「ファイナル・アワーズ」(13年・オーストラリア) 地球最後の日、男は何が一番大事なことかに気付く、それは…!

ファイナル・アワーズ
劇場未公開のパニック系作品って、レンタルショップに結構並んでいるけど、たいがい大風呂敷広げたわりに、チープなSFXとありがちな展開で、ガックリクリクリ・クリックリってのが多い。
このオーストラリアのパニック映画「ファイナル・アワーズ」も、そんなに期待しちゃいなかったんだけど、去年のカンヌ映画祭出品作品だし、シッチェス国際映画祭最優秀俳優賞ってのを受賞しているらしいので、そんなにハズレじゃないだろうと思い、見てみたんよ。

で、これがなかなかの良作で、
胸にググッときてしもたんよ、ほんまに!

パニック作品って、軍隊や科学者が登場して、地球滅亡の回避策をあれやこれやと練るってな、スケールの大きなものが結構多いけど、本作は、一人の男の目を通して、地球滅亡が迫った時、自分にとって一番大事なことは何か、悔いを残さないためにどう行動したらいいのかってのに的を絞り、パーソナルな視点で描いているところが、なんか良いんだなぁ。

大規模な巨大隕石群の落下により、次々と大陸が消滅し、
その危機が、あと12時間でやってくるオーストラリア。
ジェームズは、死の恐怖から、愛した女性を置き去りにし、
最後の時間を仲間達とバカ騒ぎしようとパーティ会場へ車を走らせた。
車からは、ヤケになった人間達の狂乱の姿が次々と目に入ってきた。
彼も、そんな暴徒の一人に襲われかるが何とか逃げ切ったが、
むさい男達になぶりものにされかかった少女を見かけ、放っておけず救い出した。
その少女ローズは、はぐれた父を捜すためさまよっていたんだ。
自分じゃ面倒見切れないと妹夫婦に預けようとするがうまくいかず、
ローズを伴ってパーティ会場に乗り込むことに…。

隕石らしきものが空から落ちてくる、ちょっとぼやけ気味の映像に、
ラジオアナウンスの声やパニックに陥った人たちの声がかぶさるオープニング。
人類滅亡のタイムリミットが迫ってきたってのが冒頭で端的に見ている側に伝わり、
状況がすぐ判って、物語にすんなりと入っていけるな。

監督・脚本は、ロバート・コノリー。
多分オーストラリアの人だと思うけど、本作が長編第1作みたい。
86分と短い尺の作品だけど、死が迫った時の人々の様々な行動を手際よく描いている。
隕石の熱で苦しまないよう、自分の子供達を落下前に銃で殺してほしいとジェームズに頼み込む父親。
どうせ死ぬならヤリまくってクスリきめまくってしまおうと、乱痴気騒ぎに興じるジェームズの仲間達。
道路には、老若男女の、自殺か殺されたのか定かでない死体が至る所に横たわっている。
そんな状況の中で、ジェームズとローズが次第に心を通わせていくところも上手に見せるな。

パニック作品に付き物のSFXも、ラストのここぞと言うところでしか使わないところも、なんだか好感がもてるな。
あくまで、パニック状況での、主人公の心情を描くことが本作のポイントってところからブレないんだ。

主演は、そこそこ筋肉質のネイサン・フィリップって男優。
いきなりムチムチお尻丸出しの素っ裸で登場し、バッコンバッコン女性と交尾。
オヨヨッと思ってしまったけど、女性観客へのサービス・ショットなのかもね。
美男ってわけでもなく、正義感が強いってわけでもない、ごく平凡な主人公にハマってるな。

彼と行動を共にすることになる少女ローズに扮したアンゴーリー・ライス。
「ウォーキングwithダイナソー」に出ていたらしいけど、あどけなくて可愛いのに芯の強そうなキャラを、
とてもナチュラルに演じていて、ラストで、彼女がある決断をする姿、なんだか愛おしくなってきてしまったわ。
ファンになってしまいそう。

乱痴気パーティで、そのローズを自分の娘マンディだと言い張って、
やばいクスリを飲ませてしまう、イカレた女に扮したサラ・スナーク。
オーストラリアの俊英監督スピエリッグ兄弟の話題のSF映画「プリデスティネーション」(14)で、
男女二役を好演し、注目を浴びている女優さんだそうだけど、
半端ないイカレ具合を醸し出していて、妙に印象に残ってしまう。

しかし、この映画のクライマックス、切なくて、やるせなくて、ちょっぴりウルウルやわ~。

カルチュア・パブリッシャーズ 2015年2月20日レンタル・リリース



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Re: でも、実際の滅亡は乱痴気やる暇は無いやろうな。

春雨堂ミカエルさま、コメントをありがとうございます。

以前に生野区のお住まいだったそうで、今里界隈もよく来られていたんですね。
地下鉄・今里駅近くの新橋通商店街は今はアーケードがなくなり、葬儀施設ができたり、
マンションがどんどこできたり、昔ながらののんびりした下町風情が少ずつ失われていってるみたいです。
でも、ちょっと路地を入ると、まだ昔ながらの風情が残っているところもあり、
天気のいい日は、ぶらぶら深江橋や緑橋などまで足を伸ばして散歩しております。

私が、劇場未公開作品に特化しているのは、未公開作品ってあまり紹介される機会ってないし、
たまに、めっちゃエエやんと思える掘り出し物が見つかったりするし、
そういうのを見つけるのが好きなんですね。
劇場公開作って、いろんなブログや個人サイトで書かれることが多いし、
それは劇場で見てから書くべきだと私なりに思うんです。
それで、テレビモニターやパソコンを通してしか鑑賞できない作品を、
私のブログで積極的にとりあげてみようかなと思ったわけです。
また、私のブログをちょくちょく身にきてください。

でも、実際の滅亡は乱痴気やる暇は無いやろうな。

はじめまして。コメントを書くのは初めてですが、以前から貴blogは拝見しておりました。

 劇場未公開作品に特化しているところが良いですね。

 若い頃は生野区小路の大友商店街近くの印刷屋で働いていました。学生の頃は桃谷近くのゼネプロで溜まっておりました。
 今里界隈はけっこうよく通っていました。
プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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