「クランプス 魔物の儀式」(15年・アメリカ) 伝説の魔物がクリスマスに子供たちを襲っちゃうダーク・ホラーファンタジーでおまんにやわ!

クランプス 魔物の儀式
もうすぐハロウィーンだけど、ハロウィーンを扱った映画に「ブライン・シンガーのトリック・オア・トリート」(08)って、DVDスルーながら良く出来た作品があって、僕のお気に入りの1本なんだけど、その作品の監督マイケル・ドハディの新作がこの「クランプス 魔物の儀式」。
なんでもアメリカじゃ初登場第2位を記録したヒット作らしいんだけど、「ブライアン・シンガーのトリック・オア・-」に続いて、今作もDVD&ブルーレイ・ソフトスルー。
ま、それはともかくドハディ作品ってことで、期待満々見たんよね。

でこれが、ドハディの前作同様、ユーモアとホラーを上手にブレンドしたダーク・ファンタジーに仕上がっていて、個人的にはなかなか満足できたやん。
少年が主人公ってこともあって、前作ほどのホラー色は薄いと思いきや、後半はホラー風味全開ってのもウレシカルカルよ!

クリスマスは、母サラの妹一家がやってきて一緒に過ごすのが恒例の少年マックスの家族。
でも、マックスは妹一家のいじわるな従姉弟(いとこ)たちとはちっともソリが合わない。
食事の席で、マックスがサンタへの願い事を書いた手紙を従姉弟に取られ、
みんなの前で読み上げられてバカにされたことから、怒りと失意で、手紙を破り捨ててしまった!
すると、翌日に豪雪が降り積もり、そのうえ停電し、家に閉じ込められた状態に…。
そして、姉のベスやいとこ達が次々と何かに襲われて姿を消していった…。

オープニングで、映画会社ユニバーサルや制作プロダクションのロゴが凍った状態で出てくるのが、
これからダーク・ファンタジーの始まりですって宣言しているみたいで、なんかムフフとさせられる。
そして続くクレジットタイトルのバックじゃ、クリスマス商戦で客が押しかけるデパート売り場の状況を、
親たちが商品を取り合ったり、混雑ぶりをちょい皮肉っぽく描写。

マイケル・ドハディ監督は、本作の脚本も書いてるけど、
マックスの父トムの母オミが普段は母国語のドイツ語(と思うんだけど)しかしゃべらなかったり、
平凡なファミリーとはどこか異質な匂いをちょこちょこ漂わせていて、
知らず知らずのうちにファンタジーの世界に誘い込んでいくようなタッチがなんか良い感じ。

マックスがサンタへの手紙を破り捨てたことで、
悪い子に罰を与えるという、ヨーロッパ中部の伝説の魔物が現れ襲ってくるってことなんだけど、
確かに、従姉弟たちはフテブテしくってイジワルで悪い子っぽいけど、
最初に襲われるのがマックスの姉ベスってのは、どうなんじゃろ?
ま、家族のことより彼氏に会うのを優先したってことはあるけどさぁ。

なんかクランプスの出現する理由が、ちょっと弱いって気もするけど、
それを補強する(?)のが、マックスの祖母オミの少女の頃の身の上話。
ここは、立体感のあるモノトーンのCGアニメで描かれ、ファンタジー色がより濃厚に。
ドハディは、元アニメーターらしいけど、その手腕をビンビンに発揮したみたい。

そして、クランプスの手下らしき人形の形のクッキーが、釘打ち機を連射したり、
ぬいぐるみのクマが凶暴な牙をむいたり、次々と家族に襲いかかってくる!

そんな魔物たちとマックスたちの攻防戦は、血こそ出ないけど、パンチが利いていて、
なかなかスリリングだし、ダークなのにポップなアクション・ホラーを見ているって感じ。
ちょっとジョー・ダンテ作品「グレムリン」を思い出したわさ。

最後に、クランプスがその姿を現すんだが、ほんとに不気味このうえない。
マックスもとうとうクランプスに捕まえられ、そして…。

ファミリー向けのホラー・ファンタジーなら、ラストはめでたしめでたしとなるところなんだが…。
ドハディさん、ニクイやんかいさぁ。

母親サラ役は、最近はママさん役ならお任せって気もするオーストラリア出身のトニ・コレット。
僕は、彼女が母国で主演した「ミュリエルの結婚」(94)が大好きなんだけど、
「リトル・ミス・サンシャイン」「ヘンリー・アンド・ザ・ファミリー」と、
どうも最近は、ママさん役で印象に残ることが多い女優さんみたい。
「シックス・センス」でも、ハーレイ・ジョエル・オスメントのママを演じていたし。
どこか普通の生活の匂いを感じさせるからかもね。

物語の肝となる祖母のオミに扮しているのは、
42年生まれのオーストリアのウィーン出身のアクトレス。
初めて見る女優さんだけど、ベテランらしい年季の入った演技で、抜群の存在感。
クランプスがヨーロッパ中部の伝説の魔物ってイメージに説得力を持たせるために、
ドハディ監督、わざわざ彼女に出演してもらったんじゃないかな。

マックス役は、「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」でジョン・ファブローの息子を
演じていた(と思うんだけど)エムジェイ・アンソニー。
主人公の割には、周りの大人たちの出番が多くて、ちょいかすみがちで、
たいして活躍もしないけど、出しゃばらず控えめに、そつなく役柄をこなしてるって感じかな。

本作は、ユニバーサル絶叫シリーズの1本としてリリースされたんだけど、
絶叫とはいかないけど、娯楽作としちゃ充分に楽しめる作品であ~りました、ほんまにね。

NBCユニバーサル 2016年10月5日レンタル&セル・リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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