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「国家の密謀」(09年・フランス) 勝ち気でタフな女刑事ノラにグッと来ちゃいましたわさ!

国家の密謀

ぎっくり腰をわずらってしまった。
コタツで横になってDVDで映画を見ていて、
見終わって、さあ起きあがろうとした時、
腰に鋭い痛みが走り、全く起きあがれなかったのよ。
整骨医で治療してもらって、今は普段通りの生活ができるようになったけど、最初の頃は、前屈みができないから靴下をはくのにも一苦労でおましたわ。
しかし、歳をとると、いろいろ体に故障がでてくるもんや、ほんまに。
ってことで、更新がちょい遅れてしまいました。

今回、紹介するのは、フレンチ・ポリティカル・スリラー「国家の密謀」。
監督は、エリック・ヴァレット。
彼が監督した作品に、異色の密室ホラー「マレフィク 呪われた監獄」(03)ってのがあり、古い牢獄に収監された4人の囚人が、壁から魔術の呪文が書かれた日記帳をみつけたことから恐ろしい目に遭うって話だけど、風変わりなオモシロサがあって気に入っていたんだ。
彼、「着信あり」のリメイク版「ワン・ミス・コール」(07)でハリウッド進出を果たしたけど、あんまり良い評判を聞かないので、「ワン・ミス-」は見逃しちゃってる。
アメリカでもヒットしなかったのか、フランス本国で、しこしこ映画を撮り続けてるみたい。

物語は、アフリカ・コンゴへの武器を積んだ飛行機が爆破されるところから始まる。
その武器は、フランス政府の大統領顧問ボルナンが、秘密裏にコンゴの政府反乱軍へ送ったものだったが、
何者かが、その情報をコンゴ政府に伝えていたらしい。
国家による武器密輸が発覚すれば、現大統領は窮地に立たされてしまう。
ボルナンの愛人マドが取り仕切っている、要人たちに悦楽を提供する組織のコールガールのひとりが、
情報を手に入れ、愛人のカメラマンと共に金にしようとしていたと知り、
ボルナンは、元情報局員フェルナンデスを使って、情報元を探らせる。
だが、フェルナンデスは、コールガールから話を聞く前に彼女を誤って殺してしまい、
ボルナンに知られたらまずいとカメラマンも殺してしまう。
コールガール殺人事件を担当するっことになったアラブ系の新任女刑事ノラは、
捜査していくなかで、政府の密謀の核心に近づいていくが…。

政治がらみのスリラーで、スケールの大きくなりそうな物語だけど、
登場人物が多いけど、ボルナン、フェルナンデス、ノラの3人に焦点を当て、
3人それぞれの心情や行動をキッチリ描くことで、見やすく分かりやすい物語に仕上げているな。
ヴァレット監督の演出タッチも、どこかフィルムノワールのムードを醸しつつ、
タイトでシャープ、でもって人間臭い部分も抜かりなく、
100分弱の映画なのに、具がたっぷり詰まった肉まんを味わっているって感じかな。

後半、ノラがフェルナンデスを追いかけ、夜の町中を突っ走るシーンがあるけど、
疾走感&ハラハラ感満々、編集の手際も良いんだろうけど、
ヴァレットのアクション演出のセンスもかなりなもんだ。

ジャケット解説を読むと、実話に基づいているそうで、
原作は、ドミニク・マノッティが書いた「われらの汚職時代」(01)。
しかし、実話だとしたら、フィクションそこのけの展開に、なんかコワクなってきてしまうわさ。

メインの3人の中で、僕がいちばん惹かれたのが、女刑事ノラ。
一本気で勝ち気で、キタナイやり方が大嫌いなノラ。
嫌みな上司ボンフィスと共に捜査にあたるんだけど、
イヤな上司と思いつつ、少しずつ彼から信頼を得られ、なんとかやっていけると思った矢先、
自分の身勝手な行動から、えらいことに。
ノラに扮しているのは、「女はみんな生きている」(01)で、
確かコールガールを演じていたラシダ・ブラクニって女優さん。
スレンダーなエスニック・フェース、動きもシャープで、勝ち気な刑事にナイスマッチよ。
瞳に、ちょい憂いっぽいものが漂ってるのもベリーナイス。
芯が強いけど、自分のせいでボンフィスを失い、犯人を捕まえた時、
護送する車の中で、ボンフィスが好きだったフレンチ・ポップスをわざと彼に聞かせるところは、
上司への彼女なりの弔い方だって思われ、ちょいグッときたな。
有能なのを見込まれ、政府情報局に誘われても、
情報局のキタナイやり方に反発し、情報局上司を退職に持ち込んでしまうのも、ええ感じやんかいさぁ。
ラシダのファンになってしもたわ。
他に、彼女の出演作って、日本でリリースされてるやろか。

フェルナンデス役は、以前紹介した「アサシンズ 暗殺者」(09)で、
クリストファー・ランバートの相棒を演じていたサル顔のティエリー・フレモン。
マドにコールガール殺害を知られてしまい、ボルナンの行動をリークをするよう強要され、
にっちもさっちも行かない状況に追い込まれてしまい、思いあまってマド殺害を企てよる。
フレモンが演じると、なんか人間くささが滲み、非情なのに、どこかマヌケな感じがグッドやん。

ボルナン役は、フランスのベテラン、アンドレ・デュソリエ。
いかにも政府の顧問って、大物な役柄にふさわしい渋さビンビン。
信頼する者に裏切られ、大統領からも見捨てられ、状況がどんどん悪い方に転がっていった時、
ある決断を下すけど、デュソリエが演じると、物語に説得力が生まれるな。

ところで、本作をリリースしたソフト会社オンリー・ハーツ。
ヨーロッパ系の作品を中心に、リリース頑張ってるけど、
社の方針なのか、映画は字幕のみ。
日本語吹き替えを入れると制作費がかかるってのもあるかもしれないけど、
個人的には、吹き替えも入れて欲しいなぁと思ってしまう。

オンリー・ハーツ 2011年1月28日リリース



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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

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The return og Ringo

この映画で流れてくる曲はイタリア映画「続荒野の一ドル銀貨」の主題歌です。フレンチ・ポップスではありませんので、ご注意を。エンドクレジットにもちゃんとエンニオ・モリコーネの名前が出てました。

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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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