「トマホーク ガンマンvs食人族」(15年・アメリカ) 人間描写が丁寧な、異色アクション・ホラー・ウエスタンやんかいさぁ!

トマホーク ガンマンvs食人族
タランティーノ監督の西部劇「ヘイトフル・エイト」で賞金稼ぎを演じていたカート・ラッセルが、今度は保安官に扮した、ちょっと風変わりなウエスタン・ムービーが、この「トマホーク-」。
共演が、「死霊館」シリーズのパトリック・ウィルソン、「扉をたたく人」(07)でアカデミー主演男優賞にノミネートされた名脇役リチャード・ジェンキンズとなかなか豪華なのに、劇場未公開でDVDソフトスルーとなっちっち。

知名度のある俳優が出ているのにソフトスルーになるケースといったら、作品の出来がよっぽどヒドイとか、クセの強すぎる内容で日本じゃ劇場公開しても当らないと判断されたとか、いろいろ理由はあるだろうけれど、ホラーテイスト漂うジャケットのデザインと “映画史に残る、衝撃のラスト30分!!” って思わせぶりなコピーにひかれてレンタルしてみたんよね。

で、これが何ていうか、前半は、丁寧な人間描写とリアリズムに徹した映像展開で、一昔前のアメリカン・ニューシネマのテイストを思わせるのに、クライマックスでいきなりギョギョギョッなエグイ描写連発に突入する、なんとも風変わりな、妙にオモシロイ作品だった。
じんわりと男気なんてものも感じ取れるし、古き良き西部の男たちの姿を、よりリアルに、今風にスタイルを変えて描き直そうとしたみたいな、そんな気もしたな。

アメリカの田舎町ブライトホーム。
ある夜、うさん臭い流れ者が現れ、保安官ハントは、彼の足を銃で撃ち留置所に放りこんだ。
そして、カウボーイのアーサーの妻で女医のサマンサに治療を頼んだ。
翌朝、流れ者とサマンサ、そして副保安官の青年が忽然と姿を消した。
現場に残された矢じりから、山岳に住み、人肉を喰らう習慣を持つ穴居人ではないかと推測したハント、
補佐官の老人チコリー、ガンマンのジョン、それに、
屋根から落ちて足に大けがを負っているサマンサの夫アーサーの4人で、
穴居人の棲み家に向かうこととなった…。

サマンサ達が穴居人に連れ去られたのは、流れ者(実は強奪殺人犯)が、
穴居人の聖なる墓場に足を踏み入れたせいで、その巻き添えをくってしまったんだ。

追跡行のなかで、
4人それぞれの人柄がじっくり過ぎるほどじっくりと描かれる。
用心深く、野営するときも周囲に紐をめぐらし、
怪しいと思われる者が現れたら容赦なく打ち殺すジョン。
彼の行き過ぎた行動に怒りながらも、目的続行のため怒りを抑えようとするハント。
足の傷がひどくなるばかりのアーサーは、気持ちばかりが焦り、ついつい怒りを仲間にぶつけてしまう。
穏やかで人当たりの良いチコリが、そんな険悪な空気を緩和しているというか。

監督のS・クレイグ・ザラーって人は、これが初監督らしいけど、
セリフの端々に往年の西部劇らしいニュアンスを残し、前半はあえて淡々とした展開にしたみたい。
音楽もほとんど流れないし、エンタメ的には退屈しかねないところだけど、
そこは、カート・ラッセルなどベテラン俳優の年季の入った演技でカバーされ、
クライマックスまで引っ張っていってくれるやん。
俳優たちも、それが分かっているのか、それぞれ味のある演技を見せてる。

そして、穴居人の棲み家に到着したところから、エグエグ描写のホラーチックな展開となるんだけど、
西部劇に人食い族って場違いとも思える存在が、前半のリアリズム描写のおかげで、
あまり違和感を感じさせないというか、そんな存在もアリかもしれないと思わせちゃってくれる。

ザラー監督、ちゃんとそこまで考えて(多分ね)、演出したのと違うかな。

しかし、あの描写のエグさ、マカロニウエスタンでももっとおとなしかったと思わせるエグさやった。
ま、これもリアリズムの追求で~すと言われたらそれまでだけど。

ザラーさん、脚本も書いてるけど、カート・ラッセル以下、
俳優たちにアテ書きしたみたいに、それぞれキャラにピッタリとハマってる。

チョチョイのチョイ役で、「ブレードランナー」のショーン・ヤングが、
オーラゼロのオバチャンになって登場してたやん。
「ストリート・オブ・ファイヤー」のマイケル・パレも出ているみたいだけど、
どこに出たのか全く判らんかった。

なおこの作品、ブエノスアイレス国際ファンタスティック映画祭アヴァンギャルド&ジャンル・コンペテション部門で最優秀作品賞、シッチェス映画祭・最優秀監督賞など、あまり名を聞かない映画祭で賞をいろいろ取ったみたい。
ま、それがどうしたと言われるかもしれないけどね。

2時間を超える(132分)作品だけど、見ていて意外にそんな長いって感じなかったし、
個人的には、こんな作品あってもええんと違うと思えてしまえるムービーであ~りました。ほんまにね。

トランスフォーマー 2016年12月2日レンタル&セル・リリース



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No title

こんばんは!
ちょうど観たばかりでした。
雰囲気のある、時々胃がイーッとなる
独特の映画でした。

あんな荒野、地図なしで出歩いたら
確実に迷いそう。
プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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