「男ゴコロはマンガ模様」(15年・アメリカ) 若くなきグラフィックノベル作家のエッチラオッチラ悩み多き日々にケ~ラケラ!

男ゴコロはマンガ模様
映画を見ていて、日本じゃ知名度はほとんどないけど、ヘンに面白くて、気になってしまう俳優に、時々出くわすことがある。
この「男ゴコロはマンガ模様」の主役を演じたジェマイン・クレメントがそのひとり。

彼を初めて見たのが、ナンセンス・コメディ「Mr.ゴールデンボール 史上最低の盗作ウォーズ」(09)。
作家志望の少年が書いた小説をパクって自作として発表する卑劣なSF作家を、微妙なニュアンスでコミカルに演じていて印象に残ったんだ。

次に見たのが、フランスのヒットコメディをアメリカでリメイクした「奇人たちの晩餐会USA」(10)。
この映画じゃ、ナルシティックなエロ・アーティストの役なんだけど、
主役を食ってしまうほどのヘンテコ極まりない変人キャラで、怪演していたな。

近作じゃ、彼が生まれたニュージーランドの快作コメディ「シェアハウス・ウィズ・バンパイア」(14)の、
拷問好きの変態バンパイア役が、オモシロがらせてくれちっち。
「シェアハウス-」は、出演者でもあるタイカ・ワイティティと共同監督・脚本も担当していて、才人ぶりを発揮。

そんなクセのある役がお得意の彼が主演するファミリー・コメディってどんなもんじゃろと興味津々見たんよ。

これが、意外や意外、幼い双子の娘がいる、ごくごく平凡な男を、
ちょいヤルセナサを滲ませながらサラリと演じていて、
こいう普通の役柄もイケルんだと思ってしまったやん。

グラフィックノベル作家ウィルは、双子の娘の誕生日に、
部屋で妻チャーリーの浮気現場を目撃してしまう。
怒ったウィルは、浮気相手ゲイリーに掴みかかるが、
逆ギレしたチャーリーが、「今の生活を愛していない」と爆弾発言。
かくして離婚とあいなり、1年が過ぎた。
今は、アートスクールでグラフィックノベルの描き方の講師をつとめる彼に、
生徒の一人カットから、自分の母に会ってみてくれないと誘われる。
気乗りしないながらも、彼女の母ダイアンと食事を共にしたウィルだったが…。

主人公がグラフィックノベル(日本ならコミック・マンガみたいなもの)作家ということで、
オープニングタイトルで、ウィルとチャーリーの出会いから現在までを
グラフィックノベル風に見せるのが、なかなか気が利いている。

監督・脚本は、僕は未見だけど「さよなら。いつかわかること」のジェームズ・C・ストラウス。
なんとも軽やかなタッチで、ムダなくテンポ良く物語を展開し、キャラ描写も丁寧。
誰だって良い部分もあればイヤな部分もある、強い部分もあれば弱い部分もある、
それが人間なんだってのを、さりげなく、ナチュラルに描ける人なんじゃないかって思わせる監督さんだ。

新しい出会いにときめきつつも、いまだ別れた妻に未練を抱え、思い悩むな主人公を、
ジェマイン・クレメントは、濃い顔立ちをメガネで穏やかチックにカバーし、神妙に演じてる。

コロンビア大学のアメリカ文学の教授であるカットの母ダイアンは、
グラフィックノベルを文学だと認めていなかったんだけど、
ウィルと出会うことにより、グラフィックノベルの奥深さを知り、
そういう作家を目指す娘の気持ちを理解するってところは、なんかいい感じ。

そんなダイアンを演じたレジーナ・ホールは、TVシリーズ「アリー・myラブ」などに出ていた女優さんだけど、
離婚経験があり、男で苦い思いをしたのか、恋愛に慎重な女性キャラにうまくハマってる。

元妻チャーリーに扮したステファニー・オラインは、
初っ端の浮気現場発覚シーンで、いきなり豊かなオッパイをボローンと出しちゃって、ちょいビックリ。
娘にチェロの練習をさせたり、教育ママっぽいところもありながら、
自分らしい生き方を求めてか、舞台女優らしきものを目指していたり、
でも、ゲイリーの子を身ごもって、彼から求婚されると、
また家庭に縛られてしまうのかと思い悩んだり、
あまり好きになれそうにないキャラを、オラインは嫌味にならず柔軟に演じ、好印象だ。

オライン以上に好印象なのが、双子の娘クリオとコレットを演じたアウンドレ&ジア・ガスビー姉妹。
とにかく、無邪気でキュートで、めっちゃカワイイんよ。
幼い二人のはしゃぐ姿を見ているだけで、ハッピーな気分になるやんかいさぁ、ウフッ!

もう一人、チャーリーの恋人、独白俳優のゲイリーを演じたマイケル・チャーナス。
デブで不細工で、チャーリーがなんでこんなブオトコと浮気し、結婚しようとしたのか?
ウィルの方が、よっぽど男前でシュッとしているのにね。
ま、蓼(たで)食う虫も好き好きってコトワザあるし、ある意味、リアリティがあると言えばそうなのかも。
そういう意味で、チャーナスがゲイリー役に選ばれたんだろうね、多分。

しかし、邦題「男ゴコロはマンガ模様」って、なんだかなぁ。
ちっともマンガ模様じゃないし、なんて思ってしまいましたわさ。

ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント 2016年4月22日リリース



にほんブログ村 映画ブログ 映画DVD・ビデオ鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク
QRコード
QRコード