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「人生はノー・リターン ~僕とオカン、涙の3000マイル~」(12/アメリカ) オカンの深すぎる愛は、息子には、やっぱ厄介かも?ってか

人生はノー・リターン~僕とオカン、涙の3000マイル
ミュージカル映画「ファニー・ガール」(68)で知られる歌手&映画女優のバーブラ・ストライサンド。
女優さんとしては、そんなに好きってこともないんだけど、
僕は、彼女の初監督作「愛のイエントル」(83)が好きで、また見たいなと思っているのに、なかなかDVDが出ないんよねぇ。
「愛のイエントル」は、女性がまだ学問を自由に学ぶことができなかった時代に、男装して学校に潜り込む話で、愛あり笑いあり、もちろん彼女の歌もありの、それなりに格調もある秀作だったんだけど。
バーブラの男装姿も、そんなに違和感なかったし(鷲鼻で美人じゃないせいもあると思うな)。
ま、それはともかく、この「人生はノー・リターン-」。
彼女の出演作を久しぶりに見たけど、出演時70歳だったとは思えない若々しさに、まずビックリ。
でもって、女の色気もほのかに漂い、なんともチャーミング。
何て言うか、彼女の新たな魅力を再発見した、軽やかなタッチで母と息子の愛情を描いた、ユーモラスなロードムービーの佳作でありました。

エコ洗剤を開発し、その商品をなんとか売ろうと頑張ってる発明家のアンディ。
でも、なかなか思うように洗剤を扱ってくれる店は見つからない。
そんな彼の母、夫に先立たれ一人暮らしのジョイスは、何かと彼の世話を焼きたがり、
しょっちゅう電話をかけてくる。
ある日、母から結婚前につき合った別の男性のことを聞き、
アンディは、早速調べて、その男性に母を引き合わせようと考える。
何かと煩わしい母を厄介払いしたいって思惑もあって。
そして、セールスプロモーションのためのアメリカ大陸横断旅行に母を誘う。
息子と一緒に旅ができるとはしゃぐジョイスだったが、
旅の途中で何かと騒動が起きてしまい‥。

息子役は、「40歳の童貞男」「スモーキング・ハイ」などコメディ映画の出演が多いセス・ローゲン。
生真面目で世渡り下手、商品売り込みも説明が専門的すぎて、
相手にすげなく断られる発明家を、さらりと演じてる。
バーブラとセスの親子っぷりが、相性がよかったのか、ナイス・マッチングだ。
互いに、肩の力を抜いて、自然体で役柄を演じているみたいで、
親子ならではの愛情と絆みたいなもんが、映像にほんわかと滲み出てるんよね。

2人の道中で起こる騒動も、大げさなものじゃなく、小さな出来事の数々を通して、
母子お互いの気持ちが、以前に比べ、ほんの少し理解でき、
また、相手の気持ちを素直に受け止めていくことができるようになるってところが良いんよね。
おかげで、母の助言を受け入れて、商品PRのプレゼンテーションに臨んだら‥。

本作の脚本担当のダン・フォーゲルマンが、
自分の母とのニュージャージー州からラスベガスへの旅行した実話をベースに書いたそうで、
あまりウソ臭いエピソードなんか差し挟まないように心がけたのかもしれないな。
テキサスのステーキハウスの大食いエピソードは、ほんまかいなと思わないでもなかったけど。
バーブラの体つきであれはちょっとなぁ。ま、ギャル曽根って例もあるし、あながちウソとも言えないし。

監督は、僕は未見だけど「幸せになるための27のドレス」のアン・フレッチャー。
女性監督らしい、主人公たちの微妙な表情のとらえ方がうまい。
ちょい、メリハリには欠ける気もするけど、こじんまりとした物語だし、
あまりドラマティックな展開を避けて、母と息子の愛情がさりげなく伝わるようにしたのかも知れない。

アンディが、自分の名が、母がかって愛した恋人の名だと聞かされ、
オヨヨッと、複雑な表情を浮かべる場面があるんだけど、
「子供には愛した人の名をつけたいものよ」
とにっこり笑う母ジョイス。
このセリフが、ラストに上手に生かされ、そこでなんだか、ついホロッときてしまったわ。
ニクイ脚本やないの、ほんまにさぁ。

余談だけど、ジョイスが趣味でカエルグッズを集めていて、家にずらりと並んでいるんだけど、
亡くなった芸人、木川かえるさんを思い出してしまったわ。
雑誌の取材で、木川さん宅を訪れ、カエル・グッズの数々を見せてもらった思い出があるんで。
ちょい懐かしがりましたわさ。


パラマウント・ジャパン 2013年6月7日レンタルリリース



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「海の上のバルコニー」(10年・フランス) 幼い頃に愛した人と再会、でも彼女は突然消えた‥

海の上のバルコニー
アカデミー賞受賞作「アーティスト」で、日本でも名が知られるようになった(かな?)ジャン・デュシャルダン主演の、ちょいミステリー風味のフレンチ・ラブロマンスでおます。
今年の2月にWOWOWで放映されたらしいけど、劇場は未公開。
このブログで以前紹介した、僕の好きな映画「OSS117 私を愛したカフェオーレ」で、オバカで小粋なコメディ・センスを発揮したデュシャルダンだけど、ラブロマンスものはどうじゃろかい?と気になってレンタルすることにしたんよね。
で、感想だけど、もともとハンサム系の顔立ちだし、恋愛ものでも、なかなか良いところを見せてるやん!
でも、彼より、ヒロインを演じたマリ・ジョゼ・クローズの存在のほうが際立っていたけどさぁ。

南フランスのプロヴァンスで、妻子と暮らし、妻の父の不動産会社で働いているマルク。
ある日、取り扱い物件の別荘案内のために、義父に同行したマルクは、
購入業者の代理の金髪女性を見て、見覚えが有ることに気付く。
そして彼女が、紛争中のアルジェリアに住んでいた少年時代に、猛烈に恋したキャティだと気付く。
彼女の宿泊先を訪れると、キャティのほうから誘うように体を引き寄せられ、
この瞬間を待ってましたとばかりに、情熱的な愛のひとときを過ごしてしまうマルク。
だが彼女は、突然、彼の前から姿を消した。
それどころか、母から、キャティは紛争中に亡くなったと聞かされる。
はたして、マルクと過ごしたキャティは誰だったのか‥。

監督は、「愛と哀しみのボレロ」などに出演した女優で、
監督作にカトリーヌ・ドヌーヴ主演「ヴァンドーム広場」(98)がある、ニコール・ガルシア。
脚本も共同で書いていて、アルジェリアでの少年時代の描写をちょこちょこ差し挟みながら、
前半はマルクの視点で物語が進み、後半から、キャティと名乗るヒロインの視点に移る構成。
そして、この後半で、幼い頃のいじらしい恋心を、ずっと胸の奥にしまっていたヒロインの心情が、
ググッとクローズアップされ、ヒロイン主体の作品だったんだと気付かされる。

女性監督らしく、マルクとキャティ、それぞれの視線や微妙な表情を、
とても繊細に映像に写し取っているって気がするな。
ただ、ヒロインに比べ、マルクや彼の家族の描写は、ちょい不足気味で、あいまいな部分もあるけど。

どこかメランコリックで叙情的な、「リトル・ダンサー」のスティーブン・ウォーベックの音楽が
作品のラブロマンス・ムードを盛り上げてる。
南フランスの海沿いの街をとらえたジャン・マルク・ファーブルの撮影もベリーグッド。
オープニング・クレジットの、夜明け近くのプロヴァンス(と思うんだけど)の
青みがったか街の風景、どこか幻想的で、引き込まれるような美しさやんかいさぁ。

未見の人のために、ネタバレになるんで、あまりストーリーは書けないけど、
ヒロインの恋は、はたして成就するのか否か‥。

一応デュシャルダンがクレジットでもトップにきていて、彼なりに好演しているけれど、
最初に書いたように、マリ・ジョゼ・クローズの存在感でがとにかく大きいわ。
そんなに美人ってわけでもないんだけど、その分、親しみがわくってところもあるし、
謎めいているように見せていても、どこか人間くさくって、
だからこそ、僕は彼女にすんなり感情移入してしまったというか。

前に何かの映画で見たような気がして、なんだったかなぁと考えていて、
フランソワ・クリュゼ主演のミステリーの佳作「唇を閉ざせ」(06)に出ていたんだと判った。
「唇を-」では、主人公の妻の役で、死んだはずなのに、実は生きていたって役だったな。

マルクの会社のイタリア人の同僚セルジオ役に、「ゴモラ」 「穏やかな暮らし」の名優トニ・セルヴィッロ。
ジャケットに、彼の名前なんてなかったので、ゲスト出演かなと思っていたら、意外や重要な役柄。

そして、イタリアの往年の人気女優、CCことクラウディア・カルディナーレが、
マルクの母役で登場。1938年生まれだから、本作出演は75歳。
昔の面影は、さすがにないし、声もしわしわだけど、まだ健在だったんだ。

ラブロマンス系の作品って、僕はあんまり見ないんだけど、
久しぶりに、その手の作品を目にして、たまには見るのもいいもんだと思いましたわさ。

余談だけど、ヒロインの部屋に、スティーブ・マックイーン主演作「ブリット」のポスターが貼ってあった。
監督の趣味なのか、美術スタッフの趣味なのか、ちょっと気になった、こともないか。

ミッドシップ 2013年5月24日レンタルリリース



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「暴走!ターボ・バスターズ」(10年・オランダ) ボンクラ男たちが、アナーキーに暴走しまくりまんねんわぁ!

暴走!ターボ・バスターズ
オランダの人気テレビ番組に、過激なパフォーマンスを見せる「ニュー・キッズ」ってのがあるらしく、その劇場進出第一作が、この「暴走!ターボ・バスターズ」。
何でも、アメリカのファンタスティック・フェス・フィルム・フェスティバルのコメディ部門で最優秀監督賞を受賞したらしいけど、スタック&キャストは、日本じゃ全くの無名。
そもそもテレビ番組「ニュー・キッズ」自体、日本のケーブルTVでも放映されていないみたいだし、ま、劇場未公開は当然か。
オバカなコメディって好きだし、オランダっと言ったら、僕の好きな、映画監督ポール・ヴァーホーヴェン(「ロボコップ」「氷の微笑」)の生まれた国だし、どれほど過激か、ちょい気になって見てみることにしたんよ。

で、これが、ただのオバカに止まらず、とにかく行動がアナーキー極まりなくって、そのムチャぶりに笑わなしゃあないっって感じの、見終わって、なんか気分がスカッとする痛快コメディでありやんした。
国家権力を無能でバカと、こき下ろしまくってるのもナイスだし。

オランダの小さな町マースカンチェに住んでるリチャード等5人のボンクラ男たち。
仕事にあぶれた彼らは、リチャードの失業手当で食いつなごうとするんだが、
あっという間に使い果たし、「こうなったら今後一切カネは払わない」と勝手に宣言。
スーパーから食料を強奪するわ、車のガソリン代は払わないわ、ムチャしまくる。
そんなリチャード達に興味を持った地元のテレビリポーターが、彼らの行動や言葉をテレビ放映。
不況で苦しんでるオランダの視聴者たちは、それをきっかけに各地で暴動を起こしてしまう。
暴動をおさめるには、リチャード達を抹殺すべきと判断した国防省のお役人は
スカットミサイルをマースカンチェに向けて発射したんだが‥。

主役5人組キャラは、ハンサムでもないし、チープな匂い満々、見るからにボンクラ風。
考えが短絡的で、人の迷惑なんのその、好き勝手に突き進んでしまうところは、
どこか幼児じみていて、というか、ヤンチャなアホガキのまんま。
あまりのやりたい放題さ加減に、あきれてしまう反面、
なんだか、ちょい羨ましくもなってくる。
何かと規制の多い世の中で生活しているだけにね、僕というか僕らはさ。

監督は、5人組の一人、ほとんどセリフがないロビー役ステフェン・ハールス。
テレビ版でも演出していたのかどうか判らないけど、
ムダな描写一切無く、実に小気味いいテンポで、スパスパ物語を押し進めていくな。

人がいともあっさり車にひかれて死んだり、警官が誤射して仲間の警官を殺しちゃったり、
あっけらかんと人があの世にいってしまうのを、ギャグにしてしまうブラックなセンス、
ギョッとしながらも、そのあっけらかんさに、つい笑ってしまうわ(なんか不謹慎な気もするけど)。
人気歌手の指にあんなことしたり、”ソーセージ”変態オヤジが子供たちに‥。
ほんまに、モラルもくそもありゃしないわさ。

ギャグと言えば、エッチ電話のエピソードや、欲求不満男のジャージの股間がテント張ってたり、
ベタ・ギャグがわんさか。今時、こんなベタギャグお目にかかれへんでと思ってしまうけど、
ボンクラ主人公達に似つかわしいような気がしないでもないな。
脚本は、これまた5人組の一人で、部屋中が大麻畑みたいになってる、
ハッパ大好き黒髪で長身のバリー役フリップ・ファン・デル・クィル。
唐突に、軽食堂のオヤジが、仲間のひとりのゲリーに、ある告白をしたり、
警察署の、やたら騒々しい囚人が、急にあんなことしたり、
見る側の意表を突くというか、いきあたりばったりというか、
思いつきを片っ端から話に詰め込んだみたいで、かなり乱暴チックな展開。
でも、クライマックスじゃ、地元愛のために、リチャード達が国家権力に挑みよるし、
ボンクラなりの心意気に、熱~いものがこみ上げてくる、わけないか!

ボンクラ5人の中じゃ、母親と同居していたゲリーに扮する、ティム・ハールスが、
いい案配で、とぼけていてナイス・キャラ。
彼女(嫁?)にヤラせてもらえず、ひまがあったらナニをシごいてるリッカード役
ヴェスレイ・ファン・ハーレンの、どこかヌボーとしたキャラもオモシロイ。
ちょい短気だけど、仲間思いらしきリーダー格、リチャードの、暴れっぷりも良い感じ。
いずれもスターオーラは全くなし。

本作の舞台である北ブラバンド出身のK1王者ピーター・アーツが、金貸しでゲスト出演。
マッチョな筋肉アピールしつつも、ええところなしの役柄を、それなりに演じてる。

もう一人、トラック運転が好きな、身障者らしき青年が登場。
意外な活躍をするし、エンドタイトルの後にも、ニッコリと顔を見せ、なかなかに印象的。

しかし、確かにハチャメチャな展開で、ちょいブラックなバカ映画だけど、
見終わると、なんだか、彼らにほんの少し、親しみが湧いてくるな。

続編「暴走!ニトロ・バスターズ」が6月7日にリリースされるみたいだけど、
今度は、どんなアホやらかすか、期待してしまうやんかいさあ。

コムストック・グループ/パラマウント・ジャパン 2013年4月26日レンタルリリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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