「俺たちスーパーマジシャン」(13年・アメリカ) マジシャンたちの熱くてオバカなバトルにゲラゲラ・ワクワク・ハッヒフヘホーってか!

俺たちスーパーマジシャン
この前、テレビでなんとなく「真実解明バラエテイー!トリックハンター」を見ていたら、すっかり成長した、てじな~にゃの山上兄弟(なかなかハンサムに成長した19・20歳)が、”海外0円の旅”ってコーナーに出ていたんよ。
カンボジアで、手品を披露しながらお金をゲットし、アンコールワットまでたどり着こうとするのもので、披露するマジックのネタばらしもされていて、板に空いた3つの穴の真ん中に腕、両側に野菜を入れ、ギロチンの刃をグサッと降ろすと、野菜だけが真っ二つに切れて腕は無事ってギロチン・マジックのネタもバラされていたわ。
なるほど、そういう仕掛けだったのねと納得しながらも、ネタが解ってしまうと、なんだか夢がなくなってしまうというか、残念感みたいなものも感じてしまったな。
マジックのネタって、知らないほうが夢があっていいんだ、やっぱり。

てなことで、って、この「俺たちスーパーマジシャン」。
ラスベガスのマジシャンを主人公にしたコメディだけど、”えげつないほど笑えるコメディ”ってキャッチフレーズにひかれて見たら、そんなにえげつないほどは笑えなかったけど、
友情やロマンスありの、基本はオーソドックスな、普通に楽しめるアメリカン・コメディでありやんしたわ。

ラスベガスのホテルで人気のマジシャンコンビ、バート&アントン。
小学生の時からの親友同士だったけど、
バートは、人気にあぐらをかいて、放漫でうぬぼれの強いイヤ~な性格になってしまい、
おとなしいアントンとの仲もギクシャク。
そんな時、過激なパフォーマンスで大評判のストリートマジシャン、スティーブが現れ、
彼に負けじと、宙づりの透明ボックスに入り高温に耐えて何日も過ごす新ネタを路上披露しようとしたが、
バートのせいで大失敗。
結局、二人は決別し、俺だけで充分と一人でステージに立つバート。
でも、客は遠のき、ホテルと契約もうち切られ、蓄えもなく、どんどん落ち目になっていくバート。
メチャ安ギャラで、元ショー関係で活躍した老人専用の介護ホームでの余興マジックを引き受けるが、
そこで、バートが幼い頃、彼にマジックの面白さに目覚めさせた元マジシャン、ランスに出会った‥。

以前紹介した未公開作「奇人たちの晩餐会USA」(10)で、
はく製ネズミのジオラマ作りが趣味の奇人を快演していたスティーブ・カレルが、
珍しく、女を見下す、身勝手でイヤ~な性格の男で登場。憎まれキャラに挑戦かと思ったら、
介護ホームでランスに会ってからは、あっさり良い人に変わってしまいよる。
彼って、やっぱり、どこかヘンだけど、基本は良い人ってのが似合うな。

相棒アントン役は、スティーヴ・プシェミ。
「ゴーストワールド」(00)の古いレーコード・オタクが印象深かったけど、
心優しいが、ちょい気が弱くって、人生に不器用ってイメージが、役柄にナイスマッチ。
バートとケンカ別れしてから、貧困層の多い国を訪れ、慈善活動に励むってのも、なんか彼らしい。
でも、貧しい子供達へのプレゼントがマジックのネタで、
ちっとも喜ばれないところが、なんかズレてるというか勘違いしているというか。

そして、過激パフォーマンスのスティーブに、ジム・キャリー。
自分のホッペをナイフで切ってそこからトランプを出したり、赤く燃える石炭の上で一晩横たわったり、
12日間オシッコを我慢したりと、キャッチコピーどおり、彼のパフォーマンスがいちいちエゲツナイ。
でもって、笑えるというより、なんか引いてしまうわさ。
一昔前のジムっぽく、アクの強いオーバーアクトで見せてるだけに、
ウソっぽくはあるんだけど、それでもなぁ。

脇じゃ、「リトル・ミス・サンシャイン」でカレルと共演したアラン・アーキンが、元マジシャン、ランス役。
ベテランだけに、枯れた渋さで、なんか味わい深いやん。
死んだと見せかけて○○○しちゃう、お茶目なところもクスリとさせるし。

それに、僕の好きなドイツのコメディアン&監督のミヒャエル・ブリー・ヘルビヒが、
マジシャン仲間の一人、動物使いのルーシャス役で登場。
2シーンしか登場しないけど、ベンガルトラに噛まれてたり、
いつも身体のどこかに包帯巻いているってキャラだけど、
彼のドイツ・コメディでのぶっ飛びオバカ・キャラは封印されていて、
ギャグそんなに笑えないし、なんかモノ足らないわさ。
ひょっとして、本作がアメリカ進出の第1弾ってことで、とりあえずは顔を出しときまっせって感じなのかな。

あと、紅一点、バートの助手に「カウボーイ&エイリアン」のオリヴィア・ワイルド。
ホテル社長に、この前亡くなったセクシーなデブ中年、「ソプラノズ」のジェームズ・ガンドルフィーニ、
それに、ラスベガスの人気マジシャン、デヴィッド・カッパーフィールドもちらりとゲスト出演。

監督は、ゴカイ(ミミズの一種)に人間が襲われるB級ホラー「スクワーム」(76)に主演していたドン・スカーディノ。
スティーブの過激パフォーマンスのルーツも、ひょっとしたら「スクワーム」なのかも知んない。
今までテレビ映画を手がけていたみたいだけど、ま、手慣れた演出で、破綻なく映画をまとめ上げてるな。

ところで、クライマックスがバート&アントンとスティーブのマジック合戦となるんだけど、
バート達のマジック”消える観客”、あれマジックと呼んでいいんかしら?
なんか、スッキリしないんやけど。

てじな~にゃの山上兄弟のマジックのほうが、まだマシやんと思ってしまいましたわ、ほんまにね。
気になる人は見てちょうだイリュージョン!

ワーナーブラザース・ホームエンターテイメント 2014年8月6日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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