「ヒックとドラゴン2」(14年・アメリカ) バイキングの青年と相棒のドラゴンが、邪悪な一味と戦う、結構深い中身のファンタジック・アドベンチャーやんかいさあ!

ヒックとドラゴン2
一作目のCGアニメ「ヒックとドラゴン」(10)が滅法面白かったので、この続編「ヒックとドラゴン2」を見ることにしたんだけど、一作目以上にダイナミックな空中バトルにハラハラ、主人公の心の成長物語としてもググッと胸にくるものがあり、僕みたいなオッサンが見ても充分楽しめるアニメだったやん。

なんでも、あの「ベイマックス」を抑えて2015年のゴールデン・グローブ賞のアニメ作品賞を受賞したらしく、海外じゃ世界37ヶ国で大ヒットしたんだそうな。
でも、日本じゃ、あえなく劇場未公開でソフト・スルー。ま、全く見ることが出来ないよりかはマシかもしれないけど。
でも、この作品は劇場の大きなスクリーンで見たかったなぁ。
ドラゴンたちの空中バトルが、とにかく迫力満々、スケール感たっぷりだし、劇場で見たら興奮しまくれるやんて思うからさ。
映像もとことん緻密で美しいしね。

本作をリリースしている会社・20世紀フォックスって、
以前このブログで紹介した、原始時代が舞台のファミリー・アドベンチャーの秀作「クルードさんちのはじめての冒険」(僕のお気に入りアニメよ)も、劇場未公開でソフトスルーだったし、どうもアニメ作品を冷遇してるみたいやないの。

ま、それはともかくこの「ヒックとドラゴン2」、
前作から5年後の話で、ヒックは20歳の青年になっている。

バイキング(人間)とドラゴンが共存する平和な島・バーク島。
羊をボールに見立てたドラゴンレースがにぎやかに開かれている中、
ヒックは、相棒のドラゴン・トゥースと共に空中散歩しながら、
新しい島を見つけ、地図に書き加えることを楽しんでいた。
そんな時、見慣れない島を発見、
後からやって来た女友達アスティと共に島に近づくと、
その島のリーダー、エレットに急にドラゴン泥棒呼ばわりされ、
ドラゴンを捕まえにかかってきた…。
なんとか逃げ切ったヒックたちだが、
今度は、ドラゴンを操る仮面を被った謎の人物が彼の前に現れた…。

今回は、一作目に登場しなかった母親ヴァルカが初登場。
バーク島の長(おさ)で父親のストイックから死んだと聞かされていた母と出会い、
戸惑いながらも、彼女からその理由を聞き、
自分も、彼女の考え方を受け継いでいるんだと気付く。
そして、ヒックを探しに後からやって来たストイックが、ヴァルカと20年ぶりに再会。そして…。
この場面、じんわりと胸に染みいるのよ。
決して単純なお子さま向けに終わらせない作品やなと、思わせられたやん。
登場キャラの心の機微が、ちょっとした表情や仕草を通して丁寧に描かれててね。

監督は、前作でも監督・脚本を担当していたディーン・デュボア。
前作じゃ、ヒックが、それまで人を襲うと恐れられていたドラゴン・トゥースと友情を育み、
人間とドラゴンが仲良く共存するまでが描かれていたけど、
今回は、ドラゴンを自分の支配下におさめようとする邪悪な男ドラゴの一味と、
あくまで共存を主張するヒックたちの対決が主軸になっている。
そして、その闘いを通して、ヒックが、自分の生き方を見つけ、
その生き方から逃げないと決意するまでが、説得力をもって描かれてる。

若い時って、誰でも、自分はこれから何をして、どう生きていこうか、迷ってしまうことがあるやん。
自分探しというかさ、それは歳くっても探し続けてしまう場合もあるけどね。

デュボア監督は、ドラゴンたちのスペクタクルなアクションを、
縦横無尽なカメラワークで見せ、アドベンチャー・スピリットをビンビンに感じさせながら、
ヒックや両親の心情も抜かりなく描写し、気持ちよい感動に浸らせてくれる。
ユーモアも忘れちゃいないし。

ドラゴも単純な悪党ではなく、暗い過去を引きずっていて、
それがヒックとは真逆の方に向いていったって設定だし、
また、何かを成し遂げようとしたら、何かが犠牲になるときもあり、
それを受け入れる覚悟を持たなきゃいけないという、人生訓みたいなことも、
押しつけがましくなくメッセージされるし、この作品、結構深いやんて思ってしまうわさ。

ヒックのドラゴン乗りの仲間たちやドラゴの手下エレットのエピソードなど、
物語に弾みをつける要素が、程良い加減で詰め込まれてるし、
ドラゴンたちも、お茶目なヤツから超巨大でどう猛なヤツまで、それぞれ個性的な造形だし、
とにかくビジュアル、ストーリー共々、娯楽アニメとしちゃ文句なしの出来でおまんにやわ。

しかし、あのメイン・キャラが、まさか、あんなことになるなんて…。
気になったら見てチョーダイ。

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2015年7月3日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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