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「キル・ザ・ギャング 36回の爆破でも死ななかった男」(11年・アメリカ) 死ぬまで戦うケルト戦士魂で、イタリアン・ギャング達に立ち向かった男やねん!

キル・ザ・ギャング 36回の爆破でも死ななかった男

先日、前から見たいと思っていたショーン・コネリー、リチャード・ハリス共演の「男の闘い」(69 監=マーティン・リット)のDVDが490円で手に入ったんで、早速見たんだ。
1870年代、アメリカに移住したアイルランド人達の話で、彼らは炭坑で安い賃金で過酷な労働を強いられていて、生活もキツイったらありゃしない。これじゃたまらんと秘密結社を組織し、労働争議を起こすんだけど、会社サイドが結社壊滅をもくろみ、スパイを送り込むという、ちょい地味だけど、なかなか見応えのある骨太な社会派ドラマでありました。
この映画で、アイルランド移民ってだけで過酷な境遇にあえいだ時代が、アメリカにもあったんだと初めて知ったな。
そんなアメリカで生きるアイルランド人の子孫である実在の人物ダニー・グリーンを描いたのが、この「キル・ザ・ギャング」。
原題は「KILL THE IRISHMAN(アイルランド男を殺れ)」

舞台はオハイオ州クリーブランド。
港湾労働者として過酷な環境で働いていたダニーは、
ギャングから借金返済を迫られている仲間の一人アートを助けるために、
イタリア系ギャング、ジョンに、コンテナに積んだ商品横流しを持ちかける。
だが、労働者を総轄する組合長に、そのことを知られ、賄賂を要求されるが、
腕力で組合長を追っ払い、彼の座を奪う。
結婚し家庭をきずくが、ジョンとの商品横流しのつき合いは続き、
結局、汚職がばれて逮捕されるハメに。
クリーブランドの犯罪組織の情報提供に応じることで、あっさり釈放されるが、
組織と深い繋がりのある、レストランや賭博場の経営者ションドーの、
借金回収業の仕事を始めたところから、だんだんヤバイ状況に追い込まれ、
やがて、イタリア系マフィアとダニー一派との激しい抗争へと発展していくのであった‥。

ダニーは、根っからの悪人ではない、と言って善人でもない。
暴力で相手を従わせることもいとわないし、汚い仕事も平気でやる。
彼は、心中にアイルランドのケルト戦士の魂を受け継いだ、闘い続ける男なんだ。

隣家のアイルランド人の老婆オーキフが、家賃滞納で家具を税務署に持って行かれるのを目にした時、
ダニーは、彼女の滞納金を所員に払ってやる。
「同情で払ってくれたの?」と彼女が問うと、
「いや、アンタの強さはアイルランドの誇りだから」
ダニーは、常に自分がアイルランド人であることを意識し、彼女に一目置いていたんだ。

それまで暴力的なダニーに好意を抱かなかったオーキフは、彼を見直し、自宅に招き入れる。
「アナタはケルト戦士の末裔。ケルトは死ぬまで闘うことにこだわる民族だった。
アナタは戦士の目をしている。優しさも見える」
そして、彼女の父の形見である、十字架のペンダントを彼にプレゼントする。

ダニーは、最後までイタリアン・マフィアに屈することはなかった。
マフィアに狙われても、逃げも隠れもしなかった。
ケルト戦士としての生き方を最後まで貫いたんだ。

自分の信頼を裏切った者に対しちゃ、冷徹に見殺しにしてしまうし、
卑劣な相手は片っ端から、爆弾であの世に送ってしまう。
でも、地元の貧しい家庭を支援するなど善行も行うし、
アイルランド人達からは、厚い信頼を寄せられてる。

そんなダニーを、ガッチリ体型で上背もある北アイルランド出身のレイ・スティーヴンソンが好演。
「パニッシャー:ウォーゾーン」(08)のコミックヒーローもナイスだったけど、
こういうシリアス風味の実録ものでも、存在感ビンビン、画面が締まるなあ。
単純明快なアクション系作品が多いけど、ちょい重厚な作品にもチャレンジして欲しいやんかいさあ。
脇に、「フルメタル・ジャケット」のヴィンセント・ドノフリオがジョン役、
「パルプ・フィクション」「ヘアスプレー」のクリストファー・ウォーケンがションドー役、
「ミッドナイト・ミート・トレイン」の殺人鬼が迫力満々だったヴィニー・ジョーンズが
アイルランドの血が混じった元ボクサー、ダニーの仲間キース役、
「007/消されたライセンス」のロバート・ダヴィが
ニューヨークマフィアの殺し屋レイ役など、なかなか渋めのキャスティング。
ダヴィなんて、ほとんど顔が映らない損な役なのに、
さすがベテラン、不気味な殺し屋ムードをビンビンに漂わせとる。
ヴァル・キルマーが、刑事役で出ているけど、ずんぐりブヨブヨで、精彩に欠けるなあ。
なんかやる気のなさそうな演技にみえるしなあ。

もう一人、老女オキーフ役のフィオヌラ・フラナガン。
彼女、アイルランドのダブリン出身のせいもあるのか、出番は少ないながら、
説得力ある味わい深い演技で、作品に深みを与えてるな。

監督は、「ダイハード3」「ジュマンジ」の脚本を担当し、
J・トラボルタ出演の「パニッシャー」(04)で監督デビューしたジョナサン・ヘンズリー。
本作も脚本を共同で書いているけど、多彩な登場人物を混乱させることなく、
サクサクと展開するんだけど、もうひとつパンチ力に欠けるというか。
アイルランド伝統の指輪や十字架のペンダントなど、小道具の使い方は上手いんだけど。

でも、作品にマッチした役者が揃い、頻繁に爆破シーンもあるので、
なんとかラストまで見せきってしまうわね。

右手を拳銃に見立ててレイに向け、ニンマリと微笑んでいるようなダニーの最後の姿、
70年代のケルト戦士として死ぬまで闘い抜いた男の雄姿に、なんか、ちょびっとグッときたなあ。

ただ副題は ? ね。
36の爆破事件はあったけど、すべてがダニーに向けられたもんじゃないし、
ダニーも相手を爆弾で殺しまくってたんやからね。ま、目くじら立てるほのこともないんやけど。


アットエンタテイメント 2012年11月2日レンタルリリース



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まとめ【「キル・ザ・ギャング】

先日、前から見たいと思っていたショーン・コネリー、リチャード・ハリス共演の「男の闘い」(69 監=

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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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