FC2ブログ

「超人X.」(14年・ベトナム) わけあって超人ヒーローやってるゲイで~す!何か問題でも?

超人X.
ヒーロー・アクション映画って様々な国で作られてるけど、この「超人X.」は、ベトナム製のヒーロー・ムービー。
なんでも“アジアフォーカス・福岡国際映画祭2015”や“大阪アジアン映画祭(16年)”で上映されたらしんだけど、劇場公開とまではいかずDVDソフトスルーとなっちっち。

ベトナム映画って、ほとんど見たことないんだけど、ヒーローものって好きだし、日本でも映画祭で上映されるくらいだから、そんなにハズレではないだろうと見てみることにしたんよね。

で、これがなかなかに楽しくて、アクションもバリバリ、ユーモラスでノリの良いネアカな娯楽映画やったやん。

ごく平凡な青年が、怪しい科学者の実験台になったばかりに超人になってしまうという、一昔前のマンガにありそうな話だけど、主人公がゲイで自分のブティックを持つのが夢という、マイノリティ・ヒーローってのがなかなかユニーク。

バクチ好きの母親の世話をしている青年スンは、
友人フィーのマネジメントで、仮面をかぶり、偶然身につけた超人パワーを使って
悪者たちをやっつけるヒーロー業を副業としてこなしていた。
あるとき、ダイヤ会社を経営する超高慢ちきな女キキが強盗団に誘拐され、
彼女を救いだしたことから、超人X.ラブラブラ~ブな猛アタックを受けてしまう。
女性に全く興味のないゲイのスンは、ハンサムで人気歌手のトウアンへの想いでいっぱいだった。
なんとか超人X.を自分に振り向かせたいキキは、狂言誘拐を計画。
彼女の計画はうまくいくかに見えたが、強盗団がスンと同様の超人パワーを身につけ、
キキや超人X.の前に立ちはだかった…。

主人公スンは、正義感というのが少々希薄で、
あくまで副業のお仕事として、悪党どもに立ち向かうのであって、
フィーの作った仮面や衣装にも文句たらたら。
恋するトウアンがビルの屋上で歌とダンスの練習をしていると、
超人X.の恰好で近づき、同じように踊ってみたり、なんともウブっぽく、
自分がゲイであることを彼にカミングアウトできないでいる。
マイノリティゆえの切なさみたいなもんが、ちょろっと描かれる。

しかし、科学者に注射一本打たれるだけで超人になるって設定、アバウト過ぎるやないの。
それも、スンの場合、打たれたときに、ゴキブリを飲み込んでしまったことから、
ゴキブリが大の苦手で、それが弱点となり、ラストじゃ…。
また、スンだけが超人パワーが持続し、
同じように注射された強盗団たちのパワーの有効時間が限られてるってのもさぁ。

ま、作品を見ている間は、とにかくテンポが良くって展開が早いし、
(いつの間にか母やトウアンが強盗団に捕まっていたり、部分カットした縮尺版と違うかと思うくらい)
スパスパ物語が進み、いつのまにやらエンディング。なにせ映画の尺が81分。

アクションは、香港チックにワイヤーアクション駆使しまくりで、
パルクールやムエタイも出てくるし、見せ方も上手で、痛快・爽快・まだやるかい!って感じ。
強盗団の紅一点の女性がパワフルで、動きのキレも抜群やったわ。
そのぶん強盗団のボスに精彩がないというか。
彼女をボスにして大暴れさせたらよかったのにとも思ってしまったわさ。

いまどきのKポップっぽいラブソングがやたら流れたり、
キキの衣装がセンスが良いのか悪いのかヘンにゴージャスだったり、
彼女の付き人みたいなヒエンがオネエ丸出しのチャライ・キャラだったり、
科学者(どうみても飲み屋のオヤジな風貌)が誰でも超人にしたがったり、
とにかく、どこか普通ではない過剰さみたいなもんが作品全体を覆っている。

最後に「人は誰でも性別や出自に関係なく超人になり社会貢献できる」って、
きっちりメッセージも発せられ、そのために主人公をゲイの設定にしたのねと
それなりに納得、納得。

監督のグエン・クアン・ユンさん、本作の脚本も書いてるけど、
多少荒っぽいながら、いろいろな要素をビッシリ詰め込み、
パワービンビン・湿っぽさゼロの娯楽映画を作り上げようと頑張ったやん。

最後に超人X.が「また会おう」って言って、飛び去っていくけど、
続編があるならちょっと見てみたいなぁ、と思ってしまいましたわさ、ほんまに。


キュリオスコープ 2016年11月25日レンタル/12月2日セル



にほんブログ村 映画ブログ 映画DVD・ビデオ鑑賞へ
にほんブログ村

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

「ガンスリンガーの復讐」(98年・イタリア) ほっこりユッタリ、心和むマカロニ・ウエスタンてか?!

ガンスリンガーの復讐
ロックスター、デヴィッド・ボウイが亡くなって早や1年とちょっと。ミニシアターじゃ、彼の主演作「地球に落ちてきた男」が追悼上映されているけど、そんな彼が出演したイタリア製西部劇がこの「ガンスリンガーの復讐」。
映画スターとしても「戦場のメリークリスマス」「ラビリンス/魔王の迷宮」「ハンガー」「プレステージ」など出演作は多いけど、この「ガンスリンガー-」は劇場未公開となっちっちで、2年前にソフトリリースされたんだけどセルオンリーだった。
それが、去年の秋、宅配レンタル・DISCASでレンタルされていたのを知り、未見の作品だし、ボウイの追悼をこめてみることにしたんよね。

カバージャケットじゃ、ボウイを真ん中に右にハーヴェイ・カイテル、左にイタリアのレオナルド・ピエラッチョーニが並んでいるから、てっきりボウイ主演の西部劇と思って見たら、彼は脇役だったやん。
主役はレオナルド・ピエラッチョーニなんだけど、
ボウイも脇役ながら、さすがスターオーラはビンビン、なかなか目立ってたわ。

ピエラッチョーニは、本国イタリアで大ヒットし、
日本でも公開された「踊れトスカーナ!」(96)の監督・脚本・主演をこなした人物で、
「踊れ-」で脚本を共同で書いたのが「ガンスリンガー-」の監督ジョヴァンニ・ヴェロネージ。
ジョヴァンニ・ヴェロネージと言えば、
これまた本国で大ヒットを飛ばした「イタリア的、恋愛マニュアル」(05)が
日本でも公開されたので知っている人もいると思うけど。
4話オムニバスの恋愛にまつわるユーモラスなドラマで、僕のお気に入りの一本よ。

だから、ヴェロネージとピエラッチョーニと組んだ西部劇ときたら、
一昔前のマカロニ・ウエスタンになるわけないなあと思って見たら、
案の定、良い意味で裏切られるというか、
何ともホッコリとした、穏やかな春風を浴びているような作品やったやん。
西部劇だから銃撃シーンやアクション・シーンもあることにはあるんだけど、これが…。

西部の小さな町で暮らしているドック一家。
彼は町で唯一の医者で平和主義者。
妻は先住民の首領の娘パール。そして息子のジェレミア。
穏やかな日々を送っていたある日、20年ぶりにドックの父ジョニーが帰ってきた。
ジョニーは伝説のガンマンと呼ばれる拳銃の名手だったが、
彼を倒して名を上げようとするキザなガンマン、ジャックが現れ、
町が騒然とする中、ジョニーに対決を挑んできた…。

物語の語り部となるのが少年ジェレミアで、
彼の目を通して、彼自身や周囲の大人たちの様々な出来事を綴っていき、
おかげで、映画に温かくて穏やかな空気感みたいなものを漂わせているな。
朝は屋根の上でコケコッコーと叫び、夜はウォーと狼の遠吠えをまねる、
ドック一家に住み着いている変わり者ジョシュアの存在が、なんともユーモラス。

とにかく、一昔前のマカロニ・ウエスタンにありがちなシーンが、
次から次へとものの見事に予想を裏切る展開なんだけど、
それがちっともガックリこさせないというか、これもありやんと妙に納得させられてしまう。
なにせ、酒場でジャックの手下どもを撃ち殺すのは〇〇だし、
ジェレミアを救うのに活躍するのは〇〇だし、
ラストのジョニーとジャックの対決場面じゃ○○が…。

ヴェロネージ監督は、西部劇の形をとりながら、
父と息子、祖父と孫の心の絆を描こうとしたみたいで、
そこに、ガンマンの時代が終わり、新しい時代が始まるのを、
ちょっぴり詩情みたいなものを漂わせながら語ろうとしたみたい。

映画の冒頭に、「“ウエスト”で子供たちはカウボーイごっこをした」って言葉が出るけど、
ひょっとして、監督は好きなウエスタンを自分流の味付けをして、
カウボーイごっこをしようとこの作品を撮ったのかな。

デヴィッド・ボウイは、中盤に登場するんだけど、
その登場に仕方が、キザたらっしいというか、カッコつけまくり。
カウボーイハットには羽根飾りがついててオシャレだし、
手下には、女カメラマンもいて、いちいちボウイ指示にしたがって、
彼のナイスポーズを撮りまくらせたりするし。
ギターをつま弾きながら♪ハレルヤ~♪と歌うシーンまで用意されている。
いちおうニヒルでクールなんだけど、最後の決闘じゃ…。
彼も、カウボーイごっこをしたかったので、本作に出たんかしらね。

ハーヴェイ・カイテルは、さすが渋さ満々、ガンマンの暮らしに疲れ、
平穏な生活を送ろうと考えている初老の男を味わい深く好演。

そして主役でもあるレオナルド・ピエラッチョーニ。
医者として町の人たちから尊敬され、町のもめごとなども言葉によって丸く収める
心優しい主人公を、力まず軽やかに演じてる。
いまいち個性に乏しい気もするけど、この作品じゃビッタリコン。

とにかく一昔前のマカロニ・ウエスタンを期待して見ると、なんじゃこれは!と
文句垂れてしまうかもしれないけど、
僕は、好感が持てたし、西部を舞台にしたファミリー・ドラマとしちゃ、
なかなか愛すべき作品やんと思ってしまいましたわさ、ほんまに。

ピノ・ドナッジオの音楽もなかなかよかったしね。

映像文化社 2016年9月30日DISCAS・レンタル



にほんブログ村 映画ブログ 映画DVD・ビデオ鑑賞へ
にほんブログ村

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク
QRコード
QRコード