「オンディーヌ 海辺の恋人」(10年・アイルランド・米) 漁師の男が海の精オンディーヌ(?)と恋に落ちるんだけどねぇ‥。

オンディーヌ 海辺の恋人
「クライングゲーム」「モナリザ」「インタビュー・ウィズ・バンパイア」「狼の血族」と、僕のお気に入りの映画を撮ったアイルランド生まれのニール・ジョーダン。
メジャーな監督さんだし、主演が「トタールリコール」(12)のコリン・ファレルなのに、本作「オンディーヌ--」は、なぜかDVDスルー。ま、テレビモニターで見れるだけでもましか。
名の知れた監督と俳優が出ているのに劇場未公開になるって、作品の出来がいまいちの場合が往々にしてあるけど、多少の不安を覚えながらも、好きな監督だし、とりあえず見てみることにしやしんした。

で、これが、ちょいファンタジー要素をプラスしたラブ&ヒューマンドラマとして、そこそこ楽しめたんよ。
香港のウォン・カーウァイ作品「天使の涙」「恋する惑星」の撮影で知られるクリストファー・ドイルが写し取った、アイルランドの海と島のヒンヤリとした透明感漂う映像の美しさもベリーナイスだし。

漁師シラキュースは、引き上げた網に美しい女性がかかっているのを発見する。
海でおぼれたと思い病院に連れて行こうとするが、彼女はそれを拒否。
自分のことは誰にも知らせないで欲しいと頼まれ、
人の良いシラキュースは、彼女を亡き母が暮らしていた古ぼけた家にしばらく居てもらうことにする。
彼には、腎臓の病気を患う幼い娘アニーがいて、娘の透析にはいつも同行し、側に付いていた。
助けた女性のことを、海の精にたとえ、おとぎ話としてアニーに聞かせるシラキュース。
病院から電動車椅子を支給され、自由に動き回ることが出来たアニーは、
父の後を追いかけ、祖母の家で彼女を目にする。
彼女は本物の海の精、アザラシの女セルキーだと思いこむアニー。
そして、シラキュースが漁の時、彼女が歌を口ずさむと、
ロブスターや魚が大量に獲れるという、不思議な現象がおこった‥。

ジョーダン監督は、シリアスなドラマに、
海の精というファンタジックな要素を巧みにブレンドし、
ちょいサスペンス・テイストもプラスして、気持ち良い余韻を残す作品に仕上げてるな。
彼って、一つの作品に色々な要素を、上手にブレンドして物語を作り上げるのが、
とっても上手い監督だと思う。
「クラインゲーム」や「モナリザ」でも、サスペンスと、男の純な恋心を描くラブストーリーが、
違和感なく絡まり合い、時に切なく、時にほんわかとした、味わい深かい作品だったもんね。

主演のコリン・ファレルは、スター・オーラを全く漂わせず、
過去にアル中だった主人公が、そのせいで娘が危険な状態に陥り、
それ以降2年7ヶ月禁酒を続けている、ごく普通の田舎の漁師を、力むことなく、さらりと演じてる。
彼、アメリカのメジャー作品が多いから、てっきりアメリカ出身だと思っていたら、
実は、アイルランド出身やったんやね。
彼と惹かれ合う謎の美女役アリシア・バックレーダ。
初めて見る女優さんだけど、ちょいセクシーでプロポーションもグッドだし、
ナチュラルな美しさが魅力の女優さんだ。
アニーの目の前で、アリシアが海からゆっくりと姿を現し、2人が初めて言葉を交わす場面があるけど、
どこか神秘的なイメージが漂ってて、アニーならずとも、彼女を海の精と信じてしまいそうよ。

そのアニー役の女の子、アリソン・バリー。
この子が、めちゃくちゃ良い演技を見せるのよ。
なんでも、本作が映画初出演らしいけど、重い病気を患いながらも、
とても健気で、父を愛し、でもって、おとぎ話を信じて、
海の精と信じる女性のために、結構無茶なこともするアニーを力&快演。
彼女を発見しただけでも、この作品は僕には充分価値あるものって気がするな。
美少女ってこともないんだけど、笑顔がとっても可愛らしいしね。
他の作品でも、お目にかかりたいやんかいさあ。

もう一人、ジョーダン作品じゃ、お馴染みのスティーブン・レイが、牧師役で顔を出していて、
コリンとの、とぼけた会話場面じゃ、作品にほんのりユーモラスな味を加味している。

物語の後半は、ドナーカードとか多分にご都合主義的な展開になるけど、
これも海の精のおかげと思っていれば、そんなに気にならない。
そして、助けた美女の秘密も、やっぱり‥。

ちょっと気になったのは、夜のシーンが、画面が暗すぎて、
何が起こっているのか、少々判りずらいところ。
劇場の大画面じゃ、そうでもないんだろうけど、テレビモニターで見る分には、ちょっとなーって感じ。

とにかく、気持ちの良い作品でありましたわさ。


アース・スター・エンターテイメント 2013年3月22日レンタルリリース



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森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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