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「7BOX <セブン・ボックス>」(12年・パラグアイ) パンチの効いた庶民チック・スリラー・アクションの快作やん!

7BOX セブン・ボックス
韓国映画「漁村の幽霊 パクさん、出張す」を書こうと思っていたんだけど、物語に沈没船が出てくるし、韓国の旅客船事故のこと考えたら、ちょっと不謹慎な気がしたので、去年末に見て面白かったパラグアイの映画「7BOX」を書くことにしますわさ。

パラグアイって国、名前は知っていても、どこに位置するのかよく解らなかったのでネットで調べたら、南アメリカのアルゼンチンやブラジルに挟まれた内陸国。
6000人を越える日本人移住者が住んでいて、日本ともナイスな友好関係を築いているんだとか。知らんかったなあ。
なんでも歴代映画製作本数が20本以下の映画後進国だそうだけど、その国で大ヒットし、サン・セバスチャン映画祭、マイアミ国際映画祭など、世界各国の映画祭で評判を呼んだのがこの「7BOX」なんだって。
それで気になって見たんだけど、これがすこぶる活きのいいサスペンス・アクションで、滅法オモシロかったじゃあ~りませんか!ほんまに。

時は2005年。
パラグアイのスラム街にある市場で、荷物運びの仕事をしているビクトルは、
テレビに映されるアクション映画やラブストーリーが大好きな少年。
欲しかった動画撮影機能付きのケータイを手に入れるため、
精肉店で働いている男から、謎めいた7つの箱を運ぶ仕事を引き受けた。
だが、仕事を横取りされたと怒った商売敵のネルソンが、箱をぶん取ろうと追いかけてきた。
女友達リズの助けもあり、難を逃れることはできたが、
ビクトルは、箱の中身が気になりだし、人の居ない倉庫で箱の一つを開けたら中には‥。

オープニングの、コマ落としで猥雑にして活気あふれる市場を捉えた映像に始まり、
映像テンポが実にキビキビしていて歯切れが良いんだ。
ほとんど手持ちカメラによる撮影みたいだけど、実際のスラム街で撮影し、
エキストラも地元民だそうで、荷台やカメラを取り付けるなど、
臨場感たっぷりの映像を生み出してるんよ。

ビクトルをはじめ登場人物達も生活感が充分匂ってくるし、
かつ個性的な顔立ちで、物語に弾みがついてるな。

ビクトルを中心に、彼に付きまとう小生意気なリズ、
韓国料理店で働くビクトルの姉タマラ、
そのタマラに恋心を抱いてる料理店の韓国人の息子、
仕事中に破水し、病院に担ぎ込まれるタマラの女友達、
病気の息子のクスリ代が必用で必死にビクトルを追いかけ回す商売敵のネルソン、
悪事を働いている精肉店のオヤジと、彼の悪党仲間のメガネ男、
ケータイショップの女店員にうつつを抜かしてる小太りの警官、
それに、箱の一つを盗む黒いTシャツの男、
それぞれが、7つの箱を巡って絡み合っていくんだけど、
結末に至るまで脚本がよく練られていて、それ見事に映像化しているやん。
スリル、ユーモア、アクション三拍子揃った
ほんまワックワクドッキドキの、痛快エンターテインメントでおまんにやわ。

ビクトルとリズの甘酸っぱいラ~ブラブなところもチラリと見せるし、
テレビの中の物語世界に憧れるビクトルのラストの表情など、
どこか、ほのかな青春映画風味を感じさせるところも、なんか良いわぁ。

ビクトルの周りで、けっこう人が死ぬんだけど、
ビクトルのあの表情のおかげで、あまりむごたらしさは感じさせないな。

ネルソンがちょっと可哀想な気もするけど、ま、あんなことまでやったら仕方ないか。

監督は、1990年から共同で短編やテレビ映画を撮っていた
パラグアイ出身のファン・カルロス・マネグリアとタナ・シェムポリ。
本作が、劇場長編映画第1作になるらしいけど、柔軟な演出手腕&脚本の構成力はなかなか。
この映画1本で終わらず、どんどん撮って欲しいやんかいさぁ。

なんでも、出演者はほとんど素人だそうだけど、
ビクトル役のセルソ・フランコ、リズ役のビクトル・ソサほか、
本作で初めて見る顔ばかりだけど、いずれも役柄にナイスマッチ。
ビクトル・ソサは、化粧っけがないスッピンみたいだけど、よく見るとなかなかの美形。
彼女を、別の映画でも見てみたい気がしたわ、ほんと。

ところで、あまり物語に絡まないのに、タマラ達が警察に連れられる場面で
なぜか女装のオカマ・オヤジが出てきて、妙に印象に残るな。
単なる物語のアクセントとして登場させたにしては、目立ちすぎな気もするし。
素人だけどオモシロイ・キャラから出しちゃおうて監督が考えたのかな。
でも、素人にしては演技が達者っぽかったし。
ま、どうでもいいっちゃ、どうでもいいことだけど。


トランスフォーマー 2013年12月6日リリース



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ジャンル : 映画

「アステリックスの冒険 秘薬を守る戦い」(12年・フランス) フレンチ人気漫画を実写化した、ポヨヨン・ポワポワ・ムービーやん!

アウテリックスの冒険 秘薬を守る戦い
ポヨヨ~ンとうららかな春の陽射しに包まれいるような、カラフルでポップなのに、ちょい脱力感漂う、でもって妙に人なつっこい印象の作品だったな、この「アステリックスの冒険-」はさ。
フランスの人気コミックが原作で、これはヨーロッパ各国や中南米で絶大な人気を誇っているらしいんだけど、日本じゃ全く知名度がないよね。
なんでも、フランスじゃ、89年にテーマパーク「アステリックス・パーク」まで作られてて、「ディズニーランド・パリ」をしのぐ人気スポットなんだとか。
ま、そんな超人気キャラだけに、99年に劇映画「アステリクスとオベリクス」が作られてて、これはフランス映画祭横浜で上映されたみたい。
02年の2作目は「ミッション・クレオパトラ」って邦題で劇場公開されたけど、クレオパトラに「マレーナ」「ドーベルマン」で日本でも知名度がアップしたモニカ・ベルッチが扮していたからだろね。
「アステリックスの冒険-」は、シリーズ4作目にあたり、本国フランスでヒットしたかどうかはわからないけど、キャラに馴染みのない日本じゃ当然DVDスルーでおまんにやわ。

紀元前、ローマ帝国皇帝カエサル(シーザー)率いる軍団によって包囲され、
今や滅亡の危機にあった、コーデリア女王が統治するブリテン国。
女王は、忠実な部下ジョリトラックスに命じ、
怪力になれる魔法のクスリを手に入れるため、クスリを調合できる村ガリアに赴かせる。
ガリアの村長は、アステリックスとオベリックス、それに甥のグドゥリックスを
ジョリトラックスに同行させ、魔法のクスリが入った樽をブリテンまで運ばせることにしたが‥。

原作がコミックのせいか、フレンチ気質なのか、作品のムードが、
なんかゆったりしていて、のどか、というかポワ~ンとしているな。

ローマ帝国が攻め入る女王が住む街が、周囲を城壁に囲まれてるけど、
こじんまりと小さくて、箱庭っぽいしね。
夕方5時になると、国民は仕事をストップしてお湯を飲む習慣があって、
通りに誰もいなくなったり、なんか、おとぎ話っぽいやん。

ガリアの村も、ほがらか・うららか・のほほ~んとしてるしさ。

主人公アステリックスは、羽根の付いた帽子を被ってるのはまだしも、
怪力男オベリックスは、胸まで隠れる大きく膨らんだパンツ姿(オーバーオールの古代版?)で、
原作コミックのキャラを忠実に実写化してるらしいけど、どう見てもマンガ。
他のキャラも、もろコミック世界の住人ぽい人物ばかり。

だから、邦題に「冒険」と付いてるけど、アドベンチャーを期待しちゃいけない。
「秘薬をめぐる戦い」ってあるけど、手に汗握るような戦いらしい戦いってのもないし。
そういうのを期待してたら、ガックリクリクリ・クリックリよ、ほんまに。

この映画って、今どきのセンスを、ベタだけど、ちょい取り入れ、
ユル~イ笑いで包み込んだ、そんな感覚を楽しむものかもしれないな。
フランス人なら、馴染みあるキャラたちを、もっと楽しめるかもしれないけど、
ベースとなってるコミックを知らないだけに、どうも深いところまでは面白がれないって気もする。

監督は、「プチ・ニコラ」(09)のローラン・ティラール。
「プチ-」は、レトロでユーモラス、ちょっぴりキュートで、ほのぼの可愛い作品だったけど、
本作は、「プチ-」より物語のスケールがでかくなったけど、なんか少々間延びしていて、
でもって、多彩なキャラが登場するわりに、変にこじんまりとまとまってる。

「スターウォーズ」や「時計じかけのオレンジ」のパロディめいたシーンや
怪力ネタのギャグなど、いろいろ笑いを盛り込もうとしてるんだけど、どうもスベリ気味。

カエサルの部下が、恐れを知らない寒い国のバイキングに、”恐れ”を教えてあげると味方に付けるエピソードも、
いまいち、うまくギャグに転がらず、笑いまで寒~くなってまうやんかいさぁ。
ジョリトリックスとフィアンセのオフェリアのエピソードも、ありきたりと言えばありきたりだし。

とまあ、笑いはダダ滑りが多いんだけど、それでも、なんていうか、
作品全体に漂う、フレンチなユル~イ・ユーモアってのかな、
それが受け入れられる広い心を持っていたら、それなりに充分楽しめるんでありんすよ。

怪力男オベリックスには、シリーズ1作目から同キャラを演じてるそうな、
「あるいは裏切りという名の犬」のジェラール・ドパルディー。
三つ編みお下げに口ひげのコミック・キャラになりきって、気持ちよさそうに演じてる。
タイトルロールの主人公でもあるアステリックスには、
「チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の夢」のエドゥアール・ベール。
日本じゃ、知名度あんまりないけど、フランスじゃ、テレビの司会、俳優、監督とマルチに活躍しているみたい。
シュっとしたノーブルな顔立ちで、本作では、ドパルディーの強烈キャラに負け気味やん。
カエサル役は、「危険なメソッド」(12)「しあわせの雨傘」(10)のファブリス・ルキーニ。
ベテラン演技派だけに、ちょびっとだけ威厳のあるカエサルを、サラリと演じてる。

ジョリトリックス役のギョーム・ガリエンヌは、ベレー帽みたいなのかぶり、
生真面目過ぎて、フィアンセに愛想をつかされそうになる騎士を、飄々と演じてる。
なんでも彼、今年のフランス映画の祭典・セザール賞で、監督・脚本・主演の3役をこなした
コメディ作品「Me、Myself、Mum」で最優秀作品賞・主演男優賞・脚本賞を受賞した注目の人らしいのね。
彼の名、今後はチェックしとかなきゃ!

そして、コーデリア女王に、カトリーヌ・ドヌーヴ。
もう結構な歳だし、それなりに貫禄もついてるけど、いまだ色香漂い、美熟女健在って感じ。

しかし、キャストはスター級のベテランが揃って結構豪華よねぇ。
フランスの国民的コミック・ヒーローの作品だけにさぁ。


パラマウント・ピクチャーズ 2014年4月9日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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