「ペーパーマン」(09年・アメリカ) 売れない中年作家のイマジナリー・フレンド(空想の友達)はスーパーヒーローってか!?

ペーパーマン
洋画で、あまり知名度がなかった俳優の出演作が大ヒットしたら、ソフト業界じゃ、その俳優の過去の出演作をお蔵出しとでも言うのか、以前の出演作がリリースされるってことがよくある。
エロティック・ミステリー「氷の微笑」(92)がヒットした時も、これで一躍人気スターになったシャロン・ストーンの過去作品「シザーズ/氷の誘惑」(90)ってのが出たことがあったしさ。

この「ペーパーマン」も、7年前の作品ながら、世界的に大ヒットしたアメコミ・ムービー「デッドプール」に主演したライアン・レイノルズが、主人公のイマジナリー・フレンド(空想の友達)を演じていたおかげでソフトリリースされたんだと思うな。
ジャケットからして、レイノルズがスパーマンの安い焼き直しみたいな扮装の写真使ってるもんね。

この手のお蔵出しムービーって、ヒット作にあやかってセールスしているのが見え見えで、
作品自体はなんだかな~ってのが多いんだけど、ヒーローものって好きだし、
コメディ要素もあるようなのでレンタルしてみたんよね。

売れない作家リチャードは、
スランプ気味ながら、それを克服して2冊目の本に取り掛かるために
妻の勧めで、海辺のコテージでしばらく滞在ことにした。
一人っ子として育った彼には、
8歳の時から40年以上になるイマジナリー・フレンド、“キャプテン・エクセレント”がいて、
何かにつけ、彼に悩み事を聞いてもらっていた。
ある日、ママチャリで街に出かけたとき、地元の17歳の少女アビーに出合う。
なぜか彼女に興味を抱いたリチャードは、ベビーシッターを頼みたいともちかけ、
それから毎週金曜日に、彼女がコテージに来るようになったが…。

リチャードは、一人っ子だったゆえに、孤独感からイマジナリー・フレンドを作り出したけど、
アビーも、悲しい過去ゆえに、リチャードと同様に…。

本作、ヒーロー的要素もコミカルな要素もあまりなくって、
自分に自信が持てなかった中年男と少女の間に、奇妙な友情みたいなものが芽生え、
お互いが、今の状況から一歩前に踏み出し、生まれ変わろうとする姿を、
イマジナリー・フレンドを絡めて、穏やかに見つめたヒューマン・ドラマやった。

監督・脚本は、「この森で、天使はバスを降りた」(96)などに出ていた俳優キーラン・マローニーと
彼の奥さんミシェル・マローニー。
絶滅した鳥ヒースヘン(ニューイングランドソウゲンライチョウ )の話や折り紙の白鳥など、
“鳥”が主人公二人の心情と行動にオーバーラップするように上手に使われているな。

キーランにとっちゃ初監督となる作品のようで、映像展開にぎこちないところもあるけど、
ちょっと寒々としたロングアイランドの風景の中、ほんのりハートウォーミングなエンディングが、
なんだか、ポワポワッと気分を温かくしてくちゃうやん。

リチャードに扮しているのは、「イカとクジラ」「ブラッド・ワーク」「ジム・キャリーはMr.ダマー」と、
シリアスからコメディまで、なんでもこなすベテラン、ジェフ・ダニエルズ。
なんか頼りなげで“大人になりきれない大人”って感じを、うまく出しているな。

ジェフより強い印象なのが、アビー役のエマ・ストーン。
物語の半ばで、心の傷となった幼い頃の悲しい出来事をリチャードに話すんだけど、
「幼すぎて、未来があることを知らなかった」ってセリフ、切な過ぎるわ~。
憂いをたたえた彼女の表情、なんとも愛おしくなってくるやんかいさぁ!

そして、セールスポイントでもあるライアン・レイノルズの“キャプテン・エクセレント”。
主人公にもっと絡んでくるかと思いきや、リチャードの悩みの“聞き役”に徹していて、
「現実と向き合えるまでは付きまとってやる」と言い放って、ちょこちょこ現れよるだけ。
ヒーローの恰好なのは、リチャードが8歳のころにコミックからヒントを得て作り出した
イマジナリー・フレンドからだろうな、多分。

レイノルズより、マコーレー・カルキンの弟キーラン・カルキンのほうが、
キャラのせいもあるけど味のある良い演技してたわさ。

ところでイマジナリー・フレンドが登場する映画で思い出すのが、
フィービー・ケーツ主演のファンタジー・コメディ「私の彼は問題児(ドドンパ)」(91)。
夫に浮気された若妻が、舞い戻った実家で幼い頃に作り出した想像の友達と20年ぶりに再会するって話で、
なかなか楽しい映画だった。
DVDをもってるハズだから、探して、また見てみようっと!


ギャガ 2016年10月5日レンタル&11月2日セル・リリース



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森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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