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「二つの真実、三つの嘘」(13年・アメリカ) 心が病みきってる女たちの、全く先の読めないサイコ・サスペンスやん!

二つの真実、三つの嘘
僕が時々訪れる映画ブログのひとつ「ホラーSHOX [呪](ほらーしょっくすのろい)」で、“意外なtwistがおもしろい!”と紹介されていて、見たいなあと思っていたインディー系作品が、「二つの真実、三つの嘘」(原題・Proxy)って邦題でDVDレンタル・リリースされていたのを知り、見てみることにしたんよね。

劇場未公開でソフトスルーだけど、13年製作だから3年も前の作品なのに今頃リリースなんて、出演者に近頃話題になった人物でも出ているのかと思ったけど、そうでもないみたい。

ま、それはともかくこの映画、ほんまにヒネリの利かせまくった展開で、エエッ!オヨヨッ!ナナ、ナント!と驚かされちゃんちゃこよ。
言ってみれば心が病んだ女たちのダーク風味のサスペンスなんだけど、ここまで先が読めいない展開なんて久しぶりって気もしたな。

だから、あまりストーリーを書くわけにはいかない。
ちょろっと導入部分だけ書くけど、あとは気になったら見て頂戴としか言えないやんかいさぁ。

妊娠9か月を超え、超音波検診を受けたエスターは、
帰りに突然暴漢に襲われ、腹をレンガで何度も打ち付けられた。
病院に運ばれるが、赤ちゃんは死産。
うつろな気持ちを抱え退院すると、彼女は“子どもを亡くした女性を癒す集会”に参加し、
そこで、彼女と同じ境遇の女性メラニーと親しくなる。
メラニーの夫と幼い子供は、酔っ払い運転の車に轢かれ亡くなったらしい。
ある日、エスターは仕事を求めてショッピングセンターを訪れたとき、
偶然メラニーを見かけるが、彼女は息子を見失ったとうろたえ、
警備員に息子を探してとわめいていた!
メラニーの息子は死んで、いるはずがないのにと、
不審を抱いたエスターは彼女の後をつけると、
な、なんとメラニーが車の中から息子を抱きあげる姿を目にしてしまった…。

子を失った女たちの切なげなドラマに見えたのが、
やがて2人の女の病んだ心がじわじわと画面に滲みだし、とんでもない展開となるが、
描写が説明過多にもならず、それでいて丁寧に女たちのマッドな心情を描いてみせてるな。
監督ザック・パーカーって僕にはお初の人だけど、
現実と妄想の境をあえて(多分)あいまいにしていて、
ちょっと戸惑ってしまう部分もあるけど、演出手腕は、そんなに悪くはない。
超スローモーションの使い方など、
カメラワークの随所に映像技巧派監督ブライアン・デ・パルマ・チックなところが散見するけど、
ここぞという場面で効果的に使われているので、マネしているって感じはあまりしない。
思わせぶりなラストショットもなかなかニクイやないの!
あの後の展開は、観客の皆さんのご想像にお任せしますってねぇ。

出演は、これまたほとんどお初の俳優さんばかりだけど、
エスター役アレクシア・ラスムセンは、どこかエキセントリックな風情を漂わていて、
はかなげに見えつつも、狂気が見え隠れするキャラにナイスマッチ。
エスターと親しくなるメラニー役アレクサ・ハヴィンスは、ごく平凡な主婦風情なのに、
心の内は…な女を上手に演じて見せてるな。
そしてもう一人の女、短髪にタトーとパンクないでたちのアニカに扮したクリスティーナ・クリーブ。
出番は少ないけど、おいしい見せ場があり、
ヌードも披露するし(ちっともエロティックじゃないけど)結構印象に残るな。

男優じゃ、ジョー・スワンバーグって人が出ているんだけど、
「新しい夫婦の見つけ方」(15)「ドリンキング・バディーズ 飲み友以上、恋人未満の甘い方程式」(13)など、
インディー系作品の監督で、その世界じゃそこそこ知られているみたい。
と言ってもアメリカの話で、日本じゃ全く無名に近いけどね。
「新しい夫婦-」「ドリンキング-」も劇場未公開でソフトスルーだったしさ。
彼、俳優として「サプライズ」(11)など出演作があり、
そんなにハンサムってこともない普通っぽい顔立ちで、
その普通というか平凡っぽいところが、この作品じゃ妙にハマっているかな。

この映画、すごく良くできた作品とは言い難いけど、
女優たちの好演のおかげと、意外さ連発の筋運びでオモシロク鑑賞できることは確かやん。

しかし、書きたいことはいろいろあるのに、何を書いても肝心の部分に触れてしまいそうで、
書けないやんかいさぁ!
とにかく、見て、驚いてチョーダイとしか言われへん、ほんまにね。


チャンス・イン 2016年12月2日レンタル



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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

「トマホーク ガンマンvs食人族」(15年・アメリカ) 人間描写が丁寧な、異色アクション・ホラー・ウエスタンやんかいさぁ!

トマホーク ガンマンvs食人族
タランティーノ監督の西部劇「ヘイトフル・エイト」で賞金稼ぎを演じていたカート・ラッセルが、今度は保安官に扮した、ちょっと風変わりなウエスタン・ムービーが、この「トマホーク-」。
共演が、「死霊館」シリーズのパトリック・ウィルソン、「扉をたたく人」(07)でアカデミー主演男優賞にノミネートされた名脇役リチャード・ジェンキンズとなかなか豪華なのに、劇場未公開でDVDソフトスルーとなっちっち。

知名度のある俳優が出ているのにソフトスルーになるケースといったら、作品の出来がよっぽどヒドイとか、クセの強すぎる内容で日本じゃ劇場公開しても当らないと判断されたとか、いろいろ理由はあるだろうけれど、ホラーテイスト漂うジャケットのデザインと “映画史に残る、衝撃のラスト30分!!” って思わせぶりなコピーにひかれてレンタルしてみたんよね。

で、これが何ていうか、前半は、丁寧な人間描写とリアリズムに徹した映像展開で、一昔前のアメリカン・ニューシネマのテイストを思わせるのに、クライマックスでいきなりギョギョギョッなエグイ描写連発に突入する、なんとも風変わりな、妙にオモシロイ作品だった。
じんわりと男気なんてものも感じ取れるし、古き良き西部の男たちの姿を、よりリアルに、今風にスタイルを変えて描き直そうとしたみたいな、そんな気もしたな。

アメリカの田舎町ブライトホーム。
ある夜、うさん臭い流れ者が現れ、保安官ハントは、彼の足を銃で撃ち留置所に放りこんだ。
そして、カウボーイのアーサーの妻で女医のサマンサに治療を頼んだ。
翌朝、流れ者とサマンサ、そして副保安官の青年が忽然と姿を消した。
現場に残された矢じりから、山岳に住み、人肉を喰らう習慣を持つ穴居人ではないかと推測したハント、
補佐官の老人チコリー、ガンマンのジョン、それに、
屋根から落ちて足に大けがを負っているサマンサの夫アーサーの4人で、
穴居人の棲み家に向かうこととなった…。

サマンサ達が穴居人に連れ去られたのは、流れ者(実は強奪殺人犯)が、
穴居人の聖なる墓場に足を踏み入れたせいで、その巻き添えをくってしまったんだ。

追跡行のなかで、
4人それぞれの人柄がじっくり過ぎるほどじっくりと描かれる。
用心深く、野営するときも周囲に紐をめぐらし、
怪しいと思われる者が現れたら容赦なく打ち殺すジョン。
彼の行き過ぎた行動に怒りながらも、目的続行のため怒りを抑えようとするハント。
足の傷がひどくなるばかりのアーサーは、気持ちばかりが焦り、ついつい怒りを仲間にぶつけてしまう。
穏やかで人当たりの良いチコリが、そんな険悪な空気を緩和しているというか。

監督のS・クレイグ・ザラーって人は、これが初監督らしいけど、
セリフの端々に往年の西部劇らしいニュアンスを残し、前半はあえて淡々とした展開にしたみたい。
音楽もほとんど流れないし、エンタメ的には退屈しかねないところだけど、
そこは、カート・ラッセルなどベテラン俳優の年季の入った演技でカバーされ、
クライマックスまで引っ張っていってくれるやん。
俳優たちも、それが分かっているのか、それぞれ味のある演技を見せてる。

そして、穴居人の棲み家に到着したところから、エグエグ描写のホラーチックな展開となるんだけど、
西部劇に人食い族って場違いとも思える存在が、前半のリアリズム描写のおかげで、
あまり違和感を感じさせないというか、そんな存在もアリかもしれないと思わせちゃってくれる。

ザラー監督、ちゃんとそこまで考えて(多分ね)、演出したのと違うかな。

しかし、あの描写のエグさ、マカロニウエスタンでももっとおとなしかったと思わせるエグさやった。
ま、これもリアリズムの追求で~すと言われたらそれまでだけど。

ザラーさん、脚本も書いてるけど、カート・ラッセル以下、
俳優たちにアテ書きしたみたいに、それぞれキャラにピッタリとハマってる。

チョチョイのチョイ役で、「ブレードランナー」のショーン・ヤングが、
オーラゼロのオバチャンになって登場してたやん。
「ストリート・オブ・ファイヤー」のマイケル・パレも出ているみたいだけど、
どこに出たのか全く判らんかった。

なおこの作品、ブエノスアイレス国際ファンタスティック映画祭アヴァンギャルド&ジャンル・コンペテション部門で最優秀作品賞、シッチェス映画祭・最優秀監督賞など、あまり名を聞かない映画祭で賞をいろいろ取ったみたい。
ま、それがどうしたと言われるかもしれないけどね。

2時間を超える(132分)作品だけど、見ていて意外にそんな長いって感じなかったし、
個人的には、こんな作品あってもええんと違うと思えてしまえるムービーであ~りました。ほんまにね。

トランスフォーマー 2016年12月2日レンタル&セル・リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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