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「愛しのグランマ」(15年・アメリカ) 短気で勝ち気なバアさんが、孫娘を助けるために張り切っちゃう、ユーモラスで心がキュンッとくるドラマやん!

愛しのグランマ
ジェーン・フォンダと共演した「9時から5時まで」(80)やロバート・アルトマン監督の「ショート・カット」(93)で知られる、コメディがお得意のアメリカの中堅女優リリー・トムリン。
僕は、彼女がスティーブ・マーティンと共演したコメディ「オール・オブ・ミー/突然半身が女に!」(84)で、男の半身に魂が乗り移ってしまう富豪のワガママ女を演じていたのが印象に残っている。劇場未公開でソフトスルーとなったけど、奇抜なアイデアを、ライトなノリで描いた傑作喜劇(と僕は思う)。監督は、スティーブ・マーティン主演の「天国から落ちた男」(79・この映画もめっちゃオモシロイ)のカール・ライナー。
また見てみたいけど、DVDソフトはとっくに廃盤になっていて、AMAZONでチェックしたら中古で2万円の値段がついていビックリクリクリ・クリックリ!

そんな彼女が70歳半ばになって主役を演じた、
ユーモラスで、ほっこりとしたドラマがこの「愛しのグランマ」。

元大学教授で詩人のエルはレスビアン。
4ヶ月付き合った若い恋人オリビアと別れ、感傷気味になっていた時、
孫娘のセージが突然やってきた。
彼女は、中絶費用600ドルを借りにきたのだ。
手元に金がなかったエルは、孫娘のために、なんとか金を工面しようと、
セージと共に、知り合いのもとを次々と訪れることにするが…。

朝から夜までの1日の中、
エルがいろいろな知り合いに会っていくなかで、
彼女の今までの人生がほんのりと浮かび上がり、
そんな彼女の生き方に、セージが、以前にも増して深い絆や愛着を覚え、
自分の生き方をちょっぴり見直していくという構成が、なかなかいい感じ。

エルは、38年以上も連れ添ってきたレスビアンの恋人ヴァイが1年ほど前に病死し、
心の隙間を埋めるため(と思う)、若いオリビアと付き合っていたんだけど、
結局は別れを自分の方から切り出した。
どうしてそうしたのか…。

なかなか金を工面できず、会わずにおこうとした元夫カールのもとにも訪れるんだけど、
祖母がレズなのに、どうして結婚したのか、そして、なぜカールから逃げ出したのか…。

短気で勝ち気なくせに、センチで心が傷つきやすい部分あるエル。
どうもヴァイの死によって、どれだけ彼女が心の支えになっていたのかを気付いた(と思う)エル。
それまでは、身内のことまでヴァイにまかせっきりで、自分勝手に生きてきたみたいで、
セージの母でもある娘ジュディとも、あまり良い関係は築いてこなかったことが、ちらりと描かれる。

映画に、ヴァイは登場しないけど、
その登場しない人物が、物語の重要な部分を占めている気がするな。

監督は、「アバウト・ア・ボーイ」(02)や「ダレン・シャン」(09)のポール・ワイツ。
僕にとっちゃ、あまり印象に残る作品を撮ってる人じゃないんだけど、
本作じゃ、登場キャラたちを穏やかな眼差しで、軽やかに描いていて、親しみが湧いてくるな。
脚本もポールが書いているんだけど、説明臭さがなく、セリフがなんともナチュラル。
ささいな言葉の端々から、登場人物たちの過去や現在の状況を伺わせるというか。

深い感動なんかとは無縁の作品だけど、
なんていうか、ちょい胸がキュンッときて、
ほっこりと優しい気分に浸らせてくれる、そんな作品だな。

リリー・トムリンが主役を演じたのは初めてかもしれない(?)けど、
勝ち気なバアさんを、力むことなく、抜群の存在感で魅力たっぷりに好演。
トムリン自身レズビアンだそうで、説得力もあるしなぁ。

孫娘セージ役ジュリア・ガーナーは、透き通るような白い肌に、愛くるしい顔立ちで、
どこにでもいるティーン・ギャルを、これまた力みを感じさせない自然体で演じていて、
すこぶる好感がもてるやん。

リリーとジュリアの世代差コンビが、実に良い感じで、ストーリーに弾みをつけているやん。
この二人のコンビで、また他の作品で見てみたい気もするやん。

セージの母ジュディ役は、
「ポロック 2人だけのアトリエ」でアカデミー賞助演女優賞をとったマーシャ・ゲイ・ハーデンで、
すっかり小太りオバさん体型になっていたけど、
精子バンクでセージを生んだバリバリのキャリウーマンを、演技派だけにさらりとこなしてる。

エルの元夫カール役のサム・エリオットも、出番は少ないけど、味わいある演技を見せてるし、
主人公を取り巻く俳優陣が、それぞれキャラにピタリとはまっていて、物語が豊かに感じられるんよね。

老優が主演する映画って、
リチャード・ファーンズワースが79歳の時に主演した
名作「ストレイト・ストーリー」(99年・監督デヴィッド・リンチ)ぐらいしか思い浮かばないけど、
リリー・トムリンの主演作、次があれば、また見たいやんかいさぁ。

ソニー・ピクチャーズ 2016年3月2日リリース



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「フレンチ・コネクション 史上最強の麻薬戦争」(14年・フランス・ベルギー) 熱血判事デュジャルダンVS麻薬王ルルーシュの対決、はたして軍配はどちらの手に…てかっ!

フレンチ・コネクション 史上最強の麻薬戦争
フランス男優ジャン・デュジャルダンと言ったら、僕は、おとぼけスパイコメディ「OSS117・私を愛したカフェオーレ」(06)とその続編「フレンチ大作戦・灼熱リオ 応答せよ」(09)のアホ・スパイ、ユベール役をついつい思い浮かべてしまう。
2作とも日本じゃ劇場未公開でソフトリリースのみってこともあり、知名度は低いけど、60年代のスパイ映画を、粋なセンスでおちょくりまくっていて、僕のお気に入りのシリーズ作品なんよね。
アカデミー男優賞をゲットした「アーティスト」(11)もそうだけど、デュジャルダンって、僕にはコメディ系の俳優ってイメージが強いんだ。
もともと友人とコメディ・グループを結成し、テレビで人気者になったそうで、他の出演映画でシリアスな役柄を演じていても、そのうちギャグをカマしよるんやないかと、つい思ってしまうこともある。
最近は、そうでもなくなったけど。

そんな彼が、熱血判事に扮し、麻薬組織に立ち向かう、実話がベースの犯罪ドラマが
この「フレンチ・コネクション 史上最強の麻薬戦争」。
14年の第27回東京国際映画祭で「マルセイユ・コネクション」って邦題で上映されたらしいんだけど、
デュジャルダンでは客が呼べないと判断されたのか、劇場未公開となりソフトスルーとなっちっち。

舞台は、1975年のフランス・マルセイユ。
青少年の麻薬問題に取り組んでいた判事ピエールは、
昇進し、麻薬ルートの本拠地でもある南フランスのマルセイユに赴任。
持ち前の熱血ぶりを発揮し、麻薬グループのメンバーを次々と逮捕していった。
麻薬グループのボス、タニーは、そんな彼を煙たがりながらも、
警察内部に送り込んだ協力者を使い、ピエールを出し抜いていった。
一度は麻薬犯罪担当から外されたピエールだが、
運がめぐり、再度、タニー達に立ち向かうチャンスを得て、
グループの内幕をすべて知る重要参考人を逮捕したが…。

監督は、マルセイユ生まれのセドリック・ジメネスって人で、
本作を撮ったのは30代後半の時だそうだけど、
実にキビキビしたシャープなタッチで、物語が展開するな。
生まれ育った地元が舞台だけに、映像にリアリティが感じられるし。
警察vs犯罪組織のバトルだけでなく、
犯罪グループ内の裏切り者への報復など、
判事側と麻薬グループ側、双方を同じような比重で描写されてい、
それぞれが、人間臭く描かれ、ドラマに幅と厚みが出ているのもベリーナイス。
ピエールやタニーの家族のエピソードも抜かりなく描かれるし。

仕事に熱中するあまり、家庭を失いそうになり、オロオロしてしまったり、
持ち前の正義感で、向こう見ずな行動に出たりする主人公ピエールを、
デュジャルダンは、スター・オーラをちょい発散しながら熱っぽく演じてる。

タニー役、ジル・ルルーシュは、デュジャルダンとは「プレイヤー」(12)で、
妻子持ちなのにナンパに明け暮れる親友同士を演じていた俳優だけど、
組織じゃ冷酷極まりない存在なのに、家庭じゃ良き夫であり良き父親であるってなキャラを、
大物感を漂わせ、好演。渋さが光る俳優さんだな。

ドラマの半ばで、ピエールとタニーが海の見える高台で対峙するシーンがあるんだけど、
物語の中で初めて出会う二人の間に、ただならぬ緊張感みたいなのが漂っていて、
なんとも映画的にゾクッとさせられたなぁ。

脇じゃ、フィルム・ノワール「裏切りの闇で眠れ」(07)のブノワ・マジメルが
麻薬組織のチャラい裏切り者を演じて、印象に残るやん。

とにかく、映画としちゃ、きっちりと作られていて、見応えはある作品だったな。
ただ、僕には、主人公ピエールに感情移入できるってところまではいかなかったけど。

シリアスな役柄のデュジャルダンもわるくないけど、
やっぱ、コメディアンな彼を見てみたいし、
そのほうが、彼にはぴったりハマるって気がするやんかいさぁ。

ソニー・ピクチャーズ 2016年3月2日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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