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「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」(14年・イタリア) 落ちこぼれ元教授たちが合法ドラッグで一儲けってか!

いつだってやめられる 7人の危ない教授たち
イタリア本国で大ヒットし、続編も作られた風刺コメディがこの「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」。
日本では、イタリア映画祭2015で上映され、続編2作は劇場公開されたけど、1作目の本作はなぜか劇場未公開。

イタリア産のコメディ映画って、一昔前は日本でも結構劇場公開されていたと思うけど、最近はほとんどお目にかからないな。
まぁ、イタリアに限らず外国のコメディ作品自体、劇場ではあまり上映されなくなったけど。
アメリカでヒットしたコメディって、日本じゃほとんどソフト・スルーになっちっちだしね。

この「いつだってやめられる-」は、職を追われた教授たちが、合法的ドラッグ製造して大儲けするって話で、アメリカでヒットしたドラマ「ブレイキング・バッド」にストーリーが似てるってことで、イタリア版「ブレイキング・バッド」と話題になったらしい。
「ブレイキング・バッド」は、ガンを患った教師が残される家族のためにドラッグ製造に手を出すって話。
確かにストーリーラインは似ているとは思う。
でも、「ブレイキング-」がどちらかと言えばシリアスタッチ
(かなり前に見たのでうろ覚えだけど、そうだったはず)なのに比べ、
「いつだって-」は、コミカルな要素たっぷりで、ケラケラ笑えて、雰囲気も庶民感覚チック。

落ちこぼれ教授たちが個性豊かで、笑いのツボもそこそこ、少々雑なところもあるけど、
個人的にはそれなりに楽しめる作品だったな。

神経生物学者のピエトロは、予算削減で大学での仕事を失ってしまった。
民生委員をしている恋人のジュリアに打ち明けることもできず、思い悩んでいた。
ピエトロは、ふとしたきっかけでクラブに入ってしまい、客たちがドラッグをやっているのを目にした。
そこで彼は警察にマークされていない薬品を使って合法的ドラッグを作ることを思いつく。
ピエトロは、元科学の教授で今は職を追われて中華料理店の皿洗いをしているアルベルトや、
深夜の給油係をしている人類学者コンビ、統計学者、考古学者など元教授たちを集め、
それぞれの得意分野を生かしてドラッグ販売を始めるが…。

仕事を失ったピエトロが、元教授たちを集めるまでが、テンポよく描かれるな。
ピエトロとジュリアの関係やロマ(ジプシー)の恋人がいる元統計学者のエピソードなど、
登場人物それぞれが生活感たっぷりで人間臭いのもナイスやん。
なんだか身近に感じられるんよね。

2009年に始まった欧州危機を受けて、イタリアでも大学の研究費が削減されていったそうで、
多くの研究者たちの収入が激減したんだって。
教授だけに、頭はいいし専門知識もあるんだけど、学者バカというか、生活能力はあんまりない。
細々とその日暮らしの日々を送るしかないみたいなんよ。
そんな元教授たちを、シビアに描くのではなく、
皮肉を交えながら笑いのオブラートで包んでいるのがいいな。

大儲けしても派手に金を使ったら警察に目を付けられるから用心しろと、
ピエトロは教授たちに釘を刺すが、急に羽振りが良くなった教授たちにとっちゃ馬の耳に念仏。
ほいほいリッチな暮らしに突入してしまいよる。
ピエトロ自身も、恋人が欲しがっていた食器洗い機を購入するわ、
高級ファッションに身を包むわ、全然用心しとれへん。
どこまでも人間臭いと言うか、意志がヤワヤワなんよ。
ま、誰でも急に大金が入ったら、ついつい贅沢してしまうわなぁ、ほんまに。

でも、そうそう美味しい儲けが長続きすることはなく、
ドラッグ市場を牛耳っているボスのムレーナに目を付けられてしまう。
それだけでなく、アルベルトが事故を起こして車の中から合法ドラッグを見つけられ、
警察にしょっ引かれてしまった。

ピエトロがジュリアに問い詰められて、合法ドラッグ製造を告白してしまうんだけど、
その時、「いつだってやめられる」と彼女に言い放つ場面がある。
でも、口から出まかせ、ピエトロはやめる気なんてぜんぜんないみたいよ。

人間、一度甘い汁を吸ったら、そう簡単にやめられるわけないもんねぇ。
でも最終的には…。

ラストも、すっとぼけていてムフフッとさせられるやん。

監督は、本作で長編映画デビューをはたしたシドニー・シビリア。
7人の教授たちを、それぞれのキャラを際立たせながらキビキビと描いているけど、
演出がちょい野暮ったく、荒いなと思わせところもある。
でも、それが本作には合っているって気がするやん。

ヒットのおかげで、シビリア監督は続編2作も作ったけど、
2作目の「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」(17年)は、
ピエトロたちが警察に協力してドラッグ蔓延を防ごうとする話で、
スケール感が増し、派手なアクションもあるし、なかなか楽しめた。
3作目の「いつだってやめられる 闘う名誉教授たち」(17年)は、
2作目と前後編の形をとっているけど、展開が少々モタモタしていて尻すぼみ気味。
なんか残念でおましたわ。

しかし、イタリア映画で7人と言えば、泥棒映画「黄金の七人」シリーズを思い浮かべるけど、
ひょっとして、それへのオマージュが監督の中にあったのかなぁ。

主演のピエトロ役は、エドアルド・レオ。
イタリアじゃ監督もこなす才人みたいで、もっぱらコメディ畑で活躍している人みたい。
風采がいまいちパッとしない地味目な顔立ちなんだけど、
知的そうでいて、どこかヌケてる感じがキャラにはまってる。
しかし、日本じゃあんまり人気の出そうな俳優さんじゃないな。

彼より元科学者アルベルト役のステファーノ・フレージのほうが、印象に残ってしまう。
なにせズングリ・ブクブクのデブで、見た目からして存在感あるもんね。
最初は合法ドラッグを自分じゃ試そうとしなかったのに、
可愛い女の子とヤレそうなチャンスが到来すると、あっさりドラッグに手を出してしまいよる。

しかしどの元教授も、人懐こいというか、妙に親近感が湧いてくるなぁ。

ところで、ピエトロたちが合法ドラッグを売るために金持ちの屋敷を訪れるシーンで、
玄関らしきところに日本語カタカナで「ソウスルヤナンデモ、キープ・イット」と書かれていたんよ。
イタリアじゃ、日本語カタカナを壁などに書くことが流行ってたんかな~と、
それとも監督が日本びいき?なのかも。
どうでもいいことだけど気になってしまったわぁ。


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ジャンル : 映画

プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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