「クリーチャーズ 異次元からの侵略者」(12年・アメリカ) 奇妙奇天烈、奇々怪々、ちょいグロ・コミカル・ホラーってか!

クリーチャーズ異次元からの侵略者
ホラー映画「ファンタズム」シリーズで知られるドン・コスカレリ監督が10年ぶりに撮った、アメリカでスマッシュ・ヒットしたらしい劇場作品がこの「クリーチャーズ 異次元からの侵略者」。
ジャケットには”全米初登場No.1大ヒット”の下に小さく”スクリーン・アベレージ興収”と書いてあり、どうもアメリカ全体の動員数じゃなく、上映館数は少ないけど、1館あたりの動員数がNo.1だったみたい。
ま、それはともかく、真面目にストーリーを追おうとしたら混乱しまくりチヨコな、B級テイスト満々のヘンテコなんだけど奇妙な面白さに溢れた作品でありましたわさ。

冒頭、「これは宇宙の謎を解く物語だ。君は付いてこられるかな?」
って言葉が出て、オノで首を切り落とした男のミニエピソードが描かれる。
このエピソードにオチがあると思いきや、全くなんの説明もオチもなく本編へと突入!
ほんまに、この後付いていけるかなと、ちょい不安になってしまう、わけないか。

とある中華料理店で、中年のジャーナリスト、アーニーからインタビューを受ける青年デイヴィッド。
デイヴィッドは、アーニーに、驚くべき体験談を語り出す。
自分は、あるモノを体内に取り込んでしまったおかげで、
感覚が研ぎ澄まされ、特殊な能力を身につけてしまったと。
おかげで、異次元からやってきたモノや、時間を超越したしたモノが見えてしまえると‥。

ゴーストバスターズもどきに、友人ジョンと共に異次元からの生物を退治する仕事についているらしく、
2年前に死んだ恋人に付きまとわれてる女の依頼で訪れたら、突如冷蔵庫の中から‥。

デイヴィッドとジョンが、特殊な能力を手に入れたのは、
ジャマイカ人、その名もボブ・マーリーから手に入れた、トンカツソースもどきの”ソイ・ソース”。
それは、トゲトゲがあってドロッとした生きてる液体だった‥。

本作、とにかく時系列がばらばらだし、展開が唐突というか、支離滅裂というか、
でも、なんとなく筋道は通ってるような気もするし、なんかドラッグ・ムービーじみているような。
ほんまに、頭で整理できないまま、次から次と展開する映像とストーリーに翻弄されまくり。
だけど、それがイヤって気は全然しない。
そこで、イヤだと思った人は、多分、この作品から脱落してしまうんやろな、なんて思ってしまう。

冷蔵庫の食材が生き物のように寄り集まって、グロテスクなフード・モンスターになったり、
デイヴィッドに襲いかかるオヤジのヒゲが意志を持ったみたいに剥がれて、空を飛んだり、
巨大なクモが部屋を這いずりまわったり、
次に何が飛び出すか、びっくり箱を開くみたいな、妙な期待感を抱いてしまう。

双子の美女をはべらした、いかにもウサン臭そうな降霊術師マルコーニが登場して、
デイヴィッド達に、異次元で強大な力を持つコロックを退治してくれと頼まれ、
2人は、異次元世界へと飛び込むのだが‥。

コロックのエピソードから、ホラーじみていた話が、なんだかSFジみたものになっていってまいよるやん。

なんでも本作、デイヴィッド・ウォンの小説の映画化らしいけど、
原作もやっぱりブッ飛んだ展開をするんかしらね。
コスカレリ監督は、物語にコミカルかつオタクなマニアック・テイストを適度にブレンドし、
わけが分からないけど、ホラー&SFマニアなら、オモシロがってもらえる作品を狙ったような気がするな。
演出テンポも、なかなか良いしね。
脚本・編集にもコスカレリがかんでるみたいで、確信犯的に、観客対象を最初からせばめたんと違うかな。
多分インディペンデント製作ならではの、ある程度、自分がやりたいように作れた作品みたいね。

デイヴィッドに扮するチェイス・ウィリアムソンは、初めて見る若手俳優だけど、
どこか気が弱そうでいて、狡猾な部分もかいま見せる主人公を好演。
アーニー役は、僕の好きな映画「サイドウェイ」のポール・ジアマッティ。
ゲスト出演かと思ったら、ラストに意外や意外な‥。
それから、「ファンタズム」で恐怖のトールマンを演じたアンガス・スクリムが、
ちょろっと顔を見せてる。この人、作品になんか不気味ムードを醸し出すんよねぇ。

そして、バーク・リーって名のワンコ。
こいつが美味しいところ持っていきよるやんかいさあ。

ところで、「宇宙の謎を解く物語」だったけど、結局「宇宙の謎」って何やったんやろ。
もう一回見直して、「宇宙の謎」やらを探らねば、って気には全然ならないけど、
また見たいなと思わせる中毒要素が、この映画にはあるみたい、ほんまに。
カルト作品になるかもよ。


トランスフォーマー 2013年6月7日レンタルリリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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