「ポランスキーの欲望の館」(72年・イタリア・フランス・西ドイツ) エロティック&ナンセンスなポランスキー版・不条理コメディってか!

ポランスキーの欲望の館
この「ロマンスキーの欲望の館」は、ずっと前に95分版のビデオがリリースされたことがあったけど、今回目出度く(?)115分の完全版が4月末にリリースされたんよね。
劇場未公開作品が、それも44年も前の作品が、今頃になってHDマスターのきれいな画像でリリースされるなんて、ポランスキー・ファンをあてこんだとも思えないし、主演のシドニー・ロームのファンがいっぱいいるとも考えられないし、何でかな~?

「ローズマリーの赤ちゃん」や「チャイナタウン」で知られるロマン・ポランスキー監督は、名匠と呼ばれているけど、「吸血鬼」(66)ってコミカルなドラキュラ映画の佳作も撮ってるし、本作もコメディっぽい作品みたいなんで、僕は見てみることにしたんよね。
丁度、DISCASでレンタル可能だったしさ。

ヨーロッパをヒッチハイク中の美女が、
迷い込んだ別荘で、奇人&変人たちに出会い、奇妙な体験をするって話で、
エロティシズムと、ナンセンス、かつシュールなユーモアに彩られた、
なんともヘンテコリンなコメディだったやん。

舞台は、イタリアのリゾート地リヴィエラ。
ヒッチハイクしながら旅する若くて美しいアメリカ女性は、
乗った車の男たちにレイプされそうになり、偶然目に入った小さなゴンドラに逃げ込んだ。
着いたところは、豪奢な大別荘。
なぜか、疑われもせず、部屋をあてがわれ、ぐっすり眠ることができた。
だが、翌朝、目覚めたときから、奇妙な出来事が次々と起き、
でもって、ヘンテコリンでエロい住人達に振り回されることに…。

若くてピッチピチの美女がエッチな体験をするコメディったら、
”おしゃれエッチ”or”エッチの国のアリス”ってなうたい文句の「キャンディ」(68)を
思い出すけど、「キャンディ」は女子高生だったけど、
こちらのヒロインは20歳過ぎの熟れ頃ガール。
名無しのヒロインを演じるシドニー・ロームは、
ヘア出しヌードも披露して、大人なエロス体験を繰り広げちゃってくれる。

エッチのお相手は、マゾヒストでサディストのアレックス。
演じるはイタリアの名優マルチェロ・マストロヤンニ。
トラの毛皮で仮装し、調教チックにシドニーに鞭打たれて、ヒーヒー喜ぶかと思えば、
軍服に身を包んで、シドニーに鎖をつけて責めさいなんだり、怪演しまくりちよこ!

もうひとり、指に関節炎を患い、シドニーにコキコキと音を鳴らして聞かせ、
ついでにピアノの凄い腕前を披露するヘンなオヤジ。
演じるは、セルジオ・レオーネの「夕陽のギャングたち」や
ヴィスコンテヒの「ベニスに死す」など出ているロモロ・ヴァリ。
いきなり、ヒロインの股間に顔をうずめて登場する、これまたアブナイ・キャラ。

アレックスといがみ合ってる住人の一人モスキート役で、
ポランスキー本人も顔を出してる。

別荘で、ヒロインが、同じことを繰り返すデジャブじみた体験をしたりと、
どこか、別荘自体が、住人同様に浮世離れした異空間っぽく描かれてたり、
なんともケッタイな、でもヘンにカラッと明るい、不可思議風味な展開だな。

「吸血鬼」とは違い、コミカルさは希薄だけど、
ねじれたユーモアみたいなもんが、この作品には漂ってる。

普通なら、陽気な音楽が流れそうなところが、全編、クラシック・ミュージック。
こいうところもポランスキーぽいやん。

話が、ある意味、脈絡なく展開するので、なんじゃこの映画?と思う人もいると思うし、
ま、それゆえ、劇場未公開に終わったんかしらね。

撮影に使われた家は、本作の製作の大物プロデューサー、カルロ・ポンティの実際の別荘だそうで、
白を基調とした建物は、インテリアや家具が、いちいちめっちゃオシャレ。
壁に掛けられた絵画も、シャガールなど、本物かどうかわからないけど有名絵画が並んでる。

シドニー・ロームは、ピュアさには欠けるけど、あっけらかんとエッチしたり、
病気がちの老いぼれジイさんに、小悪魔っぽく、オッパイをどうよと見せびらかしたり、
淫靡さを微塵も感じさせず、明るいエロスを放ってる。

ちなみに、本作の原題は、「CHE?(英語・WHAT?)」。
確かに、ラストまで見たら、この映画って何?(WHAT?)と言いたくもなるわなぁ。
でも、深く考えずに、リゾート気分で気分で見たら、
それなりに楽しめる作品やんって気がしたわ。
実際、僕は、ほげほげ~と楽しめたしさ。

ところで、シドニー・ロームと言えば、マリア・シュナイダー共演した、
ルネ・クレマン監督のサスペンス「危険なめぐり逢い」(75)が印象に残ってるんだけど、
DVDソフト化はされないまま。
また見たいと思うんだけど、どこかソフト会社が出さへんやろかなぁ。

映像文化社 2016年4月28日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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