「ドッペルゲンガー 凍てつく分身」(14年・ドイツ)  坊主オヤジが自分にしか見えない謎めいた男に翻弄される風変わりサスペンスでおま!

ドッペルゲンガー 凍てつく分身
日本劇場未公開作品を見続けていると、時々、なんとも妙ちきりんな作品に出会うことがある。
本作も、僕にとっちゃ、妙ちきりんなんだけど、変な味わいがある、ちょい楽しませてくれるサスペンス風味のドイツ映画だったな。
邦題に”ドッペルゲンガー”って付いてるから、主人公が自分とそっくりの姿をした分身を見てしまう話かと思っていたら、全然そうではなくって、自分にしか見えない謎めいた男に付きまとわれる話で、分身でもなんでもないんよ。
”ドッペルゲンガー”ってドイツ語だし、ユーザーの興味を引きそうな響きがあるし、ドイツ映画だから邦題ししてしまおうと、ソフト会社が、エエ加減に付けたんやろね、ほんまに。
だから、ジャケットカバーのコピー「お前は、俺か?」も中身と大違い。ミスコピーもええとこやないの!
本作は今年の2月にWOWOWで放映されたらしいけど、最近は、WOWWOW放映後にソフトリリースされる劇場未公開作品ってのが増えてきているみたい。

田舎町で、バイクの修理工場を一人で営んでる中年男エリック。
ある日、キャンピングカーの屋根にフードをすっぽり被った謎めいた男を見かける。
最初は気にも止めなかったが、その男は、エリックのそばに頻繁に現れ、付きまとうようになる。
その男は、「俺はヘンリー」と名乗り、「俺はお前の一部だ」と言った。
そして、彼の姿は他の人間には見えなかった。
幻覚が見えることに不安を覚えたエリックは医者の診察を受けるが、
その医者から、催眠術師らしき女性を紹介される。
彼女は、針灸医でもないのに、鍼(ハリ)を使って、幻覚の原因を探ろうとするが、
ヘンリーの声にうながされ、治療途中で彼は逃げ出した。
ある日、ガスパーと名乗る男が工場に現れ、
ヘンリーをツィレと呼び、「犯罪組織のボス、カイテルを殺す手伝いをしてくれ、
でなければヤツにオマエの居場所を知らせる」と言い出した。
何がなんだか分からず、混乱するエリックに、
ヘンリーは「この世界はニセモノだ」と告げるが…。

ヘンリーとは一体何者なのか?
エリックとカイテルには、どういった因縁があるのか?
そして、エリックの過去に起こった出来事とは…?

前半は、ちょいミステリアスな展開。
謎の男ヘンリーに、最初はおののくエリックだけど、
どこにでも当たり前のように現れるヘンリーに慣れていったのか、
いつの間にか、ヘンリーがそばにいることに違和感を覚えなくなってしまうのが、
なんかヘン。
ヘンと言えば、マフィアが絡んできたことに恐怖を感じ、
自分の過去を探ろうと再び催眠術師のもとを訪れ、鍼を刺してもらうんだけど、
首の後ろに刺した鍼を抜いたら、封印した過去を思い出してしまうので、
抜くときは覚悟しろと注意されるのも、解ったような解らないような。
だいいち鍼でそんなことが可能なんやろか?と思ってしまうわさ。

映像はクールでシャープ、でもってちょい端正。
演出テンポも悪くない。
ただ、ストーリー展開に、なんか無理矢理感を感じてしまうな。
エリックは、過去の記憶を心の奥底に封印したってことなんだけど、
アルツハイマーでもあるまいし、そんなに簡単に記憶を閉じこめ、
全く忘れ去ってしまうなんてことが、ありえるんやろか?
どうも、脚本段階で詰めが甘いというか。
事故で脳にダメージを受け、記憶が曖昧になったってなエピソードでもあれば納得できるんだけど。

エリックが、自分で首の後ろの鍼を抜き、
過去の出来事が彼の脳裏によみがえったところから、
映画はいきなりキレッキレのバイオレンス・アクション満々の展開に!
そして、彼は、甘い夢に浸りながら…。

監督・脚本のアキシミリアン・アーレンヴァインは、僕には全くお初の人だけど、
ラストまで引っ張りきる演出力はナイスだけど、
脚本はもちょっと練ったほうがよかったんと違う?ほんまに。
いろんな要素を盛り込もうとしたのかもしれないけどさ。

エリック役は、ドイツの演技派ボウズ・タフガイのユンゲル・フォーゲル。
そして、謎の男ヘンリー役に、「ラン・ローラ・ラン」「素粒子」に出ていた
ドイツの、これまた中堅演技派モーリッツ・ブライブトロイ。
後半で、二人の関わりの理由が明らかにされ、
「俺はオマエの一部」「この世界はニセモノ」の意味が明らかになっていくんだけど、
微妙かつ不可思議なエリックとヘンリーの共存関係を、
ベテランらしく、オーバーにならず巧妙に演じてる。
ヘンなストーリーなのに、この二人のおかげで、エンディングまで見れたんだと思うやん。

余談だけど、
エリックの恋人でシングルマザーのユリアの幼い娘リンダが、
誕生日に、小さなバイキング・ビッケのカブトを被っているシーンがあり、
ドイツの児童文学「小さなバイキング ビッケ」って
ほんまに本国じゃポピュラーなんやなと思わされたやん。
この「小さなバイキング ビッケ」は、09年にドイツで、
僕の好きな監督&俳優ミヒャエル・ブリー・ヘルビビによって劇場実写映画化され、
日本じゃDVDスルーとなったけど、これが大人が見てもすこぶる楽しめるコミカルな娯楽作。
また見てみたくなったやんかいさぁ。

プライムウェーブ 2015年6月3日リリース



にほんブログ村 映画ブログ 映画DVD・ビデオ鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク
QRコード
QRコード