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「ブラザーズ・ブルーム」(08年・米) 詐欺師兄弟のターゲットは心寂しい富豪女!

ブラザーズ・ブルーム

TSUTAYAじゃ、<日本劇場未公開作品(またはわずかな館数で公開)の良質作品を、独占レンタルでご紹介!>のうたい文句で、「ワケあってオススメ TSUTAYA ROADSHOW」ってのをやっている。
どういう基準で、誰がオススメ作品を選んでいるのか判らないけど、
それなりに知名度のあるキャストやアメリカで話題になった(らしい)作品を選んでいるみたい。
でも、「ワケあって」って言葉が、「どんなワケやねん?」と理由があいまいで、なんか引っかかるやけどね~。

ま、とにかく、その中の一本が、この「ブラザーズ・ブルーム」。
出演が、「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディ、「ナイロビの蜂」でアカデミー助演女優賞とったレイチェル・ワイズ、「ゾディアック」のマーク・ラファロ、それに「バベル」の菊池凛子と充実しているし、
監督のライアン・ジョンソンは「BRICK ブリック」で注目されたらしい人なので、見てみることにしたんだ。

兄スティーブンと弟ブルームの詐欺師兄弟。
子供の頃から詐欺を続けてきた二人だけど、ブルームは嘘で固めた生活に嫌気がさし、
兄と別れ、新しい人生を始めようとするが、兄の仲間バンバンに居場所がばれ、
「これが最後」と約束し、天涯孤独な金持ち女ペネロペに近づいていくが…。

冒頭に、いけすかない里親のもとで暮らす幼い頃の兄弟が、
いかにして詐欺に手を染めたかがサラリと描かれるんだけど、
その最初の詐欺ってのが、洞穴に妖精がいるのを見つけたから、
見せてあげるから案内料ちょうだいとクラス仲間から金をせしめる、なんともカワイイ詐欺。

子供時代の描写が、ちょいのどかで、なかなか良い感じだし、
大人になった二人のドラマ展開に期待させられてしまったんだけどね…。

そして20年後、唐突に男に銃を向けられるブルーム。
男が発砲し、ブルームが死んだことになったら、詐欺成功ってことらしいんだけど、
これがどんな詐欺なのか、見ていて全く判らない。
おそらく、後で説明があるんやろと見ていても、全然なし。
なんかモヤモヤ~感が頭の中を覆ってしまうやおまへんけ。

中盤で、詐欺仲間に加わったペネロペが、祈祷書を盗む場面があるけど、
すぐに警察に捕まるんだが、なぜか、あっさりと解放される。
警部と知り合いなのか、大金持ちだからのか、これまた解放の理由が全く説明されず、
解放されたから何の問題もないでしょう、と物語はどんどこ進む。
見ていて、なんか置いてけぼりをくらった感じよ。

他にも、後半でスティーブンが誰かに襲われ監禁されるんだけど、それが誰かも見せないし、
映画のあちこちに、謎というか、不可解な部分がありすぎるやおまへんけ。

監督は、脚本も担当しているらしいけど、
演出タッチは、ちょいホノボノ、ポップでオフビートな笑いもさりげなく挿入したり、
センスは悪くないと思うんだけど、ストーリーが不親切過ぎるというか、監督のひとりよがりで、
見ている者の想像におまかせねと、突き放されてしまったというか…。
こんな脚本で、ようプロデューサーがOKしたなと考えてしまう。

ひょっとしたら、プロデューサーに見せたシナリオは、もっと説明が書き込まれていたのに、
それを現場の撮影段階か編集段階で、監督がカットしていったんかいな?
それなら試写を見て、プロデューサーが怒って、分かりやすく編集しなおすとかしたらええのにね。

いずれにしろ、
単に、僕が頭が悪くて、理解力にかけているのか?と、不安な気持ちにさえさせられてしまうわさ。

分かる人には分かるんだろか?

プラハ、メキシコ、ニュージャージーと主人公達が世界のあちこちに行くんで、
もうストーリーを追うのを途中であきらめて、もっぱらナイスな風景などロケーションを楽しむことにした。

そして、ワケあってのワケって、この不親切さやったんやなと気付かされてしまったのであります。

思えば、エイドリアン、レイチェル、マークの演技も、どう演じれば良いのか戸惑っているようで、
つかみどころがないような、あいまいな感じだし。

ただ1人、菊池凛子だけは、最初から、謎めいた、あいまいで不思議ちゃんっぽい設定のキャラだったから、
逆に、映画の中で妙に存在感があったというか…。
その、彼女も、最後は、あの爆破でどうなったか、これまた、あいまいなんだけど。

脇で、ハリー・ポッター・シリーズのロビー・コルトレーンや、
兄弟の師匠役に、名優マクシミリアン・シェルなんかが出ているけど、なんかもったいないな~って感じ。

ペネロペが、孤独を紛らわすために、いろんな趣味に手を染めてるシーンとか、
ピンホール・カメラのエピソードとか、オモシロイ部分もあるんだけど、
結局、僕としちゃ、残念な映画やったな~ってことになってしまいましたわさ。

映画の中のセリフに「この世に筋書きのない人生はない。ひどい筋書きだけだ」
なかなか良い言葉なんだけど、これは、監督の脚本がそうやないけ!ほんまに…。

カルチュア・パブリッシャーズ 2010年2月5日リリース



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私があまり知らない映画が多いのでおもしろいです。
またちょくちょく拝見させていただきます。
プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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