「ババドック ~暗闇の魔物~」(14年・オーストラリア) 母子家庭を襲う”魔物”は、心の闇が生んだ妄想の産物か、はたまた現実に存在するのか!ジメッと暗くて、ほんのり不気味!

ババドック ~暗闇の魔物~
前回紹介したのがアメリカ産ホラーだったけど、今回は、オーストラリア産ホラー「ババドック ~暗闇の魔物~」。
「エクソシスト」の監督ウィリアム・フリードキンが、「この作品よりも怖い映画を見たことがない。私だけでなく見た人すべてを怖がらせるだろう。」と自身のツイッターで絶賛していたそうで、それならホラー映画好きの僕としちゃ、見ておかなくちゃとレンタルしたんよね。

なんでも、本国のオーストラリア・アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞を受賞したそうで、海外の映画祭でも話題になったんだって。
それほど世界で話題になったらしいのに、日本じゃ劇場スルーとなっちっち。

10月18日深夜には、WOWWOWプライムで放映されるみたい。

夫を事故で亡くし、介護施設で働きながら、7歳の息子サミュエルと暮らすアメリア。
夜、サミュエルは、母が本を読み聞かせてもらいながら眠るのが習慣になっていた。
やんちゃ盛りで、ちっとも言うことを聞かないサミュエルに手を焼くアメリア。
とうとう通っていた学校で問題を起こし、休学扱いとなってしまったサミュエル。
そんなサミュエルが、ある夜、アメリアの知らない絵本を取り出し、読んでほしいとせがんだ。
それは、”ババドック”というキャラクターが登場する奇妙な飛び出し絵本だった…。

予備知識なしに見たので、最初は、
サミュエルが魔物ババドックに憑(と)りつかれててしまう話かなと思っていたら、
母親のアリエルの方が、ババドックの絵本に憑りつかれてしまい、
やがて正気を失っていくというか、現実と妄想の区別がつかなくなる状態に陥り、
どんどん狂気じみていく姿を描いた作品やった。

まだ若いアメリアは、夫のいない寂しさから、夜、自慰にふけったり、
仕事帰りに、駐車場で男女のキス場面を目撃しては心が揺らいだり、
性的欲求をもてあましている節がある。
生活も、ゆとりに乏しく、贅沢らしいこともできない。
そして、何かと問題を起こしてしまう息子。

いつしか気持ちがすさんでいた彼女の夢の中にババドックが現れるんだけど、
それは、精神的に追い詰められ気味の彼女の病んだ心が生み出した妄想なのか、
それとも実在する魔物なのか…。

アメリカ映画なら、魔物の存在をはっきりと見せ、
親子がその魔物に立ち向かうという、判りやすい物語になってしまうところだけど、
本作じゃ、それがあいまいというか、はっきりと提示しない。
アメリアの心が生んだ妄想の産物かもしれないと匂わせ、
なんていうか、サイコロジカルな心理サスペンス・ホラーって感じなんよ。

監督は、本作が初監督・初脚本となるジェニファー・ケント。
彼女のことネットで調べたけど、なにせ突如出現したらしい女流監督だけに、詳細は不明。
でも、低予算ながら、オーストラリアの風土をあまり感じさせないダーク・ブルーな色調で、
鋭い切れ味の映像展開を見せ、映画的センスはなかなかのもんやと感じさせてくれるな。
あまりハッタリをきかさず、どこか不気味なニュアンスを画面に漂わせちゃてるところもナイス。

アメリアを演じたエシー・デイヴィスの演技も、作品に大いに貢献しているな。
一人息子に優しく接していたかと思うと、
ババドックに憑りつかれてからは、息子に邪険な態度をとり、はては愛犬を…。
心に闇を抱えるヒロインを、陰と陽を巧みに使い分けて、実にリアルに演じてる。
彼女の狂気に陥った演技は、生々しい怖さが滲み出ていて、ビビッてしもたわ、ほんまに。
「オーストラリア」に出ていたらしいけど、僕にとっちゃ、お初の女優さんで、
確かな演技力を持つアクターやん。

息子役ノア・ワイズマンも、お手製ボーガン(洋弓銃)を作ったり、
従妹にあんなことしたり、ちょいエキセントリックでアブナゲな少年を、これまたリアルに演じてる。

クライマックス近くで、
アレックスが7歳にして初めての誕生祝いをひらいてもらうことになるんだけど、
それまで一度も誕生祝いをしなかったのは、彼を生んだ日が、
夫が自動車事故を起こした命日だったから。

ということは、ババドックの存在というのは、やはり彼女の…。

そして思わせぶりなラスト。
ひょっとして、ババドックは…、そしてアメリアとサミュエルは…。

すっきりしないところが、妙に見ている側の心にしこりを残してしまう、
でもそれがちっとも嫌じゃない、そんな作品であ~りました。

トランスフォーマー 2015年9月4日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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