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「奇人たちの晩餐会USA」(10年) 出世を願うサラリーマンが、善良だけどアホな変人に振り回されてドツボにハマっちよ!

奇人たちの晩餐会USA

フリーランサーの仕事ゆえ、確定申告の準備で何かとバタバタしてしまって、ついついブログの更新が遅れてしまいましたわさ。
しかし、昨今の不景気、フリーランサーの仕事って減る一方で、ほんま辛いやんかいさぁ。

さて、この「奇人たちの晩餐会USA」、
前回に続き、主演はまたもやスティーブ・カレル。
彼のキャラなら、てっきり奇人のために窮地に追い込まれてしまうサラリーマンのほうやろと思っていたら、奇人の方。
カレルって、僕が見た作品じゃ、いつも受け身的立場というか、
周囲に振り回される役柄が多かったし、ちょい情けなさそうな顔立ちがそれに似合ってた。
だから、彼が他人を翻弄する役って、上手くこなせるんやろかと、不安少々で見ましたわさ。

この映画、フレンチコメディの快作「奇人たちの晩餐会」(98)のリメイク作だけど、
もともとは、「奇人たちの-」の監督フランシス・ヴェヴェールが作・演出した舞台劇で、
日本でも、陣内孝則主演で上演されたそうなんよ。
映画はヨーロッパじゃ大ヒットし、早速ハリウッドがリメイク権を買い取り、
ダスティン・ホフマン主演で2000年に公開する予定だったとか。
それが、理由は分からないけど10年も寝かされ、カレル主演でやっとハリウッド版が完成したってワケね。

僕は、フランス版は日本公開時に見ていたんだけど、
アホな人間が、アホを笑い飛ばす人間をドツボにはめ、考えをあらためさせるっていう、
コミカルだけど、ちょいシニカルな要素もある、実にオモシロイ映画だった記憶がある。
なにせ10年以上前に見ただけに、忘れていることも多いけど、
アホな男に扮した、デブのジャック・ヴィデルの好演ぶりだけは覚えている。
善良だけどバカな主人公を、人間味を滲ませながら、ひょうひょうと演じていたんだ。
僕の好きなフランス映画「クリクリのいた夏」(99)でも、
主人公の相棒の、人は良いけどノロマな男の役でいい味出してたな。

そんなヴィデルが演じた役を、カレルがどう演じるか?
これが、以外にナイス・マッチングでおましたわ。

不良債権を扱う投資会社に勤めるティムは、
社内会議で、ヨーロッパの金持ちを顧客にするアイデアが社長に気に入られ、出世のチャンスを掴む。
でも出世するには、社長主催の晩餐会に、最高のアホを招待しろと言われてしまう。
アホな人間を集めては、彼らを笑い飛ばすのが、社長の楽しみだったんだ。悪趣味やね。
そこで、ティムが偶然見つけ出したのが、はく製のネズミでジオラマを作る変人バリー。
彼を招待する約束をしたが、それを同居する恋人ジュリーに話すと、
そんな悪趣味な会に出るティムが許せないと、怒って部屋を飛び出してしまう。
そんな時、日を勘違いしたバリーがティムの部屋にやって来た。
そして、バリーの常識外れの行動に、ティムの立場がどんどこヤバイ状況に陥っていく…。

バリーの趣味である、はく製ネズミのジオラマ作り。
オープニングタイトルで、ジオラマ制作過程が懇切丁寧に見せてくれてるんだけど、
これが実にカラフルでメルヘンチック。
恋人同士のネズミがチーズの小舟に乗っていたり、フラフープで遊んでいたり
ほっこりユーモラスで、めっちゃ愛らしいんよ。
まだバリーが画面に現れず、ネズミは、彼が町で見つけた死骸であるってことも説明されていないから、
間違って、ディズニーのお子さま向け映画を借りてしまったんやろかと、
別の意味で不安にかられてしまいましたわさ。

そして、本筋に入り、ティムが車を運転中に、飛び出してきたバリーを轢きそうになる場面へと続く。
バリーが飛び出した理由が、ネズミの死骸を見つけて拾おうとしたからだと話し、
手作りの、ピカソやダヴィンチの名画をネズミのジオラマで再現した作品を自慢げに見せるのよ。
スタッフが映画用に作ったんだろうけど、ジオラマが出てくると、
ストーリーそっちのけど、そちらの方に興味がいってしまう。
ついつい一時停止して、停止画をじっくり見てしまいましたわさ。
ジオラマの出来が良すぎるんよね。
ネズミのジオラマだけ集めた写真集が欲しいくらいだ。

ま、それはともかく、カレルは、薄茶色の短い髪型に眼鏡をかけ、アノラックを着こんだ、
いかにもモッサイやんて雰囲気ビンビン、変人テイストを全身から醸し出しまくってる。
そして、ティムの部屋でムチャクチャやらかしよる。
ティムを何年も追いかけ回してるストーカー女ダーラとネットで勝手に交信して、部屋に呼び寄せてしまったり、
ティムの恋人ジュリーをダーラと勘違いして、余計に怒らしてしまったり、
でもって、押し掛けてきたダーラが、イカレタ色情狂で暴れまくるし、もうワヤクチャでござりますがな。
迷惑至極の常識外れのキャラも、ちゃんと出来るんや、カレルさん。

ティム役は、「40歳の童貞男」でカレルと共演していたポール・ラッド。
クセのない顔立ちで、オロオロ・ヘナヘナ、頭かかえっぱなしの役柄にハマってる。
でも、印象はいまいち弱いかな。

なにせ、脇に強力なキャラが何人も控えているんだもん。

筆頭は、「ハングオーバー」で奇行しまくりちよこのデブ、ザック・ガリフィアナンス。
国税局に勤めるバリーの上司で、相手の思考を操れるマインドコントロールの力があるとほざくサーマン役で、
晩餐会じゃ、彼も登場し、カレルとアホな超能力(?)合戦を繰り広げよる。
お次は、ジュリーが働く画廊で個展を開いていたアーティスト、キーラン役のジャメイン・クレメント。
前にブログで紹介した「Mr.ゴールデン・ボール 史上最低の盗作ウォーズ」で、
主人公の小説を盗作してしまう人気作家を、イヤミな中に微妙なコミカルさを漂わせて演じていたけど、
今回は、セクシーでエロい、ナルシスティックな変人じみたスケベ・アーティストを、しかめっ面で怪演よ。
上半身裸で、カモシカの角を頭につけ、腰からカモシカの脚のヌイグルミを着用して現れたり、
バリー以上にヘンテコリンなキャラね!
そして、これまたエロエロなダーラ役のルーシー・パンチ。
その名のごとく、パンチのある、弾けまくった快演ぶりよ。
イギリスの女優さんらしく、「ホットファズ」に出ていたそうで、
長身でプロポーション抜群、でもフェースは、ちょいヘチャムクレ気味。
そのせいか、イヤラシサというか下品さがなく、カラッと明るくて、作品を陽気に盛り上げてる。
ティムが、スポンサー夫妻との昼食会に、ジュリーに去られて一人で行った時、
気を利かした(?)バリーが、ダーラをジュリーの身代わりに呼び寄せ、
ダーラが、ティムに無理矢理求婚させようとするところは、ほんま笑ったわ。

ストーリーは、アメリカらしい脚色がなされているようで、
シニカルな要素は薄く、ほのぼのとした結末が用意されているけど、
USA版は、USA版なりに、個性豊かなコミカル俳優を登場させて、
充分楽しめる作品になってるなと思うわさ。
役者達の演技を見ているだけで楽しいもん。

監督は、ジェイ・ローチ。
「ミート・ザ・ピアレンツ」シリーズや「オースティン・パワーズ」シリーズの監督だけど、
役者達に思う存分、個性を発揮させ、それをうまくまとめ上げてるみたい。

カレル、お次はどんなキャラを見せるのか。
期待してまっせ。

そうだ、オープニング・タイトルに流れる曲、
ビートルズの「フール・オン・ザ・ヒル」が使われてたな。
ベタな使い方だけど、この曲、やっぱ名曲だわさぁ。


角川書店 2011年2月18日リリース



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ジャンル : 映画

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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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