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ミヒャエル・ブリー・ベルビヒ(ドイツ)

国民の8人に1人が見たというドイツ映画史の上で、戦後最大のヒットとなったウエスタン・コメディ「マニトの靴(DVD題名・荒野のマニト)」(01)の、製作・監督・脚本・主演をこなしたマルチ・タレント、ミヒャル・ブリー・ベルビヒ。
1968年生まれだから、彼が33歳の時だ。

ここしばらく、ヨーロッパ系のコメディって、ほとんど日本公開されなかったけど、「マニトの靴」は、本国の大ヒットの勢いをかってか、日本でも劇場公開された。でも、全くヒットしなかったみたい。
ま、馴染みのない役者ばかりだしね~。
「マニトの靴」って日本題名も、どんなジャンルの作品か判りにくいというか、ちっとも興味をそそらないわさ。日本でヒットさせる気があるんかいなと思ってしまう。

「マニトの靴」(DVDタイトル「荒野のマニト」)

アパッチのアバハチと、彼と義兄弟の誓いをしたレインジャーが、アバハチの双子の兄でオカマのヴィネタッチや幼なじみの美女ウシー等と共に、アホな冒険を繰り広げるナンセンス・ウエスタン。
90分弱の作品だが、すっとぼけたオバカ・ギャグが、テンポよく詰め込まれ、スラプスティックなドタバタ・アクションに、ミュージカル・シーンまで登場。
毒っ気ゼロで、とにかくノーテンキこのうえないんだけど、
見終わったら後、なんか楽しい気分に浸れるんだ。

ストーリーは脱線することなくスムーズに進み、ギャグも物語からはみ出すことはない。だから散漫な展開にはならず、物語としてのまとまりがとても良いんだ。
おそらく、ベルビヒは、脚本の段階でかなり練ったんだろう。
ストーリーを逸脱するようなギャグは一切入れないというか、ストーリーに沿ってギャグを考えていったんだ。
男同士の友情みたいなもんも、さりげなく描かれ、ちょい胸が熱くなるかな~。

いかにもアメリカの西部劇で流れるような勇壮な音楽を随所に流し、これぞ西部劇の荒野らいしい風景を描き込もうとしていて、物語のバックグラウンドには結構気を遣っているというか丁寧だ。
そうすることで、ナンセンスなギャグが、より際だつんでおます。

下ネタ系のギャグも、ライトなセリフとアクションでサラリと見せるのも、良い感じ。
オカマの兄ヴィネタッチのオネエ系ギャグは、ちょいベタ過ぎるやんけと思ったけど。

ベルビヒさん、昔から映画界への進出が念願だったようで、様々な娯楽映画を勉強しているみたいで、「マッケンナの黄金」「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」他、ヒット映画の名場面を、ギャグからませて上手に取り込んでいる。

俳優としてのベルビヒも、どこか人なつっこくて、お茶目で、なかなか好感が持てる。

「マニトの靴」に続いて、今度はSF映画にチャレンジした、「スタート・レック(宇宙大作戦)」のパロディとも言える「ドリームシップ エピソード1/2」(04年)も、日本でちゃんと劇場された。
これまた、日本でヒットしたって話は聞こえてこないけど。
映画業界の誰かが、メッチャ彼に肩入れしてるんやろか。

ドリームシップ1/2

今回も、ヘルビヒは制作・監督・脚本・主演をこなしてる。
役名は、オカマのバルカン星人スパック。(ヒネリのなさ過ぎる名前やないけ)
共演は、「マニトの靴」のレンジャー役クリスチャン・トラミッツが、これまたオカマチックなコーク艦長。それに「スター・ウォーズ」のレイア姫もどきのメタファや、宇宙タクシーの運ちゃんに「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」のティル・シュバイガーが加わり、4人が地球の危機を救うため未来から現代にタイムスリップして、冒険を繰り広げるナンセンスSFコメディ。

「スター・トレック」のパロディって書いたけど、取り上げた作品を茶化すんじゃなく、ヘルビビ独自のオリジナルな要素をプラスし、その作品への敬意というか愛情みたいなもんも、ちょい感じさせてくれるのがナイス。
「マニトの靴」でも、西部劇への愛情を感じられたし。

自分が好きなジャンルの映画に対するオマージュを出発点に、作品作りをしているのかも知れないな。

今回の「ドリームシップ-」も、物語のバックグラウンドに気を遣っているというか、丁寧に作り込んでいて、SFXやセットにたっぷり制作費をかけている。
これは、ヘルビヒ監督の、映画作りのモットーなんだろね。
登場人物達のやってることと言ったら、とことんナンセンスでばかばかしいのに。
ドリームシップ号の形が、タマタマとオチンチンの形とお下品なのに、丁寧なCGIでみせられると、妙に感心させられてしまう。

映画の出来は、僕個人としちゃ、「マニトの靴」ほど笑いが弾けているって気はしなかったけど、それでも十分楽しい楽しい作品で、ラストのオチもベリーナイスでおまんにやわ。
「マニトの靴」同様、ミュージカル場面もあるし。
普通のソファーにしか見えないタイムマシーンとか、小道具も笑わしよるし。

ところで、「マニトの靴」でも、ラスト・クレジットの後で、おまけシーンとして、ヴィネタッチが「オカマが好きな男と結婚できない世の中はおかしい…」とかブツブツつぶやきながら、荒野に消えていくけど、「ドリームシップ-」でもオカマ・キャラ。
ヘルビビ自身、オネエ系のゲイなんだろか。
それとも、一昔前の藤井隆みたいにキャラとしてオカマを演じているだけなんだろか。
ま、どっちでも良いことだけど。

彼の新しい監督作は、日本でも出版されている児童小説「小さなバイキング ビッケ」の映画化作品。
この映画のドイツのホームページを見たけど、セットが懲りまくっていて、SFXもあり、もちろんヘルビビ風ギャグも、それなりに盛り込まれているみたい。
今度も、日本で劇場公開されるんだろうかしらね?

最近は、アメリカで大ヒットしたコメディでも、日本じゃ劇場公開見送りで、ほとんどDVDスルーでしかリリースされないし、ましてやドイツのコメディったらな~!
児童小説なら、別かな?

「ドリームシップ1/2」のスペシャルページが、まだネットに残っていたので、
そこのベルビヒ・プロフィールを要約して紹介

●ミヒャエル・ブリー・ベルビビ
1968年ドイツ生まれ。
1992年、ラジオのモーニングショー「」ランゲマンと朝のクルー」でキャリアをスタート。
ラジオ・コメディ「バイエルン・コップス」が800シリーズを越える人気となる。
1997年、ラジオからテレビへ進出。
ベルビヒ原案・出演・監督の「ブリーパレード」が第大人気となり、コメディ番組の権威ある賞ゴールデン・ローズ・オブ・モントレックスにノミネート。
ラジオ番組「ブリーのレイト・ライト・ショー」がドイツのラジオ史上初の全国放送となる。
2000年「エルカン&シュテファン」で劇場映画・監督デビュー。

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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

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プロフィール

森晴樹

Author:森晴樹
大阪市東成区大今里生まれ。大阪市内を転々とし、いつのまにか僕が生まれた町、大今里に舞い戻ってきてしまいました。
情報誌、PR誌の編集・原稿執筆を経て、現在はフリーライター。クロスワード他、クイズ製作もこなしとります。趣味は、DVDで映画鑑賞。

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