てくるところは、ちょいウレシがらせてくれたけど。

インターフィルム 2011年8月5日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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