「ウォー・ドッグス」(16年・アメリカ) 若者二人が武器売買で大儲け!だけど、良いことばかりは続かないのよねぇ!

ウォー・ドッグス
実話を基にした映画って結構あるけど、この「ウォー・ドッグス」も武器ディーラーの実話をベースにした物語。
監督が、ヒットコメディ「ハングオーバー」シリーズのトッド・フィリップスだし、ジャケットにもクライム・アクション・コメディと銘打っているし、出演が「スーパーバッド 童貞ウォーズ」のジョナ・ヒルだし、ギャグたっぷりのコミカルな作品と思って見たんよね。

ところがどっこい笑いの欠片もない、シリアスで、ちょいシビアな実録ドラマだった。
フィリップス監督が、コメディ以外の作品も作れまっせと、コメディ専門のイメージから脱却したかったのかどうか判らないけど、なかなか興味深い作品に仕上がっていて、僕個人としちゃ楽しめたな。

時は、イラク戦争の真っ只中。
マイアミ・ビーチで暮らす20代前半のデイビッドは、
金持ち相手の出張マッサージで細々と生計をたてていた。
だが、同棲中の恋人イズが妊娠し、今後の生活に不安いっぱいのデイビッド。
ある日、知り合いの葬式で、幼馴染エフレムと久しぶりに再開。
彼から、国防総省(ペンタゴン)のネット入札による武器売買の仕事を持ちかけられ、
デイビッドは彼のパートナーとなる。
初めは、取引も小さかったが、武器輸送トラブルを解決するために戦地に赴き、
命からがら陸軍に無事に武器を届けたことから信用が深まり、扱う取引の額も増えていった。
エフレムの会社も大きくなり、リッチな暮らしを手に入れたデイビッドだったが、
アフガニスタンの軍隊と300万ドルの大型取引を結んだところから、
雲行きが次第に怪しくなっていく…。

タイトルの「ウォー・ドッグス」は原題「WAR DOGS」のまんまで、
「戦場も知らず、戦争で稼ぐクズ」を意味するらしいけど、
ジョナ・ヒル演じるエフレムは、金のことしか頭にないホンマに銭ゲバでクズな青年。
デイビッドに対しても親友と言いながら、心の底じゃ、
そんなことちっとも思っておらず、平気で裏切りよるしねぇ。
そんな男を、ヒルは憎々しも、どこか人間臭さを漂わせリアルに演じて見せる。

デイビッド役は、「セッション」で注目されたマイルズ・テラーだけど、
エフレムに振り回されながらも、彼を親友として信頼し、
300万ドルの大型取引でヤバイ状況に陥ったとき、
大金に目がくらんだのか、躊躇せずに国防総省をダマす行動をとってしまうところなど、
人間の持つ心の弱さとモロさを、実にナチュラルに演じて見せ、なんか共感させられるなぁ。
僕だって、そうしたかもって思わせられてねぇ。

伝説の武器商人ヘンリー・ジラード役に、「ハングオーバー」のブラッドリー・クーパー。
ちょいミステリアスで危険な匂いを放ちながらも、ラストでデイビッドと互いの家族の話をするなど、
これまた、ほのかに人間臭い。

大金に目のくらんだ20代の若者の成功と挫折をシニカルに見つめた作品ともいえるけど、
あんまりお金に執着したらダメよダメダメ、ダメなのよ~、
それも国家を欺くような行為はダメ、絶対ダメって教訓も含まれているような、
そんな気がする作品だったな。

フィリップス監督の演出は、テンポ良く手際良く、上手にまとめ上げているって感じ。
アフガンでのトラックによる武器輸送や、寒々としたロシアでの武器の梱包のすり替えなど、
サスペンスフルとまではいかないけど、生々しさみたいなものが漂ってて、ちょいハラハラさせるし。

イズ役は、「ノック・ノック」のアナ・デ・アルマス。
出番は少ないけど、目鼻立ちのクッキリとした美人で、なかなか魅力的だった。
「ブレードランナー2049」に出演しているらしいけど、レプリカントに扮するのかな。
ちょっぴり気になるやんかいさぁ。

いずれにしろ、この映画、アメリカでヒットしたとも聞かないし、
フィリップス監督、シニカル路線は止めて、コメディ路線に戻るんじゃなかろうか。
「ウォー・ドッグス」が、決してつまらない作品ってわけじゃないんだけどね。


ワーナーブラザース・ホームエンターテインメント 2017年6月21日リリース



にほんブログ村 映画ブログ 映画DVD・ビデオ鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク
QRコード
QRコード