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「ワイルド・ウエスト 復讐のバラード」(17年・アメリカ) ヘタレな初老親父が、殺された相棒の復讐を果たそうと頑張っちゃう西部劇でおます!

ワイルド・ウエスト 腐臭のバラード
日本じゃ、最近はあんまりリリースされていない映画ジャンルの一つ、西部劇。
レンタル店でも、ホラーやSFジャンルの作品は結構並んでいるけど、西部劇はほんのちょびっと。
まあ、西部劇を好んで観る映画ファンが減少しているせいもあるんだろうな。

僕も、西部劇って大好きなジャンルってわけでもないけど、たまに気になる作品がリリースされるとレンタルしてしまう。

この「ワイルド・ウエスト 復讐のバラード」も、「インデペンデント・デイ」で大統領を演じていたビル・プルマンが主演で、彼に似合いそうにもない西部劇に出ているってのが妙に気になりレンタルしてみたんよね。

しかし、ジャケット写真の、白い髭を蓄えたモロに爺さん風情のプルマンが銃を構えている姿は、
ちっともカッコ良いとは思えないし、こんな初老親父が主演の西部劇って、
僕以外に誰がレンタルするんやろ?と思ってしまいましたわさ。

で、観た感想だけど、人望の欠片もないヘタレな爺さんカウボーイが、
周りの誰も彼に期待していないのに、彼なりに懸命に相棒を殺した相手を探し出そうとする姿に、
歳をほどほどに食ってる僕にとっちゃ、じんわりと共感させられるアメリカン・ウエスタンやった。

時は1889年のモンタナ。
モンタナ州の次期上院議員に指名されたエディーは、
妻のローラと共に街に移るため、自分の牧場を40年来の相棒ラフティに任せようとした。
しかし、牧場の仲間からもバカにされる能無しのラフティに任せることにローラは大反対。
そんなある日、馬泥棒を追いかけたエディーが、ラフティの目の前で撃ち殺されてしまった。
夫の死体を前に、ローラから「あんたが死ねばよかったのに」と言われ黙り込むラフティ。
そして、ラフティは誰にも告げず一人で犯人探しの旅に出た。
エディーの訃報を聞きつけ、エディーの旧友で今はモンタナ州知事のジミーや
連邦保安官のトムがローラの元を訪れ、自分達も犯人探しに協力すると申し出る。
トムは、早速ラフティのあとを追いかけ、彼に追いついたが…。

主人公が、ちっとも颯爽としていない初老カウボーイってのが、面白い。
牧場では、杭を打つのもなかなかできないヘタレな爺さんなのに、
相棒を思いやる気持ちは人一倍強く、それゆえに殺人犯を探そうと旅に出るんだけど、
案の定、トムに追いつかれて、お前は邪魔だとばかり追い返されようとする。
でも、偶然知り合った小生意気でイキがってる若者ジェレマイアの助けを借り、
ラフティはトムを縄で縛ってしまう。
トムをそのまま置き去りにしようとしたラフティだったが、気のいい彼はそれも出来ず、
結局三人で旅を続けることに。

やがて、殺人犯が潜む家を見つけたラフティとトムは
二手に分かれて犯人を追い詰めようとするが…。

ラフティはもちろん、トムやジェレマイア、ローラなどの登場キャラの描写が実に丁寧で、
人間ドラマとしての奥行きを感じさせるな。

ヘタレなラフティが、少しずつ頼もしく見える存在になっていく展開も無理がない。

監督のジャレット・モシェは、
日本未公開だけど、監督デビュー作「Dead Man's Burden」 (12年)も西部劇だったそうで、
西部劇に思い入れがあるみたい。
「ワイルド・ウエスト-」で感じたのは、古き良き時代の西部劇の匂いを残しながら、
現代に通じる感覚を漂わせているところ。
なぜエディーが殺されなければならなかったのか、
そして殺人犯の黒幕がな、な、なんとという展開も、シリアスでちょいシビア。

モシェ監督は本作の脚本も書いているけど、
主人公を若い人間にせず、あえてヘタレな年寄りを持ってくるところは、
人間、幾つになっても気の持ちようで前向きに生きていけるという
メッセージを投げかけているようにも感じられたやん。

また、広大な西部の風景描写がなんとも雄大で美しいな。
ガンアクションも、結構派手で抜かりないしね。
西部劇ならではのオイシイ部分も、ちゃんと盛り込んでいるとこもベリーナイス。

ビル・プルマンは、「インデペンデント・デイ」の大統領と真逆の
初老のヘタレ・カウボーイをものの見事に演じきってる。
見た目も動きも頼りなげなオヤジそのものを見事に体現してるんよ。
ラストの、一人で馬に乗って去っていくところも、カッコええやんかいさぁ。

連邦保安官トムを演じたトミー・フラナガンもなかなか渋い。
暗い過去を背負って生きてきて、酒を断った日々を送っていたのに、
殺人犯の言葉に苦い過去を思い出し、また酒浸りの生活に戻る男を、
切なさをにじませ、グッとこさせるやん。

ローラ役は、吉本新喜劇の浅香あき恵に似てるキャシー・ベイツ。
テレビ・ドラマ「ピケット・フェンス ブロック捜査メモ」で
トム・スケリット演じる警察署長の奥さん役が印象深かった女優さんだけど、
愛する夫エディーを殺害したのはレフティという手紙を受け取り、
本気で彼を殺そうとする勝ち気な妻を、ベテランらしく気負わず演じてる。
美人じゃないけど、味のあるアクトレスだ。

他に、知事役にジム・カヴィーゼル、小生意気な若者にディエゴ・ジョセフと、
キャストはなかなかの充実ぶり。

この前亡くなったピーター・フォンダが、エディー役で、
最初にちょろと顔を出すところもニクイやんかいさぁ。
白髭たっぷりの顔だったから、最初は誰か分からなかったけど。

本作は、第9回京都ヒストリカ国際映画祭で原題の「レフティ・ブラウンのバラード」の題で
上映されたらしいけど、出演者が60歳半ばの渋めの俳優ばかりってことで
劇場公開までには至らなかったのね。

とにかくシルバー世代が活躍する西部劇って、ある意味現代的だし、
それなりに見応えがあるウエスタンでおまんにやわ~!


トランスフォーマー 2019年9月6日レンタルリリース



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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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