「バレット・ヒート 消えた銃弾」(12年・香港・中国) 30年代の中国で、二人の敏腕刑事が難事件に挑む、ちょいホームズ風味のミステリー・アクションやん!

バレット・ヒート 消えた銃弾
本作「バレット・ヒート 消えた銃弾」は、劇場未公開として10月にDVDリリースされたけど、11月30日にシネマート六本木で急遽劇場公開決定が決してしまったやんかいさぁ。
未公開作メインに紹介しているブログだから、紹介するのを止めようかなと思ったけど、なかなかオモシロイ作品だったし、DVDリリースが先だから、紹介することにしまっさ。

この作品、香港版アカデミー賞にあたる香港電影金像奨で、主要12部門にノミネートされたみたい。

ところで、DVDジャケットデザインは、「密告・者」「孫文の義士団」の男前スター、ニコラス・ツェーがドドーンッと目立ってるけど、「脱命金」「MAD探偵 7人の容疑者」のラウ・チンワンとダブル主演作だから、チンワンも目立たせたらいいのに。ま、ちょい香川照之似のチンワンより、ハンサムなツェーの方が見栄えがするから仕方ないか。

1930年・中国の街・天城。
その街の兵器工場で、銃弾を盗んだ罪にとわれた一人の女子工員が無実を主張するが、
ロシアンルーレットに挑まされ、命を落としてしまう。
それから数ヶ月後、その兵器工場で、奇妙な射殺事件が発生した。
被害者を貫いた銃弾がなぜか消えてしまうことから、死んだ女子工員の呪いと噂された。
天城の警察に赴任してきた風変わりな刑事・ドン・ルー(松東路)は、
拳銃の名手でもある地元の腕利き刑事クオ・ジュイ(郭追)と彼の部下シャオ・ウー(小五)と共に、
射殺事件を担当することになり、消えた弾丸の謎を突き止めようとするが‥。

松東路は、真相を究明するために、自分の体を使うことをいとわないみたいで、
”自殺死体”に疑いがあるなら、自分で首を吊って、首吊り状態の身体の変化を調べ、
本当に自殺かどうか調べたり、研究熱心というか、論理的というか、一風変わった刑事。
でも、それで今まで幾つかの冤罪で逮捕された人々を無罪にしてきたし、ちょい人情派なところもある。

郭追は、事件が起これば、現場の状況を細かいところまで冷静かつ瞬時に推理し、犯人像を特定。
でもって、追いつめた相手が反撃に出そうなら、すぐさま銃を抜いて射撃すると、なかなかアクティブ。
彼の行動って、どこか、ロバート・ダウニー・Jr版「シャーロック・ホームズ」を思わせるところがあるな。
影響されてるんかしら?

しかし、事件を追う刑事二人が、二人とも推理をはたらかせるってのが、ちょっとユニークやん。

監督・脚本のロー・チーリョンは、ホラー「カルマ」やアクション「ダブルタップ」など、
もっぱら娯楽映画ばかり手がけてる人みたいだけど、
キレのある演出と、凝ったストーリー展開で、ぐいぐい見せきるなぁ。
女囚の過去におかした犯罪場面を、モノクロのコミカルな無声映画風にしたり、
映画的お遊びみたいな部分も、無理なく絡ませてるし。
アクション映画っぽいジャケットデザインと違って、
ミステリー・ムードを最後までくずさず、謎を解き明かしていく展開ってのもナイスやん。
香港娯楽映画らしく、アクション・シーンもあるけど、本筋からはブレないってのもいい。

じっとり湿っぽくて陰鬱なイメージが漂う兵器工場、猥雑な雰囲気の歓楽街など、
どのシーンも映像に深みがあって、物語に奥行きを与えているのもグッドでおます。

ダブル主演だけど、チンワン、ツェーそれぞれ引き立つよう工夫されていて、
片方がかすまないところも、チーリョンの脚本のおかげかもね。
チンワンなら、監獄にいる女囚との、愛とも友情ともつかない、奇妙な交流、
ツェーなら、街でヒバリを使った占いをしている情報屋の女(その名もヒバリ)との関係と、
それぞれ均等に女性を絡ませてるし。

脇役じゃ、憎たらしい工場長扮したリウ・カイチーが目立ってるなぁ。
ほんまに、早く死んでくれと思うくらい憎々しいのよ。

松東路に密室殺人の謎のヒントを与える女囚役ジャン・イーエンの
人生を悟りきっているようで、どこかはかなげなたたずまいも印象的だ。
ヒバリ役の中国女優ヤン・ミーの、小悪魔っぽい雰囲気も、これまた魅力的。

一度見ただけじゃ、密室殺人の謎の解明、真犯人の動機など、ちょい解りにくい部分もあるんだけど、
だからと言ってツマラナイってわけじゃなく、再度見直して、
自分なりに解りにくい部分を解き明かしていこうって気にさせるな、本作は。
つまり、映画として、また見たい気にさせる力を持ってるというか。

「完全犯罪はない」
「人間は皆、善良である。私が知りたいのは善良な人間がなぜ悪をはたらくのか」
この二つは松東路の信条で、彼の手帳にも書かれているんだけど、
そのページを、ラストで‥。
松東路のあの行為の意味も、見直して僕なりに考えて見たいと思うしね。

なんか、いろいろ思いを巡らせられてしまう作品やんかいさぁ、ほんまにね。



ミッドシップ 2013年10月25日レンタルリリース



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森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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