「ハートの問題」(09年・イタリア) 対照的な2人の男の友情、そして、それぞれの切ない心情にグッときてしまったわぁ!

ハートの問題
4年前の「イタリア映画祭2010」で上映された本作「ハートの問題」が、今年になってようやくDVDリリース。
映画サイトallcinemaでは、劇場未公開となってるから取りあげようと思ったら、去年、”イタリア映画傑選”ってタイトルで、本作を含む3本がミニシアター系でひっそり(でもないか)と公開されてたみたい。ぜんぜん知らなんだわぁ。
でも、3本まとめての上映だから1本の上映回数って知れているし、ま、限りなく未公開に近いってことで紹介することにしまんにやわ。
監督は、小児科の医師と患者の少女の交流を描き、カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した「かぼちゃ大王」(93)で知られるイタリアのフランチェスカ・アルキブージ。
「イタリア映画祭2010」で人気を博したと知り、ちょっと興味がわいて見てみることにしたんだけど、対照的な生き方をする2人の男の友情と、彼らを取り巻く妻や子供、そして恋人の愛情を、優しい眼差しでビビッドに描いていて、なんかジーンときてしまったなぁ、ほんまに。

脚本家のアルベルトは、ある夜、心臓に違和感を覚え、
病院で診察を受け、救急救命治療室のベッドに横たわるハメに。
隣は、同じように心臓発作を起こし運ばれてきた自動車修理工のアンジェロ。
おしゃべりでネアカなアルベルトと苦労人で堅実な性格のアンジエロは、
性格も生き方も対照的だが、すぐにうち解け、いろいろなことを語り合う。
先に退院したアルベルトは、脚本が思うように書けずスランプ状態で、恋人カルラにも八つ当たり。
結局、カルラが彼の元を去り、貯金もないアルベルトはたちまち金穴状態に。
そんな時、退院したアンジェロと再会。
アンジジェロの好意で、彼の修理工場に住まわせてもらうことになったアルベルト。
アンジェロの家族ともうち解け、カルラのことも忘れ、穏やかな日々が過ぎていく。
でも、それは、アンジェロが自分の家族を、先々アルベルトに託すためだった。
実は、アンジェロの心臓は思ったより悪く、死が近づいていると自覚していたから‥。

重い病気で家族の誰かの命が消えていくって話、
日本なら湿っぽい、お涙頂戴チックになりがちだけど、
確かに悲しいことは悲しいことけど、それを乗り越えた未来を見つめているというか、
とても、気持ちが温かくなるような、そんな気持ちにさせてくれるんだ。

アンジェロが、アルベルトの携帯にカルラからのメールを見たときの彼のしたこと、
卑怯だとも思いながらも、彼の気持ちが痛いほどわかるなぁ。

アンジェロの妻ロッサーナは、
なぜ、彼が、自分とアンジェロと一緒に行動するようにし向けるのか
薄々は気付いているのかもしれないし、あえて気付かないようにしているのかも‥。

やがてアルベルトは、アンジェロの寿命が尽きかかっているのを知る。
そして、アルベルトはある行動に出る。
それは、自分はアンジェロの身代わりではないし、
今の自分にとって大切な人は誰かということが分かったから‥。

アルベルトは、アンジェロの家族と暮らしたことで、
生きていく上で、とても大切なものはなにかってのを、
自然に分かり始めたというか、心が一回り大きくなったというか、
それは大事な人への思いやり‥。人はやはり一人きりでは生きていけないということ‥。

アルキブージ監督の「かぼちゃ大王」は未見だけど、
登場人物に向ける視線が、とても真摯だなっと思えるな。
登場人物達の心情を丁寧に映像に写し取っていく手腕もなかなかだし、
生活の匂いってのを、上手に画面に漂わせてる。
だから、登場キャラそれぞれにリアリティがあり、それゆえに愛着が湧いてくるというかね。
「かぼちゃ大王」が見たくなったな。DVDは出ているんやろか。

アルベルト役は、以前このブログで書いた「モニカ・ベルッチの恋愛マニュアル」で、
ゲイカップルの一人を演じていたアントニオ・アルバネーゼ。
ハゲでズングリ体型の俳優さんだけど、陽気に見えて寂しがり屋、でもって友情を大切にする主人公を、
とてもナチュラルかつ説得力たっぷりに演じてる。うまい役者さんだ。ま、日本じゃ人気出そうにないけど。
なんでも本作で彼、ヴァレンシア地中海映画祭ってのの主演男優賞をとってる。

アンジェロ役は、アルベルトが病室で初対面の時、アンジエロをとても男前だねと言うだけはある、
優しい瞳のハンサムガイ、キム・ロッシ・スチュアート。
スタイルもいいし、こちらはメジャー映画に出たら、日本でも人気が出そうやん。
ハンサムだけでなく、本作もそうだけど、ヒューマンドラマ「家の鍵」(04)など
演技力もなかなかよ。

あと、緊急救命治療室の場面に、「暗殺の森」「鍵」の演技派セクシー女優ステファニ・サンドレッリや
「モノカ・ベルッチの恋愛マニュアル」にも出ているカルド・ヴァルドーネなど、イタリアの人気俳優が、
実名でアルベルトの見舞客で顔を見せてるのに、オオッとびっくりしてもたわ。
多分、監督の親しい映画仲間なんだろうね。

ところで、イタリアの救命治療室の患者は、全員、全裸でベッドに寝てるんやね。
2人の部屋に年寄りの女性が運ばれてきたけど、彼女も全裸。
恥ずかしないんやろか、日本ならそんなんありえへん、と変なところで、これまた驚いたやんかいさあ。


TOEI COMPANY,LTD 2014年2月7日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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