「ウィッチ・アンド・ドラゴン~秘密が見える少女~」(15年・デンマーク) 不思議な力を持った少女が王国の陰謀に巻き込まれるキュートなファンタジー・アドベンチャーやん!

ウィッチ・アンド・ドラゴン~秘密が見える少女~
「ハリー・ポッター」シリーズのヒット以来、劇場未公開のファンタジー系映画のソフトが次から次とリリースされるようになったけど、安っぽいCGに安っぽい役者、それに安っぽいストーリーと安さ満々の作品が結構多くて、この手のジャンルは好きなのでよく見るんだけど、げんなりすることがしょっちゅう。
このデンマーク映画「ウィッチ・アンド・ドラゴン…」も、最初は見るのをためらったんだけど、本国で「イントゥ・ザ・ウッズ」を抑えて公開初週間第1位のヒットを放ち、デンマーク・アカデミー賞5部門(脚色賞・衣装賞・作品賞・VFX賞・他)をゲットしたと知り、それなら映画の出来に期待してもええんとちゃうと思い見ることにしたんよ。
なんでも、デンマークを代表する女流ファンタージー作家、リーネ・コーバーベルの原作を映画化したもので、日本でも早川書房から翻訳本が出ていたらしい。

で、これが実に丁寧な作りの作品で、なかなか楽しめたやん。
人の秘密が見えてしまう不思議な力を持つ少女が、王国の陰謀に巻き込まれ、大変な目に会うという物語なんだけど、健気な主人公を演じるレベッカ・エミリー・サトラップが、そんなに美人じゃないんだけど芯の強さみたいなものを全身から発散してい魅力たっぷり、物語に説得力があるんだ。
主人公が10歳の少女だからって、安易にお子様向けにしていないところも好感が持てたしね。

遠い昔、ドゥンアーク王国の領主や彼の妻子が何者かに殺される事件が起き、
領主の後継者ニコディマスが血の付いた刃を持っていたことから容疑者として捕えられた。
ニコディマスの容疑を裏付け自白させるため、司法長官は、
相手の目を見ることで、その相手が秘密にしておきたい心の奥にある恥や罪悪感を暴く
特別な力“恥あかし”を持つ女性マルシナを呼び、二コディマスの心を読み取ろうとした。
母マルシナが城へ向かった後、兄や妹と留守番をしていた娘ディナのもとに
城の代官ドラカンがやって来た。
母がお前を呼んでいるから一緒に来なさいと言われ、彼女はドラカンと共に城に向かった。
城に着くと、ドラカンはニコディマスの心を読み取ってほしいと彼女を牢に連れて行った。
実は、ディナも母の力を受け継いでいたのだ。
母がニコディマスを先に読み取っていたのに、なぜ私が同じことをしなければならないのか、
疑問に感じるディナだったが…。

特別な能力を授かったばかりに、邪悪な陰謀に巻き込まれてしまう少女の冒険ドラマを
キレの良い演出でテンポ良く見せてくれる。
相手の心を読み取れる能力ゆえに周囲の人間から敬遠され、
友達を作ることも叶わない自分に腹立たしさを覚えていたディナが、
母の窮地を救うために、疎ましく思っていた自分の能力を使おうと決心し、
傷つきながらも真っ直ぐに突き進む姿をビビッドに描写。
ディナを取り巻く人間達、ニコディマスや彼女が街で知り合った少女ローサなども、
過不足なく描かれるし、デンマークの大自然の風景や衣装や美術&装飾など、
細部に至るまで中世のファンタジー世界を手抜きなく映像に塗りこめているのもナイス。
安っぽさが微塵もないし、スコーンと物語に入り込めちゃうんだ。

ただ、96分に収めるためにディナをメインに物語を展開させようとしたため、
登場キャラによっては描写が不足気味のところもあるけど、そんなには気にならない、かな?

また、邦題にドラゴンが付いてるけど、ドラゴンはほんのちょびっと登場するだけで、
それもオオトカゲみたいな造形で、ディナに噛みつくぐらいだし、ちっとも迫力がないんよ。
原作はどうか知らないが、多分原作でもそんなに登場しないんだろうな。

とにかく主人公のディナに、レベッカ・エミリー・サトラップがピッタリコン。
彼女、目ヂカラがあるとういか、目に強さが宿っているって感じ。
おそらく、それゆえにヒロインに選ばれたんだろうけど、
期待に応えようと精一杯頑張ってるって気がしたな。

彼女と共に悪者と戦うニコディマスを演じたヤーコブ・オフテブロは、
ノルウェー出身で「獣は月夜に夢を見る」などに出ていた俳優だけど、
やさ男風情のわりには、そこそこ活躍をしよる。
でも、おいしい見せ場はレベッカに持っていかれてしまうけど。

代官ドラカン役は、デンマーク生まれのピーター・プラウボルグ(Peter Plaugborg)。
陰謀の親玉で、母と共に国を乗っ取ろうと企み、ドラゴンの血を飲んで強くなろうとするワルを、
ちょい爬虫類を思わせるヌメリとした風情で冷ややかに演じてる。

ドラカンに従う戦闘隊長にソーレン・マリン。
デンマークのテレビドラマ「THE KILLING/キリング」の出演していた強面の男優だけど、
ワルに見えていたのが、ディナによって心を読まれ、彼女に協力することになる隊長を、
ちょい渋めに演じてる。

映画は、続編が作られそうな終わり方をしていたけど、
案の定、本国のヒットも手伝って続編制作が決定し、今年(2018年)公開されるんだとか。
日本でリリースされたら、またレベッカちゃんに会ってたいやんかいさいぁ。


彩プロ/竹書房 2018年1月3日リリース



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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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