「バック・イン・クライム ~時空を超えた事件」(13年・フランス) 過去にタイムスリップした敏腕刑事が、連続猟奇殺人の阻止に挑むんだけどね‥。

バック・イン・クライム 時空を超えた事件
主人公が過去にタイムスリップするってSF風味の話は、映画向きなのか結構多いよね。
最近なら、ブルース・ウィリスとジョセフ・ゴードン・レヴィット主演の、現代の自分と過去の自分が追跡劇を繰り広げる「ルーパー」(12)が結構面白かったな。
そのテーマのもので僕が最近お気に入りなのは、イギリスのテレビシリーズだけど、「時空刑事1973 ライフ・オン・マース」(06)。
現代の刑事が事故にあい、なぜか1973年に過去にタイムスリップしてしまい、そこでヤサグレ刑事とともに事件を解決していくって話だけど、時折シュールじみた映像が差し挟まれ、主人公が本当に過去に戻ったのか、彼の脳内での幻影なのか定かでないって設定が妙に面白かったし、個性豊かな登場キャラもナイスだったわさ。

本作「バック・イン・クライム-」も、現代の腕利き刑事がタイムスリップしてしまうんだけど、こちらも「時空刑事1973-」同様、タイムマシンでってわけでもなく、なぜか過去に舞い戻ってしまうんよ。
だから、SF的な要素ってのはあまりなく、サスペンスに、フランス映画らしくラブ要素をプラスした、
ちょい味のある作品に仕上がっていて、個人的には気に入ったな。

2010年、海辺に手足を縛られた溺死体があがり、
刑事ケンプは、20年前の同様の連続猟奇殺人事件を思い出してしまう。
当時、必死の捜査にもかかわらず事件は迷宮入りし、同僚も殉死してしまったんだ。
ケンプは、現在の事件の死体の第一発見者、精神科医エレーヌと親しくなるが、
帰り道に橋の上で何者かに襲われ海に落ちてしまう。
海から上がったとき、周囲の様子に違和感を抱く。
なんと、なぜか1989年の世界に舞い戻ってしまったんだ。
そこには、若きケンプがいて、猟奇事件を捜査していた。
過去に舞い戻ったケンプは、当時の記憶を頼りに、
連続殺人を阻止し、真犯人を突きとめようとするんだが‥。

過去に舞い戻ったはいいが、捜査するには金がいる。
若きケンプの部屋に忍び込んで、その頃タンス貯金していた金を盗み(というか自分の金なんだけど)、
結果を知ってる競馬で大金をせしめ、ケンプのマンションの向かいのホテルに住まい、
望遠鏡で若きケンプを観察する。
結果を知ってる賭け事で金を稼ぐっての、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズにあったな。

ケンプは、若き自分のいる警察署に行けるわけもなく、
若きエレーヌに協力を頼むんだが、未来から来たと言って信じてもらえるわけがない。
でも、あることで、半信半疑ながらも彼女の信頼を勝ちとり、ついでに彼女のハートまで‥。

ケンプが、是が非でも事件を解決したいと躍起になったのには、
人には言えない苦い出来事が、20年前にあったせいなんだ。

過去の出来事を変えてしまうってことは、現在の状況も変わってしまうわけで、
タイムスリップを扱った作品じゃ、過去を変えてはいけないとか、
過去の自分と触れてはいけないとか、いろんなルールがあったけど、
本作じゃ、それらのルールは無視。
でも、作品を見ているあいだは、気にならない。

監督はジェルミナル・アルヴァレスって人で、詳細は不明だけど、
ネットで調べたら、短編作がある程度で、新鋭かも知れないな。
サスペンス・ムードを適度に漂わせながら、ケンプとエレーヌの互いの想いを、
歯切れ良く、ソツのない演出で見せ、ちょいロマンティックな味わいを感じさせるのもナイスでおます。
スリリングな要素はちょい希薄だけど。

それに、現代のケンプを襲ったのは誰なのかなど、アレレッ?と疑問に思うところもあるけど、
終わりよければすべて良し、エンタテイメントなんだから、楽しめればいいんだ。

ケンプ役は、「ニキータ」「ベティ・ブルー」のジャン・ユーグ・アングラード。
「ニキータ」の頃は、ちょっとひ弱でおとなしそうで、タフなイメージは欠片もなかったのに、
本作じゃ裸になったら胸板厚くてマッチョぽいし、シワを刻んだ顔だちも渋さ満々の男臭いし、
イメージが変わってしもてたわ。
1955年生まれだから、若いケンプの時は特殊メイクしているんだろうけど、
50代のケンプと30代のケンプを、動きや仕草など微妙に変えながらベテランらしく巧みに演じてるな。

エレーヌ役のメラニー・ティエリーも、2つの時代の同じ女性を好演よ。
ラストの彼女の、安堵感に満ちた表情に、見ている僕も、ホッとさせられたわ。

結局、この作品、サスペンスで色づけした、時をまたがるラブ・ファンタジーだったんだ、
と思ったのは僕だけかしらね。


竹書房 2014年11月5日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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