FC2ブログ

「トゥモロー 僕たちの国が侵略されたら‥」(10・オーストラリア) 普通の高校生たちが雄々しい「戦士」になってもたやんかいさ~!

トゥモロー 僕たちの国が侵略されたら…

いくら本国でナンバーワン・ヒットになったって、知名度のないスッタフやキャストだと、日本じゃ劇場未公開となってしまうみたい。
本作「トゥモロー-」も、製作国・オーストラリアじゃ2010年・年間興行収入ベスト1に輝き、パラマウントなどの配給で世界中で公開されたらしいけど、日本じゃ未公開。で、2年遅れてDVDスルーとなっちっち!
僕は知らなかったけど、ジョン・マーズデンの原作は世界的ベストセラーらしく、日本でも翻訳本がポプラ社から全7巻で刊行されているそうなのね。
ヤングアダルトで本好きの人なら知ってるのかな。

オーストラリアの興収ベスト1作品って、どんなだろうと思い
レンタルしたんだけど、なっかなかに面白かったやん。

のどかな自然に囲まれた小さな町に住む女子高生エリー。
親友のコリーとキャンプを計画し、仲間を集めて、
ヘル(地獄)と呼ばれている、地元民がほとんど行かないロックプール・エデンを目的地に決めた。
エデンで思いっきり楽しむんだけど、ある夜、上空を飛ぶ不気味な飛行機のジェット音を耳にし、
ちょっぴり不吉な予感を覚えるエリー。
そして、町に戻ってきた時、平和だった町の住人たちは、
侵略したアジアのある国の軍隊によって一個所に集められ、銃を向けられ拘束されていた‥。

「私は引き下がらない。仲間にも宣言した。
私たちの存在に意味があると思えるから」
冒頭、主人公であるエリーが、鋭い眼差しでビデオカメラのレンズに向かって放つ言葉だ。
「すべて始まったあの日から話そう」
そして、タイトルロール。
最初のエリーの張りつめたような表情とは裏腹に、フォーク調の軽やかな音楽にのせて、
オーストラリアならではの、広々とした、のどかな田園風景が映し出される。

穏やかな日々が、突然の出来事で、彼女の運命をどう変えてしまうのか、
早く物語を見たいやんと思わせる、なかなかエエ感じのオープニングね。

物語は、エリーの視点だけで語られ、展開していく。
キャンプに行く仲間たちも、エリーが知っている範囲でしか説明されない。
だから、彼女の立場が、観客(この映画を見ている側)と同じなのね。
原作がそうだったのかどうかは未読なので判らないけど。
以前、このブログで書いた「ツゥー・ラバーズ」と同じ一人称スタイルよ。

エリーとコリーと共にキャンプに行く仲間は、
コリーの恋人ケヴィン、ギリシャ人のホーマー、都会っこのフィオナ、
アジア系のリー、そして敬虔なクリスチャンのロビン。

お初にお目にかかる若手俳優ばかりだけど、
7人それぞれのキャラが、端的かつ明確に描き分けられていて、
スンナリと話に入っていける。
あ、そうだ、コリー役は、トム・ティクヴァ監督「パフューム」の最後の犠牲者となる
ヒロインを演じていたレイチェル・ハード=ウッドで、ちょい見覚えがあったな。
でも、「パフューム」の時の可憐で清らかな貴族の娘的風情は本作じゃカケラもない。
庶民的で、ごく普通の高校生ニュアンス・ビンビン。演技の幅が広いんやろか、彼女。

キャンプの場面は、いかにも青春映画っぽい、どこか爽やかで初々しいムード満々。
それだけに、コリーたちが町に戻った時の、異様な雰囲気が際立つな。

家に帰ると両親はどこにもいない。
仲間の家を次々と巡るが、どの家にも人の気配はなかった。
そして、丘の上の家から町を見下ろすと、お祭りをやっていた広場に人だかりがあり、
それを軍隊らしきものが取り囲んでいるのが見えた。
何が起こったのか、事情を探ろうと、夜、三組に別れて町の様子を調べることに。

エリーは、コリー、ケヴィンの三人で、広場の様子を窺うんだけど、
ここから、スリリングなアクション映画の様相をていし始める。
目の前で、住民の一人が射殺され、驚いたエリーが兵士に見つかってしまい、
銃弾の嵐の中を、必死のパッチで逃げるハメになるんだけど、
ケヴィンが、エリー達を置き去りに一人で逃げてしまいよる。
なんちゅう薄情者やねん!

追いつめられそうになったエリーは、機転を利かせて車を爆発させ、
そのスキに逃げようとするが、兵士の一人が爆風で死んでしまう。
その兵士は、エリーと同い年ぐらいの東洋の女性だった。
初めて人を殺してしまったことに、ほんの少し心が揺れるエリー。

「安全という夢を見ていた。でも今は幻想ね」
このエリーの言葉、なんか、胸に響くなぁ。
”原子力は安全と思っていた。でも‥”、ふとそんな思いがよぎってしまったわ。

そして、エリー達と某アジアの軍隊との戦いが火蓋を切って落とされた!

監督は、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのキャラクター原案、
「GIジョー」「30デイズナイト」などの脚本を担当したシチュアート・ビーティー。
本作も、脚本を手がけているけど、高校生達のキャラを鮮やかに描き分け、
彼らが、平凡な高校生から、勇ましい戦士となるまでを、手堅くまとめ上げている。
ただ、親たちや侵略軍の人物描写がほとんどなく、高校生達だけに絞られているので、
話に、スケール感ってのが、乏しい気もするけど。

また、そんなに簡単に闘志になるわけはないやんと思う部分も、あるにあるんやけど、
スピーディーで、パンチの効いた演出のおかげもあり、
見ている間は、ググイッとストーリーに入り込んでしまえる。
ビーティーの初監督らしいけど、演出の手際もなかなかね。
「デイブレイカー」のベン・ノットの撮影も、オーストラリアって土地柄を、
うまく映し取ってるし。多分、オーストラリの人だろうね。

クライマックスの、侵略軍が渡ろうとする橋の爆破シーンじゃ、
手に汗握るハラハラ感を、巧みに映像に漂わせてるし。

主演は、面影が柴咲コウに似ているケイトリン・ステイシー。
真っ直ぐで芯の強い女性だけど、ほのかな思いを寄せるリーの前じゃ、
心とは裏腹に天の邪鬼なこと言ってみたり、恋にウブなところもあって、何とも魅力的だ。
ホーマー役デニス・アグデニス、横顔が藤井隆っぽく見える時があるリー役のクリス・パン。
ソフィア役フォイペー・トンキン、ロビン役アシュリー・カミングス、ケヴィン役リンカーン・ルイス。
途中で仲間に加わる、ハッパ好きでアラブ系のクリスにアンディ・ライアン。
馴染みはないけど、それぞれキャラにナイスマッチだし、ナイス・アンサンブル。
各々、ちゃんと見せ場も用意されていて、ドラマにメリハリを持たせてる。
クリスチャンだから人は絶対殺さないと言っていたアシュリーが、
仲間を救うために、最後に侵略軍に銃をぶっ放すところは、わかってはいても、
オオッ、やるやんと拍手してしまいましたわさ。

ラスト、勇ましい戦士となって佇む彼らの姿、マブシーッわぁ。

何でも、本作は、原作の第1巻のプロローグ的な話で、
オーストラリアじゃ続編が作られるらしいけど、今後どんな活躍を見せるのか、
めっちゃ見たいやんかいさ~。
「ハリー・ポッター」みたいに、1巻ずつ映画化されていくんかな。
侵略軍の正体、親たちがどうされてしまうのか、まだまだ未解決の部分が多いしねぇ。
続編じゃ、侵略軍の将軍なんかも登場するんやろなぁ。

まず、本の方から読んでみようかな。

とにかく、個人的には、充分楽しめた作品でありました。

インターフィルム 2012年2月3日リリース



にほんブログ村 映画ブログ 映画DVD・ビデオ鑑賞へ
にほんブログ村

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク
QRコード
QRコード