「DRAGON ドラゴン」(15年・ロシア) 可憐な花嫁と謎めいた青年、そして“ドラゴン”のピュアなラブ・ファンタジーやん!

DRAGONドラゴン
モンスターが登場するSF映画やファンタジー映画が好きでよく見るんだけど、CG技術で楽チンにモンスターをクリエイトできる昨今、劇場未公開のモンスター登場作品も増えているみたい。
でも、未公開作の場合、基本的に低予算の作品が多いせいか、しょぼいCGで作られたモンスターは下手くそな演出も相まって、迫力不足もいいところだし、薄っぺらくてガックリクリクリ・クリックリってのがほとんど。
話も、人間たちがそんなモンスターたちに襲われ、逃げまどい、最後は反撃に出るという、ありがちな展開。
だから、劇場未公開のモンスター登場系作品って、ここのところ避けてきたんだけど、このロシア映画「DRAGON ドラゴン」は、近くのTSUTAYAの店じゃ、ファンタジー・ジャンルでずっと上位の人気だったので、レンタル・リリースが去年の9月だったけど、ちょっと気になりレンタルしたんよ。

で、これが良い意味で予想を裏切る、なんともファンタジック&ビューティフル、
フォークロアな味付けもベリーグッドな上出来のロシアン・ムービーだったやん。

昔々の物語。
ロシア辺境の小さな国の侯爵の娘ミラは、
ドラゴン退治をした英雄の孫イーゴリの花嫁になろうという日に
いなくなったと思われていたドラゴンが突如現れ、さらわれてしまった。
そして遠い海の孤島の穴倉に閉じ込められるが、
そこで彼女と同じように囚われの身だという謎めいた青年に出合う。
なんとか穴倉から脱出したミラは、青年の行動に怪しさを感じ取り、
彼から逃げようとして、崖から真っ逆さまに落ちてしまう。
だが、青年がとっさに飛び降り、人間からドラゴンの姿となって…。

真の姿はドラゴンだが、人間になりたいと願う青年。
そんな彼に、最初は恐怖を覚え、孤島からの脱出を必死に試みるミラが、
徐々に青年と心を通わせ、彼に“夢”という意味のアルマンと名前を与えるなど、
2人が親密になっていく様子が丁寧に描かれてるな。

舞台が孤島に移ってからは、
青年=ドラゴンとミラの二人だけの話になるんだけど、
ミラを演じるアリョーナ・チェーホフの可憐にしてキュートな魅力と、
柔軟な演出センスでちっともダレることはない。

監督は、アメリカ映画界に進出し「ウォンテッド」などを撮った「ナイト・ウォッチ」の
ティムール・ベクマンベトフの作品に携わったインダル・ドジェンドゥバヴ。
タイの伝統的な影絵チックなもので英雄のドラゴン退治の様を見せたり、
どこか民話風なニュアンスを漂わせながら、ドラゴンや奇抜な孤島の景観など、
CG映像のレベルも高く、すんなりとファンジーの世界にいざなってくれるやん。
ロシアの民族衣装も美しいし、どこか牧歌的でロマンティックな音楽もグッド・グッドよ。

最初は、ドラゴンvs乙女のバトル・ムービーかと思っていたら、
「美女と野獣」チックなピュアなラブ・ストーリー。
女性に触れると、ドラゴンの性(さが)から逃れることができず、
愛しはじめたサラを襲い殺してしまいそうと悩むアルマン。
そんな彼を心から愛しく思うミラは、彼の気持ちを察し、
一人小舟に乗って孤島から離れていく。
そして、無事、国に戻ったミラは、再度イーゴリと結婚式をあげようとするが…。

人間は、愛する人には花を贈るのが普通とか、
アルマンがミラを喜ばせようと夜空に花火を打ち上げたり、
オッサンが見るには、少々こっつ恥ずかしいような場面もあるけど、
不思議に、すんなりとヒロインに感情移入してしまうし、
心地よいエンディングには、めっちゃ心が和んでしもたわぁ。

ミラ役のアリョーナさんは、
ロシア国内でも人気上昇中の女優だそうだけど、
見た目が可憐なのに少々勝ち気で、自分の運命を自分で切り開いていくヒロインを、
存在感たっぷりに演じ、現代感覚もあり、作品にちょいモダンな味わいをプラスしているかな。
だから、いにしえの民話風ファンタジーなのに、あまり古臭いって印象はないな。
ファンになってしもたわ。彼女の出演作、他にあるなら見たいやんかいさぁ。
ドラゴンの化身・アルマン役も、
ニューヨークで一流誌のモデル経験もあるマドヴェイ・ルィコヴってのも、
モダン風味に貢献してるやん。

ただ、ちょっと残念に思ったのが、
アルマンの孤島でのお友達、アライグマとネズミを掛け合わせたようなミニ・モンスターが、
添え物的で、主人公たちにあまり絡まず、
せっかく登場させたのにもったいないやんと思ったこと。
これがアメリカ映画、とくにディズニー映画なら、もう少し目立つ活躍をさせて、
物語に弾みをつけるところだけどね。

いずれにしろ、モンスターであるドラゴン系作品の異色ラブ・ファンタジーとしちゃ、
充分楽しめる作品であ~りました、ほんまに。

KANの歌じゃないけど、最後に愛勝つのよねぇ~。


インターフィルム 2016年9月2日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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