FC2ブログ

「くるみ割り人形」(09年・イギリス/ハンガリー) 美少女クラシカル冒険ファンタジー大作を狙ったんだろうけどね!

くるみ割り人形

本作は、83億円と制作費をたっぷりかけたらしい大作なのに、
なぜだか日本劇場未公開。
その時点で、多分ハズレの作品だとは思っていたけど、どんなハズレ方をしているのか、ちょっと気になって借りてみることにしやしんた。
監督は、ロシア出身で、「暴走機関車」(85)「マリアの恋人」(84)と、それなりの佳作を撮ってるアンドレイ・コンチャロフスキーだし、主演は「SUPER8/スーパーエイト」のエル・ファニングだし、なんぼなんでも、そんなにエグイ出来じゃなかろうと思っていたのよ。

原作は、E・T・A・ホフマンの「くるみ割り人形とねずみの王様」。
日本でも、サンリオが、チャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」を使って、人形アニメとして79年に作ったらしいけど、多分ヒットしなかったのか忘れ去られているみたい。
バレエには詳しくない僕だけど、演目のひとつとして「くるみ割り人形」が有名だってのは知っていたし、確かマコーレー・カルキン主演の「くるみ割り人形」が93年に作られてて、劇場未公開・ビデオスルーだったけど見た記憶がある。
カルキンは狂言回し的な役柄で、ニューヨーク・シティ・バレエ団の踊りにポイントをおいた本格的バレエ映画だったかな。

さて、このコンチャロフクシー版「くるみ割り人形」。
時代は、多分20世紀初頭(と思う)のイギリス。
クリスマスの日、メアリーは叔父アルバートから、
くるみ割り人形と大きなドールハウスをプレゼントされる。
その夜、くるみ割り人形が、突然メアリーに話しかけてきた。
実は、自分は悪いネズミに魔法をかけられた王子様なんだと。
そして、一緒に自分の国に行ってほしいと。
いたずらっ子の弟マックスや、ドールハウスの中の人形たちと共に、
メアリーは冒険の旅にでることとなったけど‥。

ゴージャスでクラシカルなセットや衣装など、なかなか金がかかってるのが、よく判る。
安っぽさ皆無で、映像にも厚みがあるんだわさ。

ちょいミュージカル仕立てというか、エル・ファニングはもとより、おじさん役のネイサン・レイン、
それにネズミの王様役のジョン・タトゥーロが、チャイコフスキーの音楽をアレンジした曲を
ちょこちょこ歌ってる。
レインは、ミュージカル映画「プロデューサー」に出ているくらいで歌が上手いのは当然だけど、
タトゥーロの歌声って初めて聞いたな。意外に、レインに負けず劣らず上手かったわ。
エルは、下手でもないけどメッチャ上手くもなく、ほどほどって感じ。

クリスマスツリーを飾った居間が、夜になると超巨大空間になっていて、ツリーも何百倍もの大きさに。
ここら辺のファンタジー描写は、劇場の大スクリーンで見たら、ちょいゾクゾクきそうかな。
メアリーはくるみ割り人形と共に、ツリーの上まで行き、そこで雪の妖精たちと、宙を舞いながらダンシング。
そして人形の手を握った時、木の手が人間の手に変わり、驚くメアリー。

VFXや特殊メイクをふんだんに使って、ファンタジー世界に説得力を持たせてるけど、
その手の映像に慣れてしまったせいか、あまり驚きってのはないな。
ネズミ人間も特殊メイクが丁寧だし、
足のついたヘリコプターやどう猛な鉄製ブルドッグなどのアイテムも、そんなに悪くはない。
でも、何て言うかイマジネーション豊かだなってところまでは思えないんよね。
ほどほどのイマジネーション止まりというか。

思うに、この作品、コンチャロフスキーが脚本も担当しているけど、
ストーリーが、もう一つ面白みに欠けるなぁ。
メアリーと共に冒険するドールハウスの人形達キャラも、なんか弱いし、
ネズミ人間の王様や、魔法が使える彼のママ・ネズミなど、ヒール・キャラもヒネリが乏しいし。
お子さま向け映画だから、この程度のストーリーでええんと違うと書いたみたいな。
だから、映像はバリバリ厚みがあるのに、どうも展開が薄っぺらいというか。
ワクワクするようなファンタジー・アドベンチャー感がまったくないんよ。
どうもコンチャロフスキーは、こういうタイプの作品は不得手なんと違う?
スピルバーグとまでは行かないけど、もう少し娯楽センスのある監督が撮ってたら、
もっと楽しめる、オモシロイ作品に仕上がったかもしれない。
本作、もともと3Dで作られたらしいけど、3Dの立体で見ても、
あんまり印象は変わらないような気がするな。

ネットで調べたら、アメリカで公開された時は、興行的に惨敗だったそう。
イギリスやハンガリーじゃ、どうだったんだろう。
ひょっとして、本国版と編集が違うのかも?

ある意味、日本未公開も仕方ないなと思わせる作品だけど、
ジョン・タトゥーロが、ちょいお茶目っぽく、
マザコンの悪役キャラを演じているのを見れたのは、個人的にはナイスだった。
僕のお気に入りの男優だけど、なんでも器用にこなす俳優さんだ。
それと、魔法使いのママ・ネズミに扮した、「ヒューゴの不思議な発明」に出ていたフランシス・デ・ラ・トゥーア。
ひなびたナスビ顔の女優さんだが、味のある演技で、ファンタジー世界に不思議にハマってるな。

エル・ファニングは、可愛いけれど、僕には可愛いだけで終わってるって印象だった。
演出のせいなのか、もうひとつ彼女の魅力を引き出しそこねたみたい。

しかし、83億円もかけたのに、この出来って、お金がもったいないやんかいさぁ、ほんまに。

AMGエンタテインメント 2012年11月2日レンタルリリース



にほんブログ村 映画ブログ 映画DVD・ビデオ鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

まとめ【「くるみ割り人形」(】

本作は、83億円と制作費をたっぷりかけたらしい大作なのに、なぜだか日本劇場未公開。その時点で、多分

コメントの投稿

非公開コメント

いいというのは、作品が良かったってことですか?

コメントありがとうございます、矢部結城菜さん 。
いいというのは、作品のことですか?それとも私のコメントなんでしょうか?
少し気になってしまいました。
確かに、楽しいといえば楽しい作品かもしれませんね。
映像はそれなりにゴージャスだから、視覚的には楽しめるかもしれませんね。

いいと思います!

楽しい!!
プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク
QRコード
QRコード