「クリミナルズ」(11年・カナダ) 孤島で起こった初めての殺人事件を、生真面目な中年巡査が捜査する佳作ミステリーやん! 

クリミナルズ
推理ものが好きで、小説もよく読むんだけど、この前、法月綸太郎の「生首に聞いてみろ」をBOOK OFFで105円で買って読んだんだ。
一般書店の文庫本コーナーに、最近、なぜか彼の旧作をよく見かけるし、どうも注目を浴びている作家みたいなんで、どんなものを書くんだろうか気になってね。
500ページ以上もある分厚い長編で、彫刻家が創った自分の娘をモデルにした石膏像の首が何者かに切断され、娘にも危険が及ぶって話で、本格ミステリ大賞を受賞した、なかなか巧妙につくられた推理小説。
読み応え、あったなあ。

未公開映画のDVDをレンタル店でチェックしていて、推理ものがあると、好きなジャンルだし、つい借りて見てしまうんだけど、アタリと思えるのは、ほんまに少ない。
でも、久々にオモシロイやんと思えたのが、
このカナダ産ミステリー「クリミナルズ」。
けっこう丁寧に作られていて、めっちゃ本格的とまではいかないものの、充分見応えある作品だったわさ。

舞台は、カナダ東部の小さな島マグダレン。
ある日、行方不明だった市長リシャールの娘ロザリーの惨殺死体が海岸で発見される。
地元の警察部長アンドレが、早速、部下のサボア巡査と共に捜査に当たる。
だが、島で起きた初めての殺人事件ということで、署長は都会モントリオールの本庁に捜査を依頼。
やってきたジングラ巡査部長は、アンドレ達を見下し、性犯罪者のしわざと決めつけて捜査を進めた。
ジングラの推理に疑問を抱いたアンドレは、自分なりのやり方で、捜査をはじめ、
ロザリーの抱えていた、ある問題を突き止めるが‥。

主人公のアンドレ巡査は、ずんぐり小太りで、見た目も地味だし、生真面目な田舎のオヤジって風情。
でも、ひとつひとつコツコツと丹念に捜査を続ける姿は、なんか共感してしまうなあ。
アンドレのやることに、いちいちケチをつけ小馬鹿にするジングラに対しても、
柳に風と受け流し、自分なりに捜査を続ける姿に、頑張れよと、応援したくなってくる。

アンドレは、結婚はしているが、妻はモントリオールに住み、別居中。
退屈な島に嫌気がさし、出ていったみたいで、
同居している娘モードもモントリオールに住みたいらしく、
彼氏といちゃついてばかりで、親娘関係は、どうもギクシャク気味。
そして、彼は、妻のせいなのか、パニック発作を起こすことがあり、
海水にふれることができず、精神科医エリーズが処方した抗うつ剤を常に携帯している。

女性巡査サボアは、そんなアンドレを慕っており、淡い恋心を抱いていて、
何かにつけて、自分の家に誘ってみたりするんだが、なかなかウマクいかない。

アンドレの独自の調査で、元看護師で市長と同居中の女、市長の持ち船の船長、
顔見知りの医者、ヤクの売人の男と、疑わしき人物が次々と現れるが、
ジングラは島に住む性犯罪歴のある男を独断で逮捕してしまった‥。

監督はガブリエル・ペルチェは、吸血鬼映画「魔少女」を撮ったということしか、
ネットで調べても詳細はわからなかったけど、アンドレの行動を軸に、
淡々としたなかに、巧みに伏線をはりつつ、ちょいアクションもからめ、
真相へと見ているこちらを導いていくな。
2時間近い作品だけど、とにかく人物描写が丁寧だし、
のどかな島の住人達の愛憎関係も、そんなに複雑すぎるってこともないし、
あまり長さは感じず、真犯人が判明するまで、個人的には、楽しめましたわさ。
ちょっとテレビドラマ的な匂いもしたけど。

ま、今どきよくある猟奇的かつ刺激的な描写はないし、演出に新鮮味というか個性的な部分も感じないし、
実にオーソドックスな作りだから、過激なものを期待する人には不向きな映画かもしれないけど。
それに、主人公が、中年のハンサムでもなんでもない小太りのオッサンだしさぁ。

しかし、主人公を演じたピエール・フランソワ・ルジャンドルは、
本作の好演で、ベルギーで開催されたリエジ(Liege)・インターナショナル・
クライム・フイルム・フェスティバル2012で、ベストアクター賞を受賞。
確かにスター俳優といえない地味な印象の俳優なんだけど、人の良さが滲み出ているとういか、
なんとも味わい深い演技を見せてて、印象に残るんだ。

サボア巡査役のブリジット・ボコナも、あまり美人じゃないけど、
アンドレを慕い、応援する姿が良い感じだし、好感が持てる女優さんだ。

書き忘れるとこだったけど、同フェスティバルで、この作品、
「ベスト・フイルム」グランプリ賞をとってる。
ということは、けっこう評価されているんだわさ。

しかし、ジャケットカバーに、主人公がめっちゃ小さくしか映ってないって!
それも顔がほとんど判別できないし、脇役ばかり前に出してさあ。
ま、ルジャンドルをメインにしたら、レンタル率が極端に落ちるからだろうと思うけどねぇ。


トランスワールドアソシエイツ 2014年1月8日発売



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森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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