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「怪盗ホン・ギルドン一族」(09年・韓国) 伝説の義賊の子孫一家が、財界のワルを退治しまんにやわ!

怪盗ホン・ギルドン一族

日本の義賊と言ったらネズミ小僧が知られているけど、韓国の義賊と言ったらホン・ギルドンが有名らしいのね。
15世紀頃に活躍した人物で韓国TVでドラマ化もされ、日本でも09年に「快刀ホン・ギルドン」のタイトルで放映されたみたい。
そんなギルドンの子孫一家が、現代の韓国で財界を牛耳るワルに立ち向かう、コミカルなアクション・ムービーが、この「怪盗ホン・ギルドン一族」。
「火山高」(01)での、コミカルな番長役が印象的だったキム・スロが出ているってので観たんだけど、人なつっこい雰囲気漂う、なかなか楽しめる作品でありやんした。

高校の音楽教師ムヒョクは、義賊ホン・ギルドンの18代目の子孫。
恋人は、同じ高校教師のヨナ。
今日もまた、父母とともに、悪徳証券会社のボス、ジョンミンから、
ハイテクを駆使して、まんまと大金を強奪した。
だが、ムヒョクに協力していたジョンミンの秘書スヨンの正体がばれ、殺されてしまう。
ショックを受けたムヒョクは、ヨナにも危害が及ぶのではと心配し、彼女との別れを決意。
しかし、彼女は、ムヒョクや彼の弟で高校生の目の前で、
ギボムジョンミンの部下に誘拐されてしまった…。

キビキビとしたシャープさってのは希薄だけど、快調なテンポでストーリーが展開するな。
登場キャラそれぞれにコミカルな味付けがなされているのも、物語に膨らみをもたせてるし。
それに、生活の匂いってのが画面に漂っていて、
へんにオシャレというか、スタイリッシュでないところも、なんか親近感みたなもんが湧いてくる。
ユーモアも、ヘリウムガスを使って声を変えたりと、多少ベタなところはあるけど、
小粋でないところが、かえって作品にマッチしているやん。

ギルドン17代目の父は、母にちょい頭が上がらないみたいだし、
母は、ムヒョクの弟チャンヒョクだけは、泥棒にさせず普通に暮らしてほしいと願ってるし、
チャンヒョクは、立派な義賊になろうと、親に隠れていろいろ泥棒テクニックを研究してるし。
ムヒョクも、自分が義賊であることを、ヨナには絶対に秘密にしているんだけどねぇ。

そのヨナってのが、キス魔で、会うたびにムヒョクにキスを迫り、ブッチュー。
彼女の兄ってのが、ジョンミンの悪事を暴こうとしている熱血検事ジェピル。

そして、証券会社のボス、ジョンミン。
極悪非道なんだけど、彼の屋敷には、ロボット・フィギュアが幾つも並んでいたり、
スーパーマンやバットマンの悪役ジョーカーのコミック・ポスターが飾られていたり、
ちょいヒーロー・オタクっぽい。着ているTシャツにもスーパーマンのSマークが入ってるしね。
でもって秘書とタンゴのダンスしたり、妙にコミカルっぽいんよね。
それが、キム・スロにピタリとハマってて、悪人なんだけど、オチャメなワルというか。

主役ムヒョク役のイ・ボムス。そんなにハンサムじゃないし、体格も引き締まってはいるけど、
普通っぽいし、なんか地味な印象。スター性に乏しいって気もするけど、韓国じゃ人気スターなんかしら。

彼より、恋人ヨナ役のイ・シヨンのコミカルな演技の方が強烈やったわ。
健康的な美人って感じなんだけど、すぐキスしたがったり、すぐ落ち込んだり、
でもってすぐ元気になったり、感情の揺れが激しいキャラを、あっけらかんと演じてる。
彼女、コメディ・センス抜群かもよ。
シヨンのおかげで、作品に弾みみたいなもんがついてるやん。
ファンになってもたわ。ほんまに。

もう一人、ジョンミンの秘書スヨン役のコ・ウンミ。
こちらも美人なんだけど、役柄のせいもあるけど、シヨンと違って日陰の花っぽい風情で、
本作で唯一、切なく悲しい末路を迎えてしまうのね。

他に、ムヒョクの弟の高校生役チャン・ギボム、ジェピル検事役ソン・ドンイル他、
キャラにナイスマッチな俳優が揃ってて、それぞれの持ち味が有効に機能しているみたい。

監督は、チョン・ヨンギ。
「家門の危機」(05)「家門の復活」(06)などの作品があるけど、僕は未見。
本作の脚本も共作しているけど、笑いのセンスは、ベタなりにあるみたい。

とにかく、イ・シヨンに出会えたことが嬉しがらせてくれたし、
キム・スロは、楽しそうに悪役を演じてたのもナイスだったし、
ケラケラッと軽く笑いながら、ちょいハラハラできる、娯楽作やん。

続編を匂わせるラストだったけど、韓国本国じゃヒットしたのかな。
もし、続編が作られ、イ・シヨンが続投出演するなら、観てみたいやんかいさぁ。


KRコンテンツグループ/ファインフィルムズ 2012年7月4日レンタルリリース



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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

「トースト 幸せになるためのレシピ」(10年・イギリス) クッキングに目覚めた男の子の、スウィート&ビターな成長物語でおまんにやわ!

トースト 幸せになるためのレシピ

子供が成長していく過程で、
家族の影響って、ものすごく大きいもんだと思う。
自分じゃ意識しなくても、知らず知らずのうちに影響を受けているもんだ。
この「トースト-」の主人公ナイジエルも、
料理下手の母親と、後妻となる継母がいたから、料理に興味を持ち、美味しい料理を作ろうとせっせと励んだんだから。

本作は、イギリスじゃ自分のTV番組をってるくらい、とても有名なシェフ&料理研究家のナイジェル・スレイターの実話をベースにしたもので、元々はBBCのTV用に作られた作品らしい。
それがとても好評で、各国映画祭に出品、そして劇場公開までされたんですと。
でも日本じゃ、DVDスルー。日本でもスレイターさんの料理本は出ているらしいんだけど、料理好き以外の人にとっちゃ、ほとんど名前が知られていないもんなぁ。スルーも仕方ないか。

僕は、料理が好きってこともないし、本作を見ようか見まいか迷い、
なんとなくって感じでレンタルしたんだけど、これがなかなかの佳作でありやんした。
見て良かったやん、ほんまに。
”美味しいもの”への欲求に突き動かされるナイジェル少年の姿が、なんとも健気で、かつ可愛らしいんよ。
それに60年代のイギリスの風俗描写がとても丁寧だし、当時のヒット曲もドラマとシンクロさせて上手に使われていて、何とも心地よい映画世界に浸れたっていうかさ。

舞台は、1967年のイギリスのイングランド中部の町。
料理下手の母のおかげで、野菜は缶詰しか食べたことのない9歳のナイジェル少年。
おかげで”美味しい料理”への憧れが、人一倍強かった。
トーストぐらいしか作れないけど、人柄は最高な母を、ナイジェルはとても愛していた。
そんな母が肺の病気をわずらい亡くなってしまう。
父は、掃除人としてポッター夫人を雇うが、ナイジェルは彼女のことがどうも好きになれない。
でも、彼女は、料理がとても上手で、プロ顔負けだった。
ポッター夫人が作ったアップルパイを食べた時、
ナイジェルは、「素晴らしい、こんな感動は初めて」と感嘆してしまう。
肉感的でもある彼女に、父親はぞっこんで、二人はどんどん親密になっていく。
料理の腕は認めても、それでもナイジェルは彼女を嫌ったままだった。
だが、父はとうとう彼女と再婚を決意、三人で暮らすことに…。

監督は、S・J・クラークソン。
クライムスリラー「ホワイトチャペル 終わりなき殺意」「デクスター 警察官は殺人鬼」シリーズなど、
テレビドラマ専門の人のようね。
ノスタルジックな匂いのなかに、ポップな感覚がちらちら垣間見える、柔軟な演出センスの持ち主みたい。
シックなのにカラフルな色彩の中、ユーモラスにかつ穏やかなタッチで展開するけど、
時折、シビアな視線が差し挟まれるのが、いかにもイギリスの作品やなって気がして、ナイスやん。
父親が、ポッター夫人にエロい眼差しを向け、それを承知で彼女がニンマリするシーンに、
バート・バカラックのヒット曲「恋の面影」が流れたり、
亡き母を思うナイジェルが、母のドレスを抱き、避暑地で彼女と踊ったのを思い出すシーンに、
名曲「イフ・ユー・ゴー・アウェイ」が流れるなど、
各々のシーンにナイスマッチな当時のポップスを使うところも、ニクイやないの。

「チャーリーとチョコレート工場」「アーサーとミニモイの不思議な国」の
フレディ・ハイモアが主演となってるけど、彼が登場するのは、映画が始まって1時間後の高校生になってから。
それまでは、オスカー・ケネディ演じる9歳のナイジェルの話なんだけど、
このオスカー君、実に自然体な演技で、すこぶるチャーミング。
母亡き後、キッチンで彼女を偲ぶように、ひとりでトーストを囓ったり、
自分が父の食事の面倒を見なきゃと、健気に頑張るところは、いとおしくなってくる。
ハンサムな庭師によって、缶詰でなく土の付いた自然の野菜の美味しさを知るんだけど、
その庭師の着替えを盗み見る、ゲイテイストが匂うところも、素直そうな彼が演じているゆえか、
不思議にイヤラシさは感じない。
どうも、ナイジェルさん自身、ゲイの傾向があったみたい。
フレディ演じるナイジェルが、バイト先のレストランのオーナーの息子と、あんなことするし…。
とにかく、このオスカー君のパートが、めっちゃ良いんだ。
彼のことネットで調べたけど、日本サイトじゃ、まったく資料が出てこなかった。
英語サイトで判ったのは、イギリスのテレビ映画によく出ているってことだけ。
本作の好演で、そのうちアメリカ映画にお呼びがかかるかもよ。

継母、ポッター夫人は、今やメジャーなイギリス演技派女優ヘレナ・ボナム・カーター。
料理の腕は抜群でも、底意地の悪い一面を持つ中年女を、
器の広い演技で、生活感をにじませ好演してる。
下手な女優だったら、ただの嫌みな女になるところだけど、ラストじゃ哀れさみたいなもんも漂わせ、
やっぱ上手いやんかいさぁ。

意外なところで、ホラー映画「ヘルレイザー」「ヘルレイザー2」でヒロインを徹底的に追いつめる
悪女ジュリアを怪演したクレア・ヒギンズが、ナイジェルのバイト先のレストランの責任者でチラリ登場。
すっかり老けたけど、まだ健在なんやと、なんかちょい、個人的にうれしかったわ。

ところで、人は大好きな人からも影響を受けるし、大嫌いな人からも影響を受ける。
嫌いな相手でも、自分にないものを持っていて、それに興味がひかれたら、
嫌いを通り越して、イヤでも影響を受けてしまうと思う。
考えりゃ、今の僕があるのも、おそらく、あの人と、あの人と、あの人の影響が…。
結局、そうして僕という人間が出来上がっているんだろうな。

ま、とにかく、本作、とても良い気持ちにさせてくれるナイス・ムービーでありましたわさ。
ラストにカメオ出演する、ナイジェル・スレーターさんも、なかなかステキなお方だったしね、ウフッ。


アース・スターエンターテイメント 2012年5月25日レンタルリリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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