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「殺し屋とセールスマン」(73年・フランス) 凄腕殺し屋がセールスマンにワヤクチャにされまくるフレンチ・コメディやん!

「殺し屋とセールスマン」
去年、復刻シネマライブラリーの1本として発売され、今年の1月にTSUTAYAでレンタルとなったのが、この「殺し屋とセールスマン」。
復刻シネマライブラリーのリリース作品には見たいものが結構あるけど、セルオンリーだし廉価版も出ないし、なかなか見ることができないんよねぇ。
お金の余裕がないしさぁ。

ところで、この作品は日本劇場未公開だけど、ビリー・ワイルダー監督が81年に本作をリメイクしていて、邦題が「新・おかしな二人/バディ・バディ」(81年)。
主演がジャック・レモンとウォルター・マッソーだから、こんな邦題になったみたいだけど、出来がいまいちなのか、こちらも日本劇場未公開でビデオスルー。
ビリー・ワイルダーの遺作というのにね。

僕は、リノ・ヴァンチェラのファンなんで、ちょっと気になってDISCASでレンタルしたんよ。
監督がエドゥアール・モリナロ、脚本がフランシス・ヴェベールと
「Mr.レディMr.マダム」のコンビだし、そんなにハズレじゃないだろうと思ったのもあるしさ。

でこれが、テンポがいい、どこかスットボケタ、なかなか楽しめるクライム・コメディやった。
とにかく、殺し屋に扮するヴァンチュラが、
おとぼけセールスマン役ジャック・ブレルに仕事の邪魔をされまくり、
苦虫を噛みつぶしたような表情を浮かべるところが、
なんともおかしくってケラケラ笑っちゃうんよね。
90分弱と短い作品で、無駄なくスムーズに物語が展開するのもナイスやったわぁ。

政治事件の重要参考人を消す仕事を請け負った殺し屋ミラン。
参考人が出廷する裁判所の前のホテルの部屋を借り、ライフルを取り出し準備を始めた。
同時刻、隣室を借りたセールスマンのピニョンが、妻が他の男のもとに行ったことに絶望し、
首つり自殺を図ったが、細い水道管にロープをかけたばっかりに管を破裂させ、
部屋を水浸しにしてしまった。
隣室の異変に気付いたミランは、ホテルのボーイに調べさせ、ピニョンの自殺未遂を知った。
警察沙汰になってはまずいと、警察に知らせようとするボーイを言いくるめた。
そして、なんとかピニョンの気を落ち着かせようと話を聞き、
厄介払いのために、ピニョンを車で妻のところに送り届け、ホテルに戻った。
だが、妻はそっけなくピニョンを追い返してしまい、彼はまたもや隣室に戻ってきた…。

重要参考人が乗るはずだった車が何者かに爆破され、
間違って管理人が死に、重要参考人が無事だったことから、
殺しを請け負った男を、殺し屋ミランが一発で撃つ殺すところから始まる。
いかにもサスペンスタッチの導入部。
だが、ホテルに移って、ピニョンが登場してからはコミカルな展開となる。
ミランが仕事の邪魔をされたくないばっかりに、ピニョンを追い払おうとするんだけど、
それがいちいち裏目に出て、ミランがドツボにはまっていくところは、
フランシス・ヴェベールのアイデアを凝らした脚本のおかげか、
ベタなギャグに走ることなく、突拍子もない展開となり、ついついゲラゲラッと笑ってしまう。
部屋のブラインドを使ったギャグは傑作やった!
エドゥアール・モリナロのツボを押さえた演出テンポも実にナイスでおまんにやわ。

リノ・ヴァンチュラは、スーツをバッチリ着こなし、
風貌からして、いかにもクールで凄腕の殺し屋ミランにピッタリのハマリ役。
終始、仏頂面で笑顔ひとつ見せないんだけど、
疫病神ピニョンのおかげで、げんなりしてしまう感じを上手に漂わせていて、
なんか彼が可哀そうにもなってきてしまう、ほんまに。
なにせ、ピニョンがホテルの壁際から飛び降りようとするのを止めるために
ミランが外に出たばっかりに1階下のベランダに落ちてメッチャ痛い打撲したり、
ピニョンと勘違いされて精神安定剤の注射を打たれてしまったり、
あげくは拘束帯を付けられて病室に閉じ込められたり、
ボロボロにさせられてまくるんよね。

ミランを翻弄しまくるピニョンに扮したジャック・ブレルは、
馬面で、どこかボヨヨ~ンとした風貌で、本職はシャンソン歌手。
リノ・ヴァンチュラとはクロード・ルルーシュ監督「冒険また冒険」(72年)で共演したみたい。
その映画で気が合って、再共演したのかもしれないな。
なんか、全くタイプが違うのに、妙に相性がバッチリって気もするし。
僕は知らなかったけど、彼はベルギー生まれだけど、フランスで歌手として成功したそうで、
彼の曲を、デヴィッド・ボウイやスティングなど多くのミュージシャンがカバーしているんだとか。
お人好しで生真面目な性格ゆえ、彼といると退屈すぎると去っていた妻なのに、
彼女がいないと人生お仕舞だと絶望し、自殺未遂をはかる男を、飄々と演じてる。
ミランが嫌がっているのに、空気を読めず、最後の最後まで彼に付きまとおうとする姿は、
なんか気が良いキャラだけに微笑ましくなってくるなぁ。

ホテルのボーイ役は、どこかで見たことある俳優やなぁとキャストを調べたら、
「シェルブールの雨傘」(63年)でカトリーヌ・ドヌーヴの恋人を演じた
ニーノ・カステルヌオーヴォやった。
彼、あまりコミカルな演技は苦手なのか、
いまいちこの映画に溶け込んでないように思えたな。

ところで、リノ・ヴァンチュラ主演の僕の好きな映画
「女王陛下のダイナマイト」(監督=ジョルジュ・ロートネル 66年)と
「ギャング」(監督=ジャン・ピエール・メルヴィル 66年)が、
未だにDVDリリースされていないんよね。確かVHS(ビデオ)は出たけど。
復刻シネマライブラリーでDVDリリースされへんやろか。お願いしたいやんかいさぁ。

復刻シネマライブラリー 2019年1月9日レンタルリリース



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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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