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「黒の魂」(14年・イタリア) マフィアに関わった三兄弟の非情な運命!驚きのクライマックスが衝撃的やったわぁ!

黒の魂
マフィア映画といったら、コルシカのコーザ・ノストラ描いた「ゴッド・ファーザー」が印象に残っているけど、この「黒の魂」は、そんなマイフィアの一つと関わりを持った三人の兄弟の運命を、シリアスタッチで描いたクライムドラマ。

なんでも、イタリア・アカデミー賞(ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞)で、作品賞、監督賞、脚本賞他9部門を受賞したらしくて、日本じゃ、去年の「イタリア映画祭」で上映(その時の邦題は「黒い魂」)されたみたいだけど、劇場公開にまでは至らなかった。

それほど本国で評価が高い作品にもかかわらず、なぜなのか?
ま、スタッフ、キャストに馴染みがないし、マフィアものって最近はお目にかかることが少ないし、商売として難しいと判断されたんかな。

気になってレンタルして見たんだけど、マフィアものなのに、
シリアス・ドラマの要素が強い、シブめの作品だったやん。
展開が淡々としていて、娯楽映画的要素って観点からみたら、はっきり言って地味なんだけど、
ラストでの長男の思い切った決断による行動が、なんとも衝撃的で、一気に胸にグサッときてしまったわぁ。

イタリアの都市ミラノに住むドラッグディーラーの三男ルイジ。
そのドラッグで得た金で事業を展開している二男ロッコ。
長男ルチャーノは、弟たちと違い、生まれた地元でヤギを育て、野菜栽培など、
地に足の着いた平穏な暮らしを続けていた。
だが、ルチャーノの息子レオが、何かと敵対するファミリーに対し、
若気の至りとでもいうのか、威嚇的な行動に出たことから、抗争の火種がくすぶり始め…。

三兄弟の生まれ育った南イタリアのカラブリア州は、
マフィア組織・ンドランゲタが拠点とする地域なんだそうで、
そのことは、映画では匂わす程度で、ほとんど語られない。
ネットで作品解説を読んで、そうなんだと分かったくらい。

ルイジが、甥っ子レオのしでかした行為に対する落とし前をつけに地元に戻り、
もしものことを考え、自分たちの一族や仲間に会い、彼らを食事に招待する。

アメリカ映画のように、背景が判りやすい構成になっていないので、
(イタリアに住んでる人間なら、説明は不要なのかもしれないけど)
説明的なセリフもなく、少々とっつきにくいというか、漠然としか理解できないところはあったな。

結局、とんでもない事件が勃発し、
抗争のキッカケとなったレオが、またしても…。

弟たちのマフィア的生き方を嫌い、彼らと距離を置いた生活を送ろうとするルチャーノと、
そんな父親に反発し、あげくは軽蔑さえする息子レオ。

父と子の心のすれ違いって、けっこう普遍的なものだと思う。
父は、いくら反抗されても、愛する息子には違いないし、
息子は息子で、そんな父をなかなか理解することができないんだ。
そんな父であるルチャーノが過酷な運命に遭遇したとき…。

延々と続く、ファミリー同士の血を伴った抗争。
それを絶とうとするなら…。

監督のフランチェスコ・ムンズィって、経歴やフィルモグラフィが全く分からないんだけど、
登場人物、各々を淡々とした中に、手際よく端的に描き分け、
三兄弟や彼らの家族の描写も抜かりなく、ドラマとしてはなかなか厚みを感じさせるな。
音楽がほとんど流れず、殺人の場面もほとんど登場せず、ケレン味は皆無。
なのに、映像に力があるというか、最後まで見せきってしまうところは、
やはり監督の演出力がものを言ってるのかな。

農村暮らしなのに、ルチャーノの家には防犯カメラが備えられていて、
おそらく対ファミリー対策なんだと思うけど、
誰が来たか室内からチェックできるようになってたり、細部の描写も行き届いてる。

三男ルイジ役は、ホラー・アクション「フロム・ダスク・ティル・ドーン3」(00)で、
主人公の無法者を演じていたマルコ・レオナルディ。
「ニューシネマ・パラダイス」のトトの青年時代も演じていたらしいけど、覚えていないな。

少しは顔を知っていると言えば、このレオナルディぐらいで、
他の俳優はお初の人ばっかり。

でも、キャラにぴったりの俳優ぞろいで、
なかでも、長男ルチャーノ役のファブリツィオ・フェッラカーネが、苦悩する親父を力演。
ネットで調べたら、モニカ・ベルッチの「マレーナ」にも顔を出してたみたい。
かたくなに平穏な生活を送ろうとしながら、結局、それが無理だったと思わざるを得ないとき、
悲しみと怒りが入り混じった、なんとも複雑な表情を見せるんだけど、説得力満点。

イタリアの中年俳優と言えば、「グレート・ビューティー/追憶のローマ」「湖のほとりで」の
トニ・セルビッロがお気に入りだったんだけど、
フェッラカーネさんも、お気に入りの一人になったやん、ほんまに。

オンリーハーツ 2016年4月8日リリース



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「ミニー・ゲッツの秘密」(14年・アメリカ) セックスへの好奇心ビンビンのティーン・ギャルの成長ドラマでおまんにやわ!

ミニー・ゲッツの秘密
女の子が主役の青春映画って、いまいち興味が持てず、あまり見ることはない。
僕が、年を食ってるせいもあるけど、なんか、その手の作品に青臭さを感じて、拒否反応してしまうんよね。
だから、この「ミニー・ゲッツの秘密」も、最初は見る気がなかったんだ。

だけど、ベルリン国際映画祭やサンダンス映画祭などで注目を浴びたってのを知り、ちょっと見てみたくなりレンタルしたんよね。
アメリカのグラフィックノベル(コミック・マンガみたいなもの)をベースに映画化したってのも、興味をそそったし。

で、これが青臭いどころか、15歳の女の子の性的欲望をズバッとリアルに描いていて、セックスを通して精神的にも成長していく、
若干ロマンポルノ風味もある、なかなかにアダルトなドラマ。
なにせ、映画が始まるやいなや、
主人公の女の子が「今日、セックスをした」ってセリフを嬉しげにつぶやきよるんやから。

でもまあ、思春期の頃って、セックスへの憧れや欲望って、
男女を問わず、普通に誰でもあるんだし、それが、実にナチュラルかつ、
どこかノスタルジックな匂いを放ちながら描かれていて、
僕も10代の頃って、そういう部分ってあったな~なんて思わせられる、
胸の奥をキュンと優しく小突かれたような、そんな気分にさせてくれる作品でおましたわ。

舞台は、1976年のサンフランシスコ。
自分の容姿に自信がない少女ミニー・ゲッツは、母と妹との3人暮らし。
絵を描くのが好きで、日記代わりにテープレコーダーに
自分の思いや行動を吹き込んでいた。
ミニーは、まだバージンだけど、セックスへの好奇心がとっても強く、
母の恋人モンローと運よく二人っきりになったとき、
自分から彼にせまり、まんまとセックスにこぎつけ、バージンとおさらば。
ウキウキ気分のミニーは、モンローとの性的関係を続けながら、
そのことも、テープに包み隠さず吹き込んだ。
だが、そのテープを…。

ミニーの心模様が、彼女の描いた絵が動き出すアニメで表現されたり、
コミックが原作ってこともあるんだろうけど、
作品にポップなニュアンスが漂い、ヒロインのセックスライフに、あまり生々しさを感じさせないな。
ミニーの様々なセックス体験が描かれるには描かれるんだけど。
いったい私ってなんなの?ってなヒロインの自分探しの物語が、あくまで主軸にあり、
そこからブレることなく、ヒロインがエロエロな体験を通して、
自分の生きる道を見つけていく姿に、なんだか清々しさせ感じてしまえる。

監督・脚本は、本作で長編映画デビューをはたしたマリエル・ヘラー。
経歴は不明だけど、セックスの側面からティーンの女の子の心模様を、
ちょいユーラスに、かつビビッドに映し出す映像&演出センスは、なかなか。
女性監督ならではの繊細な心遣いが、うまく機能してるせいもあるかも。

作品の時代設定が、1976年(今から40年前)ということで、
ファッションやインテリアなど美術が、ノスタルジックなムード満々、
映像も、どこかセピアっぽいイメージを漂わせてるのも、なんか良い。
音楽も、70年代にぴったりの曲が流れるし。

ミニー役ベル・バウリーは、僕にはお初の女優さんだけど、
どう見たって15歳の女の子にしか見えない、ちょいタヌキ・フェースの小柄アクトレス。
美人じゃないけど、セックスへの好奇心ビンビンのティーンを、
実にナチュラルに演じていて、物語に説得力を持たせてるな。
しっかりヌードも披露するし、セックスシーンも臆せず、堂々とこなしてるし。
キョロキョロ動く大きな瞳が、チャーミングやん。

ミニーの初体験のお相手となる、
ちょいグータラな男モンロー役は、アレキサンダー・スカルスガルド。
アメリカ映画でも活躍している、僕の好きなスウェーデンの名優ステラン・スカルスガルドの息子だけど、
恋人の娘ともためらいなくエッチしちゃう、少々だらしない男を、気張らず、柔軟に演じてる。
ミニーとLSDをやってバッドトリップしてしまい、
涙ポタポタ泣き言を叫んじゃうところなんか、けっこう上手い役者さんだなって気もしたやん。

母親のシャーロットに扮したのは、前にこのブログで紹介した
「スケルトン・ツインズ 幸せな人生のはじめ方」のクリステン・ウィグ。
70年代らしく、自由きままに生きてる女性をサラリと演じてる。

ところで、映画に登場するコミック・アニメは、原作者フィービー・グローエックナーの絵なんだろうか。
なんか、彼女のグラフィックノベルを読みたくなったやんかいさぁ。
映画化されたアメリカンコミックス「アメリカン・スプレンダー」のマンガの絵柄に近いものを感じたんでね。
ポール・ジアマッティ主演の映画「アメリカン・スプレンダー」(03)は、
実在のコミック作者の主人公ハービーと、コミックのなかのハービー(アニメ)が登場する、
なんとも風変わりなノホホンとした作品で、僕のお気に入りでおまんにやわ。

ソニー・ピクチャーズ 2016年3月23日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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