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「チャイル・プレイ 誕生の秘密」(13年・アメリカ) シリーズ6作目で、やっと1作目に繋がった、恐怖一直線の人形ホラーの快作やん!

チャイルド・プレイ 誕生の秘密
アメリカン・ホラーの人気キャラクターのひとり、グッドガイ人形のチャッキー。5~6歳ぐらいの子供の大きさの人形で、殺人鬼の邪悪な魂がのり移っていて、めっぽう残虐な殺人を繰り返すんよ。
第1作「チャイルド・プレイ」が88年に公開され、アメリカで大ヒットし、シリーズ化されて5本作られたが、去年がチャッキーの映画登場から25年目になるということで、生誕25周年記念ってわけでもないけど、6本目に当たる最新作が、この「チャイルド・プレイ 誕生の秘密」。
5作目までは、日本でも劇場公開されたのに、本作はDVDスルー。
なんでも、アメリカでもDVDルーだったらしく、日本でそうなったのも仕方ないなあ。

ホラー映画好きの僕は、熱烈なチャッキー・ファンってわけでもないけど、シリーズは全部見ているし、やっぱ、人気シリーズの新作と聞けば見逃す手はないと、見たやんかいさぁ。

シリーズものって、作品の出来不出来があるけど、本作は、80年代ホラー・テイスト漂う、
キレの良い快作に仕上がっていて、個人的には満々マ~ンゾクでありやんした。
ホラー映画好きなら見て損はないと思うけど、どうじゃろかい。

足が不自由で車椅子生活の娘ニカが、母と住む家に、ある日、母宛てに差出人不明の荷物が届いた。
箱を開けると、中には80年代に子供達に人気を博したグッドガイ人形・チャッキーが入っていた。
そして、その夜、母が不審な死をとげた。
母の突然の死に悲しむニカのもとに、姉のバーブ一家が、フランク神父と共にやってきた。
バーブの娘アリスは、チャッキーが気に入り、抱きかかえて遊ぶようになる。
ニカが夕食の支度をしていた時、彼女がちょっとキッチンから出たスキに、チャッキーが急に動き出し、
食事の皿のひとつにネズミの駆除剤を密かに入れた‥。

監督は、第1作「チャイルド・プレイ」の原案・脚本を担当したドン・マンシーニで、
シリーズ全部の脚本を書き、5作目の「チャイルド・プレイ チャッキーの種」(04)で
監督もこなしている、チャイルド・プレイ一筋の人。
「チャッキーの種」は、コミカルな要素が強かったけど、初心に戻ろうとしたのか、
今回は、シリアス・ホラー路線で突っ走ってる。それも、80年代ニュアンスのアプローチで。

ニカが住んでる家が、築100年以上は経ってるかと思える、じめっとした湿気ぽい古びた家ってのが、
いかにも恐いことが始まるで~って雰囲気濃厚。
スマホやノートパソコンが出てくるけど、現代的ニュアンスは、映像からはあんまり感じられないな。
ニカのために2階に上がるエレベーターが設置されているんだけど、これもなんか古めかしいし。
マンシーニさん、現代を舞台にしながら、あえて70~80年代のホラー・テイストを狙ったみたい。
恐怖演出は、けれん味ビンビン、チャッキーの邪悪さ不気味さを、うまく見せてるな。
首が飛んだり、眼球に包丁がグサリッと刺さったり、スプラッター描写も、
エグイことはエグイけど、あくまでチャッキーの邪悪さを見せるためだけであって、
ゾゾゾッとはするけど、あまりしつこく描写はしないしね。
夜のシーンが多いけど、巧妙なライティングで、何をしているか見えにくいってこともないし、
うまくホラー・ムードを漂わせてる。
撮影のマイケル・マーシャルのおかげだね。

チャッキーの表情も、特殊技術が進化しているおかげで、表情にぎこちなさがなく、
あどけない表情が、空恐ろしい顔つきに自然に変わるところなど、ベリーナイスやんかいさぁ。

後半、ニカに迫るチャッキーが、なぜ彼女の家にやって来たか語るんだけど、
そこで、話が、シリーズ1作目に繋がるんよね。
成る程、25年目にして、やっと物語が一巡りしたのかと、妙に納得させられてしまったわ。
ニカが、どうして下半身が不自由な体で生まれてきたのかって理由もね。

ヒロインのニカ役は、フィオナ・ドゥーリフ。
「チャイルド・プレイ」シリーズ全作で、
チャッキーの声を演じてる個性派俳優ブラッド・ドゥーリフの実の娘だそうだけど、
は虫類顔のブラッドには似ず、そこそこ美人に育ったみたい。
下半身が不自由ながら、恐れを封じ込めて、果敢にチャッキーに立ち向かう姿、勇ましいやないの。
チャッキーの脳天にナイフをズブズブズブリッと刺してやっつけるんだけど、皮肉にも‥。
とにかく、フィオナ嬢、絶叫しまるし、なかなかの力演やん。
父親に似て、今後は、個性派女優に成長していくかもよ。

ブラッド・ドゥーリフも、チャッキーの思い出話の中で登場するんだけど、
若い頃とほとんど変わっていない、というか全く老けていないのにビックリやん。
特殊メイクしているのかも知れないけど、元々、個性的な顔立ちだけに、老けにくいんかしらね。
僕は、彼が主演した、トビー・フーパー監督「スポンティニアス・コンバッション」(89)が好きなんだけどねぇ。
人体発火現象を扱った、ホラーテイストもあるSF映画で、ラストがなんとも切なくて、もの悲しいのよ。

カメオ出演として、「チャイルド・プレイ チャッキーの花嫁」「チャッキーの種」に出ていた
ジェニファー・テイリーが、チラリと登場。
ブラッドと違って、老けてしまったけど、相変わらず色っぽさを匂わせてる。
どうも、チャッキー人形の送り主らしい人物に扮してる。

なお、エンドクレジットが始まったからって、DVDを止めちゃいけない。
クレジットの後に、事件後の6ヶ月後として、ワンシーンあるんよ。
「アイアンマン」シリーズがそうだったけど、最近はこういうの時々あるよね。
ここで、シリーズ1作目の主人公の少年アンディ役だったアレックス・ビンセントが、同じ役柄で登場。
でもって、彼に届けられたチャッキー人形を‥。

なんか、シリーズの同窓会的な気もする作品って気がしないでもないなぁ。

でも、以前のシリーズ作を見ていなくても、本作は本作で充分にオモシロがらせてくれるはず。
ホラーがダメな人は別やけどさ。


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「クリミナルズ」(11年・カナダ) 孤島で起こった初めての殺人事件を、生真面目な中年巡査が捜査する佳作ミステリーやん! 

クリミナルズ
推理ものが好きで、小説もよく読むんだけど、この前、法月綸太郎の「生首に聞いてみろ」をBOOK OFFで105円で買って読んだんだ。
一般書店の文庫本コーナーに、最近、なぜか彼の旧作をよく見かけるし、どうも注目を浴びている作家みたいなんで、どんなものを書くんだろうか気になってね。
500ページ以上もある分厚い長編で、彫刻家が創った自分の娘をモデルにした石膏像の首が何者かに切断され、娘にも危険が及ぶって話で、本格ミステリ大賞を受賞した、なかなか巧妙につくられた推理小説。
読み応え、あったなあ。

未公開映画のDVDをレンタル店でチェックしていて、推理ものがあると、好きなジャンルだし、つい借りて見てしまうんだけど、アタリと思えるのは、ほんまに少ない。
でも、久々にオモシロイやんと思えたのが、
このカナダ産ミステリー「クリミナルズ」。
けっこう丁寧に作られていて、めっちゃ本格的とまではいかないものの、充分見応えある作品だったわさ。

舞台は、カナダ東部の小さな島マグダレン。
ある日、行方不明だった市長リシャールの娘ロザリーの惨殺死体が海岸で発見される。
地元の警察部長アンドレが、早速、部下のサボア巡査と共に捜査に当たる。
だが、島で起きた初めての殺人事件ということで、署長は都会モントリオールの本庁に捜査を依頼。
やってきたジングラ巡査部長は、アンドレ達を見下し、性犯罪者のしわざと決めつけて捜査を進めた。
ジングラの推理に疑問を抱いたアンドレは、自分なりのやり方で、捜査をはじめ、
ロザリーの抱えていた、ある問題を突き止めるが‥。

主人公のアンドレ巡査は、ずんぐり小太りで、見た目も地味だし、生真面目な田舎のオヤジって風情。
でも、ひとつひとつコツコツと丹念に捜査を続ける姿は、なんか共感してしまうなあ。
アンドレのやることに、いちいちケチをつけ小馬鹿にするジングラに対しても、
柳に風と受け流し、自分なりに捜査を続ける姿に、頑張れよと、応援したくなってくる。

アンドレは、結婚はしているが、妻はモントリオールに住み、別居中。
退屈な島に嫌気がさし、出ていったみたいで、
同居している娘モードもモントリオールに住みたいらしく、
彼氏といちゃついてばかりで、親娘関係は、どうもギクシャク気味。
そして、彼は、妻のせいなのか、パニック発作を起こすことがあり、
海水にふれることができず、精神科医エリーズが処方した抗うつ剤を常に携帯している。

女性巡査サボアは、そんなアンドレを慕っており、淡い恋心を抱いていて、
何かにつけて、自分の家に誘ってみたりするんだが、なかなかウマクいかない。

アンドレの独自の調査で、元看護師で市長と同居中の女、市長の持ち船の船長、
顔見知りの医者、ヤクの売人の男と、疑わしき人物が次々と現れるが、
ジングラは島に住む性犯罪歴のある男を独断で逮捕してしまった‥。

監督はガブリエル・ペルチェは、吸血鬼映画「魔少女」を撮ったということしか、
ネットで調べても詳細はわからなかったけど、アンドレの行動を軸に、
淡々としたなかに、巧みに伏線をはりつつ、ちょいアクションもからめ、
真相へと見ているこちらを導いていくな。
2時間近い作品だけど、とにかく人物描写が丁寧だし、
のどかな島の住人達の愛憎関係も、そんなに複雑すぎるってこともないし、
あまり長さは感じず、真犯人が判明するまで、個人的には、楽しめましたわさ。
ちょっとテレビドラマ的な匂いもしたけど。

ま、今どきよくある猟奇的かつ刺激的な描写はないし、演出に新鮮味というか個性的な部分も感じないし、
実にオーソドックスな作りだから、過激なものを期待する人には不向きな映画かもしれないけど。
それに、主人公が、中年のハンサムでもなんでもない小太りのオッサンだしさぁ。

しかし、主人公を演じたピエール・フランソワ・ルジャンドルは、
本作の好演で、ベルギーで開催されたリエジ(Liege)・インターナショナル・
クライム・フイルム・フェスティバル2012で、ベストアクター賞を受賞。
確かにスター俳優といえない地味な印象の俳優なんだけど、人の良さが滲み出ているとういか、
なんとも味わい深い演技を見せてて、印象に残るんだ。

サボア巡査役のブリジット・ボコナも、あまり美人じゃないけど、
アンドレを慕い、応援する姿が良い感じだし、好感が持てる女優さんだ。

書き忘れるとこだったけど、同フェスティバルで、この作品、
「ベスト・フイルム」グランプリ賞をとってる。
ということは、けっこう評価されているんだわさ。

しかし、ジャケットカバーに、主人公がめっちゃ小さくしか映ってないって!
それも顔がほとんど判別できないし、脇役ばかり前に出してさあ。
ま、ルジャンドルをメインにしたら、レンタル率が極端に落ちるからだろうと思うけどねぇ。


トランスワールドアソシエイツ 2014年1月8日発売



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「サブマリン」(10年・イギリス) 妄想少年が抱える恋のつまづきと家族のトラブル、はたして彼に平穏な日々は訪れるのか?ってね!

サブマリン
この「サブマリン」は、去年の夏にレンタル・リリースされたんだけど、青春映画ってどうも興味を持てないジャンルなんで、そのうち見ようと思ったまま冬になり、ジャケットの、少年のエリをたてたダッフルコート姿が、なんか冬っぽいし、見るなら今でしょ!ってことで見たんだわさ。
なんでもこの作品、11年の東京国際映画祭のワールドシネマ部門で上映されていて、本国イギリスじゃ、英国アカデミー賞でノミネートされたらしいのね。去年の12月に東京の新宿シネマカリテでDVDによる限定レイトショーされたようだけど、リリース時は未公開だから、未公開作として紹介してしまうわさ。

見た感想だけど、15歳の少年の心情を、なんともセンシティブ、かつユーモラスに描いていて、映像センスも瑞々しいし、なかなかの佳作。もっと早く見りゃよかったやんと思ってしまいましたわさ、ほんまに。
「人生を生き抜くために、空想の世界の自分を思い描く」主人公にも、僕は、すんなり共感できたしさぁ。

舞台は、80年代のイギリス南西部のウェールズ地方の町。
オリバーは、妄想にふけりがちな15歳。
授業中に、もし自分が死んだら、立派な葬儀が行われて、
クラスメイトはテレビ取材で嘆き悲しみながら自分のことを追悼する、なんてことを思い描いてる。
そんな彼が、元カレと別れたばかりの同級生ジョルダナに、ほんの少し淡い思いを寄せるんだけど、
ある日、なぜだか彼女から呼び出しをくらい、唐突にキスされてしまう。
オリバーは、彼女は”恋人”なったんだと勝手に思いこみ、キスの次はエッチ初体験と期待に胸を膨らます。
だが、そんな時、隣の家に母親ジルの結婚前の元カレ、マークが住むことになり、
父ロイドと母の間に亀裂が生じるんじゃないか、それなら自分が何とかしなきゃ!と
勝手に頭を悩ますハメに‥。

監督は、英国TVコメディ「ハイっ、こちらIT課!」などに出ていた俳優で、
アークティック・モンキーズ他のミュージックビデオの監督なども手がけていたリチャード・アヨエイド。
本作は、彼の長編初監督作なんだけど、ミュージックビデオで培った(と思うな)キレのある映像、
柔軟でナチュラルな演出タッチで、オリバーの心の揺らめきをサラリと画面にすくい取っていくな。

海や水溜まりなど、水のイメージが随所に登場し、オリバーが失意のどん底に落ち込んだ時、
「サブマリン」のタイトル通りに、オリバーは妄想の中で海に飲み込まれて沈んでいったりもする。
ラストじゃ、その海に‥。

音楽は、ミュージックビデオの縁なのかアーティック・モンキーのアレックス・ターナーが担当。
揺れ動く青春物語を、爽やかチックに彩るのに貢献してるなぁ。

ジョン・ダーンソーンの原作を脚本化したのもアヨエイドだけど、
どこまで原作に忠実か判らないが、オリバーの独白が、
うっすらとシニカルさが滲むユーモラスなセリフで、ムフフッとさせられる。
「人生がメロドラマなら、面倒がおきた時はフェードアウトできるといいのに」なんてセリフ、ニクイないの。

オリバーに扮するクレイグ・ロバーツ。
クセのない顔立ちでハンサムでもないが、初々しさの中に、ほんのりトボケタ風情を漂わせてて、
エッチの欲望もそれなりにビンビンな妄想少年を、イヤミなく好演してる。

オリバーの恋人になるジョルダナ役、ヤスミン・ペイジも美人ってわけでもないんだけど、
ちょい小生意気でクールを装いながら、心の深いところでは結構モロイ部分もある女の子を、
気負わずに演じてる。

オリバーの母に、以前このブログで紹介した「ハッピー・ゴー・ラッキー」のサリー・ホーキンス。
彼女、今度はSF大作「GODZILLA」に出演してるみたい。
良い女優さんだけど、あんまりメジャーな作品には合わないような気がするんだけど。

父親に、「チャーリーとチョコレート工場」でチャーリーの父を演じていたノア・テイラー。
恋人のできた息子オリバーに、自分が女性と交際を始めた時に聴いた曲を集めたカセットテープを
プレゼントする(テープには失恋したとき用の曲も入ってる)なんて、
地元の大学で魚に関する授業を受け持ってる、ちょっぴり風変わりな父親を、
まじめくさった顔で演じていて、なんかオカシイ。

そして、母の元カレに、俳優で「思秋期」で監督もつとめてるパディ・コンシダイン。
いかがわしい伝道師を商売にしてる、いかにも胡散臭い男を、ほんとに胡散臭そうに演じてる。

アヨエイド監督の二作目「ザ・ダブル/分身」(13 主演=ジェシー・アイゼンバーグ)が、
去年の東京国際映画祭で上映されたけど、シュールで哲学的でユーモアもある新感覚スリラーだそうで、
ちょっと気になるなあ。
どうも劇場公開の予定はなさそうだし、早くDVDソフト・リリースせえへんかしらね。


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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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