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「海へのオデッセイ ジャック・クストー物語」(16年・フランス・ベルギー) 海中撮影が見事な、海に魅入られたクストー親子の伝記ドラマやん。

海へのオデッセイ ジャック・クストー物語
アクアラング(潜水用高級装置“スクーバ”)を開発したことでも知られるフランスの海洋学者ジャック・クストーの人生を描いた伝記ムービーが、この「海へのオデッセイ ジャック・クストー物語」。

映画ファンなら、カンヌ映画祭でパルムドール賞を受賞した、クストーがルイ・マルと共同監督した海洋ドキュメンタリー映画「沈黙の世界」(56)やアカデミー・ドキュメンタリー長編賞を受賞した「太陽のとどかぬ世界」(64)を知っている人もいると思うけど。

そんな彼と彼の妻や息子たちの数十年に渡る日々が、美しい海中撮影映像を織り交ぜながら綴られるんだけど、クストーの浮気が原因の夫婦の不和や父クストーと仲違いする息子など、人間臭いドラマが展開し、個人的にはなかなか興味深く見ることが出来たし、ラストじゃホロリッとさせられて、ちょい胸があつくなってきてしもたやん。
原作は、クストーの息子ジャン=ミシェルとアルベルト・ファルコ。

1949年、ジャック・クストーは、妻シモーヌ、二人の息子ジャン=ミシェル、フィリップと
地中海の海のそばの家に住み、家族とダイビングを楽しむ日々を送っていた。
ある日、クストーは調査船カリプソ号を妻の援助で手に入れ、
世界の海を探検する海洋調査の旅に出た。
幼いフィリップは、一緒に行きたがったが寄宿舎に入れられ成人するまでそこで成長した。
ジャックは、映画「沈黙の世界」が好評を博すなど、世界的な有名人になり、
海底調査のための技術開発のための会社を起こし、海底撮影に余念がなかった。
大人になったフィリップは、尊敬する父の仕事を手伝い、自身も海底撮影を行った。
だが、父の海の動物の扱いや海が汚染されていくのを見逃せなくなり、
やがて父と対立し、船を降りて環境保護運動に力を入れるようになった。
あるとき、ニュースでジャックの会社が破産状態だと知ったフィリップは、
父が起死回生の策として、カリプソ号で無謀な南極探検の旅に出ると知り、
父を助けよと思ったのか、彼も船に乗り込み旅に同行した…。

海に魅入られたジャックの物語だけに、
幼いフィリップと兄のジャン・ミシゼル、そしてジャックとシモーヌが、
海中散歩をするシーンに始まり、とにかく海中シーンがため息が出るほど美しい。
成人したフィリップが海中でサメの群れに取り囲まれるところや、
南極の海中を泳ぐアザラシなど、どこか神秘的かつ幻想的な雰囲気も漂い、
うっとりこ~んと見とれてしまう。

監督のジェローム・サルは、脚本にも参加しているけど、
ジャックとフィリップの父子の関係を軸に、浮気に走るジャックに苛立つ妻シモーヌ、
フィリップと美人モデルのジャンとの恋など、物語に膨らみを持たせ、
あまりシリアスにならず、キレの良い演出タッチで物語を展開して見せるな。
元飛行機パイロットだったジャックのゴーグルの使い方もニクイ。
幼いフィリップが父から譲り受けるんだけど、それがラストに…。
幼い息子たちに読み聞かせる本が「海底二万哩」というのもムフッとさせる。
物語は、実在の人物を描くだけに、遠慮してか、あっさり描き過ぎやんと思う箇所もあるけど、
とにかく海中撮影の見事な映像のおかげで、かめへんかめへんって気にさせられる。
海中映像に流れる音楽がまたいいのよ。
作曲は、「シェイプ・オブ・ウォーター」「ヴァレリアン 千の惑星と救世主」を
担当していたアレクサンドル・デスプラ。

ジャック・クストーに扮したのは「マトリック」シリーズに出ていたランペール・ウィルソン。
海に魅入られた冒険家だが、ちょい誇大妄想的で、
家族や周囲の人間を傷つけてしまう主人公をベテランらしく柔軟な演技で見せる。

成人したフィリップ役に、「イヴ・サンローラン」(14)でサンローランを演じたピエール・ニネ。
どこかのっぺりした顔立ちながら、繊細にしてジャック同様に冒険心もある役柄を好演し、
なかなか上手い俳優やんと思ってしまったわ。後半じゃアゴ髭を蓄え、男くささも匂わせるしね。

ジャックの妻シモーヌ役は、「アメリ」のオドレイ・トトゥ。
すっかり成熟した中年女性から髪が白くなった酒浸りの老女まで、見事な演技派っぷりだ。

ラストに、ジャックが幼い息子たちに話す言葉が出てくるんだけど、
これが個人的には胸に刺さったなぁ。
「悲しいことがあったら、人間はただの塵(ちり)と思え。星のかけらに過ぎない。
はかない存在なんだ。宇宙にすれば一瞬の命だ。だから精一杯生きる。」

しかしこの作品、劇場の大きいスクリーンで見たかったなって気にさせられたわ。
大スクリーンなら、海中シーンの美しさをもっと実感できるように思うからさ。

オンリーハーツ 2018年11月2日レンタルリリース



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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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